ポルカ〜剣の王の伝説〜   作:ガラスのハート

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第20話

ポルカ達は白き砦の目前まで迫った。

 

門はしっかりと閉まっており。

 

周りには連合軍の精鋭が数は少ないがしっかりと守っていた。

 

ついにこの時が来た。

 

ポルカは馬の上で景気付けにサファイアを飲み干す。

 

アルバートも馬の上でジンを飲み干した。

 

アルビダはラム酒を飲もうとしていたが、ジンにかえる。

 

ルークもアルバートに合わせてジンを飲み干した。

 

黒騎士はビールを飲みほした。

 

アリウスはワインを飲み干し。

 

ポルカが続けざまに日本酒を飲み干した。

 

更にポルカがウォッカを飲み干すものだから、アルバートも負けずとジンをもう一杯あけた。

 

ホーテがポルカに質問した。

 

「ポルカ兄様飲みすぎでは」

 

ポルカは酔ったそぶりも見せずホーテに語りかけた。

 

「サファイアは王女様を思って、日本酒は井川を思って、ウォッカはイワンを思ってだ」

 

ポルカは剣をかがげる。

 

赤き剣に空からの光が反射して、周囲を赤く照らした。

 

「強くなれる気がするのだ、英雄達の魂と王女の加護を受けた気になるのだ」

 

一瞬だけ、全ての時が止まったように静寂に包まれた。

 

「ハッカペル!!」

 

「前線は頂いた!!」

 

「いくよ、野郎ども!!」

 

「兄貴ついて行くぜ!!」

 

「やれやれ、兄さんには引っぱられてばかりだな!」

 

「アルバート様ばかりに活躍はさせませんよ!!」

 

「戦士の誇りを見せてやれ!!」

 

「白騎士、今行くぞ!!」

 

それぞれの意志が交差する。

 

疾風怒涛の如き勢いでポルカ達は戦場を掛ける。

 

だが、相手も連合軍きっての強者揃い。

 

鉄壁の如き防御力を見せつける。

 

戦闘はあれに荒れた。

 

その中でポルカとアルバートだけは無双の活躍を見せつける。

 

ポルカとアルバートはあっという間に敵陣を突き進み白き砦の門まで迫った。

 

ポルカが高速の剣さばきで門を切り結び穴を開ける。

 

ポルカが通ったあと、アルバートがパンチで壁を突き破って中に飛び込んだ。

 

中には沢山のパイク兵が待ち構えている。

 

ポルカは剣でパイクを払い、アルバートが大剣で兵ごとパイクを打ち上げる。

 

今度は矢の雨がふる。

 

ポルカは高速の剣さばきで全ての矢を払う。

 

アルバートは自慢の頑丈差で矢を耐えた。

 

「ハッカペル!!」

 

「まったくもってきかねえぜ!!」

 

ポルカ達は場内に飛び込む。

 

城の中を掛ける。

 

奥まで行き、異変に気がついた。

 

「おい、城内なのに敵兵が一人もいなくないか?」

 

ポルカ達は慌てて振り返る、出口めがけて走る。

 

城の柱が爆破されて、城が崩れた。

 

出口まであと1歩。

 

城が崩れて砂煙が巻き上がる。

 

黒騎士達はポルカ達が中に飛び込んだ所までは知っており、驚愕する。

 

指揮は下がり、連合軍の精鋭に押される。

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!」

 

アルバートの叫ぶ声が響いた。

 

アルバートはその身を建てにしてポルカを庇った。

 

アルバートの背中には2t以上もの沢山の石が降り注いだ。

 

アルバートは力でその全てを背負いあげ立ち上がった。

 

ルイーズが目をこらえる。

 

「城の向こうの森の中に白騎士が入っていった!!」

 

アルバートが大声で叫ぶ。

 

「いけ、ポルカ!!」

 

ポルカはアルバートに急き立てられてたちあがる。

 

サーモンスネークも共に立ち上がり、ポルカは馬に跨った。

 

ポルカは馬を走らせる。

 

満身創痍のアルバートに沢山の兵士がにじり寄る。

 

アルバートは微笑み笑った。

 

「最前線で死ねるなら、本望だ……」

 

アルビダとルークが飛び出す。

 

兵士をかき分けてアルバートの目の前に立ちふさがった。

 

「死ぬにはまだ早い!!」

 

~☆~

 

ポルカが森の中を馬でかける。

 

しかし、途中で馬の足を止めた。

 

目の前にアベルが立ちふさがる。

 

「どいてくれ、アベルさん!!」

 

アベルは頭を下げている。

 

「お前には感謝してしきれない、恩を仇で返すような事をしてしまっているとは思う」

 

アベルはそれでも剣をポルカに向けた。

 

「いくら連合軍が腐ったとはいえ、それでも私は連合軍の騎士だったんだ、連合軍の為に戦かわしてもらう!!」

 

アベルは剣を構える。

 

「この剣には毒がぬってある、あんたに勝てるとは思わないがもしその身体に触れることあればアンタを殺せるように⋯⋯」

 

ポルカは地面を見つめた。

 

そしてサーベルを強く握り。

 

「ハッカペル!!!」

 

ポルカはアベルに切りかかる。

 

アベルは剣を振った。

 

剣はポルカの脇腹を掠めた。

 

ポルカは構わず直進してアベルを置き去りにした。

 

ポルカに毒は通じない。

 

アベルは剣を地面に投げ捨てた。

 

「貴方は無口でいつもそうだ、他人の為なら傷つくこともいとわない」

「頼んでも無いのに、勝手に自分の解釈で物事を済ませてしまう、とても我が儘な人だ!!」

 

~☆~

 

白騎士の目の前に黒騎士が立ちはだかった。

 

黒騎士は両手に大剣を持って白騎士の目の前に立ちはだかる。

 

「やはり、ここに来たのか⋯⋯」

 

白騎士は黒騎士を青い瞳で見つめた。

 

金の髪には木々の隙間から漏れる光が映り込みキラキラと輝いている。

 

「懐かしいな昔はお前と此処でよく遊んだものだ」

 

黒騎士はを見つめる、木の上には古い小屋があった。

 

「私が秘密基地をつくったり、キノコの研究者をしたり、カエルを解剖したりしてるのをいつもお前は引きながら笑いながら見てたっけ」

 

白騎士はため息をついた。

 

「引くことの方が多かったけどな⋯⋯」

 

黒騎士は大剣を地面に刺した。

 

「こちらに下れ、そうすれば命だけは何とかしてやる」

 

白騎士は黒騎士に笑いかける。

 

「約束出来るかい?」

 

黒騎士も笑い返した。

 

「ああ、約束する」

 

白騎士は剣を抜き、盾を構えた。

 

「お前が私との約束を守った事なんて一度も無いじゃないか」

 

黒騎士は全ての記憶をおもいかえす。

 

そして、木々の中にひっそりと立つ、木の十字架を見つめた。

 

「お前の妹は守れなかった、だからこそお前を守らせてくれ!!」

 

白騎士は怒鳴りつけた。

 

「今更なんだ!!」

 

黒騎士は大剣を引き抜いた。

 

「私は守るぞ、英雄白騎士を英雄のままに⋯⋯これ以上堕ちる前に!!」

 

白騎士が走る、黒騎士は大剣で白騎士を阻む。

 

「白騎士、私に勝てるとでも思っているなか!」

 

白騎士は大剣を盾で受ける、余りの衝撃に馬から落ちそうになる。

 

「組手では百戦百敗だが、実績では私の方が上だ!!」

 

黒騎士は白騎士の剣を払った。

 

「お前が私よりも優れるは階位、私は伯爵でお前は公爵だ」

 

黒騎士は白騎士を大剣で馬から叩き落とす。

 

「変態と言われ友のいなかった私の優位つの友よ、さらばだ!!」

 

白騎士は剣を拾い、黒騎士の馬の足を切りつけた。

 

黒騎士はバランスを崩す。

 

「お前が言ってたな騎兵は馬の足を狙えって!」

 

白騎士は直ぐに馬に跨る。

 

黒騎士は大剣をクロスさせる。

 

「いったが、実際にやると嫌われるぞ」

 

白騎士は黒騎士に襲いかかった。

 

「此処は戦場だ、卑怯も糞もあるか!!」

 

黒騎士も馬を走らせる、2人は交差する。

 

カール、私達は何処でまちがえたのだろう、黒騎士は最後にそう頭の中をよぎり首は天高く⋯⋯」

 

白騎士は黒騎士の首無し死体を見つめる。

 

「驚いたか、いくつもの戦いと厳しい訓練で俺は強くなったのだ、もうお前に負けやしないぞエーミール」

 

白騎士が空を見上げた。

 

すると、馬のヒヅメが聞こえてくる。

 

白騎士は剣を構える。

 

「くるか、白刃の王!!」

 

ポルカが風のように飛び出した。

 

白騎士はポルカに剣を向ける。

 

ポルカは小さな声で呟く。

 

「騎士王、英雄白騎士⋯⋯」

 

白騎士は黒騎士の死体に剣を向ける。

 

「言っとくが死ぬ気などないし、降伏する気はもっと無い!!」

 

ポルカは馬を走らせた。

 

「ハッカペル!!」

 

ポルカはいつも、戦うと決めた時は先手を必ずかける。

 

先手必勝。

 

白騎士は盾でポルカの剣を受け流す。

 

舐めるなよ、仮にも騎士王とまで言われた男だ。

 

白騎士は刃長をめいいっぱい使いポルカの首に伸ばす。

 

ポルカは身体を傾けて剣を避ける。

 

白騎士はポルカの馬の足めがけて切りかかる。

 

ポルカの馬は飛び上がり剣を避ける。

 

サーモンスネークとポルカは2人で一人、これが最強の馬手である一つの条件。

 

ポルカは石を投げつけた。

 

白騎士は石を盾で受け止める。

 

ポルカは弓も鉄砲も使えないが物を投げることは得意だった。

 

白騎士のボディーに石が突き刺さる。

 

ポルカはすかさず切り込みに入った。

 

剣が白騎士の首に当たる。

 

その一瞬をみはらからって、白騎士はポルカを盾で殴り付けた。

 

ポルカは鼻血を出しながらも馬の手綱を離さず、サーモンスネークから落馬して引きづられる。

 

ポルカは手綱を手繰り寄せて、馬を何とか上がると後ろから白騎士に刺された。

 

白騎士は剣を抜く、ポルカは馬の上でぐったりと倒れた。

 

白騎士は馬を止めるポルカの馬も足を止めた。


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