明久と優子ともう一つの世界   作:e4705

13 / 19
オリジナルバカテスト 第9問

「2次方程式において、判別式D<0のとき、解は異なる2つの(  )をもつという。」
(  )に入る適切な語句は何か答えなさい。

坂井 瑛梨奈の解答:虚数解
教師のコメント:正解です。

吉井 明久の解答:何か
教師のコメント:その『何か』を答えてください。


STORY8 プログラム完成イベント②

瑛梨奈Side

 

今日は2日目、召喚獣の操作体験ね。先行としてルーム長の私がやることになったんだけど…

 

校長「用意ができましたら『試験召喚獣召喚(サモン)』」と掛け声をお願いします。立ちポーズは自由で結構ですよ」

 

「はい、わかりました」

 

…あれ?この話、昨日もされたような。…まあ、いいか。でも、操作なんてどうやってやるんだろう。校長からは「念じれば動きますよ」としか言われてない。念じて動くって何なの?よく考えたってわからないものはわからない。…とりあえず出してみるか。

 

試験召喚獣召喚(サモン)!!」

 

ボンッ

 

1-3 坂井 絵里奈 6347点

 

よし、召喚できた。後は操作するのみ…えーっと、

 

ビュン!

 

「「「おぉー」」」

 

……ああ、なるほど!自分の意志で召喚獣って動かせるんだ!操作も軽くてラグもない!ただ、自分で自分の召喚獣を触れないあたり、ホログラムでできていると言わざるを得ない構造ね…。

 

明久「本当は文月学園から来た僕たちがお手本を見せるべきなんだろうけど、瑛梨奈さんの希望だしね」

 

「わざわざその希望に応えてくれてありがとうね。おかげで操作の感覚が少しずつ分かってきたみたい!」

 

校長「実は、保持している点数によって操作性やラグというのは若干補正されるようです。多分、召喚者本人には気づかないくらいの程度でしょうけどね」

 

補正の程度は召喚者本人でも気づけないのかぁ…、でも長年操作していたらいずれ気が付くんじゃないかと思うんだけど。

 

悟「そういえば、腕になんかついているな」

 

瑛梨奈「ああ、これ?成績が優秀な人…つまり例を挙げると、総合科目で6000点以上取れた人へのご褒美としてこの腕輪がもらえるのよ。まあ、次に受けたテストで6000点を割ってしまうと召喚したときに消滅されるんだけど」

 

悟「へぇー、いわゆる『特権』ってやつか」

 

今回のテストは6347点、ぎりぎりもらえたってレベルね。次回はもっとがんばろっと。

 

校長「じゃあ、実際に『疑似勝負』をしてみましょうか。明久君、相手をお願いします。もちろん、『疑似勝負』なので、0点になっても補習扱いにしませんよ」

 

明久「は、はい!わかりました。瑛梨奈さんよろしくお願いします!」

 

瑛梨奈「こちらこそ、お互い全力を尽くしましょう」

 

初勝負の相手は明久君ね…!どんな戦い方するか楽しみだわ!

 

明久「いくよー、『試獣召喚(サモン)』っ!!」

 

ボンッ

 

1-3 吉井 明久 1174点

 

明久「久しぶりに操作したから感覚が鈍るんだよねー」

 

ビュン! ビュン!

 

は、速い!?元々『観察処分者』という立ち位置にいたから?慣れてるだけあって操作性はプロ級ね。

…でも、負けない!

 

カキィン カキィン

 

明久「ちょっと、初めての操作にしては上手すぎでしょ?どこかでなんかやっていた?」

 

瑛梨奈「いいえ、何もしてない…のよ!」

 

ガンッ!

 

1-3 坂井 瑛梨奈 5519点

         VS

1-3 吉井 明久 665点

 

…なんでお互いの実力が拮抗しているのかしら。当然、私のほうが点数の減少が大きいけど、明久君のスキが大きいせいで攻撃が当てやすいんだけど?

 

優子「明久君、観察処分者をやっていた割にスキが大きいわよ?それじゃあ、致命傷を負いかねないのに…」

 

明久「うーん、操作がよくつかめないよ…」

 

えっ?システム上は相違点がないはずなのよね…なのに、なんで明久君は操作に戸惑っているのかしら?まあ、とりあえず決着をつけましょう。

 

グサッ!

 

1-3 坂井 瑛梨奈 5448点

         VS

1-3 吉井 明久   0点

 

校長「そこまで!この勝負、坂井 絵里奈さんの勝利です」

 

初勝利、こんなものでいいのかしら…?というか、明久君絶対に本気で戦っていないというか最高のコンディションで戦っていないよね?これ…私って卑怯者?いやいやいや、そんな訳

 

瑛梨奈「明久君、私に1000点もダメージ与えられてないんだけど?」

 

明久「…その、なん…というか…、たまたま…調子…狂った…というか、なん…という…か」

 

あ、観察処分者の影響でフィードバックのダメージ入っているんだっけ。なんか悪いことさせちゃったような…

 

優子「はぁ…仕方ないわね、明久君。笹嶋先生にいって特訓してもらいましょう」

 

明久「えっ、ちょっ、嫌なんだけど、あぁー引きずらないでぇー」ズザァ...

 

あれ?笹嶋先生も召喚獣の操作って初めてなんじゃ…

 

校長「実は、先行で笹嶋先生にも召喚獣の操作をしてもらったんです。いやあ、なかなか筋が良かったですよ?ちょっと練習しただけで文月学園の生徒並みな操作がいともたやすく…」

 

へぇーそうだったんd「ちょっと、校長!!!」…ん?

 

校長「きょ、教頭?」

 

教頭「そんな話聞いてませんよ!!どうして校長はいつもいつも当日に、実行してしまった事柄の話を唐突にするんですか!?そういうことは教頭である私に話を通すのが筋ってもんじゃないんですかあ!?」

 

結構お怒りのご様子…校長ったら、また当日に急な話を持ち込んできて…。明久君は優子さんに連れられて笹嶋先生のところに行ってしまうし、次は何をするんだろう…

 

悟「なあなあ、俺たちも勝負したいんだが?」

 

悠大「そうそう、僕たちも召喚獣の扱いに慣れたいよ。ほかのクラスメイトにうらやましいとか思われてもいいからさー」

 

…そう、今日は哀川君と吉澤君もいるんだよね。2人に試験召喚システムのことを知られてしまった以上、参加させないわけにはいかないよね…。何なら、十和田先生もいるんだから先生にも召喚獣を…って、あれ?

 

「十和田先生はどこにいったんですか?」

 

校長「ええ、十和田先生は3学年の特別編成授業に行きましたよ?今日は日曜日ですけど特別に開講したいと言い出しましてね…。まあ、ちょうどいい時間ですし、ここで昼食の時間にしましょう。午後から哀川君と吉澤君の疑似対戦に入りましょう」

 

 

 

~昼食~

 

教頭「隣、いいですか?」

 

「ええ、どうかしましたか?」

 

普段の授業は当然、クラスごとで食事するので教頭先生との接点がほとんどないといっても過言ではないくらいに会話もしたこともない。なので今の行動はちょっと謎に思っている。

 

教頭「私もその模試を受けてみたんですよ。結構難しかったですね、6114点しか取れませんでしたよ」フフフッ

 

「いやいや、十分すごいですよ!?私は英語の代わりに得意なドイツ語で受験して運も良かったからあのような点数を取れたからであって、運が良くなければ多分、5000点切ってたと思いますよ?」

 

言い換えれば、「ヤマが当たった」とでも言ったほうがいいんだろう。普段なんてそうそういい点数が取れるものでもない。ただルーム長という肩書きがあるだけで学年の首席は桐谷君だし、順位も中の上くらい?むしろ、あのメンバーで1位取れたことが偶然のようである。

 

教頭「で、試験召喚システムが公に発表されるじゃないですか。私、実はよくわからないままみんなの前でどんなものかということを話さなくてはいけなくて…いわゆる『知識不足』ってやつですかね?もう、どうしたらいいのか…よく…わからなくて…」ポロポロ

 

「えっ、それは校長の責任じゃないですか!マニュアルがないまま話すなんて私でもできませんよ!?あの人は何を考えているんだか…」

 

でも、よくよく考えてみたら側近なのに試験召喚システムについて無知識なのって不自然な気もする。これが教頭の変な策略とかだったら私だって黙っていられない。しかし、性格上そんなことをする人間とは思えないのでやはり校長の説明不足と考えたほうが賢明なのだろう。

 

教頭「それでもある程度は見てきたので見解だけで話を持っていくことは可能なのですが、不確かな情報まで話すわけにはいきませんし…やはり皆さんには確かな情報を与えるべきだと思うんです」

 

「そうですね、このことは校長にも伝えないといけませんね」

 

試験召喚システムは一見しただけでは伝わらない情報も多いはずで、私も今後のことがあるのだからいろいろなことは当然知ってなきゃいけない。これは、校長に…

 

 

 

~午後~

 

哀川君と吉澤君の対決は予定通り行われた。やはり1174点と2111点でも世界観は違うようで、どちらも拙い操作ではあったものの、吉澤君が勝利した。罰ゲームとして哀川君は吉澤君の言いなりに1日中付き合わされるようだけど、見慣れているので別に問題はない。

 

「校長先生、1つお話があるのですが…」

 

校長「何だい?」

 

「教頭先生から、試験召喚システムについての説明が不十分だと伺っているのですが…」

 

校長「…しまった、すまない。システム製作のほうに没頭していて重要なことを教頭に説明するのをすっかり忘れてしまった。ああ、なんということだ…1週間後には全校生徒の前で発表してもらう役割を与えているのに当の私がマニュアルを放棄して説明もしてないなんて…」

 

まあ、そんなことだろうと思ってましたけどね。しかし、これから説明という段階なのにわずか1週間で覚えてそれを全校生徒の前に発表なんて本当にできるのか。いくら何でも過酷すぎるのではないだろうか?

 

教頭「まあ、分かっていたことなんですけどね。私は重役を背負わされています、瑛梨奈さんも詳しいことを知りたいようなのでそのすべてをご説明いただけますか」

 

校長「…わかった、マニュアルは大至急作成して後日渡すからとりあえず口頭でお話しましょう」

 

メモか何かで何とか大まかな情報はつかんで、細かいところは後日配布のマニュアルで補完しよっと。




…えー、2年分放置された気分はいかかでしょう。

明久「…ああ、今すぐ君を墓場まで持っていきたい気分だよ」

ちょっと、そんなこと言わないでよ!受験生として十二分にがんばったんだからちょっと放置したくらいでそんなこと言わないd

明久「放置のし過ぎもいいところだよ、まったく…2年も放置なんて何考えているの?もう2020年だよ?年号変わったよ?ちょっとはいい素材持ってきたんだよね?」

…まったく考えていませんでした。

明久「……1ヶ月間麺類禁止の刑でいい?」

そ、それだけはご勘弁ください!!私、死んでしまいますよ!?

明久「…別に死ぬようなことないでしょ。というわけで、この駄作者は2020年11月をもって見事に復活しました。これからの投稿もどうぞお楽しみください!」

うぅ…、これからもこんな私をどうかよろしくお願いいたします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。