新人提督と駆逐レディの鎮守府運営録   作:X君Vs.

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今日はちょっと早めの投稿ですっ!
461UAにお気に入り9件、感想も追加で1件いただきさらに評価もいただきました!
皆様本当にありがとうございます!
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!



恥じらうレディって……いいよね。


3話 レディとお仕事

暁さんとの食事を終えたあと、俺たちは特に何事もなく執務室へと戻ってきた。

 

「それで暁さん、仕事って具体的にはどんなことをするんだ?」

基本的なことは習ってきてはいるが、一応聞いておく。そう、一応。

 

「基本的には書類の整理や処理ですね、あとは、この鎮守府に向けられた任務の受注や取り消し、あとは艦娘の建造や装備の開発の指示ですかね」

提督の仕事って結構多いんだなぁ…世の提督達も暇ではないという事か…。

 

「そっかそっか…で、まさかとは思うけど…あれ、全部やる…んですか?」

うん。もしそうだとしたらとっても多いね。提督死んじゃう。初日の初執務で死んじゃう。

あんな大量に…いつの間に来たんだこの量…。

 

「は、はい。そうです」

苦笑いを浮かべながら過酷な現実をたたきつける暁さん。

でっすよねぇ!あの量が冗談なんて都合のいい話あるわけないっすよねぇ!

なんだよあの量…。食堂では間宮さんにあんなこといったけど…。こんなんやる気削がれますわ…。

 

「大変かとは思いますが私も手伝いますので頑張って3時までには終わらせちゃいましょう?」

微笑む暁さん。うん。やる気出た。

はいそこ、チョロいとか言わない。

君たちも見ればわかる。あれには魔力がこもってるよ。世の提督達を前向きにする魔力が。

 

「よっし!やっちゃうか!手伝いたのむな暁さん」

 

「任せてください!司令官さん!」

こうして俺と暁さんの長きに渡る書類との戦いが始まったのであった。

 

 

 

 

「司令官さん、ここはこうではなくこっちと同じようにしてください」

………

 

「司令官さん、この書類印が押されてないですよ」

………………

 

「あっ、司令官さんここも───」

 

「あぁぁぁ!多い!多いよ!頭が!おかしくなりそうなんですけどっ!?」

ついに我慢の限界を迎えてしまった俺はつい叫んでしまう。暁さんが驚いたのかビクッとしていた。ゴメンよ。

なにもかもこの書類がいけないんだ。なんだこの量。全っ然減らん。

 

「し、司令官さん…落ち着いてください」

あはは…と苦笑いを浮かべながらお茶をくれる暁さん。ありがとう。落ち着きました。

 

「ふぅ、ありがとう暁さん」

こんなに優しくされると頭撫でたくなるね。うん。

 

「えっ…あのっ、司令官さん…恥ずかしいですよ…」

そう言ってもじもじする暁さん。

ん…?恥ずかしい?

 

「そんなに優しく頭を撫でられると…ちょっと恥ずかしい…です」

へ…?

 

「あっ、あぁぁっ、ゴメンっ!」

すぐさま手をどかす。

…気づかぬうちに頭撫でててるとかヤバいぞ…しっかりしろ、俺。落ち着け、落ち着くんだ俺。be cool、俺。

 

「あっ…」

俺が手をどけるとちょっと寂しそうな表情をする暁さん。うわ、なんだこれ、すごい罪悪感。

…もうちょっとだけだけなら大丈夫かな…?

そう考え、もう一度暁さんの頭に手を伸ばす。

 

「えへへ…」

頭を撫でると普段はしなさそうな笑い方をする暁さん。なんだこの可愛い生き物。

しかも結構な中毒性が…。

 

「あ、あの~」

 

「「っ!?」」

なっ、なんだ!?

パッと声の発した方を向くと、そこには気まずそうな表情をした大淀さんが書類片手に立っていた。

 

「お取込み中のところ大変申し訳ありませんが追加の書類です…」

 

「あっ、ありがとう!お、おおっ、大淀もお疲れ様!」

ついつい声が上ずってしまった。恥ずかしい。二重の意味で。

流石の暁さんも顔が真っ赤である。かわいい。

 

「い、いえ…で、では私はこれで失礼しますね」

そう言って引きつりまくった苦笑いを浮かべて去っていった。おそらく工廠の明石さんのところへ行ったのだろう。仲良さそうだったし。

大淀さんが去っていったこの執務室には何とも言えないが漂っていた。

 

「そっ、それじゃあ仕事再開しようかな!?」

 

「は、はい!そうですねっ!司令官さん!」

俺には恥ずかしさととの微妙な雰囲気を少しでも軽くするために大きな声をあげることしかできませんでした。情けない…。

 

 

 

 

「んー!終わったぁぁ!」

 

「お疲れ様でした、司令官さん」

あれからしばらくの間、あの恥ずかしさを忘れるために書類作業に没頭した俺と暁さん。

あの時よりもミスも少なかった為か、少し早めに終わった。

 

「もうすぐ3時ですね」

早めに終わったわけではなかったようです。

2時間近く掛かってたのか…。

 

「あの、司令官さん…もしよかったら間宮さんのところへ行きませんか?」

そう暁さんが声をかけてくれる。先ほどのこともあってか少しだけ恥ずかしそうにしている。

 

「そうだな。ちょうどいい時間だしご一緒させていただくよ」

ちょっと疲れたし、甘いものが食べたい。

 

「では行きましょうっ。司令官さんっ」

やっぱり女の子って甘いもの好きなんだな。

 

そんなことを考えながら俺は暁さんと執務室を出た。




恥じらう暁さんがかけて満足です。
今回は約1900文字ってところですね。前回より少なくて申し訳ありません!
それでは皆様、また次回にお会いしましょう!

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