結婚して子供までいる男のIS   作:ホロホロ

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saoの映画を見に行ったのですが最後のシーンで「二人は幸せなキスをして終了」が頭に浮かび、笑いを堪えるのに必死でした。

誤字脱字は教えてくれれば幸いです。


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治人が山田先生をボコボコにしてしまった。山田先生は余程ショックだったのか泣き出してしまった。

 

ーーすいません!すいません!うちの馬鹿息子がすいません!ーーー

 

俺は現在、様子を見に来た織斑先生(ブリュンヒルデ)とその後ろに隠れた山田先生の前で土下座している。

 

ブリュンヒルデ→世界最強→有名人→その関係者を傷付ける→うちの息子の就職が絶望的→息子の人生オワタ(\^o^/)

 

女尊男卑のこの時代だ。男というだけで就職が難しいのだ。さらに全女性の憧れブリュンヒルデを敵に回せば雇ってくれる所なんて無い。最悪、迫害対象だ。

 

「頭を上げて下さい。悪いのは実力が足りなかった山田先生です。息子さんのせいではありません。」

 

慣れてなさそうな敬語を使い、俺の土下座を止めさせる。

 

さらっと山田先生をdisってる織斑先生はきっと天然なのだろう。また山田先生が涙目になってし・・・

 

良かった。本当に良かった。これで息子が就職できる!

 

「山田先生がこんな状態なので私が試験官を務めましょう」

 

そう言って勇猛な笑みを浮かべる織村先生。

 

絶対、息子が強いなら俺も強いとか思っちゃってるよ!俺の性格はおくびょうなんだぞ!?素早さに補正かかってるんだぞ!

 

「無理はしないでね・・・」

 

嫁様が心配して下さってる!この試合、絶対に負けられないな!

 

「無理はしないさ・・・だが、別にアレ(織斑先生)を倒してしまっても構わんのだろう?」

 

「父さん・・・何でフラグ立てるんだよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お互いにIS『打鉄』を身に纏い、向かい合っている。

 

「試験官だと手を抜くな。全力で来い!」

 

敬語も取れてしまったブリュンヒルデ・・・彼方も全力を出すのだろう。

 

「それでは胸を借りるつもりで・・・」

 

そう言って特典を発動させる。

 

目が朱色に染まり、織斑先生の一挙一動も手に取る様に解るようになった。

 

これで、見失う事は無いだろうと思った瞬間、織村先生が視界から消えた。慌てて周囲を探ると懐に潜り込まれ、主兵装の刀を振るう直前だった。なんとか刀を回避し、後方にジャンプする。

 

流石、世界最強だ。

 

やはり写輪眼では動きに着いていくだけで精一杯だ。だが、こちらもまだまだ手札が残っている。

 

「万華鏡写輪眼」

 

自分では見えないが、眼の勾玉が形を変えて手裏剣の様な形になっているのだろう。

 

やはり魔眼系の能力ほど格好いい物は無い。中学生が鏡の前でポーズを取る気持ちがとても解る。誰だって一度はするだろ?鏡の前で眼を抑えながら「ギアスッ!」ってさ。

 

「その眼は・・・まぁ良い!行くぞ!」

 

再び燃え上がった厨二心を更に燃え上がらせる。まるで若き日のあの頃の様に・・・

 

「貴様が挑むのは回避の極地ーー恐れずしてかかってこい!ブリュンヒルデ!」

 

そう言いニヒルに笑う俺。キラキラした目で見る嫁。どこか悟った顔の兄妹。

 

これは黒歴史確定だな。間違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、俺が逃げ越し勝負は引き分けになった。

 

だってしょうがないだろ!天照は殺傷能力高すぎて使えない。諏佐能乎は目立つから使えない。他の特典も化け物認定されかねない。よって回避しか選択肢が無い。 Q.E.D.証明完了。

 

まぁ、死亡フラグを回収しなかっただけ良しとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

現在俺、治人、、夏実は原作主人公の『織斑一夏』と一緒のクラスで自己紹介の順番を待っている。嫁は生徒ではないため先に寮に行き、荷物を片付けている。

 

そうだよ!よりにもよって厄介事の種と同じクラスだよ!

 

俺の名前は『垣見 (たける)』のため、席順は一夏→俺→治人→夏実だ。自己紹介の番は一夏に回ってきたので次ということになる。

 

「織斑君。織斑一夏くんっ!」

 

「は、はいっ!」

 

周りからはクスクスと笑い声が聞こえる。

 

可哀想に・・・学校生活はスタートダッシュが肝心なのだ。最初にネクラ、オタク、キモい等の印象を与えてしまうと、それを払拭する事は難しい。ソースは前世の俺だ。一人での昼食、体育での二人組、教科書を忘れた時は地獄だった。

 

あれ?眼から涙が・・・

 

ここは助けてあげよう。イケメンだから俺の様にはならないだろうけど。やはり顔か!顔なのか!?

 

後ろから一夏の背中を指でさす。余談だが、この行動をする女子は可愛く見える。

 

「無難に名前と趣味言っとけ」

 

「・・・ありがとう!」

 

一瞬ポカンとした顔をしたが直ぐに前を向き、自己紹介を再開する。

 

「えーー織斑一夏です。趣味は料理等をしています!一年間よろしくお願いします!」

 

趣味が料理の主人公多くない?俺なんか味噌汁も作れんのに・・・

 

一夏が座り、遂に俺の番が来た。

 

俺が立とうとした時に、俺の席の横を織斑先生が横切った。そのまま流れる様な動きで一夏の頭を出席簿で叩いた。

 

アイエエエエ!?一夏ナンデタタカレテルノ!?ナンデ!?

 

「誰かに教え貰わねば満足に挨拶も出来んのか馬鹿者」

 

一夏君はどの世界線でも叩かれる運命なのかもしれない。

 


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