新人提督と駆逐レディの鎮守府運営録   作:X君Vs.

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後編ですっ!
割といいペースなのではっ!?
あ、前回のお話を投稿してからタグに「キャラ崩壊」を追加させて頂きました。明石さんが割と…(笑)
それでは、あんまり長々と話していてもアレですので後編どーぞ!


12話 レディと浴衣とお祭りと。後編。

暁さんと2人、鎮守府の門を抜けて暫く歩くと何時もとは違う雰囲気の港町が目の前に広がる。

町の至る所に提灯が吊るされ、沢山の屋台が出て、いつもより沢山の人に溢れている。

 

「うわぁ!凄い人ですね!司令官さん!」

と、うちの暁さんも目をキラキラ輝かせております。可愛いです。はい。

 

「ホントに凄い人だな…。さ、暁さん何処か行ってみたい屋台とかある?」

提督、言ってしまうと女の子とこういう所2人で来たこと無いから…こういう時、どんな事言ったらいいか分からないの。

 

「うーん…そうですね、私、金魚すくいをやってみたいです!」

うーっわ、かわいいなおい。目が…目がキラっキラやで…。

 

「金魚すくいか…よしっ行こう!」

 

「はいっ!」

 

 

 

と、いう訳で金魚すくい前に来たんですが……。

 

「あの…、明石…さん?」

うん。驚きのあまり敬語になっちゃったよね。

そう。金魚すくいの屋台をやっていたのは明石さんでした。ハチマキにメガネで誤魔化しているつもりなんだろうか…。バレバレだぞ明石さん。

 

「あっ、提督!暁ちゃんも!来ましたね…!1回200円ですよ!」

うん。誤魔化すつもりは無いっぽいです。なんでそんな格好してんだよ…。

 

「あ、あの…明石さん、なんでそんな格好してるんですか…?」

やはり暁さんも疑問に思ったのか、おずおずと質問する。

うん。やっぱり気になるよね。

 

「あっ、この格好ですか?ふっふっふ、良くぞ聞いてくれました!実は!提督と暁ちゃんのイチャイチャを静かに見守るため…に………」

あー、皆様。早速ですが訂正です。

 

「しまったぁぁぁぁぁ!?」

明石さん、誤魔化すつもりだった、らしいです。

 

「うん、まぁなんだ、明石、あんまり落ち込むなよ…」

 

「あ、アハハハ、イヤダナーテイトクサン、アカシサンッテダレデスカー?」

うん、流石に無理があるぞ、明石。

 

「明石さん…」

うわ、暁さんが可哀想なものを見る目で明石を見ている…。

 

「やめて暁ちゃんっ!そんな目で私を見ないでっ!」

うん。分かるよ、その辛さ。なんてったって提督も経験したからね…。

 

「そして明石さん…私と司令官さんの、何を静かに見守るって言いました…?」

あー、明石さん。ご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます。

 

「ちょっ、提督さん!私まだ死んでませんから!ていうか!見てないで助けてくださいよっ!あっ、暁ちゃんもちょっと落ち着いてぇぇ!」

明石…なんでさらっと提督の心の中呼んでんの…?ちょっと怖いぞ?

ま、それよりあの必殺のセリフが出る前に暁さん。止めなければ。

 

「まぁまぁ、暁さん。ちょっと落ち着いて」

暁さんを落ち着かせる為に笑顔で頑張ろうとしたけど…。うん。絶対今苦笑いになってる。

 

「司令官さん…分かりました。司令官さんが止めるならやめておきます」

うんうん。良かったな、明石さん。提督が君の命を救ったのだよ。

 

「ほんっっっとに助かりました!提督!」

うむ。よきにはからえ。

 

「お礼…というかお詫びにですけど、これどうぞ!」

そう言って明石さんは4回くらに折ってある紙を渡してきた。

 

「なんだこれ…?地図…?」

そう。この港町の地図だ。なんか赤丸がついてる。

 

「ただの地図では無いのですよっ!その赤丸の場所に7時までに行ってください!あと30分ですよ!」

そう言って俺と暁さんの背中をグイグイと押す明石さん。

 

「なっ、なんだよ!分かった!分かったから押すなぁ!」

しかもだんだんと強くなってきている。お詫びする気あんのかこの人…。

 

「いっ、行こう!暁さん!」

ずっと押されているのも嫌なのでさっさと行くことにしました。なんかそのうち提督の背中殴ってきそうな勢いだったし…。

 

「えっ!?は、はいっ!」

暁さんの手を取り、赤丸の地点を目指して走り出した。

 

 

 

「もう!提督さんったら遅いですよ!」

頬を膨らませながら文句を言っているのは工作艦『明石』。

 

「まぁまぁ、あんまり怒らないで、明石さん。いきなりだったし、ね?」

そう言って明石を宥めているのは軽巡洋艦『夕張』である。

 

ふと、時計に目を落とす明石。

「ま、流石に間に合うとは思うけどね。場所取られてるかもしれないし!」

 

「大丈夫ですよ、だってあそこは私達が空母の皆さんに協力してもらって見つけた穴場なんですから!」

 

「楽しんでもらえるといいですね、花火。」

そう、微笑みながら言う夕張と、

 

「ええ、そうね」

その夕張の呟きに笑いながら言う明石。

 

「さっ、私達はお祭り回って楽しみましょうか!」

 

 

 

 

 

明石に渡された地図を見ながら進んでいくと、そこは周りに人の気配が無い静かな小さな岡だった。

 

「なんだってこんな所に…。まぁ流石に何にも無いってことは無いだろうけど…」

なんて呟きながら周りをキョロキョロと見ていると、

 

「あっ、司令官さん、あそこ、看板…みたいなものが立ってますよ」

暁さんが指を指しながらある1点を指さす。

その看板には、

 

『7時になったら鎮守府の方を向くべし!ていうか見ろ!』

 

と書かれている。

 

「なんだ、これ?まぁ、向くけどさ…」

今の時間は午後6時59分。そろそろ7時だな。

 

「暁さん、あっち見ろってさ」

そう言いながら暁さんの横に腰を下ろして鎮守府方向を見つめた。

 

そして7時になった瞬間──

 

 

───空に綺麗で大きな花が咲いた。

 

それは1つでは無く、連続して大小様々な花が咲く。

 

「綺麗…」

そう呟く暁さんを隣から見つめる。

いつの間にか俺の隣に腰を下ろしていた暁さんの横顔は暗い夜の空に咲く花火に照らされ、

 

「あぁ、本当に──」

 

とても、

 

「綺麗だ──。」

 

輝いていた。

 

こうして今日という最高の夏祭りは幕を下ろしていった。




はい!どうだったでしょうか!作者的にはやりたかった事が出来て満足しております!スーパーロマンチックでしょ!
この作品、皆様の応援のおかげで評価数が3になり、お気に入りも徐々に増えていって、とても嬉しいです。
期待してくれている読者の皆様のためにももっともっといいものを書いていけるように頑張ってまいりますので、これからもよろしくお願いします!

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