悟「せっかくこの俺様が誕生日ケーキを作ってやったんだ。心して味わえよ?」
「悟が作ったケーキかぁ…、料理は苦手だって言い張っていたのにこれを自分が作ったの?」
悟「そうだ、せっかくの明久の誕生日祝いだ。何かアピールできるものがないと華がないだろ?」
「無理して頑張らなくても十分言いたいことは伝わってくるのにわざわざありがとうね」
悟「…そう言われると頑張ったかいがあると思うな//」
瑛梨奈「びっくりしたものよ、料理でも致命的な能力を発揮する哀川がこんな素敵なものを誰の手も借りずに作り上げるなんて…」
悟「おい、『致命的な能力』は余計だと思うが?」
優子「あらあら、事実じゃないの?この間の家庭科の調理でもミス続きでしまいには焦げてたじゃない」
悟「…ぐうの音もでねぇ」
悠大「あれ、言ってなかったっけ?悟は、普通の料理はできないけどお菓子作りだけ妙にうまくできるって」
「えぇ?本当!?」
悟「だって、バリエーション含ませて作る普通の料理とあらかじめ分量・方法が決まっているお菓子作りじゃ違いがありすぎるだろ」
瑛梨奈「別にそうでもないような気がするんだけど…」
悠大「そういうふうに言うってことは、レシピ見て分量・方法が決まった調理法ならできるってこと?」
悟「それならできそうだ。毎回毎回レシピ本をみて料理するって大変なんだが」
「あのさぁ、その調理法を覚えるという記憶域は存在しないの?」
優子「じゃあ明久君、毎回毎回授業で出される公式とか原理とかを覚えようとする記憶域は存在しないわけ?」
「うっ…」
瑛梨奈「論破されてどうするのよ…っていうか、5時間目体育でしょ?さっさと食べちゃいましょうよ」
「「「「…あ」」」」
優子「それ以前に、哀川君よくそんな箱に入ったケーキを持ってこれたわね。先生にも見つかっていないし崩れてもいない…なにか使命でも背負っていたの?」
悟「ぎくっ」
悠大「あれれ~、なんで動揺しているのかなぁ悟クン?」
「これ、絶対何か隠してるよね」
瑛梨奈「怪しさ満点だわ。さあ、白状しなさい」
悟「……こ、…これは」
笹嶋T「ああ、これは私が課した雑用の一環だ」
瑛梨奈「笹嶋先生!?」
優子「いつの間に…」
笹嶋T「バレちゃあ仕方ねえか。明久、誕生日おめでとう」
「お、覚えていてくれたんですか…?ありがとうございます//」
笹嶋T「そんな明久にちょったしたサプライズがしたくてな、悟に手伝わせたんだ」
瑛梨奈「どおりで…、悟がいつもならこんなことをするはずがないと思ったのよ」
笹嶋T「まあ、どんなケーキを作るかは指定していないがな」
悠大「いや、普通のケーキとチョコケーキとストロベリーケーキを組み合わせてホールのアソートにするなんて誰が思いつくのさ…」
悟「いやぁ~、一度作ってみたかったんだよ。想像力が豊かっていうか?」
「なんだろう、その無駄な想像力」
悟「おい!(#^ω^)」
笹嶋T「まあ、あと1ヶ月もすれば今度はお前の誕生日になるからその時も何か課題を出そうか…」
悟「えっ、俺のスペシャルでメモリーな1日を無駄にさせる気ですか?」
笹嶋T「…やっぱ補習250%で誤魔化そうかな」
悟「…俺の~貴重な~1日がぁ~」シクシク
瑛梨奈「…笹嶋先生の冗談が本気に思えてくるのは私だけ?」
「大丈夫、僕もそう思ったから」
「僕のためにわざわざパエリアを?うれしいなぁ」
幸久「まあ、これでも僕の兄だからね。しっかりと最後までお祝いさせてくださいな」
「『これでも』は余計でしょ…」
優子「ねえ、16歳の1年間もあっという間であって、何かと忙しい感じだったわね」
「高校入学からのいきなりの転校…やること成すこといろいろありすぎて」
幸久「それで僕もこの世界についてくることになって」
優子「アタシも一緒に来ることになったけれど、それはどうして?」
「なんか、僕の知り合いでこんな大役を果たせると言ったら優子さんぐらいしかいないし、あと…///」
優子「もじもじしているところから大体想像はついたわ。連れて行ってくれたからにはその想いに全力で応えなきゃいけないわね」
幸久「わあー、2人の間にハートマークがぁー」(棒読み)
「これからもよろしくね…///」
優子「えぇ…(永遠についてくのが恋人としての役目ってものよ)///」