カルデア笑劇場!   作:不知火新夜

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前回の投稿から遅くなってしまい、すいませんでした。
今後は少しずつ調子を取り戻していければと思います。

長かった大食い対決も、これで完結です。


アルトリアVSアルテラ、大食い対決!5

「負けるかぁ!ぜってーに腹ペコ王の座は俺が貰う!」

「いやだから、その座を狙ってどうするんですモードレット卿。ですが私も負けませんよ!」

「何とも凄まじい攻防です!両者がテーブルに着いてから早1時間ですが互いに譲らず、枚数は64枚になりました!この勝負、どちらが勝つか本当に分からなくなりましたな、解説の魔術師殿!」

「そうだな、後はアンカーのサンタなアルトリアとアルテラが何処まで行くか…」

 

チームアルトリア対チームアルテラのドラゴンステーキ大食い対決、残り時間も1時間を切り、互いにアンカーが控えている中での激突となったアルトリアとモードレッドの親子対決、それは白熱した接戦となっていた。

互いにナイフとフォークを使わず、手づかみでステーキを口へ運んで貪り食うその姿、されど其処に野蛮さは感じられず、寧ろ獅子の如き気高さが、両者から感じられた。

 

「ちょっと顎がヤベェな…

アルテラ、後は任せたぜ!」

「私も顎の感覚が鈍くなりました…

サンタの私、後は頼みましたよ!」

「「任せろ!」」

「此処で両チーム、アンカーにバトンタッチです!残り時間50分近く、此処までに食べたドラゴンステーキの枚数は両チーム67枚!勝負はサンタな騎士王殿と、戦闘王殿の直接対決で雌雄を決する事となりました!」

 

だがその素晴らしき勝負の時間も長くは続かなかった。

互いに顎が限界を迎えたのを察知し、両方ともに控えていたアンカーにバトンタッチした。

 

「大食いとは素晴らしい文明だ。物を食らう、生きとし生けるものにとって必要不可欠な行為。それを突き詰めた果てに生まれた興行。生きる為の『手段』を突き詰めた戦士(フードファイター)が人々を惹きつけ、魅了する。実に素晴らしい文明だ。なれば私もまた戦士と成り、我が顎と胃の全力を以て、眼前のドラゴンステーキを喰らい尽くそう!」

「良い心がけだ。だが私もチーム腹ペコ王のアンカーという立場に賭けて、負けるわけにはいかない!志半ばで退いた『私』達よ、この私の力で、貴様らに勝利をプレゼントしよう!」

「あのー、勝手にチーム名変えないでくれませんか、サンタな騎士王殿?」

 

そのバトンを渡されたアンカーである、チームアルトリア側のアルトリア・サンタオルタと、チームアルテラ側のアルテラ、両チームのリーダーは意気込みを新たに着席、その際にチーム名を勝手に変えた事に対するハサンのツッコミを他所に、目前のドラゴンステーキを、

 

「騎士王と反逆の騎士との、あの素晴らしき戦闘(フードファイト)の前には、ナイフとフォークが悪い文明なのは明白!この様な物は必要ない!」

「同感だ、戦闘王!私も、青きセイバーの私と、その娘に敬意を示し、手づかみで行くとしよう!」

「お二方はあくまでサーヴァントですので、細菌とかカビとかの影響を受けません。良い子はこの様な真似をしないように、お願いしますよ」

「最近もO-157の集団感染が起こって、死者が出たって聞くからね、てかハサン、誰に向かって言っているの…?」

 

先程のアルトリアやモードレットと同じく、手づかみで食べ始めた。

更に食器と言う概念を否定するかの発言も飛び出し、その常識?何それ美味しいの?と言わんばかりの事態に、ハサンが何処の誰に向けての物か分からない注意喚起を行っていた。

 

「さて、この対決もいよいよ大詰め!果たして勝つのは、チームアルトリアか、チームアルテラか!?その決着は刻一刻と迫っております!」

「5!」

「4!」

「3!」

「2!」

「1!」

「終了!」

 

それはともかくとして、後半には手づかみでドラゴンステーキを食らうというまさかの事態が続いたこの対決も遂に終焉、ハサンのコールと共に両者、手を止めた。

その勝敗は…

 

「さて、結果の方を見て行きましょう!まずはチームアルトリア!

黒い騎士王殿、3枚!水鉄砲の騎士王殿、19枚!黒い槍の騎士王殿、2枚!若き日の騎士王殿、10枚!槍の騎士王殿、17枚!騎士王殿、16枚!サンタな騎士王殿、11枚!

合計、78枚!

 

次にチームアルテラ!

征服王殿、17枚!英雄王殿、16枚!青髭殿、1枚!聖女殿、1枚!魔貌の騎士殿、16枚!反逆の騎士殿、17枚!戦闘王殿、

 

 

 

11枚!合計、78枚!よってこの勝負、ドローとなりました!」

 

まさかの、引き分け。

 

「むむ…

やはり剣の私の失策が最後まで後を引いた形になってしまったか…」

「腹ペコ王の名を冠する我々にとって、引き分けは負けにも等しい物、これは悔やまれますね…」

「いや、其処に誇りを持ってどうするんですか槍の私?」

「まあ、良いではないか」

 

その結果に悔しさを滲ませるアルトリア・サンタオルタとランサーアルトリアだったが、其処にアルテラが、

 

「互いに全力で、顎と胃を限界まで稼働させて竜の肉を食らい続けたのがこの引き分けと言う結果だ。勝敗など二の次、今は互いの健闘を、生きる為に必要な行為を突き詰めた我ら戦士の奮闘を称えあおうではないか」

「…ああ、そうだな、戦闘王」

 

歩み寄り、アルトリア・サンタオルタに声を掛けつつ握手を求めた。

それに応じるアルトリア・サンタオルタ、その光景に少しずつ起こる拍手、その光景を以て、このドラゴンステーキ大食い対決は幕を閉じた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て、この完璧で瀟洒なアルトリアである私が何故出られない!?」

「セイバーの俺が出て、何で俺が出られねぇんだよ!?俺だって食うぜ、やってやれるぜ!」

「いやライダーアルトリア・オルタはスタートした時実装されてなかったじゃん。サモさんは、その、枠の関係で」


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