ポルカ〜剣の王の伝説〜   作:ガラスのハート

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第4話

沢山の兵士が押し寄せる。

 

ポルカは肩に矢を受けて身体の至るところに切り傷があった。

 

その後で沢山の兵士が傷つき戦っている。

 

「あと少しだあと少し持ちこたえたら連合軍が助けにくる!!」

 

ポルカは迫り来る敵兵士を切り捨てる。

 

「あと少しだ!」

 

すると、城が燃え上がった。

 

ポルカは目を丸くして全身を震わして涙目になり、振り返った。

 

南門が破られたと嫌な情報が飛び交うがそんな物はポルカの耳に入らない。

 

ポルカはお城めがけて走り出す。

 

「カーリナ王女様ああああああ!!」

 

ポルカは燃える城の中を走り抜ける。

 

そして、王室間に。

 

そこには倒れている10歳ぐらいの王女とその周りを取り巻く侍女達が倒れていた。

 

ポルカは王女を抱き抱える、胸には短剣が突き刺さっていた。

 

城が崩れ、天上に穴が空いた。

 

穴から普段は青い月が顔を覗かすが、血と炎で月は真っ赤に真紅に染まっていた。

 

ポルカは王女を抱えて、月を睨みつけた。

 

此処で目が覚める。

 

ポルカは洞窟の中で勢いよく起きた。

 

ポルカは全身に冷や汗をかき、歯を食いしばり、胸を片手で抑えた。

 

「くそ、またあの夢か」

 

ポルカは肩を抑える。

 

アルバートにつけられた傷がズキズキと湿気で痛む。

 

洞窟の外に目をやると冷たい雨が降っていた。

 

ポルカは剣が痛むことを恐れ、鞘から剣を抜き軽く布で拭き上げた。

 

すると洞窟の中に何者かが入ってきた。

 

その物は修道士の姿をしており、外から来たためかビショビショだった。

 

ポルカはその男にいそいそと背を向ける。

 

修道士はそんなぶっきら棒なポルカに構わず近寄った。

 

修道士はポルカの後ろまで来ると懐のナイフを取り出す。

 

次の瞬間、ポルカは修道士の片足を掴みそのまま持ち上げて、修道士をひっくり返そうとした。

 

修道士は片足で地面を蹴り、宙返りして倒れずに住む。

 

ポルカは剣を下段に構えて、うつむいた。

 

修道士がナイフを手元で回しながら笑う。

 

「貴様がポルカだな、お前に恨みはねえが此処で死んでもらうぜ」

 

ポルカは物静かな声で答えた。

 

「一つだけ言っておく、既に間合いに入っているぞ?」

 

修道士はナイフでポルカを仕留めようと突きを放つ。

 

ポルカは剣をナイフの刃で滑らして修道士の首に押し当てた。

 

ナイフは剣に擦れて激しい火花を散らした。

 

修道士は生唾を飲み込む。

 

「何をしたら、そんな速度で剣が振れるんだよ」

 

ポルカは修道士の腹を蹴っ飛ばして、修道士を仕留めた。

 

「一人ではないのか・・・」

 

奥から修道士の仲間が二人現れた。

 

ポルカは肩の力を抜き、剣をぶらぶらと垂らしていた。

 

修道士の1人がサーベルでポルカに斬り掛かる、ポルカは体を反ってサーベルをギリギリで避ける。

 

もう一人の修道士が背後からポルカにサーベルで斬り掛かる、ポルカは少し体を前に倒してサーベルをギリギリで避ける。

 

ポルカは目の前の修道士の腹に1発拳を入れて、後ろの修道士に蹴りを御見舞してやった。

 

「暗殺者も大したこと無いな・・・」

 

ポルカは突如、飛んできたナイフを剣で払う。

 

両手にナイフを持った暗殺者がポルカに襲いかかった。

 

暗殺者は物凄い速度で連続の突きを放つ。

 

ポルカはそれを全て紙一重で避けてみせる。

 

暗殺者は口から仕込み針を放った。

 

ポルカはとっさに腕で針を受ける。

 

すると、暗殺者の鋭い上段蹴りがポルカの顎を蹴りあげた。

 

ポルカは少しバランスを崩す。

 

暗殺者はナイフでポルカの首を指しにかかる。

 

ポルカは暗殺者の手首を掴み、踏みとどまり、もう片手で暗殺者の肘を掴んで雑巾のように絞った。

 

暗殺者の前腕の肉が引きちぎれ、地が吹き出した。

 

「少しは出来るじゃないか」

 

ポルカは相手の二の腕をしっかりと脇に挟み、相手の肩に体重をかけてそのまま肩をへし折る。

 

暗殺者がぐったりすると手首と肘の関節を握力で握りつぶし骨を砕いた。

 

ポルカは手を離すとそのまま暗殺者の喉に手刀を叩き込み地面に倒した。

 

ポルカは顎をさすり、雨の降る外にさっていった。

 

~☆~

 

ポルカは小さな村を発見して、そこに向かった。

 

村に入った瞬間にポルカは武器を持った村人に囲まれる。

 

「よそ者だ、武器を持っているぞ!!」

 

雨が降り注ぐ中、ポルカは剣に手を当てた。

 

「王女より授かりし我が剣、どんな理由であれど手放せるものか」

 

村人は飛び掛るのを躊躇している、戦いのど素人だからだ。

 

先手必勝である。

 

ポルカは大声をあげる。

 

「ハッカペル!!」

 

村人達はすくみ上がる、こうなるともうダメだ。

 

ポルカは斬りこみ、散々村人達を追い回し蹴っ飛ばし、踏んづけて回った。

 

取り囲んでいた、村人達が散り散りになったのを確認するとポルカはその間に村を大急ぎで出ていった。

 

怪我人は出なかった、いや出さなかった。

 

怪我をしたといえば体制を立て直した村人が慌ててポルカを追いかけて石を投げつけたときに出来た頭の傷ぐらいである。

 

ポルカは血で濡れた後ろ頭を抑えながら村を離れて行った。

 

村人達がポルカを探して追いかけて来たがポルカは異常な足の速さと体力で村人達とあっという間に間を広げてしまった。

 

ポルカは村人達から身を隠すために草の茂みに隠れているとブラックスノーの兵士達がポルカを襲った村の方角に向かって進軍しているのを見つけた。

 

ポルカは後ろ頭の傷をさわる、手は真っ赤に染まった。

ポルカはその手を睨みつけていた。

 

~☆~

 

村人達はポルカを見失ってしまった、ために更に緊張が走っていた。

 

「きっと、あの男は仲間をよんでくる!」

 

村人達は慌てて村の入口にバリケードをこしらえる。

 

しかし、村人達は驚愕した。

 

ブラックスノーの軍隊がこちらに向かっているのだ。

 

「あいつ、ブラックスノーの兵士だったんだ!」

 

村人達の中には怒りに物に当たるものがいた。

 

「くそ、ブラックスノーの糞野郎め、お前達にやる物は死だけだ!!」

 

村人達は武器を手に取りブラックスノーの軍隊を待ち構えた。

 

バリスタの矢がバリケードを一瞬で破壊した。

 

沢山のブラックスノーの兵士が村の中になだれ込む。

 

ど素人の村人に対して、ブラックスノーの兵士達は手練の集まり。

 

村人達は捉えられ、あっという間に1箇所に集められた。

 

ブラックスノーの一兵士が村人達に言う。

 

「たった今から、この村はブラックスノーの物だ」

 

兵士は死体に向かって短剣の先を向ける。

 

「文句があるのなら、彼らのようになる!!」

 

村人達は涙した。

 

突如、怒声が響き渡る。

 

風に紛れて、やつが来る。

 

「ハッカペル!!」

 

ブラックスノーの兵士は一斉に声の方に振り向きサーベルをぬく。

 

まるで獣のような速度で白刃の王が現れた。

 

兵士達のサーベルを次々と切捨てて歩く。

 

そして、村人達の目の前まで走り抜けた。

 

白刃の王は怯える村人たちの中に子供がいる事を確認する、そして散らばる死体の中に子供の死体がある事を確認する。

 

ポルカはあからさまに怒っていた。

 

ブラックスノーの兵士達はポルカを取り囲む。

 

「間違いない、スチールポルカだ」

 

「こいつの首を持って変えれば一生遊んで暮らせるぞ!!」

 

「なんで、たかが一兵士にそれだけの賞金がかかってんだろな、将軍様も頭が悪いぜ」

 

ポルカは頭をあげた、ポルカは斬ると心に決めた。

 

「私は一振りの鋼・・・」

 

ポルカは一騎当千の騎兵だ。

 

だが、馬がなくても最強の剣士だ。

 

地上最強の剣士だからこそ、それだけの額がつくのだ。

ポルカの首をとろうと1人の兵士がサーベルを振り上げてとびだした。

 

ポルカの振りは凄まじい。

 

その兵士がサーベルを振り落とす前に、いや、剣を降ることに事に気づく前に胴体を横に真っ二つ。

 

兵士はサーベルをふりおとす、そして、身体がバラける。

 

切られた事にすら気づかない。

 

ポルカは空を見上げる、空には月が上り始めていて怒りで月は真っ赤に見える。

 

「ハッカペル!!」

 

ポルカは単身切り込む。

 

勇敢なブラックスノーの兵士がポルカにサーベルを振る。

 

ポルカはサーベルを素手でへし折り、そのまま首を手刀で跳ね飛ばした。

 

ポルカは指を鳴らす。

 

「そのような玩具で俺に勝てると思っていたのか、お笑いだな」

 

ポルカは他の兵士の顔面を蹴っ飛ばす、顔には深い切り傷が入り兵士は死んだ。

 

ポルカのこの身すべてが一振りの鋼、この剣はポルカの分身。

 

ポルカは剣をかざして、光らせる。

 

「ハッカペル!!」

兵士達は一斉にポルカに切りかかった。

 

ポルカは兵と兵の間を綺麗に抜けて、兵士2人を切り捨てた。

 

斬ると決めたポルカに勝てる道理はない。

 

ついにとち狂った、ブラックスノーの一兵士がポルカにバリスタを向ける。

 

「死ね!!」

 

バリスタの矢がポルカに飛んでいった。

 

ポルカは矢の起動から僅かに避けて前身しながら剣をふる、バリスタの矢と擦れ合い火花が散る。

 

ポルカが剣を振り終えるとポルカはバリスタの後ろにいる。

 

バリスタが真っ二つになった。

 

慌てて、バリスタを打った兵士が短剣を抜く。

 

ポルカはその短剣を持った手の手首を掴み握りつぶした。

 

「なんて、握力!!」

 

ポルカは兵士の首に人差し指を当てる。

 

そのまま、指を強く押すと指が兵士の首に突き刺さった。

 

「指圧もすごいだろ?」

 

ポルカは指を抜き取り、兵士の顔面を殴り倒した。

 

ブラックスノーの兵士達は恐れをかんじだした。

 

「ばっ化物か・・・」

 

一兵士がサーベルを落とす。

 

「素手で殺せるなら、あいつ武器いらねえじゃん」

 

ポルカは剣を強く握り、剣を握る手を前に突き出した。

 

「肉体は武器を使う物の基板、その上に技術力だ」

 

ポルカは小さな声でつぶやく。

 

「そんな事も知らんのかブラックスノーの兵士達は・・・」

 

ポルカは呆れ返っていた。

 

「訓練を受けた兵士とはいえ、所詮は烏合の衆か」

 

ポルカは剣を上段に構える。

 

ブラックスノーの兵士達は後ろに引き下がってしまった。

 

白刃の王の勝ちは決まった。

 

「ハッカペル!!」

 

ブラックスノーの兵士達はこの言葉を聞く度に誰かが死ぬことを知ってしまった。

 

武器を捨て、兵士達は一斉に逃げ出す。

 

ポルカは剣を降って、血を払い、布で血を綺麗に拭き取った。

 

村人達はあ然としている。

 

たった一人の男が軍隊を追い返した。

 

ポルカは剣に祈りを捧げた。

 

「どうか、精霊たちよ、この地で死んだ者達に祝福を・・・」

 

ポルカは祈りを捧げ終わると黙って村を出ていった。


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