テーテテン テーテテーン テーテテテテテ テーテテン
「はい、という訳でこれがサポートAI。仲良くするといいことあるよ」
『キマリスの面影が完全にないんだが……』
[ジゴクカラノシシャ!スパイダーマッ‼]テッテレー
蜘蛛形態から変形したアザーが変なポーズをとりながらヴィダールの手の上で動き回っている。
『喋るのか……』
[ワタシコソガ、ヨリスグレタスパイダーマン。スーペリアトヨンデモラオウ]
「喋ってますね」
若干性格がおかしい気がする。
[フタリキリノトキハ、オットートヨンデクレ]
『……オットー?』
[ナンツッテ!オレサマチャンガアザーダヨ、ヨロシクナヴィダール]
「何というか……AIなのに随分とハチャメチャな…… 」
ジュリエッタも驚いた目でアザーを見てくる。
……うんまぁ驚くよね。ってか何故スパイダーバースのネタを知っている。
「アザー、何でそのネタ知ってるんだ?」
[グレートウェブノオカゲサ、マスター]
『グレートウェブ?』
「
その後詳しく訊いてみた所、300年前ネットに違法にアップロードされてた壊れかけのデータを暇なので修復して読んでいたとか。
[コノスパイダーマンッテノガオレノモトネタナンダロ?]
「うんまぁ……何かお前他のAIと違うよな」
[ハッハッハ、オレハシンアイナルリンジンダガ、ショウタイハフメイダゼ、マスター]
……ん?そういえば、俺コイツをどのタイミングで作ったんだっけ?
……あれ?
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キマリス・オーディンの整備も終わり久し振りにブリッジへ戻るとやけに慌ただしくなっていた。
「何かあったんですか?」
「おぉハサン、今呼び出す所だった丁度いい」
ハイハイと応対しつつ、イオクが部下に話している命令を盗み聞きすると、どうやらタービンズを潰しに行くらしい。
どうやったらその発想になるんだ……?
「ではこのハサン、只今よりオペレーターに復帰しますね」
取り敢えずイオクの補佐の人と話を切り上げる。
パソコンのモニターに向き合い、この数日で何があったのかログを見る。
……
…………
………………えぇ(困惑)
どうやら鉄華団に対する制裁を模索している最中にテイワズの所のジャスレイってのから鉄華団を共闘して潰したいという申し出があったみたいだ。
ジャスレイはイオクを上手いこと言いくるめてまずタービンズに矛先を向けさせた。
ジャスレイの手引きでタービンズが普段使っている宇宙港にイオクの艦が入ってそこで違法な武器ダインスレイヴが見つかった事にするらしい。
難癖だが流星号関連でダインスレイヴを扱った事があるのでこちらとしては少し弱い。
(どうすっかな……団長に連絡しとくか)
さらっと暗号を掛けて鉄華団本部へとメールを送る。
(まさか筋肉号を送ってきたのもこれ見越してかな?そうだとしたら団長流石!)
「では諸君!我々はこれからタービンズに制裁を下しに行く!!出発だ!!」
それに答えて声を上げる部下の人達。
その大声の中俺は一人静かに状況を考察していた。
(部下の人は何も知らないっぽいな……盲目的過ぎるだろ……)
猪突猛進の頭イオクなトップとそれにただ従うだけの優秀な部下達。
(マクギリスの言ってた『権力を持った無能』そのものじゃねーか……)
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[ジャアヴィダール、サッソクシミュレーターデレンシュウハジメテクレ]
『あぁ分かった』
[ジュリエッタノネーチャンモスコシマッテナ]
そう言い終えるとアザーは腕から蜘蛛の糸みたいなのを使ってモビルスーツのジャンクパーツの山へと飛んでいった。
「あ、ヴィダール。シミュレーター使うなら私と模擬戦しませんか?」
『いいぞ。初めての機体だから少し練習してからだが』
そう言っているとジャンクパーツの山が弾けた。
耳障りな金属音が響き渡る。
「!?」
『……何が爆発したんだ?』
おそるおそる二人で見に行くと……
《うっし……k変身完了だな!よぉお二人さん!!》
等身大になったアザー?がいた。
「『……は?』」
カラーリングは先程までの銀一色からメタルレッドとメタルブルーのドきついものになっていて、体の表面には蜘蛛の巣のような模様が描かれている。
300年前の人がいたら皆口を揃えてスパイダーマンじゃん!と言うであろう容姿になったアザーだった。
《何呆けてんだよ、さっさとシミュレーター始めんぞ!》
(ヴィダールヴィダール!!私訳がわかりません!!)
(俺もだよ!!あれホントにただのAIなのか!?)
アザーは何者でしょうか。
割りとエンディングに関わってきます。