ダンまちにアクシズ教を!【更新停止】   作:アクシズ

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かずみん14歳 原作に這いよるアクシズ教
群衆の主


 

「止まれ、この街には何の用で来た」

 

「何の用で来たかと問いましたか・・・」

 

 ふぅやれやれ、聞かれたからには応えないとならないですね!マントをバサっと後方へ薙ぎ払う。

 

「我が名はかずみん!『魔法戦士(ゼ・ウィーガ・ヴィ・アークウィザード)』にして、あの日の誓いを守る者!」

 

 あっけに囚われる門番さんに畳み掛けるよう攻め続けるアクア。

 

「私はアクア───そう、私こそが水の女神にして、七つの海を平定した神アクアよ!この街にも救いを齎しにきたわ!」

 

 ふっふっふっいいですよアクア!もう門番さん達はタジタジだ!

 

「ぱーるはなーぱーるばぁてーっていうの・・・お腹すいた!」

 

 ・・・ぱーるは何というか、そうあれです。マイペースな子に育ちました。

 

「・・・えっと、友達と遊びに来たのかな?特に荷物もないようだし行っていいぞ。荒くれ者も多いから、裏道や暗くなったらあまり外を出歩かないようにな」

「ちょっと待ちなさいよあんた!私達はこの街に遊びに来たんじゃないわ!大事な使命があるの。とりあえず偉そうな人呼んできて!それかあのデッカイ建物の最上階に住んでそうな、お金持ち紹介して下さい」

 

 あっやっぱりスイートルーム狙いなんですね。普通に考えたら世界有数の『大富豪』や超強そうな【ファミリア】辺りが住んでるだろうから、本当に住みたいと言い出したら、もう少し下の階層で我慢してもらいましょう。

 

「まぁ冗談はこれくらいにしまして、こちらを見てください」

 

 ポセイドンとアストレアが書いてくれた『紹介状』を門番さんに渡す。ポセイドンは『海を守る神』として有名だそうですし、アストレアに関しては、以前このオラリオで『正義の味方』してたらしいです。七つの海に平和を齎す戦いの途中仲良くなって、一緒に『正義の味方ごっこ』をよくした仲間です。この世界で出会った『神』の中で一番好きなのはアストレアですね。

 

「なっ!!!神ポセイドンと神アストレア!?─────しっ失礼しました!我らが主神ガネーシャの元へ案内させてもらいます。どうぞついて来て下さい。神アクア」

 

 効果はバツグンだ。

 

「最初からそうすればいいのよ!あっそれともう歩き疲れたから、馬車とか用意して頂戴。あれよ最高級のにしてね!」

「了解しました!」

 

 ここぞとばかりに色々要求しだすアクア。調子に乗り出すと毎回、どこかで凹まされることになるのだが、まぁそんな母を眺めるのも好きなわたしは好きなよう任せることにする。

 

 そうして待つこと数分、案内された馬車に乗り、アストレアが以前この都市にいる時、一緒に治安維持活動に務めていたという、神ガネーシャの元へ向かう。話には聞いていたが、ホントに大きな街だ、いや都市と呼ぶべきか。【ガネーシャ・ファミリア】のあるのは都市南西で、中央広場をまたぎって反対方向にあるらしい。南西ならメレンから来れば良かったですね。

 

「なーかずねー武器とかいっぱい装備してる人多いけど、あれみんな冒険者?」

「おそらくそうでしょう。何だか海の者達と比べると、物々しく感じるかもしれませんね」

 

「溺れたりしないー?」「ぱーる、陸の冒険者達は水中で戦うことは、あまりないのだと思いますよ」「ふーん・・・面白いね!」

 

 ぱーるの生活は今まで海中心でしたし、ここの冒険者みたな重そうな鎧を装備した者は、珍しく感じるのでしょうかね。まぁアマゾネスに関しては、気持ち布面積が増えているかもしれないかもしれないってくらい違いありませんけどね。全くおっぱい裸族どもめ。そして8歳にしてすでに膨らみ出しているぱーる・・・・・・・深く考えるのはやめましょう。

 

「活気があっていいところじゃない。ただこうも大きいとぱーるが迷子にならないか心配だわ」

 

 わたしはアクアが迷子になる可能性が一番高いと思ってます。

 

「まぁそうですね、我々は主の活動場所は海上、船の中でしたからね。ぱーるは慣れるまで、必ずアクアかわたしと共にいるのですよ?一人で歩き回らないように」「わかったー」とあまりわかってなさそうな返事をする。

 

 そうこうしてるうちに、ようやく到着するそうだ─────何ですかこの超───かっこいい建物は!!!

 

「うっわ~下品」「すっすみませんうちの主神様が」「おっきいね!この人おっきいね!」

 

 そこは白く高い塀に囲まれた、広大な敷地内で、中央に腕を組み胡坐をかく象の頭を持つ巨人像が鎮座していた。どうやらあの像の股間部分が建物の入り口のようだ。

 

「超カッコいいです!!!アクア!我々のホームもアクアの像を入口にしましょう!!!くぅぅぅ~こんな建物があるなど、何て素晴らしいセンス!アストレアも良くわかっている。これを見せる為に紹介したんですね!」

 

「絶対やめてちょうだい!!!そんなん作ったら絶対壊すから!自分の股間が入口とかどんな羞恥プレイよ!」

 

「─────そんな・・・なぜですか・・・アクアの偉大なその姿を巨大化して民たちに見せつけるのです!そしてみなアクアの子として、その股間へ帰る!───そうこの建物はまさに『愛』!!!それがわからないなんて、くっ」

 

「そうまさしく!そなたのいうようにこれは俺の子供達への『愛』!何を隠そう俺がガネーシャッ・・・だ!!!」

 

 何やらナイスな仮面の青年、神ガネーシャが現れた!その登場のタイミングといいこの男神・・・出来る!

 

「だがわたしも負けませんよ!我が名はかずみん!偉大なる水の女神アクアの子にして、ぱーるのお姉ちゃん!初めまして神ガネーシャ。お噂はかねがね。あっこれお土産ですどうぞ」ぺこりとお辞儀しつつお土産を渡す。

 

「おっこれはご丁寧にどうも、俺がガネーシャです」

「じゃあ私はアクアよ!」「ぱーるはぱーるばぁてー!」

 

「何?パールヴァティーだと?・・・良い名だな!」「違うよ?ぱーるばぁてーだよ?」

 

「ところで神ガネーシャ、その仮面カッコいいですね。一つもらえませんか?ちょっと制作意欲が湧きました。わたしも仮面作ってみようかと」

「ねぇねぇお酒まだかしら?女神が登場したのよ?まずはお酒を奉納するのが礼儀ってもんでしょ?」「ぱーるお腹すいた!」

「がっはっははは!俺がガネーシャだ!『わたしはかずみんです!』」

 

(((((何だこのカオス))))

 

 

 

 

 

 

 

 それから何だかんだありつつも、落ち着いて話をし、アストレアとポセイドンの頼みなら何も問題ないと、わたし達のホームが決まるまでは【ガネーシャ・ファミリア】のホーム『アイアム・ガネーシャ』に滞在させてもらうことになった。それとギルドへの紹介もしてくれるらしい。オラリオでの生活の仕方や、【ファミリア】運営に関してなど、色々と教えてくれた。かずみん感激である。ガネーシャも感激してたが。アクアはすでに酔っぱらって、お腹いっぱいになったぱーると共に寝ている。

 

「そうか・・・海に平和が、な・・・良かった!」

 

「しかしその平和も一時的なものです。アクアとわたしが張った結界は、確かにモンスターを弱め、結界内からはじき出す効果はあれど、殲滅するようなものではありませんし、その結界もいつかは消える時が来る。海は余りにも広いです。完全なる平和な海になど、今のままでは到底出来るとは思えません」

 

「ああそれはわかっている。それでもだ!ありがとう!」

「その言葉はアクアに沢山言って下さい。結界のメインはアクアのもので、わたしはそれに少し手を加えたに過ぎません」

 

「だがこの手紙には、かずみんの事が沢山書いてあるぞ。随分あの『神達』に気に入られたのだな」

「それは嬉しいですね。アストレアやポセイドン達と、共にいるのは楽しい時間でした」

 

「してこのオラリオにきた目的は?【アクア・ファミリア】の活動を見守ってくれとは書いてあるが、その内容に関しては特に書いてないのだが」

 

「ベル・クラネルという少年に覚えはありませんか?白い髪に赤い目をした15歳くらいの少年です」

「いや・・・聞いたことはないな。冒険者なのか?」

 

「はい、いいえどうでしょうか、最後に会った時にオラリオで再会を約束してまして。彼は冒険者になると言ってましたので。オラリオには彼に会いに来たのです」

「ならばその少年の情報が分かれば伝えよう」

 

「お願いします。それとアストレアが愛したという、この都市をみてみたいという気持ちもありますね」

 

「───そうか。ならば俺は約束しよう。【アクア・ファミリア】の活動を見守ることを!」

 

「ありがとうございます───そうそう、わたしも独自に治安維持活動はすると思いますので悪しからず」

 

「ふむっアストレアが認めた者ならば、いいだろう。ただし分かってはいるだろうが、あまり派手にやりすぎるなよ?俺のところのような大きい【ファミリア】だからこそ続けられているってこともある。この都市の闇は───深いぞ」

 

「ふふっそれこそ我が力を活かす道。紅魔族・・・我が種族は悪を滅ぼす為に生まれたのですから」

 

 あぁ瞳が輝き出すのが止まらない。ホントにこの方はわかっていますね!このシチュエーション最高です!

 

「そうか、ならばもう何も言うまい。好きにやるがいい!頃合いも見計らって『宴』でも開き、【アクア・ファミリア】の紹介もしようではないか」

 

「ええ、これからよろしくお願いしますね!【群衆の主(ガネーシャ)】わたしはかずみんです!」「ああ、俺がガネーシャだ!」


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