バカと艦娘と学園生活   作:一億年に一人のドアホ

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第二問(2)

 

ガタンッ………

 

普通テスト中には聞こえないであろう大きな音で彼女の思考はストップする。

音のした前方を見ると生徒が床に倒れている。

 

(あれは……姫路さんか)

 

(てか熊野寝てるじゃん)

 

(余裕って訳か…)

 

倒れた姫路の隣の席では妹の熊野がテストを解き終わったのか寝ているのが見える。

 

「大丈夫!?姫路さん」

 

(あ!明久だ)

 

「途中退席すると試験は無得点となります、いいですね?」

 

「そんな!?先生!」

 

「何ですか、吉井君」

 

「彼女は病気なんですよ?」

 

「そんな事関係ない、それとも貴様も無得点になりたいのか?」

 

(これは話しても分からない奴だね)

 

「ここで姫路さんを見捨てるくらいなら無得点にでもなってやりますよ!」

 

「フンッ…バカめ」

 

「失礼します!」

 

そう言い残すと吉井は姫路を連れて教室を出ていった。

 

「フンッ………クズめ」

 

彼女は耳を疑った。目の前の試験監督官(カス)は今何て言った?

明久は体調の悪い姫路さんを庇っただけだ。

それをクズだなんて………許せない。

 

ガタッ……

 

(ゴメン、熊野。でも……私我慢できない)

 

「!?席につきなさい、鈴谷!」

 

「………………よ(ボソッ」

 

「何?」

 

「あんたの方がクズだって言ってるのよ!このカスがぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「!?貴様!無得点だぞ!?」

 

「ご自由にどうぞ、気分が悪いので失礼します」

 

「えぇ!?鈴谷!?」

 

吉井が信じられないと言った顔で彼女を見る。

 

「行こ!明久!」

 

そう言うと彼女は荷物をまとめて席を立つ。

 

〜〜少年少女移動中〜〜

 

「でも良かったの?鈴谷さん」

 

「試験の事?」

 

「うん…」

 

「気にしないで、鈴谷も許せなかったから」

 

「ありがとう」

 

「いえいえー!それより姫路さん大丈夫?」

 

「意識ないけど寝てるだけだと思うよ」

 

「それなら良かった」

 

「うん、あ、保健室に着いたよ」

 

鈴谷が保健室のドアを開け二人と一人は中に入る。

 

 

「どうされましたか?」

 

「試験の途中で倒れたので運んできました。風邪だと思うんですが」

 

「診察するのでそこのベッドに寝かしてください」

 

「はい」

 

吉井は姫路をベッドに寝かせて保険医の先生の診察を待つ。

 

「って明石じゃん」

 

「鈴谷さん、久しぶりです。鈴谷さんもこの学園でしたね」

 

「そうだよー。てか何で明石が保健医やってんの?」

 

「就職に困ってた時に提先生にお声をかけて頂いて……資格は持ってたから今年からここで保険医になったの。よろしくね、鈴谷さんと………」

 

「あ、吉井明久です。よろしくお願いします!」

 

 

「ふふ、元気な子ですね」

 

「お二人は知り合いですか?」

 

「そうだよー、二人共元()()だよ」

 

「へぇー」

 

「一応見た感じ熱が結構あるからインフルの疑いがあるわ」

 

「姫路さん……」

 

「二人共感染るといけないからもう帰りなさい。後は先生たちでやっておくから」

 

「「ありがとうございました」」

 

「失礼しました」

 

「それじゃあねー明石」

 

「今日はありがとう、鈴谷さん」

 

「いいのいいの。それじゃあ熊野が待ってると思うから、バイバイ!」

 

「うん、バイバイ。鈴谷さん」

 

鈴谷は踵を返して妹を探しに昇降口へ向かって行った。

 


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