束ねられた矢の全てを一斉射する。ただの乱射でしかないはずのそれだが、ティグルにとってそれは乱射ではない。
「おおお!!」「はぁっ!!!」
ティグルが放った矢の「援護」をすべく「矢の意」を受けた剣士二人が、必要な「壁」全てを斬りはらう。
開かれた「壁の向こう」イメージされた通りに騎士の兜を貫いていく「閃光」。剣と弓の豪撃で都合百四十の騎士が、物言わぬ死体となり、モルザイムの大地に沈む。
「若っ!」
投げ渡された矢筒、従者であるバートランが担いできたものは既に八割がた使い切った。
しかしまだ足りない。エレンはともかくとしてリョウはもっと早く切り刻み俺の矢を活かせるはずだ。
次をやろうとした時にアルサスの兵士―――トレブションが、伝令として自分の傍にやってきた。
「ティグル様! 万事順調! 仕込みも完璧です!!」
「オルガは無事なのか!?」
「ええ、自由騎士の奥方と共に合図を待っています!!」
大声で問い返さなければならないほどに、怒号が響く。あちらも必至だ。
「竜だ! 竜が出たぞーー!!」
来た! 待ち望んでいた声だ!! ここからは如何に竜を無力化出来るかだ。
最前線に立っていたエレンとリョウは、その声を発した騎兵などを下がらせながら、対峙するに良い場所まで下がろうとするも――――――。
まるで高矢倉から放たれるかのように凄烈な一斉射、弾き飛ばしながら馬を操り中央部隊の後退を支援する。
「成程! 柔軟な発想だ!!」
「絶対に落とせない「
感想を交互に述べながらも、矢弾は降り注ぐ。
どちらも千チェート近い巨躯であり、その背中に器用にも「弓兵」達が弩やボウガンの類を持ちながら、絶え間ない射撃を行ってくる。
(惜しいね……その智謀…!)
これを指示しただろう鼠賊の親玉の事を思い浮かべる。その立場さえ違い義により味方と言わずとも、こちらと協調出来ていれば、一角の英傑にもなれただろうに。
だが残念ながら、親は「奸賊」。王権狙う不忠の蛇蝎である。本人の人格がどうあれ――――それはこの戦国の世において考慮されるものではない。
決意を込めると同時に思考を巡らす。このままならばそろそろ、回り込んで側面から騎兵を回してくるはずだ。
火竜の炎を受け流しながら、遂に大体の連中は撤退出来たことを確認する。しかし何人かは逃げ遅れて、地竜の突撃、火竜の息吹で圧殺、焼殺された。
――――ここで潰す。その気持ちでアメノムラクモに「地の勾玉」を着ける。瞬間、周囲から岩塊を集めに集めて刀身を形成する。
柄の短さで違うと言えば違うが「斬馬刀」が出来上がった。そして後方にて飛竜が飛び上がりそうなのを見て、「最悪」の一歩手前だと気付く。
「やるぞ!」「ああ!」
決意を込めて騎馬による突撃をしながら、剣を向ける。並走するエレオノーラの剣に風が集まるのが分かる。
放つものは分かる。それは鎧袖一触の一撃だ。近づかれては不味いと矢の圧力が強まるも、こちらの移動ルートを察したティグルの矢が全てを打ち落として、その射線から位置を算出して、竜の上に跨る弓兵を打ち落とす。
(とんでもない実力者だ。遠雷、弓聖(きゅうせい)なんて称号でも送りたくなる!!)
陛下の見立てならば王は西方において「救世」を行うもの。「救世王」にして「弓聖王」たるべき男。そんな男と戦えることにもはやリョウの心意気は上がるばかりだ。
しかしそれはティグルも同様だった。
西方の術理とは違う流れるような剣の動きが閃く度に、血飛沫があふれる。そしてその動き。リョウの心の速度が「分かる」のだ。
そして自分の弓を最大限活かしてくれる剣友―――――。
(剣匠なんて称号じゃ足りない……闘神、剣聖を俺は見ている!)
彼の剣は自由だ。自由であるからこそ新しき世の訪れを感じられる。
「建世」を行うもの。「建世王」にして「剣聖王」たるべき男。そんな男に巡り合えたことにティグルは神への感謝をする。
『あの不死鬼の子に感謝をするならば――――あなたは、飛竜を「撃ちなさい」』
そうして熱くなっていた時にティグルの頭に―――――声が響いた。
背中が粟立ちながらも、その言葉は何故かティグルを従わせる。どこから響いているのかは分からない。しかしそれでも怒号響く中、涼やかに聞こえる声は、真実を見抜いた。
矢が飛ばない。しかし決着は着いていた。
決着の程を見てから―――残った脅威であるものを見た。ティグルは上空に向けて『狙い』を付けていた。
エレンは、己のアリファールに風が巻きつくのを感じながら、その調子がいつもと違うのを認識していた。
悪くは無い。寧ろいつもより良いぐらいだ。その調子の良さは―――まるでいつもの竜技の威力を越えそうなぐらいだ。
圧縮されていく風と大気の塊、絡みつく剣の輝きが増す。その原因は分かっていた。
(つまりリョウの持つアメノムラクモとアリファールは相性が良いということか?)
打ち落とされていく矢。ティグルの援護をいつまでも受けているわけにはいかない。考え事を打ち切ってエレンは剣を最上段から下段に振り下ろしつつ、言葉を紡いだ。
「
解き放たれる「嵐刃」が地竜を引き潰し、撹拌して肉と骨を完全に砕いていく。無論、背中に乗っていた弓兵もろともである。
リョウは、火竜が息子の同胞であろうことを理解していた。あれは恐らく火竜山から連れ去られた竜。
それをテナルディエ公爵が従えていることは、テナルディエ公爵ないし、公爵の近くにいるのだ――――。魔なりし者が。
神流の剣客として、それは打ち滅ぼすべき邪悪だ。息子の故郷に帰してやりたい気持ちが無いわけではない。
(だが―――それは出来そうにないな……せめて一太刀で決めてやる!)
だから最後まで抵抗してみせろ。貴様も竜王の眷属であるというのならば、その意気を見せろ。
吐かれる炎。身を包む炎の猛りに合わせて、剣を流麗に動かして―――炎を吸収しつくして溶岩のように赤い亀裂を刀身に見せる「土蛇剣」を振り上げて、裂ぱくの気合いと共に振り下ろした。
百チェート以上の「大剣」など生ぬるい「巨人の剣」が振るわれて、身を真っ二つに裂かれる火竜。その時、逃げようとしていた弓兵達だったが、あまりの早業に逃げられるわけも無く、竜と同じく二つに両断された。
(待っていたぞ!! この時を!!!)
ザイアンの心中で喝采が湧く。竜が殺されることは織り込み済み。そもそもあの初戦でも自由騎士と戦姫の持つ武器が竜に傷をつけていたことは分かっていた。
あわよくば的の遅滞戦術を潰されたことに対する煮えかえり、殺された弓兵に対する恨みはこの後の「攻撃」で払わせる。
情報の正確さを要求していたザイアンならではの狡猾さが発揮された。それは本来ならば勝利の方程式だった。だが、それを覆すは―――価値を認めつつも、どうしても和解する機会なかった狩人領主の一矢によって砕かれた。
「突撃だ!! やつらとてここまでの化け物ぶりを見せて―――飛竜との連携で戦えるわけがない!!!」
自分達が中央の自由騎士と戦姫を討取れば、未だに恐慌状態の連中も前に出る。勇気を持って進撃する。
(サラ! 俺に勇気をくれ!!! 俺はこの戦いに勝ち!! 新しき世を―――本来の公爵家の道を!)
ザイアンとて怖いのだ。それでも自分が前に出なければどうにもならない。それでも戦わなければ―――
上空を飛びながら突撃を開始しようとする飛竜。2ベルスタの高さから曲射で突撃しつつ、その背に積み込まれた樽弾を、ヴォルン達の陣に叩き込めば奴らも混乱する。
何よりそんな「戦術」は古来よりあり得ない。ここにはあの化け物のような飛竜と火竜の混血もいないのだ。
それがあれば変化させただろうが、ここにいない以上―――勝利は目前だ。
飛竜の攻撃とほぼ同時の突撃。攪乱させた上でのブリューヌ合戦式の突撃は如何に精強なジスタート軍とて壊滅させられるはずだ。
飛竜から樽弾が落とされれば、
粉塵が舞い上がれば、
敵陣に混乱が起きれば、
閃光が地上から上空に走った。
飛竜の支援あるはず、
四百アルシンの半ばを中央の部隊の残りに本陣部隊を加えた七百兵の大突撃が―――――。
もはや目前に迫りつつも飛竜の支援が無い―――。しかし勢いは殺せない。空からの支援という協力のみが、テナルディエ軍を支えていた。
予定より遅れているのは、ただ任された騎兵上手でも飛竜を操るのは難しいからだ。
―――――もう少しで、飛竜の攻撃が始まるはずだ。
そんなテナルディエ軍の考えは―――その突撃の真ん中に落ちてきた飛竜と騎兵の骨と肉の雨霰で砕け散った。
閃光が地上から上空に走った。
それを見ていたはずのテナルディエ軍は、気付けなかった。
「閃光」は―――、「魔弾」は―――、テナルディエ軍の最後の希望すらも堕としたのだ。
「――――銅鑼を鳴らせ! 最後の仕上げだ!!」
「奴らは死に体だ。徹底的に打ちのめせ!!」
現実離れした光景に呆然としていたが、覚醒を果たしてエレンは指示を出す。リョウもその言葉に重ねるように声を出した。
こちらの言葉で呆然から覚醒したのは、テナルディエ軍も同じだった。
兵士達は既に命令を無視して逃げている。鎧も武器も何もかも投げ捨てて、恐怖から逃れようと走り去っていく。
「待て!! 逃げるな! たたか―――」
突撃部隊の中で命令を発しようとした騎士の一人を兜の上から矢が貫いた。届いた約250アルシンという距離では、何も自慢にならない。
しかし今まで待たされていた鬱憤を晴らし、何より「弓聖」の戦いに同行出来なかった不満を晴らすようにルーリックは騎兵を操りながら、最後のとどめの号令を『一矢』で掛けていた。
リムもまたここまで力を溜めに溜めていたものを解放できる喜びを感じていた。最大の力を発揮できる最上の騎兵部隊による強襲。
まさに先程までテナルディエ軍が思い描いていた攻撃がモルザイムに展開される。
それが敵であり他国人であるジスタート軍によって行われているのだから皮肉も極まれりだ。
中央700から100が散逸して、600がどうしたらいいのか途方に暮れる。しかし目の前には怒号を響かせて迫る騎兵軍団。
そして後方からは―――――。
「スティード様! ザイアン様!! 後方より伏兵500が出現!! 騎兵で以て迫ってきます!!!」
それらは後方に走り抜けた部隊と合流して、こちらの背後を貫こうとしているとのこと。
進退窮まった……。その感想は両名に出た。そしてザイアンよりも早くスティードは指示を出した。
「馬を翻せ!! 我らは左方より脱出する!!」
そちらは、ガヌロンの領地近い。しかしそれでもネメクタムに帰るためにもニースに寄らなければならない。
「ザイアン様。ここは一時的に戦域を出るべきです!」
「あっ……ああ……て、撤退しろ!!」
呆然自失していたザイアンに気付けをしながら、スティードは、どこにあれだけの伏兵を隠していたのだと睨みつける。
右翼左翼の残存部隊は中央軍から離れていたので、伏兵に合流した部隊に滅多打ちにされている。
そして自分達も逃げなければ―――壊滅させられる!!
このままでは全滅は確実だと、スティードは思った。
「逃がすな!! 背後を見せて馬も疲れている鼠賊共を生かして帰すな!!」
600の中央軍の背中に遂に追い縋ってきた最強の部隊。
目の前には、ジスタートにも風聞伝わっている忠節踏みにじる奸賊だ。これで戦意が生まれないものがいようか。
「見ろ! 家の麦を浅ましく齧っていた
「入った家が獅子の住処ならば逃げ帰るのか! 腰抜けめ」
次々と浴びせられる罵詈雑言に馬を翻そうとするスティードと同じ騎士達だが……。
「言いたい奴には言わせておけ!! 今は逃げて!! 生き延びるのだ!!!」
見もせずに、スティードは厳命する。それでも逃げ遅れた200が壊滅させられる。
そして逃げていた方向の一角で、何人かが落馬をする。それに巻き込まれる形で、更に落馬が出てくる。
(罠だな……こちらの動きを読み切って……いや誘導させられていた……!)
この状況は全てあちらの思惑通りのはずだ。
左右のどちらに逃げ込むか、分かっていたのだ。徹底的に追い落とされる恐怖がスティードを慄かせる。
しかし今は逃げるしかないのだ――――――。この屈辱は忘れない。そうスティードは決意して、今は生きることを最優先にした。
† † † †
「派手にやったものだな」
「同感だが、まだ終わっていない。ザイアンを殺さない限り終わりではないんだから」
既に潰走して逃げていくザイアン及びテナルディエの残兵。しかしティグルはここで終わらせるつもりは無かった。
ヤツを殺さなければアルサスに再びテナルディエ公爵は兵を向ける。その時―――今以上の策をやられて勝てるかどうかは分からない。
何より―――アルサスの住民を不安に陥れた元凶を逃すつもりはないのだ。
「よく言ったティグル。それでこそ私の見込んだ男だ。リム、元気のあるもの三百を組織してテナルディエを徹底的に追い落とす。馬も装備もいいものにしろよ」
「それならばすぐですよ。私とルーリックの部隊は殆ど出番が無かったのですから」
「言われてみればそうか」
最後のとどめとして動いたルーリックとリムの部隊だが、生憎殆ど戦うことは無かった。本来ならば最後のとどめとして後方部隊と連携した上での交互突撃で終わるはずだったのだが。
「暴れすぎたな……正直、誤算だったのはテナルディエ軍のディナントでの恐怖が根強かったことだ」
そうして話していると、幾つかの指示を出していたリョウが自分たちに合流してきた。その傍にはオルガとヴァレンティナもいた。
「流石は自由騎士、貴様の恐るべき剣技と色欲っぷりがテナルディエ兵の肝を冷やすだけ冷やして逃げさせたな」
「お前、前線の兵士が自分に向けて「銀髪の悪魔」とか叫んで小便ちびっていたの見聞きしなかったのか?」
そんな風に剣呑な感じになるエレンとリョウ。しかしリョウの話すことはティグルも聞いていた。
テナルディエ軍の恐慌の原因としては半々といったところだろう。
「逃げた兵士達が盗賊となって近隣に跳梁するかもしれない。残兵がいたらば投降するか、武器と防具を渡して帰るように言ってくれ」
「承知しました。ということは……またもやティグルヴルムド卿の闘いには同行出来ないのですな」
やるべきことを願うと肩を落として落胆するルーリック。別に仲間外れにしようというわけではない。ただ単に、信頼できる武官にそういう敗残処理をお願いしたいのだ。
ましてや捕虜なんてのを食わせる余裕は無いし、この一戦の後も、自分がどうなるか分からないのだから。
「すまない。そういう処理に関しては「清廉」なる「騎士」であるお前だけが出来る仕事だろ?」
「お任せを、アラムなどにも厳命しておきますのでご安心を!」
乗せられていることに気付かないのか。と少しだけ不憫に思いながらもリョウは、『伏兵』の馬に取り換えるように指示をする。
「まさか、無人の馬をザイアン達が伏兵だと思うなんて……。よっぽどディナントでの敗戦が利いているんだな」
テナルディエ軍が後ろから来ていると見た伏兵。それは―――ティグルが偽兵として威嚇しようとしていた替え馬であった。
しかし四方八方に斥候を放っていたテナルディエ軍が見つけられなかった理由。それは単純明快に、ティグルの策である。
このモルザイムに牧場を設定するとした時からティグルは、ここが狙われる可能性を考えていた。
牧場を作った時点で、それら家畜や馬を隠せられる避難場所と指示を責任者にしたためていた。
「それゆえ、騎馬の駿馬は無事だった……しかし、そこが伏兵の隠れ場所になるとは考えたもんだ」
「旗を馬に多く掲げさせることで大軍にみせかけたのはリョウの戦略だろ。それがなければあっさり露見していた可能性もある」
二人ともが馬に乗り換えながら、全ての策を露見する。偽を「真」にして、真を「偽」とする。その策略は二人の若武者の働きあってのものだった。
互いに手柄を称賛していたのだが――――。
「ティグル! 私が馬笛を吹いたからこそタイミングよく馬がやってきたんだ。褒めて!」
「怖かったですリョウ。だから抱きしめながら私を次の戦場まで連れて行って下さい♪」
二人の戦姫が、そんな若武者の馬に自然と乗り込んだ。姫として殿方癒してあげますという自然な様に、エレンは青筋を立てる。
ヴァレンティナはともかくとして、ティグルの馬に自然と乗り込んだオルガはいかんともしがたい。
馬を寄せつつ、ティグルの眼前に迫り報酬を要求する。
「ティ、ティグル! 私も頑張ったぞ! すっごくがんばったんだから、何かやれ!! とにかく褒めてくれ!!」
「なにかって………ありがとうエレン。まだ一働きしてもらうけれども、俺に力を貸してくれ」
そうして手を伸ばしてエレンの頭を撫でるティグル。その後には、年相応の少女のように赤くなるエレンであった。
本当にふやけた表情をするエレンだ。ティグルは当分、頭撫でを止めることは出来そうにないだろう。
捕虜にした時は、懐柔するつもりだったのに、懐柔されてどうするとリムは思いつつ、リムも少しだけこの青年貴族の評価を改めた。
自分の策であった落馬のための紐集めの際の様子。そして設置さえ何も文句を言わずやってくれたアルサス領民。
この青年貴族が本当に領民から愛されているのだと実感できたのだが……。
(まぁいいでしょう。それにしても問題なのは……)
リムがそう納得してから視線を向けたのは、青年貴族が、どういった『存在』であるかを認識していた―――エレンの様子に苦笑をしている自由騎士である。
リョウ・サカガミはティグルが飛竜を「貫いた」ことに何の疑問も抱かなかった。後方から望遠鏡をのぞいていたリムは分かっていた。
呆然としていたエレンとは別に飛竜が落ちたことを、何の疑問にも感じず追撃の号令を掛けたのだから――――。
詳しい話は道すがらでいいだろうと思っていると、追撃部隊が出来上がったのを伝令役から聞く。
「戦姫様! リムアリーシャ将軍! 準備整いました!」
「むっ、よしティグル分も補給した。先回りのルートを取って完全なる勝利を得るぞ!!」
『ティグル分』って何だよ? とエレン除いて全員が思いつつも、後一手なのだ。大将の首を獲り、それで終わりだ。
「追撃を掛ける!! 伯爵閣下の土地を布告も無しに奪おうとした賊を完全に追い落とすぞ!!!」
エレンの掛けた号令に対して、剣を、槍を、弓を高く掲げて、意気を天にまで衝かせようとしているライトメリッツ兵士達を見てから行軍を開始する。