ダンまちにアクシズ教を!【更新停止】 作:アクシズ
アレンって誰?とか思った方は見てもらうとイメージし易いかもしれません。
ダンジョン───それは数多の階層に分かれる無限の迷宮。凶悪なモンスターの
そしてアクアが放った魔法によって流された勇者一行は、広大で、長大な大広間にたどり着いた。様々なものと共に・・・・・・
「どんだけ大量の水だしゃ気が済むんだテメぇわ!」「私は汚いからちょっと掃除してあげようとしただけなの!ホントよ!?」
アレンが何か言ってますが、まぁ済んでしまったことは仕方ないでしょう。そう、我々はアクアが唱えたセイクリッド・ハイネス・クリエイト・ウォーターによって、瀑布のごとく降りそそぐ、大量の聖水に押し流され、途中にいた冒険者やモンスターなどと共に、この広間まで流されたようだ。
「ここは・・・17階層『
「なるほど、入口から随分な距離流されたのですね。流石一級冒険者だ。しっかり守ってくれてありがとうございます」
そう周りを見渡せば、まさに死屍累々とした然で倒れ伏す数十人の冒険者達とモンスター。凄いですね、モンスターなんて何百匹以上と、数えられない程だ。
「まぁこうなっちゃったんだから仕方ないわね。私はとりあえず倒れてる人達を助けてあげるとするわ!」「ぱーるもてつだう!」
「わたし達はこの弱ってるモンスターのトドメでも刺しますか」「そうだな」「ちっめんどくせぇ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオ!!!!
突然大きな振動と共に、壁が崩れる音が鳴り響く。
「ヒィィィィ!!あれは!『
誰かが叫び、その恐怖がまだヨロヨロしている冒険者達に伝播していく。まぁいきなり洪水に巻き込まれ、気づけば周りはモンスターだらけ(弱ってはいる)ときた上に、階層主という所謂ボスモンスターまで、出てきたらビックリですよね!本来の適正レベルが足りてない冒険者なら尚更。
だがっ!絶望している冒険者達には悪いですが、今わたしの魂は燃えに燃えています!
「おったる、今にも壁を砕いて出てきそうな、あのでっかいおっさんはあなた一人で押さえられますか?」「押さえるだけでいいのか?」
まるでやってしまってもかまわないのだぞ?と言わんばかりでカッコいいが、ここは譲ってもらいたい。見せ場が来たとテンションアゲアゲなのだ。
「ええ大丈夫です。アクアが魅せたら、わたしも続く、それが母娘というものです。出来れば皆とは離れた場所へ押し込んでもらえると嬉しいです。デッカイ魔法を叩き込みますよ!」
「アレンは雑魚モンスターをお願いします。あなたならどれだけ数がいようと余裕ですよね?」「当たり前だ!」
弱っているとはいえ、数百匹のモンスター相手でも何も問題ないと、自信に溢れるその顔は頼もしい。
「アクアはとにかく回復役をお願いします」「わかったわ!」「ぱーるはアクアの傍をはなれないように」「うん!」
『ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
ゴライアスとやらが、壁を突き破り登場し、周りに転がっていたモンスター達も意識を取り戻していく。冒険者達が本当にパニックに陥る前に宴会スキルの力を借りつつ、この大広間にいるすべての存在へ声を届ける。
「落ち着きなさい!冒険者達よ聞くのです!ここにいる蒼髪の女性は、どんなケガでも治せるアクシズ教の
「この場には【
「自身を!そして隣にいる者を護ることに徹しなさい!そうすれば我々は勝てる!」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
よし後は皆に任せ、わたしは一発決めさせて貰いますよ!
【黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう】
雑魚モンスターは───凄い!アレンが物凄い速さで消し飛ばしていく!全く第一級冒険者ってのはとんでもないです。
【覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!】
ケガを負っている者は軒並みアクアが癒していく。酷いマッチポンプを見た気がするが、アクアが生き生きしてるからよし!ぱーるも偉いです。
【踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり】
ああこの高揚感!全身が喜び!紅魔の血が燃える!最高のシチュエーションです!感謝しますよアクア!
【万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!】
おったるがでっかいおっさんを、ちっさい子をあやすように押さえつけてる。もうこれおったるが階層主でいいんじゃないだろか・・・
「おったる!離れて下さい!」
【これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョンッッッッッ!!!!!」
爆炎が激しい熱風を伴って暴れまわり──────まさしくすべてが灰塵に帰した。
そして、残ったモンスター達が逃げ出し始める。もう大丈夫でしょう。大・満・足!
後は任せました。とアレンを呼び背中におぶさる。
「とんでもねぇ魔法放ちやがって、ウダイオスですら一発で消し飛ばしそうだったぜ」
「いいもの見せたお礼として猫耳、触らせてくれてもいいんですよ?」「はっふざけろ」「今ならついでにフレイヤが、わたしをモフモフしてる姿もつけましょう」
「ふんっ───優しく触れよ?」
言いましたね?アレン・フローメル。名前からみるにアーニャ・フローメルと家族または親戚の可能性大。路地裏の野良猫達もゴロゴロな我がナデテクをおみまいして仲良くなってやるのです!
この後かずみんが満足するまでモフったとだけここに記す。
♢
そうして戦後処理は大きい【ファミリア】の団長であるオッタルにすべて任せ、かずみん達は先に18階層で休ませてもらった。ここは
モンスターが溢れるダンジョンとは思えないほどの穏やかは光と清浄な空気。それはまるで地下にいながら地上に舞い戻ったような錯覚を人々に与える。
非常に高い天井は光り輝く水晶で埋め尽くされており、色は2種類、中心に太陽を彷彿とさせる白色の水晶、周りに空を思わせる蒼色の水晶でダンジョンに青空を作りだしている。水晶の光の量は時間帯によって変化し『夜』もやってくる。今は『昼』のようだ。
しばらくすると魔石やらドロップアイテムやらを集めきった冒険者達がすべて集まり、まだ興奮が冷めぬのか、アクア、オッタル、アレン、かずみんなど、目立った者達が感謝され続け「あれは私の娘なのよ!」と自慢するアクアがいたり。
「皆を癒したアクアと、指揮を執って魔法で大きいの倒しちゃったお姉ちゃんかっこよった!」とはしゃぐぱーるがいたりといった具合だ。
そして落ち着いた頃合いを見計らい、オッタルの号令の元解散となった。
「素晴らしい魔法であった」
そう笑顔を見せながら言うオッタル。普段の団長を知る団員達が見たとしたらギョッとしていたかもれない。
「オッタルが押さえてくれたおかげでもあります。あなたの方こそ相手が見ていて可哀想でしたよ?」
かずみんは満面の笑みでそう返す。
「なんだか認め合った二人みたいな空気出してるとこ悪いけど、疲れたわかずみん。もう後の事は大丈夫なんでしょ?帰りましょ!」
さっきまで聖女扱いされて、元気だったが、洪水を引き起こし、瀕死の冒険者達を全快まで癒しと大活躍アクアは流石に疲れたようだ。
「ぱーるもつかれたー」「そうですね、ただ折角ですので、ダンジョン内にあるという『リヴィラの街』へ行ってみませんか?」
「ダンジョンに街ねぇ~まあいいわ!面白そうだし行ってみましょうか」「はーい!」
「ではすみませんが、おったるとアレンはまたわたし達の運搬を頼みます。わたしはもう当分動きたくありませんので」
「わかった」「ちょオッタル!お前こいつらに甘すぎやしねぇか?」「いいのだ、これもフレイヤ様のお心」「んなこと俺は言われてねぇけどな」
そうしてぱーるを肩車しながら更にアクアをお姫様だっこするオッタル。かずみんを肩車するアレンの組み合わせは『リヴィラの街』へと向かった。綺麗な場所ですね~などと、ほのぼのした会話をしつつ。
♢
『リヴィラの街』
それはこの18階層域に到達可能な限られた上級冒険者達が経営する、ダンジョンの宿場街。そしてこの街の事実上トップであるボールズ・エルダーは戦慄していた。
「おいボールズ大変だ!オッタルが何か変な女連れて街で暴れまわってやがる!」
「なん・・・だと?」
この日『リヴィラの街』は数えること三百以上に及ぶ、壊滅した記録を更に更新することになった。
・・・・・・というのは嘘であるが、ボールズをはじめ上級冒険者達は女神アクア率いる勇者達の蹂躙を受けた。何でも冒険先にある町中では勇者はこうするものらしい。タンスの中を調べられたり、隠していた秘蔵の酒をぶんどられた者多数。結局街全体を巻き込んでの宴会が始まったのはお約束である。
流された冒険者達 ギャグ補正により死ぬことはなかった。全員アクアによって全快し、更に大量の魔石やらドロップアイテムも手にいれ、階層主討伐にも少しながら参加出来ウハウハだったとか。
かずみんの詠唱 アニメからまんまです。踊れ踊れ踊れの部分が好き。実は詠唱は最後の【エクスプロージョン】だけで発動するダンまち風に言えば超短文詠唱。スキルの説明にあるようにカッコいい詠唱だと威力上がるので試しにアクアから教わってやってみたら、ハマってしまったとか。
ファルナ貰う以前は結構普通にエクスプロージョンしてた。
勇者達の蹂躙 日本のRPG知識を持つ女神アクア様は勇者とはそういうものと信じている。かもしれない