偽装の笑顔〜Dual Personality〜 作:さとそん
さとそんシリーズ3作目はバンドリです!
初めてのシリアスメインな作品なのでとても不安です……。
しかしこの作品がいいものになるよう務めさせていただきますのでぜひ読んでいただけると嬉しいです!
それではスタートです!
「ねぇ、なんでおとーさんとおかーさんはうごかないの?」
「それはね、もう……この世にはいないからだよ」
「このよには……いない?じゃあどこにいるの?」
「それは……」
「もう、あえないの?」
「……えぇ」
「おとーさん、あかーさん……もう、あえない。……あえない。」
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またあのときの夢を見た。まだ僕が小さい頃の昔の記憶──。
「……もう時間か。」
朝からまたあの夢をみてテンションが低いまま今日から通い始める高校の制服に着替えるためにに重い腰をあげる。
「まったく、こんな日からあのときの夢を見させないでくれよ……。」
「あら、祥哉くんおはよう」
「あぁ、叔母さんおはようございます」
リビングに着くと叔母さんが朝ご飯を用意して待ってくれていた。窓から見える景色に車が無いことを見ると叔父さんはもうすでに会社へと出勤しているようだ。
「もう、毎日言ってるけど家族なんだからそんな言葉遣いしなくていいのよ?」
「いえ、僕の母はあの人だけですから」
寺嶋祥哉(てらしま しょうや)。この名前が両親が僕に遺してくれた極わずかなものだ。
僕が5歳のときの春。
父さんと母さんが亡くなったあの日から僕の生活は一変した。
いつも歩いていた楽しさに満ち溢れていたはずの道がただの砂利道にしか見えなかった。
いつも通っていた友だちがたくさんいるはずの幼稚園はただの堅苦しい収容所にしか見えなかった。
いつも両親と一緒に住んでいたはずの家は取り壊され新たに母の妹の家族に養われていた。
いつも輝いて見えていたはずのこの世の景色がすべてモヤがかかったようにしか見えない殺風景なものにしか見えなかった。
いつも楽しかったはずの日々が退屈な日々に変わっていた。
あれから十年が経とうとしている今でもその日々は変わらない。
流れ作業のようにただひたすら同じ毎日、同じ時間を繰り返している。
目を覚まし外を少し散歩してから風呂に入りご飯を食べて学校へ行き、帰ってきたらなにをするわけでもなく部屋でぼーっとしたあとご飯を食べて風呂に入って寝る。
そんな生活を過ごしていたらあっという間にもう高校生活が始まろうとしていた。
しかしどうせ今までとやることは変わりない。
一つだけ変わることといえば今までぼーっとしていた時間にバイトをするくらいだろうか。
叔母さんたちには反対されたがその反対を無視してバイトをすることに決めていた。
その理由は叔母さんたちに迷惑をかけてるような気がするから。
引き取り手のいない僕を助けてくれたことにはとても感謝している。あのとき叔父さんたちが引き取ってくれなかったら児童施設で過ごしていたかもしれない。
しかし叔父さん達は結婚してすぐでもうそろそろ子供も欲しいと話していた際に僕の両親が亡くなってしまったためわざわざ自分たちの子供を諦めて僕を引き取ってくれたそうだ。
そこにやはり引け目を感じてしまう。
だからせめて少しでも恩返しをするためにバイトをすることに決めたのだ。
「それでは、そろそろ行ってきますね」
「えぇ、今日は入学式よね?私も仕事があっていけないけれど新生活頑張るのよ?」
「はい、もちろんです」
そんな会話を交わしたあと僕はこれから新たな生活が始まる「花咲川学園」へと自転車を漕ぎ始めた。
あの、相変わらず文字数少ないとか思わないでくださ(ry
まだ1話目なんで!プロローグなんで!
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