ポルカ〜剣の王の伝説〜   作:ガラスのハート

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第12話

  アルバートが大酒にカッくらっているとホーテがクスクスと笑いながら現れた。

 

「貴方が兄さんの友達だと聞いていたのですが、誰かと思ったらヘラクレスでは無いですか」

 

  アルバートのさけを飲む手が止まり、変わりに大剣を握らせた。

 

「よう、ドン・ベンジャミン家の貴族さんよ、ぶち殺されてえのか?」

 

  ホーテはレイピアを構える。

 

「やって見なさい、野蛮人」

 

  アルバートは大剣を振り上げた。

 

  次の瞬間、アルバートの身体に複数の穴が空いた。

 

「やはり、銃で撃たれた後は無事では無いようですね」

 

  アルバートは目を丸くする。

 

「こいつ、傷口をほじりやがった!?」

 

  アルバート大剣を振り落とす。

 

  しかし、大剣は見事によけられて片目をホーテに貫かれた。

 

  ホーテのレイピアに目が串刺しになる。

 

  ホーテはその目を見つめる。

 

「たしか、この目は義眼でしたよね、以下にあなたと言えどこういう所は脆いのですね」

 

  アルバートが大剣を落とした。

 

「て、てめえ!!」

 

  ホーテはレイピアを首元に当てる。

 

「あまり、暴れられると面倒なのでレイピアに毒を塗らして貰いました」

 

「あまり、兄さんと関わらないでくれますか、困るんですよ盗賊騎士と兄さんが一緒に入られたら・・・」

 

  部屋にルークが入ってきた。

 

「これは!?」

 

  アルバートはルークの方に顔を向ける。

 

「ルーク!?」

 

  アルバートは大声で笑い出す。

 

「面白い、どうしてこうも俺は女運が無いのか!!」

 

  アルバートは立ち上がり、避けを飲んで見せた。

 

  ホーテは目を丸くした。

 

「象さえ眠らせる毒だよ!!」

 

  アルバートが大剣を拾い上げる。

 

「やれやれ、ポルカの弟、いや、妹さんよ、毒なんかで俺をやれるとでも思ったのか?」

 

  ホーテがレイピアを向ける。

 

「私が女だと!?」

 

  アルバートはウデでレイピアを払い飛ばして、顔を近づけた。

 

「俺は大体のものは匂いで分かったりするんだよ、だけど俺は乳のある女性がタイプだからお前はノーカンだな」

 

  ホーテは思わず、アルバートにビンタを食らわした。

 

  アルバートはにやっと笑う。

 

「いってえな、でも、図星のようだな」

 

  ホーテはアルバートをキツク睨みつけるとその場を立ち去ってしまった。

 

  アルバートは肩膝をついた。

 

  ルークがアルバートを支えにいく。

 

「やはり、無事じゃないじゃないですか!」

 

  アルバートは膝を震わせながらすごい量の汗をかきつつも立ち上がった。

 

「行かなければ、試合放棄になっちまう」

 

  ルークが首を横に降った。

 

  「危険しましょう、そんな状態で戦えるわけがない!」

 

  アルバートは笑い飛ばす。

 

「ルーク、俺を誰だと思ってるんだ、アルバート様だぜ?」

 

  アルバートは試合会場に向かう。

 

「こんなもの、気合いだ気合い!」

 

  ~☆~

 

  アリウスがアルバートを睨みつけた。

 

「ずいぶん遅いと思ったら、ボロボロじゃねえか」

 

  アルバートは大剣を担いで手招きした。

 

「悪い、飲みすぎた勢いで傷口をほじり回してたみたいだが、これでもお前相手なら余裕だぜ」

 

  アリウスはアルバートに飛びかかった。

 

「何があったからは知らんが容赦はせん!!」

 

  アルバートは大剣を横凪に振った。

 

  アリウスはそれを剣で受け止めようとするが、吹っ飛ばされてしまった。

 

「何て、パワーだ!?」

 

  アルバートはアリウスに斬りかかる。

 

「すぐに終わらせてやるぜ! 」

 

  アルバートは剣を縦に振り落とす。

 

  アリウスは大剣の一撃を避けて、アルバートの片腕を斬りつけた。

 

  アルバートは腕でアリウスを払おうとする。

 

  アリウスは再び避けて、アルバートの胸を斬りつける。

 

「どうした、動きが鈍いぞ?」

 

  アルバートは剣を振り落とす、今度はアリウスがアルバートの攻撃を弾きとばした。

 

「どうした、自慢の怪力もよわくなってるぞ?」

 

  アリウスはアルバートの腹に剣を突き立てて、そのままアルバートを蹴っ飛ばして剣を抜いた。

 

  アルバートは地面に倒れる。

 

「死ぬのか…」

 

  アルバートの声はかなり掠れて周りは聞き取れないほどだった。

 

  アルビダが空に向かって発砲した。

 

  アルバートはその方向に顔を向けるルークで騎士の格好で立っていた。

 

「全ては連合軍の名の元に!!」

 

  審判がジャッジを下す。

 

「勝負あり!!」

 

  アルバートが立ち上がった。

 

  「いや、終わっちゃいねえ!」

 

  アルバートは唾を地面に吐き捨てる。

 

「余りにもここの地面が寝心地良すぎて、ゆっくりしちまったぜ」

 

  アルバートは大剣をかがげる。

 

「くそ、クソくらえだ、俺は英雄ヘラクレスだ、アルバート・ジェネラルだぞ、全ては連合軍のために!!」

 

  周りがざわめき出す。

 

「あいつ、ヘラクレスなのか」

 

「うそだろ、生きてたのかよ」

 

「だけど、オークの強さもヘラクレスだと思えば納得できる」

 

  アルバートは大剣を両手で握りしめて、アリウスに斬りかかった。

 

  アリウスは振り落とされる剣横に避けて、アルバートの首めがけて剣を振った。

 

  アルバートは刃、歯で止めた、口の周りが刃で切れたが剣は完璧に止まる。

 

  アルバートはそのまま剣を噛み砕く、アルバートの口の中が切れて血塗れになったが血を地面に吐き捨てる。

 

  「よう、覚悟は出来たか?」

 

  アルバートはラリアットを放つ。

 

  アリウスはそれをブロックするのだが、アリウスの両手がへし折れてアリウスは向こうの壁まで吹っ飛び壁を突き破った。

 

  アルバートが審判に顔を向ける。

 

  「さて、これでどっちが勝者かな?」

 

  審判はアリウスが立ち上がらない事を確認するとアルバートの勝利を宣言した。


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