ぐだ男と桜セイバー 満開の桜   作:かんむり

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もしも、ぐだ男と沖田総司が江戸時代に会っていたら。
これはIFの物語。


ぐだ男と桜セイバー 満開の桜

そこは静かな竹林の中。

そこから少し下った所。田んぼのすぐ後ろにはひっそりと家が建っていた。

その中では、この趣ある自然とは相容れない、いや、逆に考えれば自然と相容れるのだろうか。そんな会話が始まっていた。

 

「ぐだ男さん、結婚しましょう」

「…へっ?」

 

家の中で向かい合ってご飯を食べていた僕はお茶碗を持ったまま箸を止め、呆気にとられた顔で目の前にいる女性を見ていた。

 

「ぐだ男さん、結婚しましょう」

「えっ、いや、ちょっ、まっ」

「ぐだ男さん、けっ…」

「いや、聞こえてるからさ!ちょっと待ってよ!えっ、何これ?ドッキリ!?」

 

ぐだ男は落ち着こうと味噌汁を一口飲み、浴衣の袖で口元を拭く。

 

「あーっ!浴衣で拭かないでください!洗うの誰だと思ってるんですか!!」

「ご、ごめん。って、服とか洗ってるのいつも僕だよね!」

 

ふぅと一つ息を吐き、手を袖の中にいれ彼女を見る。

 

「なにがどうなってそういう結論に至ったんだ」

「酷いです!こんな麗しき女性が勇気を出して結婚を申し出たのに!!」

「お前が見目麗しいのは認めてやるが…」

「そうですか…麗しいのは認めてくれるんですね…」

 

赤くなった頰を押さえてえへへと声を漏らす。こいつはこうなると当分帰ってこない。

僕は頭に手をやり溜息をまた漏らした。

 

 

 

こいつ、「沖田総司」とはちょっとした仲だ。僕は刀鍛冶の弟子として働いている。本当は師匠の所で住み込みでやらないといけないのだけど、そこら辺は師匠が変わり者で何故か別の場所で暮らしている。

 

沖田とは僕が師匠の打った刀をあの新撰組に届ける事(というか、師匠と新撰組の繋がりがわからん)から始まった。

僕にとって初めてのおつかいみたいなやつだった。刀といっても一振りだけ。なんか「あと一本だけ発注し忘れた。」みたいな事らしい。

 

新撰組の事務所に着いた僕は刀が入った木箱を後ろで担ぎながら開いている門をくぐった。中に入れば筋骨隆々の武士達がいっぱいいて稽古してるんだろうなと思う。

 

しかし、一番最初に目に入ったその光景は僕の中の新撰組の想像を完全にぶち壊した。

 

季節は春だった。広い庭には一本の大きな桜の木が生えている。そこから舞う花がその光景を更に美化させる。

箒を手に持ち、桜色の浴衣と袴を着ている少女に僕は心を奪われた。

 

「………」

「あっ、こんにちわ!」

 

立ち惚けていた僕を彼女は見つけた。僕は何故か無性に隠れたい気持ちになり、辺りを見まわす。そんな事をしてる内に彼女が傍に来ていた。

 

「何か御用ですか?」

「あ、その」

 

困ったように頰をかく。

後ろに背負ってあった刀の音がした。

 

「ぼ、僕は刀工で、刀を届けに来て」

「ああ、そうですか。なら私が預かりますよ?」

 

ほいと手を広げてくるが。

 

「流石に受付の人には渡せませんよ」

 

はははと笑いながら、彼女を見るとむすっとした表情で頰を膨らませながこちらを睨んでいた。

 

「ええっと?何かありました?」

「ええっ!ありましたとも!それはもうお団子を3皿は奢ってもらうくらいに!」

「な、なにが…」

 

僕が戸惑っていると、僕から少し離れて胸を張って言った。

 

「私は新撰組一番隊隊長、沖田総司だ!!」

「…妄想ですか?」

 

 

 

「ハハハハハッ!!それは傑作だな!」

 

座布団の上に座りながら、大声で笑いだす大柄の男。

 

「わ、笑わないでくださいよ近藤さん!」

 

それを制するように怒る沖田さん。

僕はといえばその光景を苦笑いをしながら見ているだけだった。

そう、僕の目の前にいるのは近藤勇。あの新撰組の局長なのだ。

 

「ハハハッ!いやぁ、いい話を聞かせてもらった。それで坊主、土産はこれだけじゃ無いよな。」

「あ、はい」

 

僕は横に置いてある木箱を前に出した。

 

「足りなかった一振りです」

「おう」

 

近藤さんは木箱を乱暴に取ると、中身を確認してニヤリと笑った。

 

「いい仕上がりだ。爺さんに礼を言っといてくれ」

「ありがとうございます」

「おい、沖田!」

 

部屋の隅の方でいじけていた沖田さんはジロリと近藤さんの方を見た。

 

「…なんです近藤さん。沖田は今いじけてるんです。この機嫌は簡単には…」

「ほらお前の新しい刀だ」

「わーい!近藤さん大好きです!」

 

沖田は今しがた僕が持って来た木箱を受け取り鞘から刀を出して眺めている。

 

「そ、その子に持たせるんですか!?」

「ん?いけないか?」

「いけないもなにも、その子は女の子じゃないですか!」

「ああ。だからなんだ?」

「だからって…」

 

僕はキラキラとした目で刀を見つめる沖田さんを見た。

 

「…沖田」

「はい、なんですか?」

「こいつを送ってやれ」

「わかりました」

 

僕はわだかまりを胸に残したまま、頭を下げる。

 

「それでは、これで」

「ああ、また来い坊主」

 

僕と沖田さんは部屋から出て、最初の庭に出た。

 

「そういえば、お名前聞いてませんでしたね」

「ああ、はい。名前はぐだ男です」

「ぐだ男さんですか、いい名前ですね」

 

向けられる笑顔を直視出来ない。

 

「沖田さんは…」

「あっ、沖田でいいですよ、それに敬語もいいです。ぐだ男さんとは歳は遠くないと思いますんで」

「…沖田はどうして新撰組に?」

 

そう聞くと沖田は困った顔をした。

 

「…まあ、その、成り行きですかね?」

「成り行きですか…」

「はい、気づいたらここに居たという感じです。」

 

そんな訳ないだろ。あはははと頭に手を置く。

 

「ぐだ男さんはどうして刀工に?やっぱりあのお爺さんの打った刀に惚れてとか、心に感銘を受けたとかですか?」

「…ううん、違うよ」

「あれ?沖田的には完全に正解の流れだったんですが…」

「まあ、今となればそれもあるかもしれないけど」

 

僕は沖田が携えている刀に目をやった。

 

「僕はね、人を殺せない刀を作りたいんだ」

「殺せない刀ですか?」

「うん、そう。例えば斬っても斬れない刀とか刃が付いていない刀とかね」

「…それは刀として意味がありません」

「うん、大根だって斬れないし、ジャガイモだって斬れない。ただの飾りの刀みたいな物になっちゃうね」

「じゃあ何を斬るんですか?」

 

僕は足を止め、沖田の方を向いて笑顔で言った。

 

「心だよ、沖田」

「えっ?」

「僕の打つ刀は心を斬るんだ」

「心、ですか」

「うん。悪い奴らの野望を斬る、悪巧みを斬る、不幸を斬るんだ」

 

沖田は足を止め、逆に僕は歩き出す。

 

「これをするには別に人を殺すことはないんだ。牢屋に入れれば良い問題だからさ」

「………」

「だから僕は刀工になったんだ…沖田?」

「…沖田にはよくわかりません」

「…そっか」

 

僕は悲しげな笑顔を沖田に見せた。

 

「じゃあここで」

「…はい、ここで」

「また来るよ沖田」

「はい、また来てください」

 

僕と沖田は門の前で別れた。

そして、次の日。

 

「こんにちは沖田」

 

その次の日に普通に僕は沖田に会いに来ていた。えっ、ああいう別れ方は大体数日開くって?そんな訳ないだろ。御伽草子じゃあるまいし。

沖田も昨日と同じ様に庭を掃除していた。沖田は驚いた表情をする。

 

「…流石の沖田も昨日の今日とは思いませんでした」

「はい、これ」

 

僕は持っていた風呂敷を渡した。

 

「…なんですか?」

「開いていいよ」

 

沖田は風呂敷を開くと、目を輝かせた。

 

「お団子だあぁ!」

「うん、そう」

「これ、食べていいんですか!?」

「いいよ、沖田に買って来たんだもん」

「ありがとうございます!あっ、お茶入れて来ますね!あそこの縁側で座っててください」

「いいよ。昼休憩だし、そろそろ師匠のところに行かないとね」

 

僕も本当は行きたいけど、流石にそろそろ戻らないと。

沖田も残念そうな表情をする。

 

「そうですか。でも、どうしてお団子を?」

「ん?昨日言ってたじゃん、お団子3皿は奢ってもらうって」

「まさか本当に奢るとは…」

「約束は守る男だからね。じゃあ!」

「はい、ありがとうございました!」

 

僕は離れていく。さてさて、明日はどういう理由をつけてここに来ようかな?

 

僕はそこから何かと理由をつけて沖田の所に毎日向かった。例えば、いい天気だからとか、桜が見たくなったとかなんとか。適当な理由をつけて毎日通っていた。

 

そしてある日。

僕と沖田はいつも通り庭で話していた。すると、屋敷の方から一人の男性が歩いて来た。

 

「沖田」

「あっ、土方さん」

 

目の前にいる伊達男があの土方歳三か。ぽけーっと見ているとジロリと睨まれた。

 

「沖田、仕事だ」

「あっ、はい!」

 

沖田は僕の方を向いてすみませんと謝ると屋敷の方に向かっていく。

僕は沖田に向かって問いかけた。

 

「沖田、仕事って…」

「うん?何言ってるんですかぐだ男さん」

 

何処から出したのか、あの特徴的な羽織を身に纏った。

 

「私は、新撰組ですよ」

 

笑顔は少女の様な顔なのに、どうしても服と刀が合っていない。

僕はそんな沖田に、ひどく心を締め付けられた。

 

「…じゃあ、これで僕は行くよ」

「はい!また、ぐだ男さん」

 

沖田はそのまま屋敷の中に入っていく。僕は上げた手の行き場を失い、ダランと力なく下げた。

 

その日の夜、ある場所までお上が移動したらしい。その警備に新撰組がついたようだ。

なんでも外で食事をしたかったらしい。流石はお上。

しかし、その帰りに襲撃にあったようで、日が明ければ死体が転がっていた。

 

僕は朝早くから急いで新撰組の所まで走った。ぜぇぜぇと息を切らしながら辿り着く。

しかし、そこにはいつもの様に箒を掃いている沖田の姿は無かった。

 

周りを見渡す。

そして、バシャリと水の落ちる音がした。

近藤さんが水浴びをしていた。

 

「こんどぅうさあぁぁーん!」

「ん?うお!?」

 

僕はまるで屍の様に息を切らしながら、近藤さんに縋りつく。

近藤さんも驚いた様で僕を見ていた。

 

「ああ、爺さんところの弟子か。どうした?」

「き、昨日仕事って聞いて!沖田は、沖田は無事なんでしょうかぁー!?」

「…沖田か」

「どうなんですか!?」

「…あいつは…」

 

 

 

久しぶりの戦いだったからだろうか。見事に身体の調子が悪くなった。自分でも、情けないと思ってしまう。ため息をついてしまう。重い身体を起こし、部屋を見渡す。見慣れた部屋で何度も同じことを繰り返す私の病気。

 

障子の隙間から陽が溢れる。

ああ、もう朝か、庭の掃除をしなきゃいけないのに。

…今日は、ぐだ男さんには会えないんだな。

 

すると、向こうから怒声と乱暴な足音

 

「おい、お前っ!」

「いや、僕は近藤さんからっ!」

「嘘を言うなっ!!」

「嘘じゃないですって!」

 

バタバタとその音が近づいてくる。そしてダンッと障子が開けられた。

目の前には髪の毛やら浴衣を男の人たちに引っ張られるぐだ男さんがいた。

 

「沖田さん!」

 

ぐだ男さんは部屋に入ってこようとするが、門弟たちが必死に止める。

 

「あっ、大丈夫ですよ。その人知り合いですから」

「しかし」

「大丈夫です」

 

門弟たちはぐだ男さんを離す。

ぐだ男さんは何か話でもあるのでしょうか?

 

「あの、ぐだ男さん。何か話しでも…」

「沖田ぁ!」

 

ぐだ男さんは沖田に抱きついてきました。…なんですとぉ!?

えっ、ちょっと待ってください!流石の沖田も思考が停止してますよ!?

ぐだ男さんはよかったと何回も口ずさんでますし…

 

「ぐ、ぐぐぐだ男さん?な、なんですかいきなり!?私たち、まだそういう仲じゃないですよね?」

「さっき新撰組行ったら沖田いないし、近藤さんに聞いたら沖田は斬られて重傷だって…」

 

あれ?わかりましたよ。私、沖田わかっちゃいました。今沖田の中で近藤さんがガハハハと笑ってます。

あの人め…

 

「ぐだ男さん。それ嘘ですよ」

「えっ?」

「私は斬られてないですし、傷も一つも付いていません」

「…でも近藤さんは」

「近藤さんですよ?」

 

ぐだ男さんも段々と冷静になったのか、顔を赤くして現在の状況を把握していく。

そして、門弟たちがぐだ男さんの奥襟を掴む。

 

「離れろっ!」

「はい、離れます!直ぐに離れます!一瞬で離れます!」

 

ぐだ男さんは私から跳び離れ、正座した。

 

「くすすっ」

「わ、笑いごとじゃないよ!」

「なんだ騒がしい」

 

スタスタと歳のいったお爺さんが入ってきた。

私は直ぐに布団から出て頭を下げる。

 

「おはようございます周助様」

「よい、布団に戻れ。で、そこの坊主は?」

 

ぐだ男さんも状況を察したのか頭を下げる。

 

「大和守安定が師、ぐだ男でございます。この度は数々のご無礼申し訳ありません」

 

そう言いながら頭を下げる。

周助様も、うむと言いながら腰を下ろす。

 

「安定殿に弟子が居たとはな。安定殿も珍しい」

「ええっと…」

「お前を褒めておるのじゃよ」

「あ、ありがとうございます!」

「わしはこの試衛館の…まあ隠居した近藤周助だ。もう勇に譲ったがな」

 

周助様は私の方を一瞥すると、ぐだ男さんに目を向けた。

 

「お前はあれか?」

「…あれとは?」

「沖田の思い人か?」

 

へっ?

 

「へっ?」

 

ぐだ男さんから声が漏れる。

 

「なんじゃ違うのか?」

「しゅ、周助様っ!?そ、それはどういう事ですか!?」

「ち、ちち違います!ええ違います!もう全然違いますよ!仏に誓って違います!」

「ぐだ男さんもそんなに否定しなくてもいいじゃないですか!!」

「ええっ!?ご、ごめん!」

 

ぺこぺこと謝るぐだ男さんを見て、ぶすっと不機嫌な表情をとってしまう。

べ、別に否定されたから不機嫌なわけじゃないですからっ!

 

「坊主」

「は、はい」

「少し稽古を見ていけ」

「はい?」

「沖田も練習着を着ておけ」

「はい」

「付いてこい」

 

ぐだ男さんは周助様に連れられて部屋を出ていって。

ぐだ男さんと周助様が出て行った時、ホトトギスが鳴いた。

 

「…むぅ…」

 

毛布を頭から被り少し考えた。

…来てくれた。その事実が私を妙にむず痒くさせた。まさか、来てくれるとは思わなかった。しかも、私を心配して…

 

「…嬉しい」

「沖田さん、練習着置いときますね」

「は、はいっ!!」

 

ガバッと毛布を下ろす。

門弟は怪訝そうな顔をしながら部屋を出た。

ううぅ〜っと唸り声を出しながら練習着に手を伸ばす。

早く着て、道場へ行こう。

そう思った矢先だった。

 

「っ!?ゴホッ!エホッ!ゴホッ!」

 

何かが上がってくるのがわかる。その何かは私はもう知っている。口元を抑えた浴衣の袖は赤く濡れていた。

 

 

 

「どうしてこうなった…」

 

僕は沖田の近藤さんのお父さん、近藤周助さんの所に沖田がいると聞き、飛んで来たわけだが。

僕の目の前には、大柄な門下生数人に囲まれた沖田の姿があった。そして僕はそれを端の方で見ている。

 

「沖田は病み上がりだからな。このくらいでいいだろう」

「いやいや、周助さん。沖田がどうしてこんなに囲まれてるんですか?」

「沖田にとっては少ないくらいだ」

「そ、そうなんですか…」

 

僕の目に映るのは、初めて見る沖田だ。いつも庭を掃除している沖田の表情からは考えられないような表情。

沖田はスッと構える。

 

「はじめぇ!」

 

勝負は直ぐについた。数人の門下生たちを沖田は簡単に打ちのめした。

 

「そこまで!」

 

周助さん合図で乱取りは終わった。

沖田は僕の方を見るとニコリと笑う。直視してしまった僕は顔を逸らしてしまう。

駄目だ、顔が赤くなる。

 

「やはりお主ら…」

「違いますから!」

 

周助さんは冗談を言いながら沖田の方へと歩いていく。

 

「沖田よ、やはりまだ繊細さが戻っておらぬようだな」

「はい」

「もう少し休んでいけ。休むのもまた修練だ」

「はい、わかりました」

 

沖田は僕の方へと寄ってくる。

 

「ぐだ男さん、見ましたか?すごいでしょう。沖田さん大勝利です」

「うん。綺麗だったよ」

「き、綺麗ですか?」

 

沖田は顔を赤くする。

変なことを言っただろうか?

 

「そこは、強いねとか圧倒してましたねとかじゃないんですか?」

「あれ、もしかしてそう言えばよかった?」

「い、いえっ!変更しなくて結構です!むしろしないでください!」

「う、うん」

 

さてと、僕もそろそろ行かなくちゃいけない。師匠に怒られてしまう。

周助さんの近くに寄り、頭を下げる。

 

「周助さん、今日はありがとうございました」

「うむ、沖田。門まで送ってやりなさい」

「はい」

 

僕たち二人は道場から出る。

どうにかあの怖い雰囲気を脱した。

気分も楽になった、そこで僕はずっと気になってた質問をした。

 

「そういえば、沖田」

「はい、なんですか?」

「斬られてないんだよね?」

「はい。…近藤さんには少しお仕置きが必要ですね」

「まあまあ。じゃあなんで、隊舎じゃなくてここまで来て休んでたの?」

「それは…」

 

沖田が困った表情をした。

 

「ああ、言いづらいことならいいよ」

「いえ、大丈夫です。ぐだ男さんにここまで来てもらったんですから言わないのは私的にちょっと不公平です」

 

沖田は間を一つ置き、口を開いた。

 

「肺結核なんです私」

「肺結核って…」

「不治の病なんて呼ばれちゃってます」

 

テヘッと舌を出しながら戯ける。

ああ、なんてことだ。

 

「体力も段々と落ちています。さっきぐだ男さんが綺麗って言ってくれた剣技も本調子じゃないんです。本調子はもっと凄いんですから!」

「…沖田」

「そんな顔しないでくださいよ。調子が狂っちゃいます」

 

沖田は少し俯きながら僕とは目を合わせない。僕もどうしていいかわからず、沖田の方を向けなかった。

 

「ゴホッゴホッ!エホッ!ガフッ!」

「沖田!?」

 

口元を抑えた沖田が急に咳き込んだ。どうしてか沖田は笑っていた。

 

「…ふふっ、ほら見てください。ちょっと動いただけでこれですよ」

 

沖田の手のひらにはべったりと血が付いていた。僕はその手を取る。

そして、袖で血が付いている手を拭った。

 

「ぐ、ぐだ男さん!?き、汚いですから!ぐだ男さんの浴衣が汚れちゃいます!」

 

僕は聞く耳を持たず、手を拭く。すると、手のひらの上にポタポタと水が落ちてくる。

 

「ぐだ男さん…」

 

ああ、これは僕の涙なのか。

 

「ごめん、沖田の方が辛いに決まってるのに…」

「…優しいんですね。ぐだ男さんは」

「…そんなわけない。沖田は同情なんか本当はして欲しくないはずなのに」

「そんなことないですよ。私は嬉しいです。とっても、とっても」

 

僕は沖田を見る。沖田も僕をまた見上げる。まだ口元に付いている血をそっと拭った。

 

そして抱き締める。

 

「…ぐだ男さん。未婚の男女はあまり触れ合っちゃいけないらしいですよ」

「…なら…いや、まだこれは言わない。それにそんな話は初めて聞いた」

「…そうですか。なら、しょうがないですね初めてなんですもん」

 

僕は沖田を離す。

 

「じゃあこれで。僕は行くよ」

「はい、私も明日には新撰組に戻りますから」

「うん、じゃあまた明日」

「はい、それでは」

 

僕はゆっくりと試衛館を離れた。

 

その日から僕はまた毎日新撰組に通い、沖田も新撰組に帰って来てからは庭の掃除も再開し他愛のない話をする様になった。

時々稽古を見るときもあったりする。やっぱり沖田の剣技は凄くて毎回僕は感嘆の声を漏らしていた。近藤さん曰く、沖田が本気を出せば近藤さんも勝てないんだとか。

 

毎日来てるからだろうか、門が閉まってる時でも守衛さんに顔を見せれば「ああ、お前か」という顔をされながら開けてくれる。これを近藤さんに言うと、笑われながら肩を叩かれた。

 

「お前らがお似合いだってあいつらも認めたってことだよ」

「な、なんですと!?」

「沖田もいい歳だ。そろそろ考えてもいい時だろう」

 

と言われた為、その日は恥ずかしくて沖田とは余り話せなかった。

僕はその後の話を近藤さんから聞いたが、その日の沖田はひどい落ち込みようで練習に身が入らず、土方さんがめちゃめちゃ怒ってたらしい。

次の日、「私何かしましたか!?何かしたのであれば、腹を切ります!」と涙ながらに聞いて来た沖田に「なんでもないよ」と言ったが、「嘘をつかないでください!」と刀に手をかけたので慌てて近藤さんとの会話を話した。

話を聞いた沖田も顔を赤くして、結局会話も出来ずに新撰組を去ったのだが、後日また近藤さんからその日の沖田は果てしない上機嫌で相手をした部下たちの練習にならなくて土方さんが怒ってたらしい。しかも、土方さんに丁度会ってしまい、説教部屋に連れていかれ、くどくどと正座をさせられながら説教された。

沖田が家に来ることが一度あった。沖田と僕も趣味というものは何一つなく、家に来たはいいものの何をすればいいのかわからず、二人とも緊張したまま正座していた。沖田が昼飯を作ってくれるとのことだったが…まあ、特徴的な味だったね。出来上がった瞬間の沖田の顔は嬉しそうだったけど、僕の顔は引きつっていただろう。

 

 

こんな風に僕たちの生活はとても普通でなんの突拍子もなかった。

 

 

そんな日常に、その日は突然訪れた。

 

1864年6月5日夜10時過ぎ

池田屋事件

 

沖田が病に倒れた。

 

戦闘中だった。発作を起こし、戦線を離脱した。

朝早くに新撰組の人たちからそのことを聞き、僕は沖田へ走った。

周助さんのところに運びこまれた沖田はあちらこちらに切り傷があり包帯も巻かれて、アザも残っていた。

 

「…あぁ…」

 

僕は膝から崩れ落ち、涙が溢れた。

ズルズルと膝をひこずりながら沖田の側まで寄っていく。

頰に触れる。まだ温かい、まだ息がある。その事が今の僕にとっての生きがいだった。

頰からそっと手を離し、沖田の手を握る。沖田のぬくもりを閉ざさないために。

 

一日経ったが、未だに目が覚めない。

二日経ったけど、目が覚めない。

三日経って、目を覚まさない。

四日経った、それでも沖田は目を覚まさない。

 

もしかしたら、このまま沖田は目を覚まさないんじゃないか…そう頭をよぎった。

その考えを消すように頭を振る。

僕は沖田の手をギュッと握った。

 

そして、五日目の朝。

 

「っ…んぅ…」

「っ!沖田ぁ!」

 

身をよじり、そして徐々に開かれていく瞼。虚ろな目を僕に向けて、笑いながらこう言った。

 

「…おはようございます、ぐだ男さん」

 

ああ、また涙が溢れてくる。

けどこれは、あの日の涙とは違う。

笑って返そうと思ったけれど。

 

「(…あれ?)」

 

僕の身体は横に倒れた。

 

 

暗い夢を見ていました。

それは真っ暗で、自分の足下も見えないくらい。手探りで歩いても何も触れない。そもそも、私は前に進んでいるのでしょうか?

そういえば私は池田屋に近藤さんたちと向かったのではないでしょうか?

そこから記憶が曖昧です。

ああ、もしかしたら私は死んでしまったのかもしれません。だから私はここにいるのでしょう。

そうだとしたら、少し残念です。まだ近藤さんにお団子奢ってもらう約束をすっぽかされたままです。土方さんは…別にないですね、そんな約束をする前に怒られちゃいます。隊員のみんなにも迷惑をかけてしまいました。

 

……ぐだ男さんはどう思うでしょうか。私が死んでしまったら、悲しんでくれるでしょうか。もしかしたら、別の女の人に誘惑されるかも、それに乗ったら三段突きです。

…まだ言ってない事だって沢山あるんです。お団子だってもっと一緒に食べたいです。ぐだ男さんが打った刀を振って見たかったです。お花見だってしたいです。お酒を飲んで酔ってもおんぶしてもらって家まで運んで貰いたいです。抱きしめてもらった事なんてあれきりです。

…好きってまだ、言ってません…

 

私は、ぐだ男さんに会いたいです。

 

すると、右手にぬくもりを感じました。とっても、温かいです。

私は走りました。必死に、この暗闇を抜けるために。

 

そして……

 

「…おはようございます、ぐだ男さん」

 

やっと会えました。

 

 

 

 

「まったく、私を看病しに来たのに、どうしてぐだ男さんも看病されてるんですか!?」

「あはは…面目無い」

 

結局僕はあれから倒れて、沖田の横に布団を引いてもらいぐっすりと眠った。

し、仕方ないじゃないか!四日も眠らなかったんだぞ!水しか飲んでないし!倒れるに決まってるじゃん!

今はこうして沖田と二人で寝ている。一緒の布団じゃないからね!!

 

「まったく!本当に心配したんですからね!起きたらぐだ男さんいきなり倒れるんですもん」

「いや、僕だってびっくりしたんだからね!急いで来てみれば傷だらけの沖田が寝てるんだもん」

「それは私の場合、仕事ですから」

「…それ言われちゃ、僕は何も言い返せないよ」

 

ハァとため息をついてしまう。

横をみれば沖田がいる。沖田は薄く微笑みながら寝たまま僕の方を見ている。

 

「…なに?」

「なんでもないです」

 

そうは言うが、こっちもここまでじっくり見られると気恥ずかしくてたまらない。

寝返りをうって目線を外す。

 

「なんだか、このままだと少し話しにくいですね」

「うん?いや、別にそんな事は…」

「ちょっと失礼しますね」

 

そう言いながら、沖田は自分の布団を僕の布団にくっつけた。

沖田の顔がさっきよりも近い。

 

「はい、これで話しやすくなりました」

「お、沖田。これは流石に…」

 

僕がオドオドしていると、沖田は僕の手を握った。

 

「…ずっと、握ってくれてたんですか?」

「あ、いや、その……うん」

「ふふ、ありがとうございます」

 

沖田はそのまま僕の手を自分の頰に誘導する。

 

「ぐだ男さんの手、あったかいです」

「…どうも」

 

僕の手で犬のように頬ずりをする。それはとても気持ち良さそうで少し羨ましい。

 

「ほら、そんなに僕の手で遊ぶな」

「ふぎゅ」

 

頰をぐにゅぐにゅ押してやる。…柔らかっ!!なにこれ、新感覚かよ。引っ張ったりしてみたらよく伸びる。

 

「ぐびゃおしゃん〜ひっぴゃらないじぇくだひゃ〜い」

「あははは!何言ってるかわからないや」

「…ひゅき」

「ん?なんて言ったの?」

 

沖田は僕の頰を掴みながら横に伸ばす。

 

「いいでひゅけどぉ!べぇちゅにいいでひゅけど!ひょっとはきじゅいてくれてもいいひゃないでしゅか!!」

「おきたいたい、いたい!」

 

顔を赤くしながらびよんびよんと伸ばしてくる。

沖田は引っ張る手を離し、赤くなった頰を撫でる。

 

「…こんなに赤くして、誰にやられたんですか?」

「目の前にいるお前にだよ」

「そんな失敬な。沖田さんにはやってもいいという完璧な言い訳があるのです」

「なんだそれ」

 

沖田の言葉に苦笑する。

沖田も僕の表情をみて笑いが溢れる。少しの静寂が僕らふたりを包む。そして、沖田は僕の手に指を絡めてくる。

 

「…ぐだ男さんが来てくれて嬉しかったです」

「僕も沖田が目覚めてくれてよかったよ」

 

空いた手で髪を撫でる。くすぐったそうにする沖田。

 

「…もっと近づいてもいいですか?」

「…うん」

 

僕たちは自分たちの布団の端に寝る。沖田と僕の距離は一尺もないほどだった。僕たちを断つのは布団と布団の繋ぎ目だけ。だけどその隙間も、今はもう意味がなくなった。

 

「…ぐだ男さんに会えて、本当によかった」

「僕も沖田に会えて、よかった」

 

ゆっくりと手を伸ばす。頰に手を伸ばし、撫でるように触れる。

 

「好きだ、沖田」

 

沖田は顔を赤くして、びっくりした様子だった。でも、頰を赤く染めたまま微笑む。

 

「…本当ですか?」

「ああ、本当さ」

「…なら、証明してください」

 

手はそのまま撫でるように首の後ろまでいき、抱きしめるような形になった。

 

「…いいよ」

 

僕も沖田の頰に手をあて、そっと顔を近づけていく。ああ、僕たちはもう止まらない。いや、止められない。

そして、沖田の唇が一分(いちぶ)くらいの距離になった時、それは唐突に訪れた。

 

「………お前ら」

「「っ!?」」

 

僕たちは突然の声に驚き、瞬時に離れた。沖田は布団ごとぐるぐると筒状になって部屋の端まで転がっていった。

そして、声が聞こえた方向を見ると…

 

「ひ、土方さん…」

「久しぶりだな、ぐだ男」

 

土方さんとは苦い思い出しかない。特に説教とか説教とか説教とか。

 

「……はぁ」

「ひぃ!?」

 

僕は土方さんのため息にビクつく。沖田は未だにグルグル巻きから戻ってこない。

 

「…お前らな…ここは人の家だ」

「は、はいぃ!」

「別にすること自体は否定しない。もうお前らがそういう仲なのは重々承知済みだ」

「ど、どうも!」

「だがっ!そういうことをする時は!時と場所を考えんかぁ!!」

「すみません!!」

 

土下座をしながら謝る。しかし、なぜ謝っているのか僕にもあまりわからない。

 

「沖田」

「は、はい!」

 

グルグル巻きからひょこっと顔を出し、赤い顔で土方さんを見る。

 

「近藤さんと話し合った結果、お前に長めの休暇を与えることにした」

「え、ええ!?」

「まあ、そうは言っても緊急の場合はお前にも出てもらわなければならないがな」

「わ、私は大丈夫です!」

「駄目だ。これは命令だ」

「……はぃ」

 

沖田も渋々了承した。グルグル巻きの姿のままで。

 

「沖田ミツ殿の所に行かせようと思ったが…」

 

そこで僕を見る。

 

「それよりも、こっちの方が良さそうだな。近藤さんも大いに賛成するだろう。いや、もしかしたら元々こっちなのかもな」

「あ、あの〜話が見えないんですけど。私は結局姉上の所には行かないのですか?」

「ああ、こいつの所で療養しろ」

 

僕の頭をガッと掴まれた。

 

「えええっ!?」

「ち、ちょっとそれは!?」

「なんだ文句があるか」

「も、文句があるかと言えば全然ないんですけど…」

「わ、私もないんですけど。少し気が早いんじゃ…」

「いいな、ぐだ男」

 

有無を言わさぬ目をしていた。

これは、「はい」と言わないと殺される!!

 

「…はい」

「よし、じゃあ今日から沖田の私物を隊舎からこいつの家に持っていくから」

「ぼ、僕の家知ってるんですか!?」

「沖田がお前の家に遊びに行ったことも知っている」

「「な、なんで知ってるんですか!?」」

「じゃあな」

 

スタスタと部屋から出ていく。

さっきまでの雰囲気が嘘のように、僕たちは土方さんを目で送っていた。

 

「え、ええっと…」

 

グルグル巻きになった沖田はこちらを向かずに、部屋の端を見ている。

 

「あ、あの!」

 

しかし、沖田は転がりながらこちらを向いた。

 

「これから、よろしくお願いします」

「こ、こちらこそ、よろしく」

 

こうして、よくわからない展開で僕たちの同棲生活ははじまったのだった〜。

 

 

 

 

「長い説明ありがとうございました」

「あ、いえ。それ程でも」

 

なかなか思い出してみると面白いものだと自分でも思う。

 

「私ももう二十代です!年増ですよ年増!なんですかこの言葉!私がしわしわのお婆さんみたいじゃないですか!!」

「まあまあ、沖田落ち着いて。沖田は年増なんかじゃないよ」

「あ、ありがとうございます。やっぱりぐだ男さんは優しいですね」

 

沖田がポワポワとうっとりした表情で僕を見ている。僕も沖田の頭を撫でる。

 

「ほへぇ〜…っは!駄目です!乗せられてはいけません!」

「ちっ…」

「ぐだ男さん、結婚しませんか?」

 

うるうるとした目で見つめられる。

 

「もしかしたら、他の男の人に盗られちゃうかもですよ」

「それは嫌だ」

 

沖田を抱きしめる。沖田は満足そうに目を細めた。

 

「…実はな、僕もそれは考えてたんだ。でもね、僕は刀工としてまだ修行中。自分で稼げるようにならないと沖田とは結婚できないよ」

「…私は別にぐだ男さんが無職でも…」

「それは僕がかまうよ!?」

 

沖田の頭を撫でながら、笑う。

 

「沖田には、僕が打った刀を一番最初にあげるよ」

「ほんとですか!?嬉しいです!」

「でも、何にも斬れないよ?強いて言うなら突くだけ」

「はい、良いです!ぐだ男さんが打った刀なら虎徹にだって負けません!」

「あははは、大袈裟だなぁ」

 

僕は座り直す。

 

「だからもう少し待って。絶対に沖田と幸せにするから」

「はい!」

 

それからも僕は必死になって修行した。そして遂に、師匠から免許皆伝してもらえた。

その日、僕は沖田と婚姻を結んだ。もちろん結婚式なんかはあげてない。けど、新撰組の皆さん達が大いに盛り上げてくれた。

 

それから数ヶ月、僕が刀を作っている時に、沖田が倒れた。やはり身体は限界を迎えていたのだろう。結婚する前からこの事は沖田から伝えられていた。

大阪に療養に行こうと言ったが、「最期までぐだ男さんとこの場所で居たい」と言われ僕は泣いてしまった。

 

そして数日後、沖田総司はこの世を去った。

 

葬式はひっそりと行われた。冷たくなった沖田の姿はとても儚く、綺麗だった。

 

木の棺に入れられた沖田を見ながら僕は。

 

「…遅くなってごめん。でもやっと、沖田に渡せる」

 

僕は一振りの刀を棺の中に入れた。

 

「…好きだ。大好きだ。桜のような笑顔を浮かべる沖田が大好きだ。もし、もしも、来世で会えることがあるなら、僕は君ともう一度、笑い合いたい」

 

僕は涙を溢れさせながら笑顔を作った。

 

「…ありがとう、沖田」

 

僕はゆっくりと棺を閉めた。

また会えることを信じて。

 

 

 

 

場所は雪山。

標高6000メートル、その地下に作られた秘密の組織。

 

僕は時々、よくわからない夢を見る。それは昔で多分江戸時代くらいかな。そこで僕が誰かと話してる夢を見る。

子供の頃から好きな花は桜だった。何故かとても好きだった。

 

「ねえ、ダ・ヴィンチちゃん」

「なんだい、ぐだ男君。この天才に質問とは」

「英霊召喚の触媒をマシュの盾じゃなくて、桜の花を使いたいんだけど」

「別にいいけど、何も呼ばれないと思うよ?」

「ううん、いいんだ。試してみたいだけだから」

 

僕は召喚室へ行き、本に挟んでいた桜の栞を置いた。

光が回る。そして粒子が身体を構成する。

脳に映像がフラッシュバックする。あの桜の花が舞い落ちた、初めて会った時の光景が。

 

「新選組一番隊隊長。沖田総司、推参」

 

静かに告げられるその言葉。初めて聞いた声なのに、ひどく懐かしく感じる。

そして、僕は。

 

「おかえり、沖田」

「ただいまです、ぐだ男さん」

 

僕は彼女を抱きしめていた。

 

 

 

 

 

 

 








後日談みたいなことで、この後のシーンはマシュが来て何やってるんですか!?みたいな事になった後、沖田とマシュの修羅場みたいなことになるのだ。
この話での沖田の刀は前世ぐだ男が打った刀を装備しております。毎日欠かさず手入れをしています。一応突くことは出来るので、宝具は大丈夫。
ぐだ男は前世の記憶は無いので、沖田とのちぐはぐはあるが、ぐだ男も自分の魂に残る沖田への愛で二人で頑張って乗り越えていく。
まあ、夜の営みはそこそこ…
マシュの元気は日に日に落ちていきました。



要望があれば、夜の営みの部分だけでも書こうかなwww

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