遊戯王 INNOCENCE - Si Vis Pacem Para Bellum - 作:箱庭の猫
最近、『セツナトリップ』という曲が主人公・セツナのイメージソング、キャラソンにピッタリなのではと妄想しております。
アップテンポで聴いてて楽しくなる名曲なので、ぜひ一度、聴いてみてください!(〃ω〃)
曲名もそうだけど、歌詞がね、セツナっぽい!
季節は初夏。草木が新緑に覆われて、
ボクが転入した『デュエルアカデミア・ジャルダン校』にも、いよいよ衣替えの時期が訪れた。
朝。ボクは家の自室で、姿見用のスタンドミラーの前に立ち、自分の身だしなみを確認する。
襟元には、だいぶ
先週までは黒のブレザーを着用していたから、夏服バージョンの自分が何だか新鮮に思えた。
これから
「忘れ物なし。じゃ、今日も行ってきます」
ボクにとっての
行き先は
数日前までは、ポカポカ陽気で過ごしやすい気温だったのに、今日は太陽が照りつけて、日差しが刺す様に降り注いでいた。
まぁ
「暑い…!」
好天なのは喜ばしいけれど、こんな日はもう少し、
午前中でこれなのだから、正午になったら猛暑かも知れない。季節の変わり目は体調を崩しやすいと聞くし、皆さんも熱中症には気をつけて。
学園の門を
やや長めの、赤色を織り交ぜた黒髪。間違いない。アマネだ。
ボクは小走りで彼女に近づいた。
「おはよう、アマネ!」
「ん?あぁ、おはよう。セツナ」
アマネはボクと顔を合わせると、立ち止まり、笑顔で挨拶を返してくれた。
暑さからか前髪の左側を、耳の後ろに掛けていたので、左耳に開けているピアスが3つとも丸見えになっていた。
「セツナ夏服、似合ってんじゃん」
「そう?ありがとう」
「なんかチャラ
「それ
アマネもボクと同じく夏服に着替えていた。
下は黒のミニスカートで、上は白のオーバーブラウス。
スタイルの良さが如実に
(おおっ……夏服…すごい破壊力…)
「……せいっ!」
「ぶっ!?」
突然アマネの持っていた
「な…なにを…」
「いや、怪しい視線を感じたから、つい」
「…………」
あまり胸を凝視するのは
「アマネた~ん!」
「わっ!?」
と、今度は、ピンク色の髪が特徴的な女の子が駆け寄ってきて、アマネを背中から抱き締めた。
不意に背後を取られたアマネは、ビックリして目を丸くしている。
「おはよう~!ンフフ、捕まえたゾ~?
「マ、マキちゃん…!」
アマネが『マキちゃん』と、アダ名で呼んだ少女・
あれ?この光景、なんかデジャヴ!
「ちょ、コラ!変なところ触るな!あと暑苦しい!」
「ダーメ。こんな
マキちゃんの両手が扇情的な動きで、アマネの身体を
左手は露出した
「こ、の…ッ!やめんかい!」
「
しかし、そんな
「ごめんって、アマネたん」
「もう。毎年この時期になると、すぐこうなんだから」
「毎年ヤられてるんだ……ホント
「アマネたんとは中等部からの付き合いだからね~。ここだけの話、アマネたんのおっぱいがおっきいのは、あたしが
「デタラメ言うな!」
マキちゃんはアマネにツッコミを入れられると、ケタケタと楽しそうに笑った。
ちなみに、マキちゃんの制服も、夏服に変わっていた。
ただ、アマネと比べると、
※決して貧乳というわけではない。
なんて
「とにかく、さっさと教室に行くわよ。暑いし早く冷房に当たりたい」
「そうだね、行こっか」
「ねぇねぇ、アマネたん。涼しい
「却下!」
外は蒸し暑いので、早めに教室に入って
「お待ちなさい!!
突如、女性と思わしき、張りのある
ボクは呼ばれたので後ろを見ると、そこには一人の女子生徒が立っていた。
髪の色は白に近い金髪で、ツインテールをドリル状に巻いた、
キリッと引き締まった目元に
八頭身で脚線美、しかも巨乳という、ワガママボディ。
その
「あっ、ワニ
マキちゃんが
「そこの下級生!その呼び方はお
彼女の口調や
なるほど、
「マキちゃん、知ってる人?」
「有名人だよ?名門・
「はあ~…なるほど。
イメージに
「良かったわね、セツナ。また『
「えっ!この
アマネが何やらニヤニヤしながら、ボクの右肩に手を置いて、そう教えてくれた。
『ジャルダン
学園の生徒、一人ひとりに与えられる、5段階の
それを
先週、デュエルした
「朝から両手に花とは
ボクを指さして、
「へぇ~?あたし達って、そういう関係に見える?」
「え、ちょ、マキちゃん!?」
マキちゃんは目を細めて怪しく笑いながら、ボクの左腕に、自分の
腕を組まれて身体を密着させられた事により、その、なんていうか…ボクの腕に、マキちゃんの
「えーっと…マキちゃんさん?…当たってる…」
「当ててるの♡」
こういうのを小悪魔って形容するのか!マキちゃんはボクが困惑しているのを面白がって、更に胸を押し付けてきた。
そして、それを見ていた鰐塚ちゃんは、鬼の様な形相に変貌していた。なんかドス
「……風紀委員会・代表である、この
「風紀委員だったの!?」
「構えなさい!
鰐塚ちゃんは、水色の
あまり状況は飲み込めていないけど……
ボクは未だに引っ付いているマキちゃんを、やんわりと離してから、デュエルディスクを装着した。
「デュエルなら喜んで受けて立つよ、鰐塚ちゃん」
「言っておきますが!
「「
セツナ
「
鰐塚ちゃんの後面に古代都市が顕現し、フィールド全域が海に沈む壮観な光景が広がった。
「このフィールドでは水属性モンスターの攻撃力・守備力は、200ポイント上昇しますわ。
【ライオ・アリゲーター】 攻撃力 1900
「
【ライオ・アリゲーター】 攻撃力 1900 + 200 = 2100
「カードを1枚
「いきなり攻撃力が2000を越えてきたか……おもしろいね!ボクのターン!手札から、【プチリュウ】を召喚!」
【プチリュウ】 攻撃力 600
「ハッ、なんですの?その低級モンスターは」
「こう見えて意外と強いんだよ?
「!」
「この効果で、プチリュウは相手に
プチリュウは気合いの
「そんな安い攻撃を通すと思って?トラップ発動!【
「!」
フィールドを飲み込んでいた海面から
「【忘却の都 レミューリア】は、カード名を【
「そう
「
(……フッ。この
「【ライオ・アリゲーター】をリリース!【スパウン・アリゲーター】、アドバンス召喚!」
【スパウン・アリゲーター】 攻撃力 2200
「【レミューリア】のフィールド・パワーソースを得て、攻撃力アップ!」
【スパウン・アリゲーター】 攻撃力 2200 + 200 = 2400
「ッ…!」
「バトルですわ!【スパウン・アリゲーター】で、【プチリュウ】を攻撃!『スピニング・イート』!!」
【スパウン・アリゲーター】の
「うあ…ッ!」
セツナ LP 4000 → 2200
「エンドフェイズ時、スパウン・アリゲーターの効果により、墓地の【ライオ・アリゲーター】を特殊召喚しますわ」
【ライオ・アリゲーター】 攻撃力 1900 + 200 = 2100
「
「どうだろうね……ボクのターン!」
相手の場には高攻撃力のモンスターが2体。どうやって戦況を打破しようかな…
「……それなら!ボクは
【プチリュウ】 守備力 700
「さらにカードを2枚セットして、ターンエンド!」
「またですの?弱小モンスターを何度出してきても、同じ事でしてよ!」
「…………」
「
【ライオ・アリゲーター】が【プチリュウ】を喰らおうと迫り来る。
だけど、ボクの大切なモンスターを、二度もワニの
「リバースカード・オープン!【ハーフ・シャット】!この効果で【プチリュウ】は、攻撃力が半分になる代わりに戦闘では破壊されない!」
【プチリュウ】 攻撃力 600 → 300
「おおっ、セツナくん上手いね!守備表示なら攻撃力が下がっても関係ないし、これでこのターンの攻撃は
「…いや、まだよ…!」
観戦していたマキちゃんとアマネの、そんな会話が耳に届いた。
アマネが言った「まだ」の意味が分からずにいたけど、答えはすぐに出た。
「
「なっ…!」
【ハーフ・シャット】の効力で、プチリュウの破壊は
「ぐっ…!」
セツナ LP 2200 → 800
「そして、これで
「…!
「!?」
「このカードは相手に最大3枚まで、好きな枚数デッキからドローさせ、ボクは1枚につき、2000ポイント回復する!さぁ何枚引く?鰐塚ちゃん!」
「チッ…1枚で
セツナ LP 800 → 2800
「
「…!」
(耐えて…プチリュウ…!)
【スパウン・アリゲーター】の攻撃を、【プチリュウ】が必死で受け止める。
貫通ダメージでボクのライフは減らされたけど、何とか【プチリュウ】は守れた。
セツナ LP 2800 → 1100
「やけにそのモンスターを
「…?」
「装備カード・【
「ッ!」
「これを装備したモンスターの攻撃力は、自分フィールドの
【スパウン・アリゲーター】 攻撃力 2400 + 1500 = 3900
「攻撃力…3900…!?」
「次のターンで確実に
「…ボクのターン…」
…そろそろ頃合いかな。
ボクは掛けていた
「アマネ!」
「!」
それをアマネに投げ渡した。アマネは少し驚いた顔をしながらも、上手にメガネをキャッチしてくれた。
「…いよいよ本領発揮?セツナ」
「うん。良い感じに身体も
「?急にメガネ外して、どうしたの?セツナくん」
「そう言えば、マキちゃんって、
「…うん」
「こうなった時のセツナはね……かなり
「行くよ、ドロー!!」
「見苦しいですわね!この状況で、よもや勝算でもあるんですの?」
「…まぁね!」
「!…何をヘラヘラと…!」
「リバース
これで通常のドローと
「まずは
「!」
永続
ついでに
【スパウン・アリゲーター】 攻撃力 3900 - 500 = 3400
「ボクは【エレメント・ドラゴン】を召喚!」
【エレメント・ドラゴン】 攻撃力 1500
「たかが攻撃力1500程度で、何をなさるおつもり?」
「フフッ、驚かないでね?手札から速攻
「…!」
「この効果で、フィールドに
「なんですって!?」
「【エレメント・ドラゴン】に【魔導師の力】を装備!鰐塚ちゃんの場には、魔法カードが2枚。よって攻撃力、1000ポイントアップ!」
【エレメント・ドラゴン】 攻撃力 1500 + 1000 = 2500
「そして装備カードを
【スパウン・アリゲーター】 攻撃力 3400 → 2400
「くっ…
「まだだよ!
【エレメント・ドラゴン】 攻撃力 2500 + 1500 = 4000
「こ…!攻撃力4000!?」
「最後に【プチリュウ】を攻撃表示にして……バトルだ!【エレメント・ドラゴン】で、【ライオ・アリゲーター】を攻撃!」
「うぅ!」
鰐塚 LP 4000 → 2100
「この…!よくもやってくれましたわね!?」
(もう許しませんわ…!少々
「悪いけど、君が考えてる
「……はい?」
「【エレメント・ドラゴン】は、フィールドに風属性のモンスターが存在する時、2回目の
「か…風属性…?まさか…!」
「君が散々、小馬鹿にしていた【プチリュウ】のおかげで、【エレメント・ドラゴン】は真価を発揮できるんだ」
モンスター同士の
「【エレメント・ドラゴン】で、【スパウン・アリゲーター】を攻撃!『スパークル・スフィア』!!」
【エレメント・ドラゴン】の放った、エネルギー
鰐塚 LP 2100 → 500
「そ、そんな…
「これで、チェックメイトだ!【プチリュウ】で鰐塚ちゃんに、ダイレクトアターック!!」
「キャアアァァーッ!?」
鰐塚 LP 0
【プチリュウ】は全身全霊のタックルで鰐塚ちゃんを吹き飛ばし、フィニッシャーとして、見事ラストを飾った。
あちゃ…また変な目立ち方したかな。
このまま立ち去るのも気が引けるので、ボクは彼女に手を差し伸べる。
「立てる?鰐塚ちゃん」
「………ひとつ…お聞きしてもよろしくて…?」
「ん?」
「何故あそこまで…【プチリュウ】での攻撃に
「…あー…うん。
九頭竜くんとの
ポカン、と、鰐塚ちゃんはボクを見上げた。かと思えば今度は急に笑い始めた。ボク何か
「フッ、フフフフッ!なんですの?それ!」
(……カードをここまで大切にする
「…次はこうはいかなくてよ、
「フルネームなんて
ボクは鰐塚ちゃんの手を握って、優しく立ち上がらせ…
「セツナくんカッコ良かったよー!」
「うわっ!?」
後ろから、マキちゃんが抱き着いてきた。完全に
「ちょ、ちょっと!?きゃあ!」
鰐塚ちゃんの短い悲鳴が
次いで、ボクは鰐塚ちゃんを押し倒して、マキちゃん共々、地面に横になる。
「いったた…もう~。マキちゃん
「えへへ」
けっこう勢い良く
早めに起き上がろうと、腕を動かした時、右の手の平に、柔らかい感触を覚えた。
「…………ん?」
それに気づいた瞬間、ボクは全身が硬直した。
ボクの右手は、鰐塚ちゃんの豊満な胸を、
指先に少し
…………。
いやいやいや。
なにを冷静に、おっぱい触った感想を、詳細に描写してるんだ、ボクは。
「~~~~~~ッ!!」
鰐塚ちゃんの顔は、
「け……ケ…!ケダモノォォーーーッ!!!」
「ぶはぁあーっ!?」
鋭くも乾いた音が鳴り響く。
「この
気がつくと、ボクは数人の男子生徒に取り囲まれていた。あれ?全員、殺気の濃度が半端じゃないんですけど。
「彼らは風紀委員会が誇る精鋭にして、
「「「ハッ!!!!」」」
「やっ、待って待って!これは不可抗力……うわぁーっ!!」
学園中を追いかけ回された。正直、死ぬかと思った。
最終的には
金髪ツインドリル高飛車巨乳お嬢様かわいい( ^ω^)
さて!衣替えもさせたし、次の記念すべき第10話は、リクエスト回になります!夏ですからね!
リクエストは随時募集中!感想もお待ちしておりますですわ(?)