ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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タイトルの通り
まぁ、結構、適当だったのであれですが……
次回以降にプリキュアハンターの話、書いていけるかなぁ、とか思ってたりしてます

まぁ、それはともかく、本編どうぞ

ちなみに、ももかをはじめ菖とゆりの親友たちは「正体を明かしたときに妖精の存在も一緒に説明した」ということにしてます


再会の約束。さよなら、アリス!

キュアコンチネンタルが自分の正体を明かした翌日から、つぼみたちのアリスに対する態度が少しだけ変わった。

悪い方向に、ではない。

むしろ、今まで以上に仲良くなっていた。

それは、菖たちの正体を知っている明たちにも言えた。

つぼみ、えりか、いつきと同じクラスに所属している、ということもあって、それなりに交流はあったのだが、より積極的に関わるようになり、放課後には一緒に遊びに行ったり、勉強を見てやったりしている光景が目撃されるようになっていた。

 

そんな、穏やかな日々も、もうすぐ終わりを迎えようとしていた。

 

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二週間、という時間はあっという間に過ぎていき、いよいよ、アリスがイギリスへ帰国する日が二日後に迫っていた。

 

「明日には、アリスは帰国してしまうんですね……」

「なんか、ちょっと寂しいね」

「仕方ないよ、決まっていたことなんだもの」

「Year……わたしもチョト悲しいデス」

 

いつもの温室で、いつものように放課後ティータイムを楽しんでいたつぼみたちだったが、やはり、友達との別れを悲しまないことなどできなかった。

つぼみたちは、一度、大切な友達であるシプレ(妖精)たちと別れなければならないことがあった。

あの時と違って、縁があればまた出会うことはできるかもしれない。だが、アリスは海を隔てた遠くの国に住んでいる。

気軽に会いに行くことなど、できるはずもない。

もっとも。

 

「……例外がここに一人いるのだけれどもね」

「あぁ……まぁ、否定はしないけど」

「What's?どゆコトデス??」

「菖はね、時々海外の大学に考古学の講義を聴講に行くのよ」

「Wao!!とゆことは、U.Kにも?」

「俺の師匠がいるからね、一年に二回くらいは行ってるんじゃないかな?」

 

実際のところはよく覚えていないようだ。

なお、菖が海外へ向かう頻度はユグドセイバーになってから月に一回となっている。

それ以前は、一年に二回、行くか行かないかだったのだが、こころの大樹と契約を結び、ある程度の位置であればテレポートすることができるとわかってから、その頻度が増えたのだ。

とはいえ、出入国の手続きを一切していないため、あまり公的機関からの恩恵は受けられないのだが。

もっとも、アリスにはそんなことは関係ないらしく。

 

「とゆことは、また会うことができるてコトデスネ?」

「まぁ、そうなるかな?」

 

苦笑しながら、菖はアリスに返した。

一方のアリスは、少なくとも、つぼみたち全員とまではいかなくとも、少なくとも、日本で友達となった人と再会できることを知り、目を輝かせていた。

なお、その目の輝きを、憧れの人にはすぐに会うことができることを理解したから、と勘違いしたつぼみとゆりは。

 

「「……………」」

 

……………作者(ナレーター)にかみつきかねないほど不機嫌になっていた、ということだけ、記しておこう。

 

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二日後。

とうとう、アリスが二本を発つ日がやってきた。

空港には、引率教員を伴っているアリスのほかに、つぼみたちファッション部のメンバーと、菖たち高校生組が見送りに来ていた。

 

「アリス、向こうでも元気でね!」

「時々、お手紙ください!」

「いつでも待ってるから、また遊びに来てね!」

 

別れを惜しむように、中学生組はアリスを抱きしめていた。

アリスもまた、目に涙を浮かべながらうなずいていた。

 

「ま、せんせーならまたすぐに会いに行くだろうけどな」

「せんせーいうな。てか、いきなりイギリスには行かんさね」

「まぁ、そりゃそうだ」

「菖の場合、向こうに行ったとしても、まず大学のほうに行きそうだもんな」

「……否定できない」

「いや、しろよ!!」

 

明のからかいから始まった一連の流れに、アリスだけでなく、抱き着いていた中学生組も笑みを浮かべた。

なお、高校生組の女性陣は。

 

「まったく……」

「あははは……」

「まぁ、それがせんせーだから」

「そうだね」

 

呆れたり苦笑を浮かべたり微笑んだりと、様々な反応を示していた。

やがて、アリスが搭乗する予定の飛行機の準備が整い、搭乗開始のアナウンスが響いてきた。

 

「それでは、ミナサン。また会いまショウ」

「えぇ、いつかまた、ね」

「うん」

「はい!また会いましょう!!」

「こんどはあたしらがそっちに行くからね!」

「またいつか」

 

泣きそうになりながらも笑顔を浮かべ、別れを告げるアリスに、つぼみたちはそう返し、小さくなっていくアリスの背中を見送った。




あとがき代わりのその後の話

~一週間後、植物園にて~
えりか「うぅ~……英単語が頭の中をぐるぐる……」
つぼみ「え、えりか、頑張ってください」
ゆり「どうしたのよ?いったい」
ももか「アリスちゃんから手紙が来たから、返事を書こうとしたんだけど……」
菖「英語ができないから辞書片手に必死になって返事書いたはいいけど、脳みその容量を超えちゃったか?」
いつき「みたいです……」
えりか「……でも、あたし、英語の勉強、頑張るよ!」
コフレ「えりか、珍しくやる気ですっ!」
ゆり「まぁ、海外に友達がいるんだもの。辞書を使わなくても手紙が書けるようになりたいわよね?」
菖「それに、あっちに行くって約束したしな?」
えりか「だから、頑張るっしゅ!!」
つぼみ「わたしも頑張ります!」
いつき「僕も!」
ももか「……なんか、まぶしいわね……」
菖「これが青春?」
コロン「あはははは……」

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