操虫棍使いの日常XX!   作:初代小人

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大変お待たせしました。最新話です。

今回はこの小説初の、ハンター目線からの小説です。
というか書きたいシチュエーションを書いただけです。反省も後悔もしておりません。
そんなもん要らんわ!という人はブラウザバックを推奨します。

後、感想やら批評やらを頂きますと、この小説がもっと面白くなります。多分。
なので感想お待ちしています。
それでは。


こんなのが書きたい

私は新米ハンター。

操虫棍を使ってるんだ。

でもあんまり上手く動けなくて…

先輩達がいなかったらもうとっくにハンターなんてやめてると思う。

 

 

「おい新入りー早く行くぞ」

 

 

そう言ったのは私に操虫棍使いの立ち回り方やらなんやらを教えてくれる先輩達の中のひとり。

ナルガS装備に身を包んでいて、とても強い…んだけど。

 

 

「さあって、今日はどんなモンスがいるかなぁ♪」

 

戦闘狂過ぎるのと、訳の分からない小技が多すぎるせいで、そのアドバイスの八割は役に立たない。

 

「…馬鹿か。新入りがいるんだから乱入なんて無い方が良いだろう。第一採集クエなんだから狩ろうとするな。」

 

その戦闘狂の先輩を諌めたのは、ハンマー使いの先輩。

ハンマー使いとはいえ、ハンマーしか使えないわけではなく、ガンナーや、果てには癖の強い狩猟笛すら扱える最強のオールラウンダー。

このパーティーの中で一番の常識人で、無口だけど一番頼りになる。

 

「まー乱入くらい、余裕っしょ。ウチとそこの戦闘狂かハンマーかどっちかで叩きのめせるって。」

 

そう気楽そうに言ったのは、スラッシュアックスを担いだこのパーティーで私ともう1人の女性ハンターの先輩。

全体的に能天気で、バカっぽい言動が目立ち、操虫棍使いの先輩にはいつもいつも弄られている。

 

狩場へと向かう竜車の中でそんな会話をしているうちに、遺跡平原に到着。

 

 

「ここからは各自バラバラでいいだろ。採集クエだし、最悪なにか危険なことがあったらサイン出してくれ。あとネコタク乗って戻って来たらチケット納品して速やかにクエストクリアさせること。以上、解散。」

操虫棍使いの先輩がそう言って、私たちは遺跡平原に散らばって採集を始めた。

 

 

 

それからしばらくして、エリア2でハンマー使いの先輩と出会った。

黙々と採集を済ませて、「エリア4に行って鉱石掘ってきますね」と言って私はエリア4に向かった。

 

 

 

 

エリア4にはレアな鉱石が沢山あって私は上機嫌で採掘していた。

 

そこに、患いを司る黒い竜が現われた…

 

 

「ゴア・マガラ…」

私はそいつの名前を呼ぶことしか出来ない。

情けなく足が震えて動けない。

ゴア・マガラは獲物を見つけて咆哮する。

存在しないはずの目がギラギラしているような気がした。

 

私は震える手でサインを出した。

とはいえ、力尽きるまでのカウントダウンは始まっている。

 

首筋がぞわりとする。

 

明確な死の予兆(ゴア・マガラ)が、いよいよ牙を剥く。

 

思わず目を閉じた、その時だった。

驚いたようにゴア・マガラがうめき声を上げる。

 

目を開けると、ほぼ視認できないほどの速さで濃紺色の巨大な蝶が赤い光を帯びて飛翔し、一人のハンターの元へと戻る。

 

オオシナト。

昔は最もメジャーな猟虫であったが、今ではトリプルアップ延長効果を持つエルドラーンに取って代わられた前世代の遺物。

今では先輩くらいしか使う人はいない。

 

 

「おい、ウチの新人に何手ぇ出そうとしてくれてんだ?この害虫風情がよぉ!」

あ、先輩、今まで見たことないレベルでブチ切れてる。

流石にゴア・マガラに同情する。

 

 

ゴア・マガラに向けて二度、三度飛翔するオオシナト。

それは正確に前脚、翼膜に命中して着弾地点を斬り裂き、それぞれ黄色と白色のエキスを主人に与える。

 

羽虫が眼前を飛ぶことをよしとしなかったのか、ゴア・マガラが再び咆哮。

先輩はそれをエア回避を使って無効化。

 

ハンター養成学校の座学で習った。

この星のアタリハンテイ力学という分野は未開拓な学問であり、多くの謎が残されている。

その中の一つに「フレーム回避」というものがある。

私達ハンターは、回避行動をとると、特定のタイミングで、床以外の全ての影響を受けない時間が存在する。

 

 

そのタイミングでは、ありとあらゆるものが無効化される。

たとえモンスターの咆哮でさえも。

 

それからの戦いは理解するどころの話ではないレベルだった。

ブレスはすべて横に転がったりしてかわし、尻尾なぎ払いはエア回避のジャンプを合わせてそもそも当たりすらしない。

 

ハンター歴ではハンマー使いやスラッシュアックスの先輩が長いが、一番の化け物は操虫棍使いの先輩である、周りの人がそう言っていた理由がようやく理解出来た。

私が出したサインに駆けつけたほかの二人の先輩も、呆れたように援護できる程度の距離で見ている。

どうやら割り込む方が危ないらしい。

 

操虫棍使いの先輩と一番付き合いが長いハンマー使いの先輩は「あぁ…アイツ、スイッチ入ってるわ…」と呟いた。

 

 

操虫棍は、猟虫とのコンビネーションで、かなり自由な立ち回りができるしかなり強い武器だ。

それでもやっぱり弱点はある。

 

操虫棍はほかの武器に比べて攻撃の動作一つ一つが長い。

こればかりは先輩もどうしようもない問題。

 

 

私の目に写っているのは…ヒドゥンサイスを振り回す先輩。

それに向けて一対の翼脚を振りかぶるゴア・マガラ。

 

「あっ…」

スラッシュアックスの先輩が漏らした声がやけにはっきり耳に届く。

 

思わず私は叫んでいた。

「先輩ーーーーーー!!!」

 

しかし、無慈悲にもゴア・マガラはその翼脚を叩きつけた。

 

先輩でも…ダメだった…

真っ暗になりかける視界の中でハンマー使いの先輩が、「見ろよあれ!」と指差して言った。

 

その指の先には。

青白い光を振り撒きながら高く飛び上がり、そして落下しながらゴア・マガラを切り付ける操虫棍使いの先輩。

本当に…化物だ…

 

そして、無様に転がったゴア・マガラの上で先輩は一言。

「おい、アタリハンテイ力学って知ってるか?」

 

そして再び地に転んだゴア・マガラは、その後起き上がることは無かった。

 

 

 

 

 




今日のモンスター辞典

ゴア・マガラ



分類:???、古龍目、廻龍亜目、マガラ科


・広大な大陸の各地で稀に目撃される大型モンスター。
・神出鬼没で、目撃報告も少ないことから、その生態は極めて謎に包まれている。
・周りへ及ぼす影響は多大で、危険性は極めて高い。
・また、攻撃性も高く、航海中の大型船を襲撃したという報告が多数上がっており、ティガレックスに襲いかかる姿も確認されている。
・ギルドの研究の結果、極めて危険な性質を持つことが判明したので、ギルドでは「黒蝕竜」と通称されている。
・赤黒い鉤爪のついた巨大な一対の翼脚と呼ばれる黒い翼を持ち、それを用いて空中を鋭く飛ぶ様子が確認されている。
・その飛行能力は飛竜の中でも高く、嵐の海上を高速で突っ切ったり、滑空しながら細かく軌道修正して敵に突進するといった芸当が可能である。
・新陳代謝が異常に高いためか、常に鱗が生え変わっており、体を離れた鱗は鱗粉として宙を舞い、遠目からは黒いモヤのように見える。
・ゴア・マガラには目が存在せず、その代わりに発達したのが先述の鱗粉と考えられており、外敵などが近くにいることを確認すると、意図的に鱗粉を周囲に撒き散らすようになる。
・そしてこの鱗粉を吸い込んだ生物は神経、身体能力の異常、免疫力の低下といった症状が現れる。また、モンスターが鱗粉を吸った場合、そのモンスターは凶暴化する。このことからハンターズギルドではゴア・マガラの鱗粉を「狂竜ウイルス」と呼んでいる。
・そして周囲の鱗粉の密度が高くなり、ゴア・マガラの感知能力がピークに達した時、「狂竜化状態」と呼ばれる状態になり、翼脚を脚として使い、六本足で歩行するようになる。
・この状態のゴア・マガラは自身とその周辺一帯を自分のテリトリーと位置づけ、その中にいる者にはさらに激しい攻撃を加えるようになる。
・狂竜化状態にのみ展開する触角は外部からの攻撃に弱く、特に火を使った攻撃を受けると多大なダメージを受けてしまう。
・一定まで成長すると、黄金色の鱗を持つ古龍「シャガルマガラ」になる。
・シャガルマガラは罠などが効かず、古龍の血を採取できるなど古龍としての特徴が見られるのに対し、未成熟個体であるゴア・マガラは、罠が有効であるなど、古龍としての特徴が見られないため、明瞭な分類はされていない。

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