ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
まぁ、それはそれとして、ワンドロなので、あまりクオリティは高くないと思いますが、そこはご了承いただければ
今回は戦闘ありません
次回は……あるかな?
とりあえず、本編どうぞ
……あぁ、そうそう。ハピネスチャージ組を登場させるかどうかっていう質問があったんですが、モブキュアとテンダーは登場させます
ラブリーたちは登場させませんが、セリフの中で出したりする予定です
それと、英語の表記あるんですが、もし間違ってる表現あったら言ってください、直します
――幻影帝国。
それは、とある王国に伝わる
その女王、クイーン・ミラージュを筆頭に、ホッシーワ、ナマケルダ、オレスキーの三人を幹部とする集団だ。
その日、ナマケルダは『
「……ナマケルダ、プリキュアがいないはずの土地での度重なる失態。これはどういうことだ?」
「はっ……プリキュアがいない、と思っていたのですが、実は吾輩が赴いた地にもプリキュアと、あの小娘たちと戦う戦士がおりまして……いやはや、まさに面倒なことになりましたぞ」
「
ナマケルダの報告に茶々を入れるように、一人の女の声が響いた。
声がした方へ視線を向けると、そこには青い縦巻きロールの髪をした、いかにも貴婦人でございというような女性が座っていた。
「ホッシーワ……ふんっ!戦っていないものはなんとでもいえますぞ!!あのものたち、ぴかりヶ丘にいる小娘どもよりも数段、いや、それ以上の強さでしたからな!!」
「あら?それなら、今度はわたしが行っちゃうわよ~?どーせ、見かけ倒し……ぱぱっと終わらせてやるわ♪」
「……好きにしろ」
ホッシーワ、と呼ばれた女性がそう宣言すると、クイーン・ミラージュはそれだけ言い残し、目を閉じた。
どうやら、これ以上は何も聞くつもりも話すつもりもないようだ。
それを悟ると、ホッシーワは瞬間移動で姿を消し、ナマケルダは。
「さ~て、吾輩は怠けさせていただきますぞ~」
と呟き、その場から消えた。
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同時刻の希望ヶ花市、明堂学園中等部三年生のクラスは、少しばかり浮足立っていた。
なぜなら。
「三週間だけだけど、外国から留学生が来るんだって!!」
「どこの国の、どんな子かなぁ?」
「日本語、通じるといいんだけど……」
一週間だけ、海外から留学生が来る、ということになったためだった。
欧州と違い、完全に島国になっているため、滅多に海外へ出ることがない日本の学生たちにとって、同年代の外国の子と接することができる機会はそうそうない。
まして、留学生となると学校側が特別にカリキュラムを組まない限り、滅多にあることではない。そのため、どんな子が来るのか、仲良くできるか、など、いまからワクワクとドキドキが止まらなくなってしまっていたようだ。
それは、来海家について行ってファッションショーに参加したことがあるつぼみとえりか、いつきも同じらしく。
「どんな子が来るのかなぁ……」
「き、緊張しますけど、ちょっと楽しみです!」
「……まさかと思うけど、オリヴィエ、なんてこと、ないよね?」
目を輝かせているつぼみの横で、えりかは苦笑を浮かべながらそうつぶやいた。
オリヴィエとは、四百年前、心の大樹に初めて選ばれたプリキュア、キュアアンジェによって封印された砂漠の使徒、サラマンダー男爵の養子で、つぼみたちの弟的存在だ。
今は世界各地を男爵とともに転々としており、どこにいるのかはわからない。
時々、知人がいる大学の講義を目的に海外旅行をすることがある菖ですら、滅多に会うことはないらしい。
もっとも、男爵の携帯番号を知っているらしく、時々、連絡を取り合っているようだが。
そうこうしているうちに、教室に担任の鶴崎先生が入ってきた。
「ほら、お前たち!!浮足立つのはわかるけど、席について!H.R始めるよ!!」
鶴崎先生からの指示に従い、生徒たちは自分たちの席に着いた。
すると、一人の金髪の少女が教室に入ってきた。
どうやら、彼女が噂の留学生らしい。
「あ~、すでに知っていると思うが、三週間の短期留学ということで、イギリスから留学生が来ている。日本の慣習に戸惑うところもあると思うから、みんなきっちりサポートしてやってくれ!」
『はーい』
鶴崎先生からの言葉に、つぼみたちが返事を返すと、鶴崎先生は留学生に自己紹介するよう、促した。
「Hallo, everyone!My name is Alisia Dufda.Please call me Alisia or Alice.I'm from England.I'll stay Japan for three weeks.I want you to be friend.Thank you.」
当然といえば当然ながら、いきなりの英語の自己紹介にクラス中が困惑した。
もっとも、つぼみとえりか、いつきの三人をはじめとするファッション部のメンバーと番は菖から英語を教わることがあったため、名前がアリシアであること、アリシアあるいはアリスと呼んでほしいということ、そして彼女がイギリスから来たことは聞き取ることができた。
一方、自己紹介を終えたアリシアは、生徒たちの反応にくすくすと微笑みを浮かべ。
「ごめんナサイ、みなサン。ワタシ、日本語チョトならできマス。なので、改めて日本語で
どうやら、彼女なりに場を盛り上げようとしたらしい。
日本語ができる、ということを知ると、生徒たちは盛大にずっこけ、だったら最初から日本語で自己紹介してくれ、と笑いながら返していた。
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放課後になって、日本のファッションに興味がある、と言ってきたアリシアはファッション部に顔を出していた。
なお、部室には菖とゆり、ももかと明が先にいたのだが、えりかたちを待っていたらしく、作業机の上にノートを広げて勉強していた。
もっとも、主にシャーペンを動かしているのはももかであり、明が中心となってももかに教えている、という状況のようだが。
「あれ?もも姉ぇ、明義兄ぃ、来てたんだ?」
「「こんにちは、みなさん」」
「おぅ、お疲れさん」
「お疲れ様。授業、終わったみたいね?」
「お疲れ……って、ももか。これ見よがしに逃げようとしないの」
「ひ~ん……」
どうやら明の教え方がスパルタだったらしく、隙を見て逃げ出そうとしたらしい。
そんなももかのブレザーの襟を、菖は引きつった笑みを浮かべながらつかみ、ももかの動きを止めた。
だが、ふと、菖は視界に入り込んできた明るい色に気付き、えりかたちのほうへ視線を向けて問いかけた。
「ん?もしかして、お客さん??」
「ふぇ?あぁ、うん」
「中等部にイギリスから短期留学で来た子が……」
「Hallo,みなサン!初めまシテ、ヨロシクネ」
つぼみが紹介しようとした矢先、つぼみの背後から、ひょい、とアリシアが顔を出して挨拶してきた。
アリシアを見かけた菖はとっさに。
『へぇ?イギリスから来たんだ……よろしく』
『こちらこそ、よろしくお願いします。私はアリシア・デュフダ。アリシア、あるいはアリスと呼んでください』
と、英語で挨拶を交わした。
なお、アリシアと菖の会話はももかと中等部の子たち以外は全員、理解できたため、ももかに同時通訳をしていた。
ちなみに、つぼみたちはというと。
「わ、わかってましたけど……」
「菖さん、英語ぺらぺ~ら……」
「あ、あははは……まぁ、イギリスに行ったこともあるらしいし、当然、なのかな?」
わかってはいたが、菖の英会話を目の当たりにして、ポカーンとしていた。
だが、この時の彼女たちは、彼女との出会いが、まさか海外で活躍する、それも、つい最近、仲間入りを果たした後輩と同じ力を持っているプリキュアとの出会いであったとは、夢にも思っていなかった。
あとがき代わりのその後の話
※『』は英語、「」は日本語のセリフと思っていただければ
~明さんは罪な男~
アリス『ところで、そこの黒髪のお兄さん』
明『ん?俺か??』
アリス『はい!お兄さんはお付き合いしてる方は……』
菖『あぁ~、明にはちゃんと恋人いるから、やめとけな?』
ゆり『だからといって、菖に手を出しても許さないから、そのつもりでね?』
アリス『は……はい……』
菖「……ったく、明よぉ」
明「あ?」
菖「お前も罪な男だな」
明「あぁ……けど、俺はももか一筋だからな、簡単にゃなびかねぇぜ?」
菖「……それこそ、クレオパトラとか楊貴妃とかダースで持ってこられない限り、か?」
明「いや~、さすがにダースで迫られても困るけどな♪」