新人提督と駆逐レディの鎮守府運営録   作:X君Vs.

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はい、第2話です!
第一話244UAに、3名もの方にお気に入り登録をしていただき感想も1件いただきました!
みなさん本当にありがとうございます!
これからも失踪しないよう頑張っていきますので皆さんよろしくお願いします!

食べ物を美味しそうに食べる女の子っていいと思いませんか?


2話 レディの食事

「さて、次はどこへいくんだ?」

赤い絨毯の敷かれた木の香りのする廊下を暁さんと並んで歩く。

俺たちはあのあと手荷物を置いてから、工廠・入渠施設・出撃ゲート・艦種ごとに分けられた艦娘の部屋などの鎮守府の施設を見て回っていた。

 

「次の施設は食堂ですよ。食堂で最後なのでそこでお昼ご飯にしましょう。そして食べ終わったらお仕事ですよ、司令官さん」

ふふふと上品に笑いながら答えてくれる暁さん。俺の中ではもう暁さんには『さん』を付けないと呼べないのである。

 

「食堂っていうと…間宮さんか?それとも伊良湖さん?いや、鳳翔さんの可能性も…?」

艦娘のなかにも戦闘ではなく、補給をメインとする艦娘もいるらしい。まぁ、鳳翔さんは違うのだが…。

 

「はい。この鎮守府には間宮さんがすでに来てくれていますよ。実は私、昨日からこの鎮守府に居まして、昨日もご馳走になったんですがとっても美味しかったですよ」

昨日食べた物の味を思い出したのか、暁さんの頬が緩む。

うわ、可愛い…

 

「…?司令官さん?私の顔になにかついてますか…?」

あっ、やべ!さすがに見すぎたか!

 

「いっ、いやゴメン!なんでも無いんだ!」

必死に誤魔化そうとする俺。

 

「そ、そうですか…?」

そんな俺を不思議そうにしながらも深く追求しないでくれた。

暁さんがレディで助かった…。

 

「あっ!ここですよ!」

目の前には木製の両開きの扉が設置してあり、扉の上のプレートには『食堂』と書かれていた。

 

「ここかぁ。よし、さっそく行こうか」

その両開きの扉を開けるとそこにはいろんな机や椅子がたくさん並んでいた。

4人掛けの大きな席や丸机と椅子、カウンター席もあった。さらに食堂をきれいに飾る観葉植物が何個かおいてあった。

 

「うわ、結構広いんだな…」

 

「そうですね。この鎮守府の食堂は広いですね。まぁ、私も他の鎮守府には行ったことがないので分かりませんが」

あははと苦笑いを浮かべる暁さん。

 

「あら、いらっしゃい暁ちゃん」

厨房のほうから優しそうな声が聞こえてくる。

 

「間宮さん!こんにちは!今日は司令官さんも一緒ですのでよろしくお願いします!」

厨房から間宮さんがあらわれる。

うわ、美人だな…

 

「こんにちは間宮さん。今日からこの鎮守府に着任する提督だ。2人分お願いできますか?」

 

「提督さん、こんにちは。お任せください。ご注文が決まりましたらベルを押してくださいね。妖精さんがそちらへ向かいますので」

水を二つ置いてそれではごゆっくり、とだけ言い残して厨房へと向かって行った。

 

「妖精さんが注文とりにくるのか…すごいな」

 

「そうですね、昨日は私も驚きました。あ、司令官さんこれメニューです」

そう言って縦長ののメニューを渡してくれる暁さん。

どうやらメニューは曜日ごとで違っているらしい。

ちなみに今日はカレー・うどん・オムライス・ラーメンである。

 

「じゃあ俺はカレーにしようかな。暁さんは決まった?」

 

「うーん…私はオムライスにします!」

 

決まったようなのでベルを押す。

するとエプロンのようなものを着た妖精さんがメニューを聞きに来た。

 

「カレーとオムライスをお願いするよ」

そう注文すると妖精さんは一生懸命になにかを書いてから敬礼をして帰っていった。

 

それから暁さんと話をしながら待っていると、妖精さんが一つのお盆に四人ついてカレーとオムライスを持ってきた。

 

そんな妖精さんにありがとうとお礼を言ってから料理を受け取る。

するとまた敬礼をしてから帰っていった。

 

「おぉ!うまそうだなぁ!」

目の前のカレーからは食欲をそそるいい匂いがしておりとてもおいしそうだ。

 

「あら、可愛らしい旗がたってます」

ふふふと上品に笑う暁さん。

やはりうちの暁さんは一味違うのかオムライスの上にたつ旗を見ても、子供っぽいー!などと怒ることはせずにやわらかい微笑みを浮かべている。

 

「いただきます」

そう言って暁さんはとても美味しそうにオムライスを口に運ぶ。

うん。食べ物を美味しそうに食べる女の子っていいよね。

 

そんなことを考えながら暁さんを見ていると、

「? 司令官さんもオムライス食べますか?」

俺が暁さんをじっと見ていたからか、俺がオムライスを食べたがっていると勘違いしたらしい暁さんが可愛らしく小首をかしげて訪ねてくる。

 

「あっ、いや、違うんだ!その、えっと…」

やばい!なんて言って誤魔化そう!?

美味しそうに食べる暁さんが可愛かったから、なんて言えねぇ!!

 

俺が必死に言い訳を考えていると、

「遠慮なさらなくてもいいんですよ。はいどうぞ」

クスクスと笑ってから暁さんが自分のスプーンにオムライスを乗っけてこちらに向けてくれていた。

 

なっ、なん…だと…!?

これは所謂『あーん』というやつでは!?いいのか!?いいんだよな!?

 

「じゃ、じゃあ…あむっ」

オムライスを口にいれるとふわふわの卵とケチャップの香りが広がりとても美味しかった。

 

「美味しいですか?」

柔らかく微笑みながら暁さんが訪ねてくる。

 

「あ、あぁすごくおいしかったよ。ありがとうな」

うん。美味しかった。いろいろと。

 

「それはよかったです。それじゃあ司令官さんのカレーを一口いただいてもいいですか?」

若干の上目遣いでお願いしてくる暁さん。

暁さん…それはずるいっすよ…

 

「あ、あぁ。わかった。…ほら」

俺もスプーンにカレーをすくって暁さんに差し出す。

 

「ありがとうございます!では…あーん」

暁さんがカレーを口に運ぶ。

 

「んん~! カレーも美味しいですね!」

そう言って頬を緩ませる暁さん。可愛い。

 

そんなやりとりをしながら俺たちは食事を終えた。

 

「間宮さん、ご馳走様でした、美味しかったですよ」

本当に美味しかった…。これからの食事が楽しみだ。

 

「あら、ありがとうございます。お仕事頑張ってくださいね」

 

「あぁ、ありがとう」

こんな美味しいごはんが食べられるなら仕事にもやる気が出るというもの。

 

「それじゃあ行こうか、暁さん」

 

「はい、司令官さん。」

 

そんなこんなで俺と暁さんの初日のお昼ご飯は終了したのだった。




おい提督、そこ変われ。
はい、いかがだったでしょうか!
2400文字も書いていた…
次回もお楽しみに~!

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