東方小傘物語【リメイク】   作:寂しい幻想の刀鍛冶

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2017年5月14日に第三話の最後を少し書き直しました。



騒がしい宴会

多々良小傘が人里に戻る事には紅い霧は人里から無くなっており、人間達で賑わっていた。

それを見ながら小傘は自身の店へと入った。

 

「ただいま~」

 

「お帰りなさい!!」

 

「お疲れ様でした」

 

小傘の帰りを朱鷺子とミスティアが出迎えた。

そして、店内の様子を見て小傘は二人に尋ねた。

 

「あら、誰か来ていたのかしら?」

 

「あぁ、紫さんがお酒を飲んで行かれました」

 

ミスティアの返答に小傘は呆れた。

自分が頑張っている間、彼奴は酒を飲んでいたとは・・・

後で、お話しなければと、思っていると御店に誰かやって来た。

 

「お~い、小傘は戻ってるか?」

 

「あら、霊菜さんじゃないですか」

 

そう、彼女の名前は博麗霊菜。

先代の博麗の巫女であり、過去に多々良小傘とコンビを組んでいた人物である。

 

「あぁ、今回の異変に小傘が動いたと思ったから様子を見に来たんだよ」

 

「相変わらずの勘の良さですね。博麗に関わっていた私も感がよくなってしまいましたよ」

 

「ハハ、その様な事を言えるなら大丈夫そうだな。また今度、酒に付き合ってくれよ」

 

そう言いながら霊菜は店を出て行った。

本当に小傘の様子を見に来ただけの様だ。

 

「はぁ、相変わらず見たいねあの人も。あ、そうそう二人とも、今夜宴会に行くわよ」

 

霊菜の様子に呆れながら、二人に宴会に行くことを告げるのだった・・・・・・

 

 

 ~・~・~

 

 

夜の博麗神社・・・

そこには、宴会に参加する霊夢、魔理沙、レミリア、咲夜、フランに狂気が宿った人形が来ていた。

だが、多々良小傘の姿が見えなかった・・・

 

「小傘・・・遅いわね」

 

「そうね、何かあったのかしら」

 

小傘の事を知っている霊夢とレミリアは小傘の事を心配し出した。

それを見て小傘の事を知らない魔理沙は二人に尋ねた。

 

「おい、小傘ってどんな奴なんだ?」

 

魔理沙からの問いに二人は驚いた。

そして、あきれた表情を浮かべながら答えた。

 

「アンタ、本気で行ってるの?」

 

「小傘は博麗の巫女同様に幻想郷のバランサーの一人なのよ」

 

こんなの常識よという様に二人に答えられて魔理沙の顔は羞恥心に染まった。

その様な話をしていると人里の方から小傘がやって来た。

朱鷺子とミスティアを連れて・・・・・・

この場にいる者は二人が誰なのか知らない。

 

「あら、私達が最後だったみたいね」

 

「小傘、後ろの二人は誰かしら?」

 

霊夢からの質問に小傘はそう言えばこの場にいる人達は二人の事を知らなかった事に気付いた。

 

「この二人はうちの店で居酒屋を開いている・・・」

 

「調理を担当しているミスティア・ローレライと申します」

 

「私は酒造りと接客を担当している朱鷺子です。よろしくお願いします」

 

「さて、二人とも持ってきた料理を広げるわよ」

 

小傘の言葉に霊夢達は疑問を浮かべた。

小傘達は如何見ても手ぶらだからである。

そう思っていると小傘達はそれぞれ折りたたまれた紙を地面に置いて広げた。

すると、その中から酒や料理が出て来たではないか。

これに霊夢達は驚いて小傘に尋ねた。

 

「ねぇ、これは一体・・・」

 

「あぁ、これは朱鷺子ちゃんのスタンド能力よ」

 

小傘がそう言うと朱鷺子は自身のスタンドを出現させた。

 

「私のスタンドの名前はエニグマ。万物を紙にすることができるんだ!」

 

「へぇ、物を運ぶときには便利そうな能力ね」

 

「えぇ、偶に配達業のお手伝いもしています」

 

朱鷺子のスタンドの有能性に周りの者達は驚いた。

小傘はフランが狂気を抱えているのを見つけた。

 

「あら、狂気ちゃんも来ていたのね」

 

『私の名前はルナだぞ!!』

 

「私達が名前を付けてあげたんだ!!」

 

その様子を見て小傘は関係が取れている事に安心した。

そして、宴会が始まり朱鷺子特製のお酒を飲んだ者達はあまりの美味しさに驚いた。

 

「な、何だこのお酒は、今まで飲んできたお酒の中で一番おいしい!!」

 

「ふふ、朱鷺子ちゃんが造ったお酒を気に入ってくれてよかったわ」

 

暫くすると霊夢と魔理沙、咲夜に異変が起きた。

突然涙が滝の様に流れ出したのだ。

それを見てレミリアは呆れながら言った。

 

「おいおい、いくら美味しいからといって泣く事はないだろう」

 

「ち、違いますお嬢様!?意識に関係なく涙が流れて止まらないのです!?」

 

「さ、咲夜大丈夫!?目玉の白い所が萎んでグニャグニャだよ!?」

 

そうフランが言う通り三人の白目の部分がグニャグニャになっている。

それを見てレミリアは朱鷺子に問いただした。

 

「おいお前、咲夜達に何を飲ました!!」

 

「レミリアさん、落ち着いて頂戴。これは疲れ目が治っている証拠よ」

 

「何だと・・・」

 

小傘の説明を聞き、咲夜達に目を戻すとそこには目が元に戻っている三人が居た。

そして、三人それぞれの反応をしていたが驚いていた。

 

「すごいわ!疲れ目が治っている!!」

 

「あぁ、徹夜明けの疲れ目がすっかり治ってるぞ!!」

 

「人生の中で一番視力が良くなったと感じるわ!!」

 

「・・・・・・ウソだろ」

 

「これが私、ミスティア・ローレライのスタンドであるパール・ジャムの能力で御座います」

 

三人の様子に動揺しているレミリアに対してミスティアは自身のスタンドであるパール・ジャムを周りに出現させながら説明した。

 

「私のスタンド、パール・ジャムは食べ物や飲み物に混ぜて体内に入る事で食べた者の身体の不調を治すスタンドなのです。まぁ、常軌を逸したことが起こるのが玉に瑕ですが・・・」

 

「妖怪は徹夜程度では疲れ目にならないけど、人間である三人は違うわ。一日徹夜しただけでも疲れ目になっていたのよ。だから、人間である三人に能力が出たけど、妖怪である私達には出なかったのよ」

 

それを聞き納得した皆は宴会を続けた。

その際にパール・ジャムの能力が発動して騒動があったがそれはまた別の話・・・・・・


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