ぽつん、ぽつん……雨が降っているのか? 頬に雫に似た感触が走る。
そもそも、なんで俺は雨に濡れるような、そんな場所で寝ているんだったか……思い出そうとすると、頭が痛む。また、どこか外の音が聞こえない。
まるで水の中で、水上で誰かが喋っている声を聞いたような、そんなくぐもった音しか聞こえなかった。
しかし徐々に浮上しているように、音が鮮明になる。そして急激に、身体の中を競り上がってくる感触があった。
俺は飛び起きて、競り上がってきたそれを吐き出した。それは胃液ではなく、少ししょっぱさを感じる水だった。再び競り上がってくる水を吐き出すと、口や鼻から止めどなく水が溢れてきて、思わず咳き込む。
そのときだった。不意に俺の背中を撫でる優しい手つき。そのおかげで咳で乱れた呼吸と心拍が緩やかになっていく。そしてようやく気づいた、俺の髪や服がびしょ濡れだということに。
「ゲホッ……ゴホッ……俺、ひょっとして溺れてたのか?」
言葉にすると、目覚める前のことを思い出した。尋常じゃない揺れと共に、崖が崩れて俺はバラル団の三馬鹿の一人を不承不承ながら助けようとして、代わりに川に落っこちて……
ふと思い立ち、俺は顔を上げた。そこには一面の大海が広がっていて、キャモメの群れが洋上をふよふよと漂うように飛んでいた。
ドッピーカンの空から照りつける日差しが俺の服を乾かしていく。
「――――よかった。目、覚めた?」
その声は鈴の音のようだった。振り返ると、俺同様にびしょ濡れの、女の子が座っていた。銀髪の髪が水に濡れていて、陽の光を受けてキラキラと銀光を放っていた。
碧眼、というよりかは海のような深い蒼眸は水晶玉のようで、目の前にいる俺が鏡のように映っていた。
まるで幻想的な状況に、俺は言葉を失っていた。彼女は無言で口を半開きにしている俺を見て、首を傾げていた。
「き、キミが助けてくれたのか……?」
「うん、といっても、見つけたのは私の友達。覚えていないだろうけど、すごい波だったんだよ。君のペリッパーが君を掴みながらじゃ空に上がれないくらいには」
言われてハッとした、俺のカバンとモンスターボール、ヒヒノキ博士から貰ったポケモン図鑑は大丈夫か。
幸い手持ちのポケモンは全部揃っており、カバンも閉まっていたため中身が抜け落ちてるとかはなく、図鑑も問題なく起動した。念のため、あとでポケモンセンターに行ったら博士と連絡を取ってみよう。
「へぇ、それポケモン図鑑でしょ? 私知ってる、もしかして有名なポケモン博士の知り合いなんだ」
「え、あぁ……そんなことより、ありがとう。助かったよ」
「どういたしまして、と言っても私がしたのは陸に上がった君に水を吐かせるくらいで、それ以外はさっきも言ったけれど君のペリッパーが君を引っ張ってくるのを私の友達が見つけたってだけだよ」
ボールの中のペリッパーが頭を縦に振る。どうやら本当に切羽詰ってたところを助けてもらったらしい。彼女の友達にぜひともお礼を言いたいところだ。
「で、その友達はどこに……? 出来ればお礼が言いたいんだけど」
「ずっと君の後ろにいるよ」
そんな馬鹿な、そんな雰囲気まるでしないぞ。そう思って振り返ると、目が合った。ふよふよと浮かぶ彼女の友達は、第一印象は幽霊に思えた。思わず飛び退いてしまうが、どうやら俺のその反応が面白いらしく、彼女の友達はおかしそうに身を揺らす。
飛び退いた俺が再び図鑑に触れ起動させてしまうと、彼女の友達というポケモンを図鑑が読み取った。
『プルリル。ふゆうポケモン。ベールのような手足を巻きつけ痺れさせると、8000メートルの深海に連れこんで殺すのだ』
「物騒すぎ!!」
「そんなことしないよ、ね? ミズ」
思わずツッコんでしまうが彼女は友達――プルリルの"ミズ"にそう言った。プルリルは人間がするように首を縦に振って俺に近寄ってくる。悪意も敵意も無いのはわかるけど、さっきの図鑑説明を聞いてしまうと少し身構える。
しかしプルリルが自分の命の恩人であることを思い出して、自らを奮い立たせる。
「ありがとうな、お前が見つけてくれなかったらサメハダーのエサになってたかも」
「そのジョーク、笑えないよ。最近この浜、治安が良くないんだ」
「そうなのか……気に障ったのなら謝る」
お互いの間に沈黙が訪れる。すると潮風の向こう側から、人々の楽しそうな声が聞こえてくる。声の方向を必死に探すと、遠くの方にたくさんの人影を見た。
「海開き、早いな」
「モタナの海は温かいから、初夏の前には海開きしちゃうんだよ」
「モタナ……モタナタウンか?」
俺が尋ねると彼女はこくりと頷いた。俺はタウンマップを開いて現在地を読み込ませる。すると本当にモタナタウンの南に位置する浜辺にいた。
っていうと、俺はリザイナシティ近くの河川からここまで流されてきたのか。そしてよく生きてたな、ペリッパーが俺を水上まで引っ張り上げてくれていたから飲み込む水が少量で済んだというのもあるかもしれない。
「とにかくモタナについたのはよかった、大幅なショートカットだ。アストンやカイドウには悪いけど、このまま旅を続けよう」
しかしそうは言うものの、長らく真水と海水に浸かっていたからか疲労感がすごい。それに意識を失ってる間にいろいろぶつけたようで、身体の節々が痛い。
「あの、ポケモンセンターってどの辺にあるのかな」
「浜から北上したらすぐそこにあるよ、案内しようか」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
彼女はプルリルを引き連れて先導する。俺はボールから出たポケモンを戻すと、荷物を纏めて立ち上がる。しかし平衡感覚が鈍っていたからか、思わずフラついてしまう。
おまけに砂に足を取られて、情けなくすっ転んでしまう。
「……ポケモンセンターまで辿り着けなさそうだね」
「そ、そんなことは……」
「この近くに、私が使ってるベースがあるの。ポケモンセンターに行くより近いから、そっちに連れて行くね。応急手当もそこなら出来るし」
そう言うと彼女は俺の腕を自分の首裏にまわして俺の身体を支えながら立たせた。男、それもびしょ濡れの状態を担ぎ上げるほどの膂力があるとは……と思っていたがよく見るとプルリルが【サイコキネシス】で俺を持ち上げて補助しているようだった。身体に漂う浮遊感があるのはそのせいか。
彼女に支えられながらやってきたのは、少し潮風で痛んでいる程度の、海の家跡地のような建物だった。
「ここは……?」
「モタナのマリンレスキューの物置。と言っても新しい本部が出来てからは、本部内に倉庫が出来たからここはそのまま放置されてるのを、私が勝手に使ってるの」
「やけに生活感があるのは、もしかしてここに住んでるから?」
「その通り」
彼女は一人では持て余しそうなソファに俺を横たえると、棚に積んであった救急箱から色々取り出して、俺の傷の手当をしてくれた。潮風が吹き抜ける音だけが両者の間に流れる。心地の良い静寂というやつだろうか。
マリンレスキューの人、にしては制服を着ていない。だがオフの日も海に出ているほど仕事熱心にも見えない。
「君は……」
「――――そういえば、名乗ってなかったっけ。私はリエン、マリンレスキューの手伝い。まぁ見習い扱いみたいなものだよ」
包帯を起用に結んだ彼女――リエンはそう言って微笑んだ。陽の光を遮る屋根の下であっても彼女の蒼眸は煌めきを抱いていた。まるで海そのもののような、そんなイメージ。
それこそ、見ているだけで吸い込まれそうだ。
「それで、君の名前はなんていうのかな」
「あ、俺も名乗ってなかったんだっけか。俺はダイ、ラフエルには観光……みたいなもんかな」
上体を起こす。彼女はふ~んと頷きながら、棚の上から様々な物を取り出してテーブルに並べた。
「とにかく、助かったよ。リエンとプルリル……ミズが俺を見つけてくれてよかった。本職の人だったら、俺の身元とか確認されちゃうだろうし」
「私がしないって保証はないよ。まぁされたくないのならしないけどね」
「へぇ、俺が悪いやつだったらどうするんだ?」
「ポケモンを見てればわかるよ、そんな人じゃないって」
透き通った瞳には、向こうからもこちらのことがお見通しみたいだった。このまますべてを見透かされるようで、けれど不思議と居心地の悪さは感じなかった。
「じゃあ助けた報酬に、ダイの旅について色々聞かせてもらおうかな。今までどこをどういう風に回って見てきたのか教えてよ」
リエンはテーブルにいい匂いのするお茶を並べてまるで童話を読み聞かせようとする子供のような目で俺を見ていた。俺も、ソファに腰掛けたままラフエルに来る前から、ここに流れ着くまでの話をぽつぽつと語りだす。
バラル団については話すかどうか迷ったけれど、彼女はなんでも話せとばかりにこちらを見てくるので、ありのままを話した。
「ふぅん、
「モタナにはいないんだな、そういう悪いやつ」
「ううん、いっぱいいるよ。浜辺のお客さんにちょっかいかける質の悪い人とか、ポケモンとか」
街によって苦労話は違うんだなぁと思い知る。確かに、俺の地元アイオポートも海産が美味く、街としての潤いはあったが同時に人の出入りが多くチンピラも少なくはなかった。
「……そうか、この街って少しアイオポートに似てるんだな。だから少し落ち着くのか」
「この街、気に入った?」
「まだ街全体を見たわけじゃないからなんとも。でも、そうだな……海の見える街は好きだ。海の前なら、誰だって小さな人間だから」
人としての大きさを競うことが馬鹿らしくなる。誰もが同じ人間として、別々の個として認め合える。だから海は好きだ。
「俺が話せる冒険譚はこれくらい。今度はリエンの話を聞かせてよ」
「私の? 至って平々凡々な毎日で話せることなんかないよ」
「そんなことないだろ、マリンレスキューの手伝いしてるならなにか一つくらい……」
まぁ、警察もそうだがこういった人の危険が左右される仕事はなにも無い方が返っていい。だから彼女が話したがらなくても無理はない。
けどそれは俺の考えすぎだったのか、彼女は聞いてもつまらないよと前置きをしてから精一杯話を絞り出そうと唸り始めた。
「やっぱり、メノクラゲとかクラブかな……子供がよく「綺麗だ」とか「可愛い」って近づくんだけど、やっぱりポケモンってすごい力を持ってる生き物でしょ? メノクラゲの毒は人間にはそれなりに危ないし、クラブの鋏も挟まれたらたくさん血が出る。そういう子がいないか、見張るのが私の仕事」
「水中で脚が攣っちゃったり、って人は?」
「ミズがさっきみたいに、水上まで上げてくれるよ」
サイコキネシス万能だな、と改めて思った。一度話し始めるとリエンは言葉をたくさん紡いだ。マリンレスキューの仲間の話、出会った子供からもらった"宝物"、生まれてからの思い出。
彼女の父親がマリンレスキューでそれなりに偉い役職についているらしく、仲間からは彼女も人望が厚いそうだ。
けれど聞いているうちにふと気がついた。彼女は地元の話をしながらも、他所の話をよくする。まるで、地元とまだ見ぬ地方を比べるように。
もしかしてリエンは……そう思って口を開きかけたところだった。潮風を切り裂くような悲鳴と、遅れてやってくるざわめき。俺よりも素早く、飛び上がるようにリエンは小屋の外へ向かった。俺も先程よりは楽になった身体を持ち上げて彼女を追いかけた。
ずっと視界の先、人々がたくさんいるビーチで数人の大人が騒いでいた。よく見ると、沖の方を差している。
「あれは……子供が溺れてるの!?」
「いや、違う……それだけじゃない、ポケモンだ!」
確かに子供が溺れかけている。それをライフセーバーらしき男性が助けに行ったそれまではいい! 問題はその近くを漂う、怪しい影があるってことだ。
俺とリエンは同時に飛び出した。しかしリエンはすぐさま振り返ると俺の肩を突き飛ばすようにして言った。
「ちょっと! 怪我人はダメ! 水の中では何が起きるかわからないんだから!」
「じゃあ水に入らなきゃいいんだろ! 得意だよそういうの! ペリッパー!」
彼女の静止を振り切って俺はペリッパーを呼び出すとその背と頭に捕まり、ライディングを開始する。後ろでリエンの叫ぶ声が聴こえるが、今はそれに構っていられない。
ペリッパーの水上スキーは思ったより速度が出た。もしかすると空を飛ぶより速いかもしれない。ぐんぐん距離を縮めてくる。そして溺れた子供とライフセーバーの男性の側に忍び寄っていたポケモンの影が顕になった。
「"サメハダー"……!? そりゃさっきのジョークが笑えないわけだぜ……!」
確かに子供の足が着かない場所ではあるとしてもだ、こんな陸に近い場所にサメハダーなんてどう考えてもおかしい。人為的な何か、そこまで思い至り俺は周囲を見渡した。
ビーチにバラル団の姿はない。とすると考えすぎかもしれない。とにかくあのサメハダーを追い払うのが先決、まずは注意をこちらに向けさせる。
「ペリッパー! 全速力でぶつかって離脱するぞ! 【なみのり】!」
ペリッパーは指示を受けると直後に思い切り跳躍し、水面に向かってそのままダイブする。その波が巨大になっていき、ペリッパーがその波に乗り、波の勢いをプラスした体当たりでサメハダーに攻撃する。
しかしその瞬間、ペリッパーの嘴に微量の傷が入った。"さめはだ"で、直接攻撃すれば返ってダメージを受ける。
「なら! キモリ! 【タネマシンガン】で牽制しろ!」
呼び出したキモリがペリッパーの頭部に陣取るとサメハダーに向かって種の弾丸を浴びせまくる。しかしサメハダーは【ダイビング】し行方を眩ませる。それだけじゃない。【タネマシンガン】の威力を水中に潜ることで殺しているんだ。
ただの野生のポケモンにここまで出来るだろうか……しかし、トレーナーが指示を飛ばしているようには見えない。そんなトレーナーの姿は確認できない。というかビーチに人が多すぎて見ただけでは判別できない。
「まだ避難に時間がかかるのか……」
確かに子供を抱えたまま泳ぐのは容易ではないだろうが、こっちも余裕がない。ダイビングで潜ったサメハダーがどこから襲い掛かってくるかも分からない……
そのときだ、俺は奇妙な感覚に陥った。
「待てよ……? サメハダーが俺を襲ってくるとは、限らない……」
俺達が受けたダメージはさめはだによる反射ダメージだけだ。サメハダーが俺たちを積極的に狙って攻撃してきたことは一度もない。端から俺たちなど眼中にないような……それとも。
「ペリッパー! 水中に向けて【ちょうおんぱ】だ!」
俺の読みが正しいのなら……!
直後、水音を上げてサメハダーが海上に姿を表した。その顔は完全にご立腹といった感じだった。同時に俺の読みが正しかったことが証明された。
あいつの狙いは子供ではなく、その子を助けに来たライフセーバーの男だ。いいや、あの子を助けに来た大人なら誰でもよかったに違いない。とにかく彼を守るのが先決だ!
「親父が船乗りで助かったぜ。船のソナーってのは超音波を発してその反射音で場所を割り出すっていうからな」
ペリッパーが放った【ちょうおんぱ】でダイビングしていたサメハダーの場所を正確に割り出し、加えてキモリの【ちょうはつ】と【いちゃもん】を打たせてもらった。
「キモリ! このドッピーカンなら撃てるよな!」
コクリと頷くキモリ。俺は真上に襲い掛かってくるサメハダーに向かって指を指し、高々に叫ぶ。
「【ソーラービーム】だ! ぶちかませ!」
【かみくだく】を敢行しようと大口開いて落っこちてくるサメハダーのまさにその口の中をぶち抜かんばかりの勢いで陽の光を凝縮したキモリのソーラービームが放たれる。
陸に打ち上げられたサメハダーはまるでコイキングの如く跳ねて、やがて動かなくなった。俺達は陸に上がるとサメハダーが戦闘不能なことを確かめた。
「ダイ!」
振り返ると走ってきたリエンに突き飛ばされた。下が砂場で助かった。
「大丈夫!? 怪我はない! まったくすぐ無茶して!」
「いや、そりゃわかってるけどさ。誰かがやらなきゃいけなかったじゃん」
「わかってるよ! けど怪我人にそんなことされたら、たまんないよ……」
リエンに睨まれると、どういうわけか必要以上に怖さを感じた。彼女の瞳は本当に、口以上に物を言う。本気で怒ってるみたいだ。
「リエン、そこまでにしなさい」
とそのときだった。さっき男の子を救助していた男の人が間に入ってくれた。彼は俺よりもずっと背が高く、思わず見上げるかたちになる。
「パパ……」
「確かにお前の言うとおり彼は怪我人なのだろうな。体中包帯と絆創膏まみれだ。しかし彼が来てくれなければ、私もあの子もきっと無事ではなかっただろうよ。功労者に責められる謂れはない」
「……うん、それくらいは私だって、わかってるつもりだよ」
どうやら彼はリエンのお父さんらしい。お父さんという割には若く、好青年に見える。俺は二人の話に水を差す気にもならず、周囲を観察した。
あのサメハダーと戦っている最中には気づかなかった。けど陸に上がってくる最中に海の流れがおかしいことに気づいた。
浮き輪を使って泳いでいたらいつの間にか沖に出てしまう、それくらい引く波が強いのだ。まるでどこかで吸い込んでいるみたいに、波の動きがおかしかった。
「【うずしお】で潮の流れを作って、あの子が沖に出てくるように指示してあったとしたら……あのサメハダーはやっぱり」
野生ではない……!
この騒ぎはまだ終わっていない。敵なのかわからないが、この事態を仕組んだ人物の悪意はまだ去っていない。
そもそも、マリンレスキューの人間が助けに来ると仮定して、なぜ彼を襲う理由があったのか。マリンレスキューの人が怪我をしたらどうするのか。
「すみません、ちょっと聞きたいんですが今回の事件で負傷者は出ていませんか?」
「怪我人ですか……事件とは関係ないと思いますが、記録によると数十分前に一度怪我人が出ていて、レスキュー本部の方に移送されていますね」
「っていうと、やっぱりレスキュー本部はちょっとした病院、みたいな扱いということですか?」
「そうですね、病院ほど立派な処置は出来ませんが、熱中症で倒れる人もいますし応急手当が必要な海水浴客は、本部の方で処置しています」
とするなら、サメハダーをけしかけた人間は本部に紛れ込もうとしていたのかもしれない。怪我人を装って、という可能性は十分にありえる。ただサメハダーといかに示し合わせたとしても怪我を前提にあの本部に入りたがる理由はなんだ。
それに、サメハダーと共謀していたとして、その時海に入っていたのはあの少年と、リエンのお父さんだけだ。リエンのお父さんはマリンレスキュー隊員だから、こんな芝居を打ってまで本部に入る必要なんかないはずなんだ。
考えすぎなのか、それとも想像もよらないような事件が起きているのか。
どちらにせよ、俺の行く先々で事件が起きるようだった。カイドウが言った疫病神、本当に俺かもしれないな。
「あハha、考えてる考えてる、私の事、見つけられるかな、ハhaは」
海水浴客の中で一人だけ、厚手のパーカーとフードを被って舌舐めずりをする女性の姿があった。
お借りしたキャラクター
おや:リア
Name:リエン
Gender:♀
Age:17
Height:155cm
Weight:47kg
Job:フリーランス
▼Pokemon▼
プルリル(NN:ミズ)