あやせside
学校から帰り、私はすぐに八幡さんに電話した。なかなか出てくれず悲しんでいた私だったが、もしかしたら用事があって出られないのでは?と思い、納得する。時間を置き、夜に電話すれば出てくれるはずと思い、夜になるのを待った。
夜になり、八幡さんに3度目の電話をかけると、3、4回音がなり、ダメかなと諦めていた時に、八幡さんの声が聞こえた。
「夜分遅くにすみません。突然ですが八幡さん、明日は何か用事がありますか?」
私は、八幡さんに私の仕事に付き添って欲しいと思い、電話した。
「新垣か。いや、明日はアレがアレでアレなんで暇じゃない」
「そ、そうですか。ごめんなさい。迷惑かけてしまって」
何故か断られただけなのに、私は涙声になっていた。
「そういえば明日暇だったわ。明後日の事と勘違いしてたわ」
「ほんとですか?なら、明日私の仕事場についてきてくれませんか?」
「明日仕事あんのかよ。ていうか、なんか仕事してたのか?すげーな。ていうか、なんでついていかないといけないんだ?」
「明日の撮影、人が沢山くるところでやるんみたいなんですけど、1人だと不安で。ダメですか?」
「ま、まぁ暇って言っちまったしな。わかったよ。何時にいけばいい?」
「9時に駅でお願いします」
「わかった。じゃあ、また明日」
「はい!ありがとうございます!八幡さん!」
私がそう言うと、八幡さんは通話をきった。もっと話したかったなぁ〜。でも、八幡さんが明日ついてきてくれるなんて思わなかったなぁ。明日が楽しみです。今日は早く寝ることにします。
次の日、今日は仕事だというのに、寝不足です。寝不足で、最悪のコンディションですが、早くいきましょう。八幡さんを待たせたら悪いですし。
集合場所に行くと、八幡さんは既にいました。というか私がついたのが、集合時間の5分前だったので、いてもおかしくありませんが。
「八幡さん、すみません。遅れてしまいましたね」
「いや、俺もついさっききたばかりだったしな。というか新垣は遅れてもないしな」
「ありがとうございます。そういえば八幡さん、今日は眼鏡なんですね!」
「お、おう。まぁな。新垣の知り合いに会ったら困るしな」
「いやいや、流石に現場に私の知り合いが来るわけありませんって」
「いや、わからないぞ?クラスの男子とかが来るかもしんないんだぞ?そうなったら、学校で新垣が大変になるんだぞ?」
「どういう事でしょう?」
八幡さんが言ってる事があまりわかりません。何故クラスの男子に会ったら私が大変になるのでしょうか?
「ま、まじかよ。まぁ簡単に言ったら、俺が新垣の隣にいるってだけで、彼氏に間違われるだろ?そうなったら新垣も困るだろ?」
「そ、そういう事でしたか。それは困りますね。でも、クラスの人、八幡さんの事知らないんですし、眼鏡かけてなくても、大丈夫ですよ?」
「いや、こんな目が腐ってるやつが隣にいたらだめだろ。それに俺の高校のやつらも来るかも知んないしな。それこそアウトだ」
「八幡さん、友達いたんですか?」
「いるわけないだろ。そもそもクラスメイトにすら認識されてないレベル」
「そ、そうなんですね。なんかすみません」
「い、いや大丈夫だ。そろそろ行くか?」
「はい!そうですね!」
普段の八幡さんもいいですが、眼鏡かけた八幡さん、かっこよすぎません?!こんなイケメンさんの隣歩いてたら、私の方が睨まれちゃうよ。
現場につき中に入ると、既に人がたくさん並んでいた。でも私は仕事の関係者なので、並ばずに中に入る事ができます。もちろん八幡さんも入れましたよ?私の同伴者として入れました。
「隣の彼は誰なんです?もしかして彼氏ですか?」
撮影のスタッフやモデル仲間の人たちが私に聞いてくる。中には八幡さんに話しかけている人もいるみたいだ。というか、モデル仲間の人たちは八幡さんの所に行っていた。むー、八幡さんがもてて許せません。
「八幡さん、こっちきてください」
「お、おう」
私は八幡さんを椅子に座らせた。
「あの、今から撮影始まるので、ここで見ててくれませんか?」
「お、おう。わかった」
撮影中もずっと、モデル仲間たちは八幡さんの話題でいっぱいだった。確かに、あんなにイケメンさんなら、誰だってそうなるよね。撮影も順調に進み、今は休憩時間になった。
「八幡さん、少し外に行ってきますね。時間までには戻ります」
「お、おう。わかった」
「それじゃ、行ってきます」
「おう」
私は外に出てその辺を歩いていた。すると、私の親友の桐乃がそこにいました。
「桐乃?桐乃だよね!あれ?部活とかで忙しいから仕事休んでるんじゃなかったっけ?」
「い、いや〜ちょっとね。あはは」
「よお、久しぶりだなあやせ」
「こんにちは、お兄さん。もしかして、桐乃とデートですか?」
「まぁそんなとこだ」
「仲がよくていいですね!」
「おう!」
「あれ?さっきから桐乃あまり話してないけど、体調悪いの?」
「い、いや〜。そんな事ないよ。それじゃ私急いでるから」
「待って。桐乃、私に何か隠し事してない?その袋なに?」
「なんでもないって」
その瞬間、桐乃の持っている紙袋が破け、下に沢山本が落ちた。それを見た私は唖然とした。
「ごめんなさい。私、あなたとは今後お付き合いできません。もう学校でも私に話しかけないでください、お願いします」
そう言って私は桐乃の元を離れた。
「新垣、遅かったな。って、どうしたんだ?すげー顔になってんぞ?」
「八幡さん……桐乃と喧嘩しちゃいました……はは、だめですね私」
「なにがあったか知らんが、辛かったら泣いてもいいんだぞ?幸いここには俺しかいないしな」
「八幡さん。ありがとうございます」
そう言って、私は八幡さんに抱きつきながら泣いていた。八幡さんは少し戸惑っていたが、泣き止むまで頭を撫でてくれていた。
「す、すみません。取り乱してしまいました」
「別に気にすんな。こっちこそごめんな。いきなり頭撫でちまってよ。嫌だっただろ?」
「い、いえ。むしろ嬉しかったです」
「そ、そうか。ならそろそろ残りの撮影に行ってこい」
「は、はい。わかりました」
少し落ち着いた私は、残りの撮影に向かった。残りの撮影も滞りなく終わり、今は帰っている途中だ。
「八幡さん、今日はありがとうございました。それと、迷惑かけてすみませんでした」
「気にすんな。それじゃあな」
「はい!」
私がそう言ったら、八幡さんは帰って行った。それを見届け、姿が見えなくなった頃、私も帰った。
家に着き、桐乃と喧嘩をしてしまった事を思い出し落ち込んだ。仲直りしたいと思ったが、どう切り出せばいいのかもわからない。挙句のはて、私から桐乃の事を拒絶してしまったため、どうしようもできない。八幡さんだったら、どうするんだろう。そのままずるずると夏休みが終わが終わり、新学期に入った。このままだと嫌だと思い八幡さんに電話した。今回は1回かけただけで八幡さんがでてくれた。
「なんかようか?」
「八幡さんに相談したい事があります。明日何か用事ありますか?」
「いや、アレがアレでアレなんで忙しい」
「嘘ですよね?この前も同じ事言ってなにもなかったですよね?」
「は、はい。嘘でございます」
「あの、明日、ここの公園にきてくれません?」
「お、おう。わかった」
「なにからなにまで、ありがとうございます」
「気にすんな。それじゃ」
「はい!」
電話を切り、私はそのまま眠りについた。
読んでいただき、ありがとうございました
駄文だと思いますが、暖かい目で見てくれれば幸いです
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