とりあえず昔投稿してた分を少しづつ出します。
~オープニング~
宇宙歴七六七年。
地球が異星文明とファースト・コンタクトし、地球連邦―――後の銀河連邦が創設されてからでさえ、およそ七百数十年が経過していた。
地球と惑星レゾニア間での戦争や、十賢者による宇宙征服の陰謀など、様々な歴史を経て、人類は銀河全域に拡がっている。
銀河連邦は栄華を極め、すでに宇宙において比類なき力を手に入れていた。
銀河の1/3の探査を終えても研究者たちの探究心はとどまることを知らず、次々とより高いレベルでの研究に手を伸ばしていったのである。
銀河系セクターλ、第17宇宙基地。
数十隻の銀河連邦所属の戦闘専用艦とアールディオン所属の艦艇が互いに撃ち合ったフェイズキャノンやクリエイション砲の発射による閃光がまるで宝石のように煌き、星の海に広がってゆく。
抵抗する力を徐々に失いつつある銀河連邦軍の基地からは脱出してゆく民間船や脱出ポッド達が蜘蛛の子を散らすように離れて行った。
次々と撃破されてゆく銀河連邦軍の戦闘艦。
取り残されたように佇む宇宙基地の中に、取り残されている一人の青年が居た。
冷凍睡眠装置に保管されている彼の体は凍てつき、再び目覚めを許されるまで自らの意思で起き上がる事は出来ない。
そして、宙域で戦闘を繰り広げていた戦闘艦の内の一艦のクリエイションエンジンが暴走を起こし、基地全体はクリエイションエネルギーの放つ強烈な光に包まれる。
膨大なエネルギーの渦に包まれた基地は瞬く間に消滅し、この宇宙に一際大きな光を放って消えた。
宇宙に残る銀河の歴史の一つの終着である。
しかし、これは彼にとっては旅の始まるきっかけに過ぎない。
青年――ミサキ・ナカジマはこれから自分が数奇な旅に出る事になるとは知る由もなかった。
ひとつの世界の幻想を経巡る、遍歴の旅へと。
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次回予告
男は見知らぬ土地で目を覚ます。
妖怪の山に流れる川の中の洞窟に住む、“河童”のにとりは、奇妙な絡繰を発見する。
それをきっかけに起きた出来事は、互いに予想外の接触を果たすことになる。
人間が苦手な妖怪と、外来人。
相反する二人が接触したとき、新たな物語が始まる。
次回、幻想郷へ流れ着く。
よろしくお願いします。
オープニングを投稿するために余計な次回予告まで…うぐ