ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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タイトルの通り、本編(ってわけではないですが)では初登場になります。
ぶっちゃけるとケン○ジャキです(苦笑
設定としては、私が別サイトで掲載しているこちらの作品の設定を参照頂ければ↓
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10403030

ちなみに、今回は菖とありす以外のドキドキ組だけの登場ですので悪しからず。

では本編どうぞ



顔合わせ回~真琴の義兄~

その日、菖は四葉財閥が所有するテレビ局に来ていた。

普通ならあまり来ることはないのだが、今回、そのテレビ局で歴史、特に考古学関係の特集番組が行われることになっており、特別コメンテータとして菖の両親が出演することになっているためだった。

そのことを知っていたありすが、菖に気を利かせてテレビ局に招待したのだ。

 

「やれやれ、ほんとに……ありすのこういうところには驚かされるよ」

 

ぽつりとそう呟きながらも、やはり長く顔を見ていない両親に会えることを嬉しく思っているのだろうか。若干、頬が緩んでいた。

そんな菖の背後から、聞き覚えのある元気な声が聞こえてきた。

 

「あれ、菖さん?」

「ほんとだ」

「「菖お兄様/お兄ちゃん!!」」

「ん……ぐはっ??!!」

 

突然、背後からタックルされ、その衝撃で吹き飛びそうになるのをこらえて、菖は背後を振り向き、若干、顔をゆがめながら片手をあげた。

 

「あぁ、マナと六花。それに亜久里とレジーナか……レジーナ、ナイスタックルだが背後からはやめてくれ」

「えへへ、ごめんなさ~い」

「もう!レジーナ!!いきなり殿方に飛びつくなんて、レディにあるまじき行為ですわよ!!」

 

突然、、菖にタックルを仕掛けてきたのは悪戯娘のレジーナだった。

普段は黒いドレスのような服を着ているのだが、今日はピンクのシャツにジーンズとスカートを合わせているようだ。

 

「ねね、菖お兄ちゃん!今日のあたしの恰好、どうかな?」

「いいんじゃないか?」

「ですよね!ですよね!!もう可愛くてキュンキュンが止まらないです!!」

「マナ、あなたは少し落ち着きなさい」

 

ありきたりではあるがそんな感想を口にした瞬間、マナが突然、そんな感想を口にした。

その興奮ぶりに、六花(ストッパー)が思わずツッコミをいれていたのだが。

ちなみに、ありすの姿がないことに気づいた菖は、ありすはどうしたのか問いかけると、仕事で残念ながら来ることが出来なかった、とマナが答えた。

 

閑話休題(それはともかく)

 

それで、と菖はマナたちに問いかけた。

 

「マナたちは真琴の応援か?」

「はい!」

「真琴が新曲のMVを撮るから見に来てほしいって」

「珍しいな、真琴がそんなこと言うなんて」

 

少し驚いたように、菖はつぶやいた。実際、真琴はコンサート以外で仕事場に誰かを招待するということはまずない。

ナイーブになっていた頃に、ありすが気を利かせて現場の立ち入りを許可したことはあったが、真琴自身から来てほしいと頼んだことは、ただの一度もなかった。

裏を返せば、今回はいの一番にマナたちに聞いてほしいということなのだろうが。

 

「そっか……まぁ、俺はCD買うから、別にいいかな」

「え~!菖お兄ちゃんも一緒に見ようよ!!」

「レジーナ!菖さんはご両親にお会いするんですから、邪魔したらだめですわ!!」

 

菖に甘えてくるレジーナに対し、亜久里は腕を組みながら っていた。

が、双子の妹の言葉を聞き入れるほど、レジーナは大人ではない。

さてどうしたものか、と困惑していると、一人の青年が声をかけてきた。

 

「おーい、そろそろ真琴の撮影、始まるぞ」

「あ、一真さん!」

「わかりました、すぐ行きます!」

 

マナと六花は顔なじみらしく、青年にそう返した。

 

「あ、そうだ!一真さん、紹介しますね。この人は春川菖さん!わたしたちの友達の先輩です!菖さん、こちら剣崎一真さん。まこぴーの義理のお兄さんです!!」

「てことは、孤児院の?」

「まぁ、そんなとこかな……剣崎一真だ、よろしく」

「菖です。こちらこそ」

 

一真から差し出された手を握った。

その瞬間、菖は何かの違和感を覚えた。

 

「……ん?」

「どうした?」

「あぁ、いや……何も」

 

一真の問いかけにそう返し、菖は何もなかったかのように答え、手を離した。

だが、胸に残る違和感はまだ残っていたらしく、菖の表情は少しばかり困惑しているように思えた。

 

「それじゃ、俺たちはこれで。ほら、マナちゃん、みんな、行くよ」

「あ、はい!それじゃ菖さん、またあとで!!」

「じゃーね、菖お兄ちゃん!!」

「あぁ、あとでな」

 

そう言って、マナとレジーナたちは一真に案内され、真琴が収録を行っているスタジオへむかった。

その背中を見送りながら、菖は、先ほど一真に触れたときの感覚を思い出していた。

 

――目を見たときもそうだったけど……あの人、なんで妖に近い気配をしてるんだろう……

 

それは見鬼の才を持っているからこそ、わかるものだった。

なぜか、一真からは妖や霊のそれに近いものを感じ取っていたのだ。

 

――悪い人じゃないことはわかるんだけど……まぁ、こればかりは様子を見るしかないか

 

いますぐどうこうするような問題でもないし、まして、一真は真琴の義理の兄であり、家族も同然だ。

妹分の家族を、人間ではないから、と言って傷つけることはしたくない。

何より、人に危害を加えないのであれば、たとえどんな存在であっても共存できると信じているからこそ、一真と戦うという選択肢は持ち合わせていなかった。

だからこそ、しばらくは見守ることに決めた。

 

「……あ、そろそろ行かないとだ」

 

そうこうしているうちに、時間を浪費してしまったらしい。

菖は急ぎ、両親が収録を行っているスタジオへと向かうのだった。




あとがき代わりのおまけ

~義兄の前では……~
真琴「義兄さん!」(ぎゅむっ
一真「おっと!まったく、いつまで経っても甘えん坊だな、真琴は」
真琴「だって義兄さん、あったかくて気持ちいんだもん♪」
マナ「ま、まこぴーがすごく一真さんに甘えてる……」
六花「世のファンが見たら卒倒するわね……」
亜久里「マナも卒倒しそうな感じですが……」

~新曲~
真琴「風にめくられたcard!占うように、笑う……迷わない、はずもない……それでも!明日を探せ!!」

マナ「おぉ!な、なんか今度の新曲はカッコよさ全開になってる!!」
六花「イメージがガラッと変わるわね……」
亜久里「ですが、真琴さんにはぴったりですわ」

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