『ダインスレイヴ!?……っ!いつの間に!?』
レーダーの範囲を火星上空まで広げた所、空には何十機ものモビルアーマーが居るのが分かった。
空でチカッチカッと光が瞬く。
『……シッ!!』
体内の三人への重力制御を確認しつつブースターを吹かして生成した両手の剣でダインスレイヴを弾いていく。
『くぅ……!』
縦横無尽に空を駆けて町に撃ち込まれていくダインスレイヴを郊外へ弾き飛ばす。
この身体にスペックをフルに活用して防戦するのが手一杯だ。
『…………くそっ』
上空のモビルアーマーを倒すには第四形態のリアクターカノンしか届かない、だけどそれを撃つ暇がない……!
『はぁぁぁああ!!』
時間差で纏めて撃ち込まれた何発もの弾丸を機体の膂力と重力制御で撃ち飛ばす。
(数が多すぎる……!守りながらだと攻めに回れない!)
そんな折に通信が入ってきた。
『……!シン!聞こえるか!!』
『団長!至急応援を寄越して欲しい感じなのですが!!』
『分かってる、その前に上のモビルアーマー共の正確な位置座標だけ送ってくれ。流星号で墜とす』
『……!分かりました!……送りました!戦闘中で詳しくは無理ですけど大体正確なハズです!』
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「ヤマギ!データ来たか!?」
オルガから話を聞いて直ぐに後ろに座るヤマギに確認をとる。
「……うん、オッケーだよシノ。何時でも撃てる」
「よし、オルガ!何時でもいけるぜ!!」
『分かった!えー……アルティメット……』
覚えてねぇのかよ!……ったく。
「アルティメットギャラクシーキャノンだ!!」
そここだわる所?って、全くヤマギは分かっちゃいねぇなぁ。
「流星号!ノルバ・シノ!!」
「……」
「お前も言うんだよ!!」
「あ、あぁ。ヤマギ・ギルマトン」
「行くぜ!!アルティメットギャラクシーキャノン!発射ァ!!!」
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ふと弾幕が薄くなり上を確認すると、モビルアーマーの何機かがギャラクシーキャノンに撃ち落とされてるのが見えた。
(シノナイス!!)
『お待たせ』
『待たせたなぁ!!』
更に三日月さんに昭弘も駆けつけてきた。
『み、三日月さん!俺は何をすれば!?』
ハッシュもハシュ丸に乗って出撃してきたらしい。
丁度良い。
『ハッシュ!凰華!ハッシュはそのままテイルブレードでダインスレイヴを弾き飛ばして!凰華はプルーマ全機でクリュセの皆を避難させて!!』
『お?おお!分かりました!!(gyaaaa!!)』
『なら俺達はクリュセの街を守るだけだな』
『メイス持ってきて正解だったね』
新たに三機加わり随分と防衛が楽になった。
『三日月さん達、少し防衛任せていいですか?』
『策があるんでしょ?任せて』
三日月さんは相変わらず二つ返事だなぁ……
他の二人からも許可が出たので一旦地上に降りて第五形態から第四形態に形態変化する。
その折りに近くにいたプルーマにアトラ、クーデリア、フミタンの三人を預けた。
(喰らえ……!!)
(リアクターカノン!!!)
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後の歴史でこの戦いは【クリュセ防衛戦】と名付けられる事となる。
そして、この戦いこそが【火星独立戦争】の切っ掛けとなったと誰もが口を揃えて言うだろう。
ハシュ丸の機能開放に伴いテイルブレードの使用が可能になったのでおやっさんが取り付けました。