(よーしOK!二本足で歩けるし体色も赤で段々第四形態に近づいてきた!)
今の俺の見た目はシンゴジラ第三形態であり身長は立って1メートル半程になっている。全長は尻尾が長いから3メートル弱だ。
(鉄華団の皆の反応は……)
「な……え?」
「縮んでるね」
「何でオメーは素直に受け入れられんだ!?有り得ない縮み方してんだろアレ!」
「すっげえな!流石俺の名前と似てるだけあるな!」
「それは関係ないよシノ……」
(う~ん、好評?)
まあこの大きさなら宇宙にもついていけそうだな。
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近づいた俺に、再度ライドに今のサイズなら何を食べるのかと聞いてきたが、首を横に振っておいた。
その後ビスケットが気づき、まさか何も食べないとか……?の言葉に全力で頷づくと皆驚いた顔をしていたが、おやっさんが俺がエイハブリアクターみたいな自力のエネルギーを確保している可能性を思いつき、それに皆納得していた。
(この世界にエイハブリアクターなんて半永久的にエネルギーを生み出すトンデモ装置があるからすぐに納得出来るんだろうけど、俺の世界だったら捕獲→研究材料コースだろうなあ……)
何はともあれ、無事鉄華団に入れた俺だった。
鉄華団に入った俺はせっかく団員になったんだからということで、鉄華団ジャケットの特大サイズを着ることになる。
それを着てひょこひょこ三日月さんの後ろをついてまわったりMWとバルバトスの整備を手伝ったりして日々を過ごしていた。
あと、アトラと初対面でホント驚かれた。
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「えぇ!?三日月!?その……後ろにいるのは……?」
「ああ、アトラは初めて会うんだっけ、新しく入った団員」
「団員なんだ!?大丈夫なの?噛みついたりしない?」
「ダイジョブだって、ほら」
その後二人に撫でられた。
(誤解が解けて良かった~この見た目だとやっぱそうなるよなぁ……)
これが第四形態になって更に凶悪になったらどうなるのか、ちょっと憂鬱になる俺だった。
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ライドと遊んでいた所にオルガがやって来て、正式に鉄華団の名前が登録された事と、鉄華団のマークをライドに考えてくれと言ってきた。
(そういえばあの鉄華団マークってライドが考えたんだよなぁ……)
考え出したライドをそっとしておく為、こっそり立ち去った俺はそのままオルガとビスケットについて行きクーデリアを地球に送り届ける為の会議室へ向かっていた。
途中トドが悪巧みをしているのが聞こえてきたが、
(この人がいないと宇宙へ行く切欠が出来ないからな……今は放っておくしかないか)
一応睨みつけてそのままオルガについて歩いていった。
会議の内容は予測通りで、航路は全てギャラルホルンの監視下に有り、裏ルートを通る必要がある事。
またその裏ルートにも民間業者間の縄張りがあり、トドがオルクス商会の人と話をつけること、で一旦会議は終了した。
オルガ達と別れて今度はおやっさんの手伝いに向かう。
「おう、オメェか」
挨拶してくるおやっさんにひょいっと頭を下げる。
「じゃあ悪ぃがあそこにあるバルバトスの補給ケーブル此方まで引っ張ってきて貰えるか?」
コクンと頷き歩きだす。
ここ数日で整備の手伝いをしてて、意外と頭が良く細かい作業も出来ることに気付かれて仕事を任せて貰えるようになっていた。
(全部エイハブリアクター様々だなぁ)
本来だったらズシンズシンと歩くのだろうが、エイハブリアクターのお陰でひょこひょこと早く歩くことが出来る。
(エイハブリアクターの慣性制御とこの体元々のパワーが合わさり最強に見える……ってね)
その日は夜までおやっさん達の整備を手伝った。
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一回目の会議から数日後。
二回目の会議も終わりに近づいていた。
今はユージンとトドがピンはねがどうとかで言い争っている最中である。
(正直トドがオルクス商会との取引でピンはねしてるのとかはどうでもいい)
(問題は……)
「地球に行くメンバーも選ばないとね」
「残るヤツらはどうすんだよ?」
「この間の戦利品の売却とこの時期ならいつもどおり農園の手伝いだな」
(何としても宇宙に行く船についていく事!!)
「みみっちいこと言いやがって。シケてるぜ」
「でかい仕事には危険が付きまとう。マトモな仕事ってのは地味なもんだろ」
(ここで宇宙へ行かないと色々死ぬ!最悪地球にも行けない可能性が有るし……)
「それじゃあ地球に行くメンバーは……」
ビスケットのその声を聞くや否や、俺は一声吠えた。
「うぉお、なんだコイツ急にビビらせやがって」
グチグチ言うトドは無視し、オルガの事をじっと見つめる。
「……着いていきたいってか?」
(流石団長!!)
首をブンブン振る。ついでに尻尾も。「痛ぇ!何しやがんだ!」トドに当たった様だが無視。
「でもオルガ、シンは結構大きいし只行きたいからって連れていく訳には……」
「いや、コイツは整備班の手伝いを良くしてるって話だ。それにおやっさんからの評価も高い。只でさえ整備班は少ないからな、数は多いに越したことはねぇ」
「おやっさんが?」
驚くユージン、
「あぁ俺も実際見るまで信じられなかったが、昨日見に行った時にヤマギと混ざってモビルワーカーの整備をしててな。おやっさんに話聞いたら頭もいい上、細かい作業も尻尾でこなしてるらしくてモビルワーカー程度の整備ならもう殆ど任せてるそうだ」
「そっか、ならシンも一緒に連れて行った方が良いみたいだね。宇宙では何が起こるか分からないし」
それを聞いたトドが発言する。
「オイオイ!本当にこんな何考えてんのかわかんない奴を連れて行く気か?」
(何考えてんのかわかんない奴って……まぁこの目と見た目ならそうなるだろうけどさ)
そう俺が思っていると、
「本気だ。それとお前がどう考えるのかは自由だが……コイツは鉄華団の仲間だ。その俺達の前で仲間の悪口を言うとはいい度胸じゃねぇか」
(団長……!!)
感動してる俺をよそに、トドは「いやぁ別に悪口ってわけじゃあ……ほら愛嬌があるっていうか……」とおべっかを使いながらそそくさと出ていった。
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トドが出ていった後、
「トドさんには分からないみたいだけど、よく見てれば表情とか分かるよね」
(マジで!?俺の表情読めんのビスケットさん!?)
驚きで固まった俺にユージンが話し掛ける。
「今は驚いてるよな……フッ確かに俺でも分かるのにな」
(ユージン……!)
「あぁ、まあアイツみたいな根っから腐った大人には一生分からんさ」
(団長カッケエ!!)
皆の言葉にかなりジーンときた俺だった。
鉄華団ジャケット羽織ったシンゴジラ
可愛い(確信)