カルデア笑劇場!   作:不知火新夜

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アルトリアVSアルテラ、大食い対決!2

急遽始まったチームアルトリアとチームアルテラの、ドラゴンステーキ大食い対決、当初の下馬評ではカルデアの腹ペコ王として知られる7人を揃えたチームアルトリアの圧倒的優位と見る人が殆どであったが、いざ対決がスタートすると、1番手にしてエースの一角であるアルトリア・オルタの顎が直ぐにノックアウトとなった事でそれは覆された。

まさかのエースが早期離脱するという事態、それに対してチームアルトリアを(頼まれてもいないのに)引っ張るサンタオルタは即座に戦略を立て直し、

 

「良いか。セイバーの私があんな醜態を晒した以上、ランサーの私もまたそうなる可能性も考えられる、アイツも軟いファストフードばかり食っているからな。エースと考えていた2人の私達がまさかのブレーキ役とは、この戦いも分からなくなった。2人の分は、私達がカバーするしかない。良いな!」

「分かりました、サンタの私!まだまだ未熟な私ですけど、頑張ります!」

「了解です、サンタの私。私達の目的はただ1つ、この大食い対決で勝利し、腹ペコ王としての名誉を保つ事のみ!」

「あの、ランサーの私?そんなヘンテコな異名の名誉、保ってどうするんですか…」

「おいお前達、其処で何をこそこそと話している。私も加えぬか、同じチームであろう!」

 

アルトリア、アルトリア・リリィ、そしてランサーアルトリアの3人と円陣を組んでいた(サンタオルタに槍玉に挙げられていたランサーアルトリア・オルタはハブられていた)。

その中でランサーアルトリアの話す目的のおかしさにアルトリアが突っ込みを入れていたが聞く者はおらず、

 

「とりあえず足を引っ張るであろうランサーの私は3番手に持って行って、2枚食わせたら強制退場させる。退かせるのは私と、青いセイバーとランサーの私達だ。其処にすかさず、幼き私が4番手として入り込む。頼めるか?」

「はい、頑張ります!」

「あれでも筋力:Aですからね、其処は仕方ないでしょう」

「5番手は青いランサーの私、6番手は青いセイバーの私だ。そしてアンカーは私が行こう。各自、顎に異常が出たら無理せず退け。良いな!」

「「「了解!」」」

「お前達、だからそこで何をこそこそと!」

 

サンタオルタから発表された作戦に彼女達は同意(無論、ハブられているランサーアルトリア・オルタは除く)、各自の出番を待っていた。

そんな彼女達を待ち受けているテーブルでは、

 

「さてチームアルトリア、チームアルテラ、共に2人目に交代となりました。チームアルトリアは水鉄砲の騎士王殿、チームアルテラは英雄王殿が、テーブルにおいてドラゴンステーキ相手に己が左手の(ナイフ)を、右手の(フォーク)を、そして牙を突き立てております!」

 

アルトリア・オルタのリタイアからかれこれ1時間以上も奮闘しているアーチャーアルトリアと、先程イスカンダルと交代したギルガメッシュがドラゴンステーキを口に運んでいた。

 

「お代わりをお願いします!」

「我もお代わりだ、さっさと持ってこぬか、雑種共!」

「両者同時にお代わりです!此処でチームアルトリア、チームアルテラ、共に枚数は21枚!チームアルトリア、序盤の大ブレーキを遂に挽回した!」

「おいAUO!お前なにチンタラ食ってんだよ!1時間以上パクついている水着の父上に遅れ取ってんじゃねぇか!ったく何時も通り慢心しやがって!」

 

が当のギルガメッシュ、大食い対決など知らんと言わんばかりのマイペースで、交代してからほんの数十分であっさりと並ばれてしまっていた。

そんなギルガメッシュに、チームアルテラのモードレッドが野次を飛ばすも、

 

「騒ぐでない、我が娘よ」

「娘じゃねぇし、てかお前の子ですらねぇし!」

「セイバーの子であれば我が子同然だ。まあそれは良い、こと大食いにおいて、セイバーこそが本気で戦うに値する相手!ならばこそ我がペースを守るべきだとは思わぬか?お前は知らんのか、嘗て大食いの世界で皇帝と称された男の、終始己のペースを崩さぬフードファイトを!我がペースを守れずして、何が王か!」

「いやこれチーム戦ですから!もう少しペース配分という物を考えて下さい!」

 

どこ吹く風と言わんばかりに己のペースを変えようとしないギルガメッシュ、むしろ今のマイペースこそが王たる物の大食いなのだと言い放っていた。

そんな様子に先行きに不穏な物を感じて来たチームアルテラ陣営、だが、

 

「ちょっと、顎が動かなくなって来ました…!

サンタの私、交代します!」

「分かった、アーチャーの私!良くぞ頑張った!次はランサーの私、頼んだぞ!」

「任せろ、この私の食いっぷり、しかとその眼に焼き付けるがいい!」

「水鉄砲の騎士王殿、此処で無念の交代要請!然しながら此処まで枚数にして19枚!少しながらリードしている状況!流石は騎士王殿の1つの可能性、素晴らしき食べっぷりでした!」

 

ギルガメッシュが入った時点で1時間も奮闘していたアーチャーアルトリアが顎の疲れで離脱し、

 

「結局こうなったか!お前達、作戦通りに行くぞ!」

「「「分かりました!」」」

「な、何をする貴様らぁ!?」

「なんと此処で黒い槍の騎士王殿、出番を控える御三方に無理矢理退場させられました!然し2枚目の後半あたりからペースが落ちていましたから、これは妥当な判断でしょう」

 

交代したランサーアルトリア・オルタがたった2枚で強制退場させられる中でも悠々と食べ進め、再びリードを付け始めているとなると、状況は違って来る。

 

「ふむ、流石は人類最古の英雄王といった所か。なれば、なるべく奴に長く持たせ、我らは短期決戦で行くとしよう」

「お、おいアルテラ、良いのかよそれで!?」

「ならば反逆の騎士よ、貴様の父親達を相手に、まともに立ち向かえる胃力を持った者は此処におるか?貴様や私くらいの物だ。なれば英雄王の胃力が許す限り長く持たせる事こそ肝要では無いか?」

「そ、そりゃあそうだけどよ…」

 

チームアルテラのリーダーであるアルテラはギルガメッシュの持久力に期待して長く持たせる事を決め、不満をこぼすモードレッドを諭していた。

さて、チームアルトリアは早くも4人目、アルトリア・リリィがテーブルに付いた。

 

「まだ制限時間が4時間以上も残っている中、既に3人もメンバーを使ってしまったチームアルトリア、4人目は若き日の騎士王殿です!此処で粘りを見せられるでしょうか!?」

「負けませんよ、英雄王!」

「来い、若き日のセイバーよ!」

 

呪腕のハサンの実況に、対峙するアルトリア・リリィとギルガメッシュに、出番を控える他のメンバー達に、一層の熱気が湧き出す中、大食い対決は尚も続く…!


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