クリュセの守護神   作:ランブルダンプ

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シンが居なくても十分ヤバい集団ですね。



VS夜明けの地平線団

「エイハブ・ウェーブを捕捉。固有周波数を確認。合流予定のギャラルホルン艦艇と一致しました」

 

「艦艇5隻ちゃんと揃ってるな」

 

「これで不安な戦力も埋められるね」

 

ビスケットが安堵のため息をつく。

 

「うし!早速作戦会議だ!」

 

 

 

 

会議室にはオルガ、ビスケット、ユージン、昭弘。そしてギャラルホルンの石動とその部下二人が集まっていた。

 

「まずはご協力頂く事に感謝を」

 

「止せよ、話は聞いているんだろ?作戦の指揮権は此方が貰う。いいな?」

 

「当然だとも」

 

その言葉にオルガは満足そうに頷いた。

 

「さて、コレがウチが観測した奴等の最新情報だ」

 

資料を取り出そうとする石動を止めて昭弘からデータの入った端末を貰う。

 

機械を操作しディスプレイに映し出した。

 

「此処から十二時間の場所に奴等の艦隊を捕捉した。3隻しか居ない様に見せかけてるが、エイハブリアクターを切って牽引されてる艦が7隻いる」

 

オルガが言い終えた後、補足をビスケットが続ける。

 

「夜明けの地平線団が保有する艦隊は10隻。恐らくボスのサンドバルもこの中にいるハズです」

 

「な……!此方は三隻しか捕捉していなかった。正確な情報提供を感謝する」

 

「そこで俺らの作戦はこうだ」

 

ユージンが得意気な顔で説明を開始した。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「どう?三日月、美味しい?」

 

「ん、美味いよ」

 

「良かった~!」

 

格納庫ではバルバトスの側で三日月とアトラがいちゃついていた。

 

(ビスケットから戦いまで少し休んでろって言われたからミカに会いに来てみたが……こりゃ入れ無ぇな)

 

格納庫の入口からくるっとUターンし通路に戻る。

 

(……お嬢様の様子でも確認するか)

 

頭にふと浮かんだ顔がフミタンだったのでそれを行動に移す。

 

それが何を意味しているのかはまだオルガは気付いていない。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「夜明けの地平線団の艦隊のエイハブウェーブ周波数を確認!」

 

「良し、グシオンの準備も出来てるな?」

 

「バッチリです!」

 

よし、と頷きオルガはユージンの方を振り向いた。

 

「ユージン、イサリビの操縦は任せたぜ」

 

「応!!」

 

そこで、夜明けの地平線団から通信が入ってきた。

 

『俺は夜明けの地平線団団長サンドバル・ロイターだ』

 

「鉄華団団長、オルガ・イツカだ」

 

ユージンが「何で頭にターゲットマークが付いてんだよ、あのオッサン」と呟いた。

 

モニターを見た瞬間全員が抱いた疑問を的確に表現した言葉に皆一斉笑いを堪える羽目になった。

 

「……っ!……クク」

 

『せめてもの慈悲として降伏する機会を与えてやろう』

 

『フフッ……あぁ?降伏だって?……』

 

意地で笑いを堪えて会話を続けるオルガ。

 

サンドバルは訝しむがそのまま会話を続行する。

 

『あぁそうだ』

 

「アンタこそウチに手ぇ出した詫びを入れるなら今の内だぞ」

 

『フン、ギャラルホルンの弱兵を従えて気でも触れたか』

 

「いや、こうしてアンタが会話してくれるが一番の要だったんでな」

 

『?何を言って……』

 

次の瞬間夜明けの地平線団の艦隊の回りから多数のエイハブリアクター反応が起こった。

 

『何!?いつの間に!?』

 

「ウチのガンダムフレームにはな阿呆みたいに馬力がある奴が居るんだ。そいつにギャラルホルンのモビルスーツを全機(・・)投げて貰ったんだよ」

 

「昭弘から連絡!サンドバルの通信は中央の船から!」

 

ビスケットが入ってきた情報を叫ぶ。

 

「ユージン!ナノミラーチャフ!」

 

「そう言うと思って装填済みだ!!」

 

「グシオンとバルバトスのレーダーと全機リンクし終えているな?真ん中の奴以外全部墜とせ!!」

 

オルガがユージンに合図を送る。

 

「発射ァ!!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

戦闘宙域にナノミラーチャフが広がる。

 

その中でサンドバルの艦隊はレーダーの目を失い身動きが取れなくなっていた。

 

誤認用に戦艦を牽引してきたせいで密集してしまっている。

 

その為ただモビルスーツ隊を送り出すことしか対抗策が取れなかった。

 

一方鉄華団とギャラルホルンのモビルスーツはグシオンとバルバトスの疑似ゴジラレーダーとリンクする事で一方的なアドバンテージを手に入れていた。

 

グシオンの筋肉砲(マッスルキャノン)が艦の推進部を的確に貫いていく。

 

出てきたモビルスーツは紫電とグレイズが連携して葬る。

 

バルバトスは【繊月(せんげつ)】で艦とモビルスーツを切り裂き、グシオンはブーストハンマーで艦橋を潰しモビルスーツを叩き壊していった。

 

勿論降伏する隙も与えずコックピットを潰す。

 

サンドバルのモビルスーツはその圧倒的な数にも関わらず数をみるみる減らしていった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「何とかしてこのチャフを突破しろ!」

 

サンドバルが指示を飛ばす。

 

味方がもう全滅しかかっている事にはまだ気が付いていない。

 

そして、チャフを抜けた瞬間、

 

『行っくぜぇぇぇぇぇ!!!』

 

ユージン操るイサリビがサンドバルの艦に突貫してきた。

 

「ぐッ!?この糞餓鬼共がぁ!!!」

 

怒りで目眩がする。

 

しかし、直ぐにサッと青ざめた。

 

敵艦に突き飛ばされた先に砲を構えたギャラルホルンの五隻が待ち構えていたからである。

 

イサリビとギャラルホルンの艦隊からの総攻撃を喰らいサンドバルの艦が火を吹く。

 

「っ!メインブースター損壊!火器も全て壊されました!!」

 

震える声でオペレーターが告げる。

「……!そんな……この俺様の艦隊が……!他の艦は!」

 

まだ戦力は残っているハズだと指示を飛ばす。

 

しかし、ナノミラーチャフが晴れたそこにあったのは、鉄屑と化した残り9隻の艦と大量のモビルスーツの残骸だった。

 

「……なッ!?……馬鹿……な……」

 

艦に強い衝撃が走る。

 

モニターには艦橋を覗き込んでくるガンダムフレームの姿が映っていた。

 

「……!鉄華団の……悪魔……!」

 

噂に聞いていたそのモビルスーツが目の前に居る。

 

そこに敵艦から通信が入ってきた。

 

『よお、大海賊サマ(・・)よ。詫びを入れる準備は出来たか』

 

その言葉に合わせて悪魔が刀を艦橋に向けて突きつけた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

そのもう少しで戦闘が終わろうとしていたその時、アリアンロッドの艦隊が到着した。

 

「地球外縁軌道統制統合艦隊所属のハーフビーク級5隻と民間船籍の1隻を確認」

 

「民間組織?何者だ?」

 

イオク・クジャンが隣に居るジュリエッタに尋ねる。

 

「存じ上げません」

 

 

直ぐにアリアンロッドの艦隊からモビルスーツが出撃を開始した。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

バルバトスがアリアンロッドの艦隊に注意を向ける。

 

サンドバルはその隙に部下を二人引き連れヘキサフレームのユーゴーに乗り出撃した。

 

艦のすぐ側にいたギャラルホルンのモビルスーツに襲い掛かる。

 

そして両手の円月刀でコックピットを叩き潰した。

 

『聞け!夜明けの地平線団に刃向かう愚かなる者達よ!』

 

グレイズの残骸を掲げる。

 

『これが貴様らの末路である!命を捨てる覚悟のある者だけかかってこい!このサンドバルが相手をしてやろう!』

 

直ぐにオルガの指令でバルバトスが駆け付ける。

 

それをジュリエッタが駆るレギンレイズが止めようとし……

 

『これは、私の獲』

 

『邪魔』

 

オルガにギャラルホルンのモビルスーツに被害は出すなと言われたので、レギンレイズを粒子供給を止めた状態の【繊月(せんげつ)】で横殴りにする。

 

反応出来ず吹き飛んでいったレギンレイズ。

 

バルバトスはユーゴーの元に辿り着き、粒子供給を再開した【繊月】でサンドバルのユーゴーの手足を斬り落とし、側にいたユーゴーはコックピットごと切り裂く。

 

サンドバルが乗っていた艦は【覚醒形態(マッスルオブフィナーレ)】を発動したグシオンがブーストハンマーで叩き潰し、これによって夜明けの地平線団の戦力は全て打ち砕かれる結果となった。

 




イオクが出撃する前に全て終わりました。

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