東方小傘物語【リメイク】   作:寂しい幻想の刀鍛冶

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芸術は爆発だ!!

フラン(狂気)と小傘の二人は光に包まれた後、そこは今さっきまでの紅魔館とは違う場所にいた。

周りにはフラン(狂気)にとって見慣れない建物が立ち並んでおり、炎ではない光があっちこっちで照らしていた。

そしてフラン(狂気)は気付いた、自身が太陽の光に当たっているのに、ダメージが無い事に・・・

その事に気付いた小傘は、フラン(狂気)に向かって言った。

 

「この空間は架空の世界・・・。現実にあるかもしれないしないのかもしれない。そんな世界の再現品・・・・・・」

 

小傘の言葉を聞き、フラン(狂気)は理解した。

この空間の意味を・・・・・・

 

「ツマリ此処ハ偽物ノ世界デアリ、破壊シ放題トイウワケカ・・・」

 

「えぇ、確かにその通りよ。だけど、それだけじゃないのよ」

 

「・・・何?」

 

フラン(狂気)の疑問を含んだ言葉と共に小傘は自身の後ろに『シャドーメイカー』を出現させた。

そのシャドーメイカーの手には二つの丸いものがあった。

 

「私が本気で戦えるって事よ!!」

 

小傘の言葉と共にシャドーメイカーは丸いものをフラン(狂気)に向かって投げ飛ばした。

よく見るとそれからは紐みたいなものが出ており、その紐の先には火がついていた。

そう、シャドーメイカーが持っていた物とは・・・・・・

 

  ドカ―――――――――――ン!!!!

    ドカ――――――――――――――ン!!!!

 

「バ、爆弾ダト!?ナンテ物ヲ投ゲヤガル!!??」

 

「爆発が貴方だけの十八番と思わない事ね!!」

 

フラン(狂気)は自身のスタンドに傍にあった鉄でできた看板を使ってやり投げの要領で攻撃させた。

それを見た小傘はすぐさまその軌道から離れた。

 

「キラークイーン、第一の爆弾!!」

 

  ドカ――――――――――――――――――――――――ン!!!!!!

 

フラン(狂気)の掛け声と共にキラークイーンはスイッチを押す動作をすると看板が先程の小傘の爆弾より派手に爆発した。その爆発に小傘左腕が巻き込まれて消えかけたが、まるで時間が戻る様に左腕が治った。

 

「くッ、()()していた私の爆弾より威力が高いなんて・・・・・・」

 

「ナ、ナゼ傷ガ治ッテイル!?確カニ爆発ニ巻キ込ンダハズダ!!」

 

「あぁ、そう言えば言ってなかったわね。この空間ではあらゆる傷もすぐに治る様になっているのよ!!」

 

「何ダト!?」

 

フラン(狂気)が驚いている間にシャドーメイカーは左手には先程の爆弾と酷似した物を、右手には鎖を持ってフラン(狂気)へと接近していた。それにフラン(狂気)が気が付いた時にはシャドーメイカーが爆弾と酷似した物を投げ飛ばしていた。

 

「何度モ喰ラッテタマルカ、キラークイーン!第二の爆弾、シアハートアタック!!」

 

  『コッチヲ見ロ』

 

するとキラークイーンの左手から髑髏があしらわれた丸い物体が飛び出したと思うと、シャドーメイカーが投げた物へと向かった。だが、シャドーメイカーの投げた物が破裂したが、爆発ではなく煙がまき散らされ、フランを包み込んでしまった。

 

「シ、シマッタ!?アレハ煙玉ダッタノカ!?」

 

フランが驚愕している間に煙の中から鎖が現れて、フラン(狂気)とキラークイーンを拘束した。

 

「クソッ、コンナモノスグニ」

 

「いいえ、その前に終わらせてもらうわ・・・」

 

鎖を解こうとしていると、煙の中から小傘がフラン(狂気)の前に現れ、後ろにいるシャドーメイカーは今度は左手に小刀を持ち、右手にはフランそっくりな人形を持っていた。

 

「許してねフランちゃん!後で饅頭買ってあげるから!!」

 

  グサッ!!

 

「クッ、バ、バカナアアァァァァァァァアアァアアァアアア!?!?!?」

 

フラン(狂気)にシャドーメイカーは小刀を突き刺すと、身体から黒い靄みたいなものが噴き出し始めた。その靄はシャドーメイカーが持っている人形へと吸い込まれて行き、靄が収まるとキラークイーンは消え、フランは気を失い、倒れそうになった所を小傘が支えた。

 

「ふぅ、何とかなったわね、さて・・・・・・意識はあるんでしょう狂気ちゃん?」

 

手元の人形を見ながら小傘は問い掛けた。

すると、人形の目に生気が宿り動き始めた。

 

『こ、これは一体・・・』

 

「貴方は消えたくないから攻撃してきたのでしょう?だからフランちゃんから貴方の意思だけを抜き出して人形に移したのよ」

 

『何だと!?そんな事が可能なのか!?』

 

「えぇ、私のスタンドである『シャドーメイカー』は触れたものの能力・概念を付加・強化させる事が出来るの・・・」

 

『何!?』

 

シャドーメイカーの能力を聞き、狂気は驚愕した。

その能力はフランのスタンド、キラークイーンより応用が利き、手数を稼ぐことができるからだ。

その様な話をしているとフランが気が付いた・・・・・・

 

「・・・んっ、こ、ここは・・・」

 

「気が付いたかしらフランちゃん?」

 

「あ、小傘お姉ちゃん!!」

 

気が付いたフランは何故自分が此処にいるのか分からず困惑したが、小傘がいる事に気が付き笑顔を浮かべてチ被いて行った。それを狂気は気まずそうな表情を浮かべて見ていた・・・

 

「ねぇ、何で私が此処にいるのか知ってる?」

 

「えぇ知っているわ。何故かというと・・・・・・」

 

フランの疑問を解消する為に小傘は先程までの事をフランに話した。

それを聞きフランは、何故自分が狂気に乗っ取られたのかを思い出した・・・

 

「そういえば、部屋で過ごしている時に目の前を誰かが通ったと思ったら、ブレスレットが壊れて・・・・・・」

 

それを聞き小傘の中で疑問が浮かんだ。

フランがしていたブレスレットは狂気を馴染ませる為に小傘が作った物だ。

そんな物を狙って壊されたとなると、何処から情報が漏れたのか。

今の小傘には分からなかった。

だが、今は目の前の事に対応しなければと思い、フランへと向き直った。

 

「そう、わかったわ。それじゃあ、そろそろ紅魔館へと戻りましょうか?」

 

小傘がフランにそう問いかけると、フランは黙って頷いた。

それを確認した小傘は、指を一度鳴らした。

すると、小傘とフラン、狂気を光が包み込んだのだった・・・・・・


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