キリト「生還したら妹と弟がくっ付いてた」 作:ブロンズスモー
しばらく投稿出来れば良いなと思ってます。
数日経過し、デュエル大会予選の日になった。参加者は1000人、それが四つのブロックで250人に別れる。その中から、更に50人ずつに別れて、2人になるまでバトルロワイアルが行われる事になった。
これで、各ブロックから10人ずつ選ばれ、合計40人が本戦に出場し、そこからはトーナメント戦となった。
出場選手表を見上げて、リーファは呟いた。
「………多いなぁ、50人ずつかぁ」
「まぁ、こんなもんでしょ」
コイコイもストレッチしながら呟いた。すると、その二人の後ろにシグルドとサクヤが現れた。
「二人とも、早いな」
「あ、サクヤ」
「どうだ、調子は?」
「悪くないよ。コイコイもだよね?」
「うん」
「それは何よりだ」
サクヤが微笑むと、シグルドが聞いた。
「二人とも、ブロックは何処だ?」
「えーっと……あたしはA」
「俺はD」
「なんだ、コイコイは私と一緒か」
「はっ?」
「私もDだ」
サクヤが微笑みながら言った。それを聞いて、コイコイは思わず一歩引いてしまった。
「ええっ……マジかよ………」
「試合では手加減しないぞ?」
「いや、なるべくお互いに別の相手狙おうよ……。負けたら……」
コイコイの視線の先には、サラマンダーの一団がいる。そいつらと、数日前に負けた方が言うことを聞く約束をしてしまったのだ。
「……そうだったな」
理解したサクヤも、サラマンダーの方を見た。向こうでは、モーティマーとユージーンがこっちを睨んでいた。
「では、共闘と行こうか。よろしく頼む、コイコイ」
サクヤが握手を求めると、コイコイはどうしようか迷ったが、とりあえずその手を取った。その様子に、リーファはムッとしたが、特に口は挟まなかった。
で、シグルドがまとめるように言った。
「………とりあえず、全員本戦までは残るとしよう」
「………そうだね」
サクヤの台詞に、全員が頷いた。ちなみに、レコンは観戦である。
ー
闘技場は四ヶ所あるため、予選は一斉に行われる。そのため、サクヤとコイコイはD会場の真ん中で待機していた。同じ会場には、モーティマーの姿がある。
「初戦から奴と、か……」
「……………」
「お前、ホントにリーファがいないと無口だな」
「………そ、そうっ?」
「そうだよ。別にとって食おうってわけじゃないんだから、もう少し私達に心を開いてくれると嬉しいんだが」
「そ、そっか……。ごめん」
「いや、別に謝らなくても良いけど」
コイコイはすごく緊張していた。別の意味で。
しばらく待機してると、闘技場の中央上空にカウントダウンの数字が見えた。
「始まるぞ」
「…………うん」
四つの闘技場で試合が始まった。直後、周りのプレイヤー達が一斉に近くの奴に斬りかかる。そんな中、コイコイは空高く飛び上がった。
「っ⁉︎」
そして、両手を下にかざし、呪文を唱えた。
「《セアー・スリータ・フィム・グローン・ヴィンド》」
直後、緑色に輝くブーメランの形をした刃が複数出現し、それらが闘技場のプレイヤー達に降り注ぐ。
「なっ……あいつ⁉︎」
「やられた……‼︎」
モーティマーとサクヤと他何人かのプレイヤーはいち早く危険を察知してステージ横に回避したが、それ以外のプレイヤーはモロに斬撃の雨を喰らい、うち何人かはHPがゼロになって炎になった。
「………容赦のない奴め……!」
サクヤが微笑みながら上空のコイコイを見て呟いたが、まだ斬撃の嵐は終わらない。魔法は放たれたまま、円形状の闘技場を一周した。
コイコイは撃ち終えると、しばらく煙が舞い上がってる闘技場を見下ろしてボンヤリしてると、真顔のまま腰の剣を抜いた。
その直後、モーティマーが槍を握り締めて煙を払って飛び上がって来た。コイコイは空中で剣を構えると、カウンターで合わせようとしているようにモーティマーを待った。
そのまま、お互いに斬り合った。
ー
A会場。コイコイと全く同じことをした奴がいて、リーファは闘技場の壁際に逃げた。
(……そんな手があったなんて………!考えてみれば、バトルロワイアルなんだから、まとめて一掃しようとするのは当たり前かも)
そう考えながら、腰の剣に手を乗せた。
(コイコイならどうするかな。生き残るには、戦闘はなるべく避けて、人数が少なくなってからにした方が良いよね)
そう思いながら、既に戦場と化してる闘技場内を眺めた。さっきの魔法で、既に何人かリタイアしていた。
(………でも、そういうのは性分じゃないかな)
そう決めた時、煙に紛れて横から斬りかかって来るプレイヤーが見えた。そっちを睨むと一閃、腰の剣を抜いて一撃でそいつの腹を抜胴の如く斬り裂いた。
「なっ……⁉︎」
さらに後ろから蹴りを入れて怯ませると、正面から縦に叩き斬った。そのまま煙の中を利用し、羽根を出して移動しながら、他のプレイヤーと戦っている奴らを背中から軽く小突きながら移動した。
「っふぅ……」
小さく息をついた時、上からサラマンダーの奴が剣を振り下ろして来た。
それを後ろにバク転しながら回避し、剣を構えた。
「! あんた……!」
そのサラマンダーは、一番最初に絡んで来た相手だった。ニヤリとそいつは微笑むと、リーファを睨んで言った。
「弟より、テメェの方が因縁があるみたいだな」
「……勝手に因縁つけて来るのはそっちでしょ?いい加減迷惑してるんだけど」
「いや、今回の大会に関して言ってきたのはお前の弟だろ」
「や、まぁそう言われたらそうなんだけどさ」
緊迫感が一瞬抜けたが、目の前の奴の仲間と思われるサラマンダーがもう一人リーファの後ろにも現れ、すぐに気を引き締めた。
「ここでお前らとの決着、つけさせてもらうぜ」
「や、二対一なんだけど。あんたそれで良いの?」
「行くぞ!」
質問を丸々無かったことにして、サラマンダーは突っ込んだ。