「……ジャスレイ」
本部から運び込んだ三機のガンダムフレームと筋肉号にモビルアーマーwithプルーマ。
その他のモビルスーツは全て本部の防衛に回す為に置いてきた。
ぶっちゃけモビルアーマー相手ではガンダムフレーム級の機体でないと対処出来ないのでそう判断したオルガの考えは当然のものとして受け入れられた。
半数は本部の防衛に周り、残りはダインスレイヴの掃射によって壊滅的な被害を受けたクリュセの瓦礫の撤去を手伝う事になった。
途中合流したアザーとマクギリス一行は元ブルワーズのメンバーと共にホタルビに乗っている。
「団長、歳星から何か返信あった?」
「全くねぇ」
「困ったね……この状況でジャスレイがマクマードさんに反旗を翻したのだとしたら……」
「敵側についた可能性が高いって事だな」
ユージンがビスケットの言葉を受けて続けた。
「タービンズの人達で歳星に残ってた人はいるの?」
当然の心配をアトラが発言する。
「兄貴の話ではこの前のダインスレイヴの件で全員纏めて行動していたからその心配は無用だ」
「良かった~」
アトラがニコニコしながら抱きついてきた。
……妹キャラと判明してからアトラからスキンシップが増えた気が。
「そうだね」
「三日月……えへへ」
そうやってナチュラルにアトラの頭を撫でれる三日月さんは流石だなぁ……!
ぽんやりしてきた雰囲気の中、団長が纏めた。
「着くまで何が起きるか分からねぇって事だ。いきなりの敵襲もあり得る。三日月とシン、昭弘と昌弘とハッシュの二班に別れて何時でも出撃出来るように準備しておけ」
「分かった」
「了解!最初俺達が待機しておくよ」
「兄貴!なら筋トレしよーぜ!」
「そうだな……ハッシュもやるか?操縦には筋肉が必要だぞ」
「そ、そうなんすか!?」
「ハッシュハッシュ、三日月さん見てみ?」
ハッシュの視線が三日月さんに向けられる。
その小柄ながらも鍛えられた肉体を見たハッシュは……
「よろしくお願いします昭弘さん昌弘さん……!」
「「
その日、筋肉に魅せられた漢がまた一人増えたのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「こうしてみると」
「………………」
今俺は格納庫にて目を瞑ったままレーダーを最大限に働かせて周囲を精査していた。
「シンって小さいね」
「………………」
三日月さんに抱えられてバルバトスのコックピットの中で、だ。
この状況について聞きたい事があったので閉じてた目を開けて背後の三日月さんに目線を向ける。
「流されて自然にコックピットの中に連れ込まれた俺も悪いですけど、どうしたんです?突然」
「アトラがせっかく二人っきりなんだからシンと一緒に居てあげてって言ってたから」
「アトラぁ…………」
確かにね?三日月さんの事好きって認めたけどいきなりアトラクーデリア並みの対応されても処理が追いつかないんですよ。
「三日月さん、一つ訊ききたい事があるんですけど……」
ふとそこまで言って我に返った。
何を訊く気だ俺。
「……アザーから聞いたモビルフォートレスについてどう思います?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
《ヘタレだな~グイグイ訊けよ!?妹よ!!》
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
何か変な電波が届いたが気のせいだろう。
「……俺の家族に手を出した以上全員潰すよ?」
「ホント全くブレませんね……!」
流石です三日月さん。モビルアーマー千機以上なんて情報もこの人にとってはめんどくさいのが増えた程度の認識なんだろうなぁ……
「俺もアトラとクーデリアに手を出された以上全力で行きますよ!」
「俺の家族のシンとアトラとクーデリアに手を出したからね」
「え」
「?」
「あ…………は、はいぃ…………」
その後歳星からの連絡があったとオルガから呼ばれるまでバルバトスのコックピットには顔を赤くしたシンとぼーっとしつつシンの頭を撫でる三日月の姿があったという。