クリュセの守護神   作:ランブルダンプ

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アルミリア初登場。


ホームカミング

《ヤシオリ作戦ね、随分と懐かしい単語じゃないか》

 

俺が高校の時か。

 

「あぁ、ゴジラに関わる全てを根絶する。私は人類(・・)の味方だからな」

 

《成る程、人類の味方ね。なら俺はゴジラ(シン)の味方だ……っと》

 

その場を飛び退く。

 

直後俺の立っていた地面にダインスレイヴが突き刺さった。

 

「この数を相手にして勝てる気かね?」

余裕綽々のラスタルが問い掛けてくる。

 

《確かに少しキツイ》

 

(今の俺は人間にしか形態変化出来ないからな……)

 

吹き荒れるダインスレイヴとレーザーの雨を避け続ける。

 

《まぁ、俺一人だったらの話だけどな!》

 

 

轟音と共に天井から一機のモビルスーツが飛び込んできた。

 

 

『無事か!?アザー!!』

 

《待ってたぜ!ヴィダール!!》

 

飛び込んで来たのはキマリス・オーディン、俺の指示通りに超高々度から突撃し、この場所までランスで突き破って来てくれた。

 

蜘蛛糸を飛ばして機体に取り付く。

 

「ヴィダール、いや……ガエリオ。何故だ」

 

ラスタルがダインスレイヴを撃つのを止めてガエリオに問い掛ける。

 

『何故?それが分からない貴様だからだ!!最初から俺はお前を信用しちゃいない!!』

 

《キマリス!ブースター全開!!動力は俺を使え!!》

 

ダインスレイヴが撃たれる寸前に俺のエネルギーを供給され爆発的な加速でキマリスが急速離脱する。

 

 

《ふぅ……助かったぜ。ありがとよヴィダール》

 

『礼には及ばないさ。それより例の件は本当なのか?』

 

機体を操りながらガエリオが問い掛けてくる。

 

《あぁマジだマジ。お前の妹さんとマクギリスにジュリエッタ、他に連れていきたい奴が居たら一緒に逃げるぞ》

 

『分かった……信じられる、仲間だけは!ってやつだな』

 

《その通り!相手は機械だしある意味不死生物(アンデッド)だね!》

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

《よう!マクギリス!こんななりで信頼出来る訳が無いだろうが信じてくれ!俺は門択真月!お前が俺だと思ってたシンは俺の中の俺の阿頼耶識のマイティブラザーズXX!!つまりだな!今からそこにモビルアーマーが攻めてくるからバエルに乗って逃げて来い!セキリュティは全部解除した!隣の石動はモンターク商会とかいう俺の名前からとった秘密結社のメンバーと連絡とっとけ!アルミリアは俺とガエリオで保護するから!後ラスタルの野郎の正体はロボットだ!!ギャラルホルンの内部には内通者だらけだ!本当に信頼出来る人だけ連れて逃げるぞ!落ち合う場所はアーブラウの郊外だ!!じゃ!!》

 

 

……蜘蛛柄のマスクを着けた男が通信に出るや否や捲し立て、そして言い終えるとこちらが質問する間もなく切ってしまった。

 

「石動、敵の正体は機械、ロボットらしいな」

 

「そうですね准将、SF映画の登場人物の気分です」

 

「……石動、正直私はテンションが上がっている」

 

確かに見れば准将は残像が残った様に揺れている。

 

「奇遇ですね、私もです」

 

「ではミッション開始といこうか」

 

「はい」

 

何故准将と私がこんなに容易くあの不審な人物(スパイダーマン)の言葉を信じたのか。

 

その答えは私達の輝いた目を見れば分かるだろう。

 

彼は信頼出来る人物だ(なにあれカッコいい)と思っているからだ!!

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

『アザー、アーブラウで集合と言っていたが脱出する算段はあるのか?』

 

《鉄華団地球支部があった時にシンがこっそり作ってた脱出挺を借りるのさ》

 

ついでに蒔苗のじーさんも連れていくつもりだ。

 

『着いたぞ。ジュリエッタも後から来る』

 

《分かった。アルミリアちゃん連れて直ぐ戻る!アイツら宜しく!》

 

ハッチから飛び出し地面に着地する。

 

今俺達はボードウィン家の土地へやって来ていた。

 

マクギリスの嫁を保護する為だ。

 

背後でキマリスがやってきたギャラルホルンのモビルスーツを蹂躙している。

 

 

(急がなくちゃな!)

 

 

幸い木が多いので蜘蛛の糸でスイングして直ぐに屋敷に辿り着く。

 

空いていた窓から侵入する。

 

 

(無事だといいんだが……)

 

 

その瞬間、屋敷に悲鳴が響き渡った。

 

急いで部屋を駆け、扉を蹴破り階段上から下の階を見渡す。

 

「お父様……!何で彼女達を……!」

 

「私はお前の父親ではない。私はお前の父親を模したモノだ。お前は交渉材料になる。強引にでも確保させて……」

 

手には銃、側にはメイドの死体が二つ。少し不味いな。

 

《ちょ~っと待ったぁ!!》

 

注意を引くべく大声を出して階下に降り立つ。

 

《ちょっとお父さん?思春期の娘相手に手を上げるなんて真似は家庭内暴力だぜ?》

 

「シンゲツか。何だそのふざけた姿は」

 

《心外だなぁ!これは俺が今まで観た洋画で一番好きなヒーローなんだぜっと!?》

 

言い終える前に発砲した相手の腕に蜘蛛糸をくっ付ける。

 

《親子喧嘩に銃なんか持ち出すんじゃなーい!!》

 

糸を引っ張り引き寄せた相手にカウンターで殴り付ける。

 

《アルミリア!!俺はマクギリスの知り合いだ!!コイツをとっちめるから隠れててくれ!!》

 

「でも……!お父様!」

 

《コイツは機械だ!!君の父親はとっくに殺されてる!!おっと》

 

首が曲がっちゃいけない角度に傾いているのに何事もなかった様に掴みかかってくる。

 

《さぁ来いよ!!家族に手を上げる奴はお仕置きだ!!》

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

《戻ったぜヴィダール》

 

俺が敵を倒し終えると同時にアルミリアを背負ったアザーが帰って来た。

 

ハッチを開けて中に入れるとアルミリアがきょとんとした顔で此方を見てきた。

 

「あれ?お兄様?どうしたのその変な仮面は」

 

『お前……驚かないのか!?俺が生きてたって事に!』

 

「生きてるってマッキーが教えてくれてたのよ」

 

マクギリスゥ……!!

 

『親父はどうだった?』

 

アザーに問い掛けると途端にアルミリアの顔が曇った。

 

「お兄様……お父様は機械だったわ。私に襲い掛かってきて……私を庇ったメイドを全員殺して……」

 

(なっ……!?)

 

確認するようにアザーに視線を向ける。

 

《……気の毒だが、その通りだ》

 

(親父……)

 




セブンスターズ、ファリド家とクジャン家以外全員機械でした。

じゃなきゃ優しいガエリオパパがアインに阿頼耶識を付けるようにガエリオに言う訳がなかったんですよね。

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