朱鷺子は暫く警備隊の者と走っていたが、人里から少し離れた所で立ち止まった。
それを見て警備隊の者は朱鷺子に声を掛けた。
「どうかされましたか朱鷺子殿?」
「・・・・・・いつまで変装を続けるつもりですか?」
それを聞き警備隊の者は動揺した。
「な、何を言っているのですか朱鷺子殿!?」
「気づいてないと思っているの。そんな砂で身体を包み込んで騙されるとでも?」
朱鷺子のそのセリフを聞き警備隊の者?はため息を吐く動作をした。
それと共に体が砂となり崩れ始め、中から一匹の犬が出て来た。
『マサカコンナニモ早クバレルトハ思ワナカッタゼ』
その喋り方を聞き朱鷺子は、この犬は何者かに操られている可能性があると思った。
だが、それを悟られない様に会話を続けた。
「へぇ、化けている事は分かっていたけど、妖怪じゃなくて犬のスタンド使いとは思わなかったわ」
その様な会話をしている間も砂は動いており、遂に犬に連れ添う様に後ろ足が車輪状になっている羽飾りの付いたマスクをした犬型のスタンドが姿を現した。
「なるほど、砂を媒体としているスタンドみたいね」
『アァ、俺様ノ、スタンド、ザ・フールハカラダガスナデデキタ、スタンド、ダ!』
その掛け声と共にザ・フールが朱鷺子へと攻撃してきた。
それを朱鷺子は鉄でできた道具で攻撃を受け流した。
『ヤルジャナイカ。ソレデ、ソノ道具ハ何ダ?』
「あぁ、これはトンファーっていう道具よ。意外と便利なのよねぇ」
『違ウ、ソウジャナイ。ドコカラ出シタノカト訊イテイルンダ』
「態々教える訳無いでしょ!!」
そう言いながら朱鷺子は懐から紙を出し広げた。
そこから小傘が使っていた結界装置が出て来た。
それを自身と犬の間に投げた。
『ナ、ナンダ!?』
犬のその言葉と共に朱鷺子と犬は光に包まれてその場から消えたのだった・・・
~・~・~
その頃霧の湖では小傘がスタンド使いと思われる鳥を探していた。
暫く歩いている血を流して倒れている妖怪が小傘の目に入った。
「ちょっと、大丈夫貴女!?」
そう声を掛けながら近寄り状態を確認をした。
どうやら致命傷になる傷は無く、死ぬ事はないだろう。
だが、所々に氷がはりついており、身体が少し冷たくなっていた。
小傘は周りの小枝や葉っぱを集め、火を起こし妖怪を横に寝かせた。
「これで何とか大丈夫でしょう。だけど、この妖怪の怪我からして例の鳥から襲われたみたいね」
そう言いながら周りを確認していると、殺気がこの場を支配した。
それを感じた小傘は自身のスタンドを出し、殺気が出現した方へと体を向けた。
そこには、気につかまりこちらを見ている鳥がいた。
「どうやらあなたが氷を使う鳥のようね・・・」
『ソノ通リダ、我ガ名ハ「ペット・ショップ」。アノ御方ニ仕エル、スタンド使イダ』
「あの御方って・・・・・・誰かしら?」
『オ前ニ教エル事ナド・・・ッ無イ!!!』
そう言うと共にペット・ショップは自身の後ろにスタンドを出現させて攻撃してきた。
それを小傘はシャドー・メイカーが出した縦で防ぎつつ結界装置を取り出して起動させた。
その時に気を失っていた妖怪と共に・・・・・・