ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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斗真「始まったねぇ、HuGっと」
菖「そうだな」
ゆり「そうね」
つぼみ「はい!」
斗真「働くお母さんと育児……なぜだろうね、俺、現代日本で一番解決しないといけない問題を扱っているような気がしてならんよ」
菖、ゆり、つぼみ「「「それを言っちゃあ/言ったらおしまいよ/だめよ/だめですよ!」」」

いや、ほんと最近の世の中どうなってんのかね?
ネグレクトは当たり前のように横行しているし、子どもを叱れない、かといって叱ると文句を言ってくる。
挙句の果ては「泣き止まないから」って暴行……あれ?現代日本終わった方がいいんじゃね?
HuGっと!が親御さんや大きいお友達に少しでもいい影響を与えてくれることを祈ります


世界をつなぐ虹色の花~EP.3:すごろくの世界で大暴れ?これがイエローチームの底力!!~

すごろくの世界に飛ばされ、すごろくで遊ぶことを強要されている黄色チームプラスアルファとセイバーたち。

ろくに策を練る暇もないまま、レモネードが無邪気にも再びサイコロを振ってしまったために、今度はボーリングをやるはめになった。

とはいえ、さきほどのもぐらたたき同様、やはりインチキなわけで。

「……ピン、でかい……」

セイバーが呆然とつぶやくと、ピンが割れて、中からデザトリアンやウザイナーたちが出てきた。

さすがに、二度目ともなると、普段は穏やかなセイバーも堪忍袋の緒が限界突破してしまうわけで。

「……其は堅牢なる大地、彩るは咲き誇る花……」

ぶつぶつと何かを呟いた。

その瞬間、セイバーの体は黄色の光につつまれていった。

光が収まると、エターニアハートではなく、巨大な手甲をまとった姿のセイバーが現れた。

早咲きの大地(ハクディム・ガリア)

古代語の祝詞を口にすると同時に、セイバーは地面を蹴って、デザトリアンたちとの距離を詰め、拳を振りあげた。

「だらっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

怒号とともに、セイバーは振りあげた拳を振り下ろした。

その瞬間、オールスターズメンバーでもかなりの怪力の持ち主であるミルキィローズに匹敵するほどの衝撃が巻き起こった。

「要するに、こいつら全員倒せばいいんだろ……だったら、いちいちちまちま相手にしてられっか!一気にやってやらぁっ!!」

「そういうことなら!!プリキュア!ファイヤーストライク!!」

「よーしっ!サンシャインフラッシュ!!」

「プリキュア!プリズムチェーン!!」

いつもは穏やかなセイバーが繰り出した猛攻を皮切りに、次々と必殺技を繰り出していき、ついに、九本のピン()を倒していった。

「これで九体!」

「さっさと終わらせて、みんなを迎えにいきましょ……って、あら?」

パッションが今まで倒したピンの数をカウントし、ミルキィローズがはっきりと宣言すると、ローズは自分の足元に小さすぎるザケンナーがいることに気づき、そっと足払いした。

その瞬間、チビザケンナーの姿が消えた。

「これで十体」

ムーンライトがそう呟くと、プリキュアたちとセイバーは光につつまれ、その場から消えた。

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だが、それでもやはりすごろくのステージに戻されてしまった。

抵抗するならば、その心が折れるまで、とことん付き合う、というトイマジンと男爵のコピーの決意表明なのだろう。

そう受け取ったプリキュアとセイバーたちは。

「こうなったら!とことんまでやってやるわ!!」

「……めんどくさい……かまってやるからかかってこいっ!!」

ルージュとセイバーのダブルツッコミが同時に入り、野球対決へと入りこんだ。

だが、ほとんどのメンバーがホームランを決めて、圧倒的な点数差で勝利を収めた。

その先も、さらなる試練が待ち構えていたのだが。

「お菓子作り対決!」

「カラオケ対決!」

「ダンス対決!」

「武道対決!」

「お勉強対決!」

次々にプリキュアたちの得意な課題にさしかかり、難なくクリアされてしまった。

とはいえ。

「土器修復対決!割れた土器を元通りに直せたらクリアだよ」

要するに立体パズルのようなものなのだが、ここにいる(・・・・・)プリキュア(・・・・・)たちは(・・・)、誰も土器の修復などという根気のいる作業は経験したことがなかった。

そのため、誰がいくか、戸惑い、迷っていたが。

「……ったく、情けない……これくらい、ルミナスとレモネードはともかく、ムーンライトはできるだろうが」

と、ガリガリと苛立たし気に頭をかきむしりながら、セイバーが前に進み出た。

とはいえ、さすがにムーンライトでも、今回のステージには自信がないらしく。

「……こればかりはあなたに任せるわ。セイバー」

とムーンライトも半ば当たり前のようにセイバーに投げた。

バトンを投げ渡されたセイバーは、やれやれと頭をかきながら、回答者の席に座った。

「先に正しく土器を直せた方が勝ちだよ~?」

その瞬間、トイマジンがひくひくと頬を引きつらせるような笑みを浮かべながら、競技説明をし、スタートの合図を出した。

その瞬間、セイバーは土器の欠片に集中し、動きを見せなかった。

その間にも、呼び出されたザケンナーがてきぱきと土器の修復に取り掛かっていたが、途中で行き詰まり、ああでもない、こうでもない、と悩み始めた。

その瞬間、セイバーの手が動いた。

雄叫びを上げるわけでもなく、ただただ黙々と、それこそ、誰の忠告も助言も必要ないといわんばかりの勢いで、土器を修復していき。

「……土器修復対決……って、なんでさっ?!」

五分とかからないうちに、それこそ、某空の盗賊団の女首領の名セリフ、「四十秒で支度しなっ!」、を余裕で上回る速度で土器を修復させた。

出てきた課題が土器修復であったことに対してなのか、ツッコミながら叫ぶセイバーであったが、途中からどれがどこに当てはまるものなかのわからなくなったザケンナーが頭を抱えながら消滅し、その空間から脱出した。

もとのすごろくのステージに戻されたプリキュアとセイバーであったが、もうそろそろゴールに到達できるというところまできた。

「よっしゃ!セイバーの協力もあって、すんなりここまで行けたよ!!」

「このままゴールを目指すだけね!!」

「見てください!あと六マスでゴールです!!」

と、感激の声を上げ、ゴールを指さすメンバーがいる一方で。

「……ま、そう簡単に行かせちゃくれないんだろうけどな」

「そうね」

セイバーとムーンライトだけが、トイマジンとサラマンダー男爵のしつこさに理解を示しているようなセリフを口にした。

実際問題、彼女たちの目の前にはサラマンダー男爵とトイマジンが姿を現していた。

どうやら、とことんまで妨害することに決めたようだ。

その証拠に。

「もうサイコロは振らせないもんね~!」

トイマジンの手にはいままでレモネードが振っていたサイコロがあった。

それを見たローズは、ずるい、と叫んでいたが、そんなことは聞く耳もつはずもなく、トイマジンと男爵は容赦なく攻撃をしかけてきた。

「くっ……要はサイコロを振って、ゴールにいくことができればいいのだけれど」

「数秒、あいつを止められたら……」

トイマジンとサラマンダー男爵の猛攻を受けながら、どうにか打開策を見いだそうとムーンライトとサンシャインが話をしていると、ルミナスは妙案を思い付いたらしく。

「その役、わたしに任せてください!いいこと思いつきました!!」

「何をしようとしてるかは知らないが!!」

「させないぞっ!!」

ルミナスが策を実行しようとした瞬間、男爵とトイマジンは同時に動きだし、ルミナスに向かっていった。

当然、ルミナスの邪魔をさせるほど、プリキュアもセイバーも甘くはなく。

「させるかっ!!」

「「ルミナスの邪魔はさせないっ!」」

向かってきた男爵とトイマジンを思い切り吹き飛ばした。

すると、トイマジンが持っていたサイコロがポロリとプリキュアたちの止まっているマス目に落ちてきた。

それと同時に。

「ルミナス!ハーティエル・アンクション!!」

ルミナスは吹き飛んでいった二人の進行方向に、七色の光の壁を作り上げた。

当然、二人は壁に激突し、マス目に落ちた。

「な、なんだ?!体が動かない!!」

「これ、一回休み、でどうでしょうか?」

動けずに困惑しているトイマジンをよそに、ルミナスが苦笑を浮かべながらそう問いかけてきた。

「なるほど!!」

「すごいわ、ルミナス!!」

と、ルミナスを褒めたたえる声が響いてきた。

だが当然、トイマジンはそれに反論してくるわけで。

「コラー!待てー!!ずるいぞ!!」

と叫んでいたのだが、セイバーとローズが同時に反論した。

「いや、先にずるしたあんたに言われたかない」

「それに、わたしたちは(・・・・・・)ずるしてないわよ!」

「な、なにっ?!」

「いや、だってそこ、一回休みのマスだし」

セイバーとローズがそう言いながら二人が止まっているマスを指さした。

そこにはたしかに、一回休みの文字が記されていた。

驚愕する二人をよそに、レモネードがサイコロを手に取り、思いっきり振った。

サイコロは空中を舞い、やがてマス目に落ちると、見事、六の出目を出した。

『やったっ!ゴール!!』

「よしっ!!」

「な、なにぃーーーーーっ?!」

三者三様の声を上げながら、すごろくの世界に金色の光があふれ、その場にいた全員が姿を消した。


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