ポルカ〜剣の王の伝説〜   作:ガラスのハート

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第10話

 遣られて会場の外でほうけている、ルークの元にアルバートが現れた。

 

  よう、ルーク久しぶりだな、連合軍はこんな大会に出るぐらい暇なのか?

 

  ルークは眉間にシワを寄せて、アルバートを睨みつけた。

 

「 久しぶりだな、アルバート・ジェネラル!!」

 

  アルバートも眉間にシワを寄せた。

 

「もう、将軍じゃねえやい、その呼び方をするな」

 

  ルークは拳を構えた。

 

「なら、こう呼ぼうか、敗走兵め!!」

 

  アルバートは構えない、ただ首を横に降った。

 

「敗走兵ね、間違っちゃいねえ、今じゃ立派な盗賊騎士の一人さ・・・」

 

  アルバートはあごひげを触る。

 

「だが、お前に聞きたい、忠義やプライドで飯が食えるのか!?」

 

  アルバートは腕を力ませる、まるで金属の用にパンパンに膨れ上がり硬くなった。

 

「忠義やプライドが俺達に何を与えた、忠義の元に沢山の犬死にした同士の骸とプライドが傷つき、立ち直れなくなった負け犬の群れだけではないか!」

 

  アルバートは地面をぶん殴る、地面は弾け飛び半径5m近いクレーターが出来た。

 

「装備もないのに喧嘩はやめとけよ、素手の喧嘩なら間違いなく俺はポルカにも負けねえ」

 

  ルークは半泣きになる。

 

「ヘラクレス、貴方が連合軍にいれば間違いなく私が最終兵器など呼ばれる事は無かった」

 

  アルバートはルークの頭が撫でてやった。

 

「そう謙虚になるな、お前は充分に強い、英雄ヘラクレスはあの時あの場所で沢山の同士と共に死んだのだ、今の私はオークだ」

 

  ルークは拳を震わした。

 

「私も貴方のように強くなりたかった・・・」

 

  ~☆~

 

  闘技場は大いに盛り上がっていた。

 

  腕利きの傭兵、ビルダとアリウスと言う男がにらみあっていた。

 

  ビルダは全身に鎧を纏い、大きな盾とメイスを構えているのに対して、アリウスはブロードソード1振りに腰掛け1枚の軽装だった。

 

  ビルダが怒りを顕にした。

 

「なんだその格好は舐めてんのか!?」

 

  今度はアリウスが怒りを顕にした。

 

「お前こそ、なんだその動きにくそうな格好は舐めてんのか!?」

 

  ビルダは逆ギレされて言い返せなくなり、アリウスにメイスで殴りかかった。

 

  次の瞬間ビルダはアリウスに蹴っ飛ばされて、吹っ飛ばされて地面に倒れた。

 

  鉄の鎧を来て、勢いよく走ってくる兵士を助走も付けてないようなただの蹴りで仕留めたのである。

 

  ビルダの来てる鎧は鉄の槍を通さないぐらい分厚く重い、それにビルダの100キロを超える体重と大きな鉄のたてが加わる。

 

  アリウスはビルダの上に馬乗りになり、剣をビルダの首に押し付けた。

 

「俺の祖国は大きく無い男性の胎児は殺されて、その時から戦士として選別される」

 

「俺は生まれた時から戦士だ!!」

 

  ビルダは大人しく負けを認めた。

 

  勝負はあっけなく、一瞬で決まった。

 

  しかし、誰しもにその男が要注意人物だと物語らせるには十分だった。

 

  ~☆~

 

  アルバートの試合相手はアルビダだった。

 

  アルバートは巨大なダマスカスのツヴァイハンターと呼ばれる大剣を背負って現れた。

 

  そして、眉間にシワを寄せた。

 

「初戦の相手が女かよ、話に何ねえな」

 

  アルビダは大あくびをしてみせる。

 

「なんだ、初戦の相手は猿か、話にならないね」

 

  アルバートは軽々と大剣を片手で振り回してみせる。

 

「度胸だけはあるじゃねえか、そういうのは嫌いじゃねえぜ」

 

  試合の合図がなると同時にアルビダはアルバートの膝を銃で撃ち抜いた。

 

  アルバートは肩膝をいきなりつく。

 

  アルビダが次の銃を構えた。

 

「武器はなんでもありなんだろ、これも立派な武器さ」

 

  アルバートは少しにやけた。

 

「面白いもん持ってんな・・・」

 

  アルビダも笑ってみせる。

 

「なんだい、マゾか?」

 

  アルバートは肩膝を撃たれているにも関わらず立ち上がって見せた。

 

「でも、ちゃんとどたま吹っ飛ばさなきゃ、俺は止めれないぜ?」

 

  アルビダは銃で今度は頭を狙って撃った。

 

「あんたが悪いんだよ、そこをねらえというから!!」

 

  アルバートの額が割れて血が流れる。

 

  しかし、アルバートは微笑んでいた。

 

  「いったろ、吹っ飛ばさなきゃ止めれないって、大砲を持ってくるんだったな」

 

  アルバートは大剣を力任せに振り回す。

 

  アルビダはアルバートの避けやすい大振りな攻撃を避けて、軽いフットワークで懐に潜り込みカットラスで首を斬りつけた。

 

  首には傷一つ入らず、カットラスがかける。

 

  アルビダは目を丸くした。

 

「ポルカよりも、あんたの方がよっぽど化物だな!」

 

  アルバートはアルビダを腕で払い除けた。

 

  アルビダは観客席の中まで吹っ飛んだ。

 

  しかし、すぐに立ち上がり銃で狙撃する。

 

  アルバートの胸に弾丸が当る。

 

  アルバートは歯を食い縛る。

 

「いたくねえわけじゃねえんだぞ、バカスカ撃ちやがって!」

 

  アルバートは高く飛び上がりアルビダの目の前に着地した。

 

  アルバートは大剣の縦に振り下ろす。

 

  アルビダは慌てて逃げる様に走って避ける。

 

  周囲の瓦礫が巻上がり、煙が巻き上がった。

 

  煙の中からアルバートが出てくる。

 

「これが、オークだ・・・」

 

  アルビダは歯を食い縛る。

 

「舐めるんじゃないよ、こっちは死を恐れない海の戦士だよ!」

 

  アルビダは折れたカットラスをかがげてアルバートに斬りかかった。

 

  アルビダの剣がアルバートの胸に突き刺さった。

 

  アルバートが大笑いを浮かべた。

 

  アルビダがアルバートを睨みつける。

 

「何がおかしい!?」

 

  アルバートはアルビダの頭をつかんだ。

 

「その程度でこのオークを倒せるとでも思ったのか!?」

 

  アルバートが手を離す、アルビダは意識を失っていた。

 

「脆い、やはり、白刃の王以外に俺をたのしませてくれる奴は此処にはいない様だな。」


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