ポルカ〜剣の王の伝説〜   作:ガラスのハート

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第18話

我が国の兵力はたったの200と少ない、そこで我が国は今から海の上の連合軍の囚人収容所を襲い囚人をたくさん助けて味方にする。

 

囚人の多くは連合軍に不当な扱いを受けた民だ、本物の囚人は大していやしない。

 

ポルカ達は港に付くと見渡す限り船だけはやたらとあり、小さな港からは溢れていた。

 

しかし、船の殆どは軍の船では無く、海賊船だ。

 

アルビダが一つの船の上からポルカに手を振った。

 

「ダチが困っていると聞いてな、海の戦士は情に熱いんだ」

 

周りの海賊船から歓声があがり、沢山の海賊共が騒ぎ出す。

 

ポルカが入れば千の兵士も少なく感じる、万の兵士でも明らかに足りないような気がする。

 

我が国には200の兵士とポルカとポルカを応援する者達がいる。

 

キエロ王女はポルカの背中を押した。

 

「ついて行きたいけど、ここで待ってあげるから、良い評価をもって帰りなさい?」

 

ポルカは軽く頷き、海賊船に乗った。

 

~☆~

 

作戦の内容は基本人員が少ない牢獄を大量の船で襲い、本軍が来る前にできるだけ多くの人を救出してさっさとバックれると言うものだ。

 

勿論、これだけの船が向かえば見張りは気がつく、沿岸には沢山の弓や銃を構えた兵士が集まっていた。

 

アルビダがカットラスを振り上げてタルを切りつけた。

 

「戦争は始まっているよ、撃てえ!!」

沢山の海賊船が沿岸目掛けて砲撃を開始した。

 

沿岸の警備隊も弾丸や矢を飛ばして返してくる。

 

ルイーズが弓と矢をもって艦版を走り、マストをスルスルと上り船で1番高い所に昇った。

 

「あれが署長だな」

 

ルイーズは矢をつがえる。

 

「風は追い風、余裕だな外すことは有り得ないだろう」

 

ルイーズは矢を放つ、矢は風を切り裂き燕の如く空を駆け抜け外に出て支持を送っていた署長の額を貫いた。

 

ルイーズは次の矢を番える。

 

「剣の腕は兄貴には叶わねえが矢の腕ならそこら辺の兵士よりも上だ!!」

 

一つの船が轟音を立てて沈んだ。

 

沿岸にカノン砲が構えられている。

 

「良くもあたしの仲間を!!」

 

アルビダはすかさず、カノン砲の砲撃手の額を撃ち抜いた。

 

ルイーズが目をこらえる。

 

「司令は倒したはずだ、まさか軍が滞在しているのか!?」

 

ポルカが船の置くから出てきた。

 

動きは何だか酔っ払ったかのようにフラフラしている。

 

アルビダがポルカの元にスグに駆け寄った。

 

「まさか、酔ってんのか!?」

 

ポルカは静かにうなづいた。

 

そのまま船の端に向かう。

 

アルビダはポルカを止めに入る。

 

「馬鹿か、端は危ない!!」

 

ポルカはアルビダを振り切り、船の端にたった。

 

そして、船から飛び降りる。

 

ポルカは剣を鞘から抜き振った。

 

船に向かって飛んできていた砲弾をポルカは空中で真っ二つにした。

 

弾は二つに分かれて、船の側面をギリギリで飛び、海に落ちた。

 

大きな水しぶきが二つ上がる。

 

しかし、ポルカは海に落ちてしまった。

 

アルビダは唖然として声が出なかった。

 

ルイーズが大声をあげる。

 

「間違いない、軍が滞在している!!」

 

アルビダは我に帰る。

 

「お前達、速くポルカを探すんだ!!」

 

ルイーズが再び声を上げた。

 

「ポルカ発見!!」

 

アルビダは目を丸くした。

 

「見つかるのはやくねえか!?」

 

ルイーズはアルビダの方をむいた。

 

「兄貴なら、今沿岸で白兵戦を始めてるぞ!」

 

アルビダは慌てて、船の端から沿岸を見つめた。

 

向こうまで浸水して泳いで行ったのか、ポルカは陸にあがり既に沿岸の兵士を端っこから次々と切り倒していた。

 

「どんな肺活量してんだよ⋯⋯」

 

しかし、ポルカの様子はなんかおかしい。

 

アルビダは大声をあげた。

 

「まだ、酔ってんじゃねえか!!」

 

しかし、酔ってても地上最強の剣士。

 

動きはフラフラなのに次々と連合軍の兵士を切り倒す。

 

沿岸の指揮はポルカ1人に崩されて穴が出来た。

 

アルビダは手を差しのべる。

 

「全問発射!!」

 

全ての船が一箇所めがけて全段を集中砲火した。

 

道が開く。

 

「彼処を目指すよ、皆の者あたしに続け!!」

 

沢山の船が沿岸にとまり、沢山の海賊達が船からおりる。

 

するとポルカの姿は沿岸にない。

 

ポルカは単身で牢獄に切り込んでいったのだ。

 

切り裂かれた壁がそれを物語っていた。

 

気がつけば日が暮れ始めていた。

 

すると狼煙が上がった。

 

アルビダは歯を食いしばった。

 

「仲間を呼んだ!!」

 

アルビダ達は牢獄の中に急いで向かう。

 

一刻も速く達成しなければ皆が死ぬ。

 

牢獄の中に入ると沢山の連合軍のしたいと切り裂かれた壁、切り裂かれた牢屋、牢を切り裂くポルカがいた。

 

ポルカは沢山の人を連れてアルビダの元に寄る。

 

アルビダは周りに司令をだす。

 

「何ぼさっとしてんのさ、ポルカ1人じゃ短時間で皆は救えないよ!!」

 

周りの兵士が牢獄の中に散らばった。

 

すると連合軍が牢獄の中に流れ込んできた。

 

この牢獄には入口は一つしかない。

 

つまり、出口も一つしかない。

 

アルビダは銃を構えた。

 

ルイーズはメイスをかまえる。

 

「ここは何としてでも死守するよ」

 

すると連合軍の兵士の首が飛んできた。

 

沢山の首なし死体が目の前に転がる。

 

笠を被った侍が血塗られた刀を手に持って現れた。

 

「牢獄か、拙者に相応しいところだな」

 

連合軍の兵士が後ろからその男に切りかかった、次の瞬間その兵士の首が飛ぶ。

 

「首狩り井川とは祖国では有名な辻斬り魔だったのだかな」

 

井川がアルビダ達に笑いかける。

 

「井川斬鉄才、助太刀に参った!!」

 

連合軍の兵士が2人ほど井川に切りかかる。

 

しかし、一度刃を向けた兵士は瞬く間に音速の剣の前に血の花を咲かせた。

 

井川は鞘に刀を収める。

 

ポルカと沢山の海賊が沢山の囚人を連れてやって来た。

 

「皆を助けた、早く脱出を!!」

 

井川は突き進む。

 

「拙者が血路を開く!!」

 

井川が走りだす。

 

音速の刀が目の前の兵士の首を飛ばした。

 

返し刀で次の兵の首を切り捨てる。

 

直ぐに冷静に刀を鞘に収めて、振り抜いた一閃は数人の兵士の胴を両腕ごと斬り裂いた。

 

「ハッカペル!!」

 

大地が震える程の怒声。

 

ポルカが真っ赤に輝くサーベルを片手に突っ込んだ。

 

井川と肩を合わせて前衛を切り進む。

 

その後ろを1人、また1人と沢山の者が付いていく。

 

船まであと1歩だ。

 

井川が立ち止まった。

 

ポルカは足を止めた。

 

「拙者に構うな!!」

 

井川は居合の構えで止まる。

 

「白刃の王、貴方はいけ、沢山の民が貴方を必要としている!!」

 

沢山の人達が過ぎ去る中、立ち止まる井川だけが繊細に見える。

 

「早くいけ、船が沈められては全てが水の泡で御座る!」

 

他の海賊が立ち止まり井川の隣にたった。

 

ルイーズがポルカを抱えあげた。

 

「兄貴、貴方はここに残っては行けない!!」

 

ポルカは暴れる。

 

「そんなのは嫌だ!!」

 

アルビダや他の海賊がポルカを取り押さえた。

 

「ポルカ、貴方がいなければ駄目だ!!」

 

ポルカは井川の背中を見つめる。

 

そして、大人しくなった。

 

「死ぬな、サムライ!!」

 

井川は片手をグッとしてあげた。

 

沢山の連合軍の兵士が押し寄せる。

 

井川は一言呟いた。

 

「求めれば、求める程に、遠くなる、理想の自分、されど求める」

 

井川は刀から手をはなす。

 

手刀で目の前の兵士の首を跳ねた。

 

「思えば何時までも半人前の人生であった!!」

 

井川はたどり着いた、ポルカの境地に。

 

井川は上段蹴りで兵士の首を飛ばす。

 

その身は一振りの鋼。

 

カノン砲を押す兵士が遠くにみえる。

 

沢山の兵士がその周りにあつまっている。

 

「とどか無いから、理想なのだ」

 

井川は居合のポーズに入った。

 

「されど、近づくことは出来るか」

 

井川は鞘から刀を解き放つ。

 

「見よ、我こそは天下に名だたる武士よ!!」

 

音速を超えた刀は真空を切り裂き、ソニックブームを飛ばした。

 

沢山の兵士を吹っ飛ばしカノン砲を真っ二つにした。

 

音の壁を全身で超えた 井川の片手は肉がはじけ飛び1部骨さえ見えていた。

 

「求めれば、求めれ程に、遠くなる、理想の自分、されど求める」

 

ポルカを乗せた船はでる。

 

沢山の人を乗せた船がたくさん出る。

 

陸には数人だけを残して。

 

井川はもう片っ方の小刀を抜き、二刀の刀を構える。

 

「腹を斬るにはまだ速い、一人でも多く地獄の道ずれにしてくれる!!」

 

~☆~

 

船の中でポルカは泣いていた。

 

船に弱いのに酔うことも忘れて、ただずっと泣いていた。


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