結婚して子供までいる男のIS 作:ホロホロ
胃が痛い・・・
「お前には俺の最終奥義を伝授する」
現在の時刻は夜。
俺達は寮の屋上に居る。
一夏のクラス代表決定パーティーも終わり、一般生徒達は部屋で談笑している頃だろう。
俺も部屋に帰ってゴロゴロしたいが、そうはいかない。
卑劣な方法で治人を倒してしまい、怒りを買ってしまった俺は、埋め合わせとご機嫌取りのために『最終奥義』を治人に伝授する所だ。
「お前は特別な眼『写輪眼』を使え」
「この眼って写輪眼って言うんだ・・・」
そう言えば教えてなかったけ?まあいいや。
俺は手のひらに特典で選んだ『九尾と同等のチャクラ量』という膨大なチャクラを集中させる。すると、手のひらから少し浮き、乱回転をした青色の球体が形成される。
「これが最終奥義『螺旋丸』だ!」
俺が四ヶ月修行してやっと出来た術だ。
ん?何で写輪眼持ってるのに千鳥じゃないのかって?印を忘れちゃったんだよ!
その点、螺旋丸は修行方法が明記されていてやりやすかった。未だに螺旋手裏剣は出来ないが、万華鏡写輪眼を併用したアレンジ技等が出来るので破壊力に関しては問題は無い。
「じゃ!やってみろ!」
「え?」
流石に、いきなりやれって言うのは無理か・・・
「もう一度やるからしっかり『見てろよ』」
今、手のひらに浮いている螺旋丸を消し、もう一度先程の工程をやる。
「分かったか?」
「ああ・・・分かった。いや、『見えた』」
流石、写輪眼!チャクラの流れから手の動きまでコピー出来る優れもの!しかも天照等の攻撃、須佐能乎の防御力!写輪眼万能説が浮上するな!
「よし、出来た」
本当に俺の頑張りは何だったのか・・・
「ねえ、転校生の噂話聞いた?」
クラスの女子からそんな話が聞こえる。
「そう、なんでも中国の代表候補生なんだってさ」
今の時期に転校生か・・・案外、四月に転校した方がクラスに馴染めるかもな。まだ人間関係の構築が出来てなさそうだし。
それにしても中国か・・・四川風麻婆豆腐がくっそ旨かったな・・・
チョロコットさんとモッピー、一夏が前でワイワイガヤガヤやっている。他のクラスメイトも混じり、より一層騒がしい。これが学生の乗りか・・・俺も若い頃はああだったのか・・・
「なあ、治人!賭けしようぜ!」
今の若者のテンションで後ろに座っている治人に声をかける。磯野を野球に誘う中島の様に。
「なんの賭けだよ父さん」
「転校生が一夏に惚れるか惚れないか。俺は惚れるに賭けるぞ」
『なに馬鹿なこと言ってんの、こいつ?』みたいな顔をする治人君。
やめろ治人。その顔は俺に効く。やめてくれ。
「じゃあ父さんの反対でいいよ・・・」
「夏実はどっちにする?」
治人の後ろの席に座っている夏実に聞く。まぁ、答えは分かってるんだけどね。
「兄さんと同じで」
うん、知ってた。
「じゃ、罰ゲームは負けたら何でも言うこと聞くで!」
賭け事に罰ゲームは基本。当たり前だよなぁ。
「兄さんに何でも言うこと聞いて貰える!?だったら父さんの方に賭ける!」
現金な子だなオイ!
「もう好きにしてくれ・・・」
諦めたらそこで試合終了ですよ?治人君。
そんな事を話していたら、一夏達と話していたクラスの女子が、
「今のところ専用機を持ってるクラス代表って一組と四組だけだから余裕だよ。武さんみたいなのがいない限り・・・」
量産機で専用機を倒すのって難しいことじゃないんだけどなぁ。
それよりも今の女子、フラグ建てちゃったんじゃないか!どうすんだよ!デザート半年分無料がかかってんだぞ!?
「その情報、古いよ」
ほら言わんこっちゃない。早々にフラグ回収しちゃったよ!あの女の子には一級フラグ建築士の称号を上げよう!
「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝出来ないから」
壁にもたれ掛かり、そう言う女子。
「鈴・・・?お前、鈴か?」
おっ!一夏の昔の女?モッピーを入れての泥沼の三角関係・・・いや、チョロコットさんも入れて四角形か?誰か殺されたりするスクイズ展開は勘弁願いたい。取り敢えず誠市ね。
「そうよ。中国代表候補生、
素直に一夏に会いに来たって言えばいいのに。釘宮ボイスじゃないけどツンデレの可能性が高いな。
ツンデレはふっと格好付けて笑っている。中学時代の俺と似た様な事しやがって・・・お陰で思い出したくない事を思い出しちゃったじゃないか!
「何格好付けてんだ?すげえ似合わないぞ」
お願いだからやめてくれ。その言葉は俺にも効くんだ。中学の『周りがワイワイしてるけど、それを見てクールに微笑んでる俺カッケー』時代を完璧に思い出したじゃないか。
「んな・・・!?なんてこと言うのよ、アンタは!」
まだ素直に怒れるなら救いようはある。俺なんて『ふっ有象無象の言葉に耳を貸すほど落ちぶれちゃいなんでな』とか言ってガン無視してたし・・・
「おい」
嗚呼、ツンデレの後ろには近接パワー型スタンド『チッフー・プラチナ』が・・・
「なによ!?」
バゴンッ!と、自動車がぶつかった時の様な音を立てたツンデレの頭。ワザマエ!
ツンデレは織斑先生に注意を受けて渋々、自身のクラスに帰っていった。
やっぱり自分はほのぼの日情系を書いてる方が楽しいきがします。
基本、短い文章なんですけどね。しかも不定期更新。