小傘とフランが光で包まれて消えた後の紅魔館では・・・
「これは・・・」
「結界内に引きずり込んだようね・・・」
レミリアと霊夢は先程の様子を見て、理解した。
小傘が自分達に下がる様に言ったのは結界に引きずり込まないため。
そして結界内で戦うのは周りに被害が出ないためだと・・・
「そういえば、今さっきの子は誰なの?見たところ身内みたいだけど・・・」
「・・・・・・あの子はフランドール・スカーレット。私の妹よ」
「妹?」
「えぇ、あの子は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を持っているのよ。その為か狂気に憑りつかれてしまっていたのよ。まぁ、それは小傘が対応してくれていたのだが、あの様子から何かの拍子に外れてしまったみたいだ・・・」
霊夢の質問に答えながらレミリアは複雑そうな表情を浮かべた。
すると屋敷の方から人達が駆けて来た。
「お嬢様大丈夫ですか!!」
「咲夜、私は大丈夫よ。心配いらないわ」
「その腕で言われても説得力がないですよお嬢様!?」
咲夜はそう言いながらレミリアの左腕があった部分を見ながらそう言った。
咲夜にそう言われてレミリアは、咲夜に腕は自身の手で切り離した事を説明し始めた。
その間にもう一人紅魔館の方から霊夢の方へとやって来た。
「霊夢、大丈夫か!!さっきものすごい音がしたけど!!」
「魔理沙じゃない、私は大丈夫よ。あの人が来てくれたから・・・」
「・・・・・・あの人?」
魔理沙にそう言われて霊夢はレミリアと共にこの場で何が起こったのかを二人に説明した。
「そんな事があったのか・・・」
「妹様が・・・・・・この頃は落ち着いていらしたのに・・・・・・」
「何かの拍子に壊れたんだと思うわ・・・」
そのような話をしていると光が全員の視界を奪った。
そして視界が戻ると元に戻ったフランとフランに似た人形を持っている小傘が戻っていた。
「フラン!!」
「お姉さま!!」
レミリアの下にフランは駆けて行き抱きついた。
その時にレミリアの左腕が無い事に気が付き泣きそうな表情になった。
「ご、ごめんなさいお姉さま!!わ、わたしがもっと気を付けていれbムグッ」
「いいのよフラン、貴方が元に戻ってくれただけで私は嬉しいわ。それに、これくらいの怪我は血を掛ければ治るわ」
フランのセリフを遮る様に口に手を当ててレミリアがそう言うと、フランは嬉し涙を流しながらレミリアに抱き着いた。その様子を周りは暖かい目をしながら見守っていた。
「そういえば小傘、貴方の持っている人形は何なの?あの子に似ている感じがするけど・・・・・・」
「あぁ、この子はあの子の中にいた狂気の器よ。ほら、何か言ったらどう?」
『・・・・・・どうも』
狂気がしゃべった事で周りの者は驚いたが、霊夢だけは興味気に狂気を見ていた。
「これは・・・封印式の応用で人形に意思を映したのかしら?」
「あら、さすがは博麗の巫女ね。私程度の術式は見破ってしまいますか・・・・・・」
「当然よ(ほ、ほめられた・・・)」
術式を見破った事で小傘から褒められた霊夢は冷たく返したが、心の中では嬉しがっていた・・・
その様な話をしているとどうやら落ち着いたらしいレミリアとフランの二人がこちらにやって来た。
「ありがとう小傘、これでフランは救われた」
「ありがとうお姉ちゃん!!」
「ふふふ、いいのよ二人とも。それで、狂気ちゃんはどうしましょうか?」
「「
小傘がそう尋ねるとレミリアとフランの二人は同時そう言った。
それを聞き小傘は黙って頷いたが、狂気は驚いた。
『な、なぜ私を住まわせようとする!?私はお前達・・・』
「そんな事は関係ないわ。私達にとっては貴方も家族よ」
「うんうん!それに、貴方がいないと私のスタンドが使えないみたいなの」
「何ですって?」
フランが言ったセリフに小傘はどう言う事か尋ねるとフランのスタンドであるキラークイーンは狂気が近くにいないと出現させることができず、狂気が近くにいれば出現させる事が出来たようだ。
それを聞き、小傘は・・・
「なるほどね。一応セーフティロックを掛けさせてもらうわね」
そう言うと共にシャドーメイカーが出現し、手に万年筆が握られており、それを狂気に当てると顔の一部が本の様にめくれた。そこにシャドーメイカーは『正当防衛・相手の同意なしでスタンドで攻撃する事は出来ない』と書き込むと手から万年筆を消した。すると狂気の顔は元に戻った。
「これでいいわね。さぁ行きなさい」
そう言いながら小傘はフランへと狂気を渡した。
それと共に小傘は店へと帰ろうとしたが・・・・・・
「ちょっと、小傘」
「うん?何かしら霊夢ちゃん?」
「今日の夜に宴会を開くから来なさい」
霊夢にそう言われ小傘は黙って頷き、店へと戻って行った。
それから数分後、紅い霧が晴れ初め、朝日が昇り始めた・・・・・・