クリュセの守護神   作:ランブルダンプ

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二期スタート!


二期
変わる世界、そしていつも通りの鉄華団


シンさんが暴露したドルトコロニーの件、アーブラウでの総選挙によって世界は少しずつだが確実に変化し始めていた。

 

今までの戦いで上げた知名度、圧倒的戦力であるゴジラの存在、勝ち取った火星のハーフメタルの利権。

 

今までテイワズの傘下だった鉄華団は独立し、テイワズと対等の組織として振る舞うようになった。

 

地球に残ったシンさんとブルワーズ組による鉄華団地球支部は順調に発展しつつある。

 

先日正式な軍事顧問として認められたそうだ。

 

そんな訳で鉄華団は今では誰もが注目する急成長を遂げた企業となった。

 

火星に戻ったクーデリアさんは凄くて、フミタンさんと協力してハーフメタルの採掘一次加工輸送業務を行うホープ商会と桜農園の敷地内に孤児院を設置し、社会的弱者への能動的支援と火星全土の経済的独立のため日々奔走している。。

 

……本音を言うとあんまり会えなくて少し寂しいかな。

 

 

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ギャラルホルンは社会的信用を失い世界は戦火で満ちようとしていた。

 

それを引き起こした張本人はというと……

 

 

『今日も暇だねぃ……』

 

「……暇ってか、シンさんが敵が来るや否やビームぶっ放して殲滅してるんだけどな!?」

 

『そんな固い事言うなよアストン。タカキ達とは上手くやれてるかい?』

 

「あ、あぁ……まだちょっと慣れないけどな」

 

困った様にそっぽを向く。

 

ある程度地球支部の経営が回ってきたので、適当にアーブラウに家を買って皆で分けて住む事にしたのだ。

 

その際アストンはタカキ兄妹と一緒に住む事になって今に至る。

 

「おーい、シンさーん!火星からメッセージが来てるー!」

 

遠くからデルマが声を掛けてくる。

 

『お、何だろ?じゃあアストン、この後のモビルスーツ訓練頑張ってね!』

 

「分かってる。ただ相手が昌弘なんだよなぁ……」

 

最近昌弘は兄貴に近付こうとますます筋肉に磨きをかけていた。

 

その結果ランドマン・ロディでプロレス技を繰り出すという訳の分からない状態へとなっている。

 

筋肉号グレートは強過ぎるので試合では使っていないが、モビルスーツの操縦技術を上げた今では相当な強さになっているだろう。

 

『成る程……まぁガンバ!』

 

 

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通信ルームへ行くとタカキとチャドが待っていた。

 

『お待たせ』

 

「おし、じゃあ繋ぐぞ」

 

チャドが機械を操作する。

 

『……、……聞こえるか?』

 

団長の顔が映り声が聞こえてきた。

 

『バッチリ聞こえてますよ』

 

「オルガ、何だ?緊急の用件ってのは?」

 

『ウチが【夜明けの地平線団】から襲撃を受けた』

 

『被害は?』

 

『ゼロだ。ミカのバルバトスと昭弘のグシオン(筋肉)が直ぐに蹴散らしたからな』

 

「理由は分かってるんすか?」

 

『ダンテが調べた所、アリウム・ギョウジャンってのと夜明けの地平線団が繋がってる証拠が取れた』

 

「何だってのそアリウムって奴は依頼してまで鉄華団を?」

 

『クーデリアを消す為だ』

 

『なら殺しましょうよ』

 

『当たり前だ』

 

目線で団長と通じ合う。

 

(三日月さん(ミカ)の嫁だからな!!)

 

『コホン……という訳で、これからそいつらの所に行ってケジメを付けさせて来る』

 

「了解したぜオルガ」

 

『そっちの調子はどうだ?』

 

「まぁぼちぼちだ。この前テイワズから来た……何だっけ?」

 

「ラディーチェの事?」

 

タカキが助け舟を出す。

 

「そうそう、ソイツが何か色々嗅ぎ回ってるぜ」

 

『……成る程、分かったのはお前のお陰か』

 

団長が俺を見てくる。……照れるねぇ。

 

『いやぁそろそろ俺達の好き勝手にテイワズ内部の反発する人達から刺客が来る筈だと思った矢先に来ましたからね』

 

「数日間隙を見せたら、直ぐに無用心に行動し始めてな」

 

「なので交渉材料にしようと泳がせてます!ただシンさんの事を知能の低いトカゲと思っているのが癪ですけど」

 

『まぁそこは俺を舐めてくれていた方が見返りはデカいから多少はね?』

 

どうやってそう思い込ませたんだ?という団長の疑問にチャドが答える。

 

「シンのレーダーでな、近くに居る時は喋らないようにしてるんだ」

 

『成る程、またテイワズから絞り取れるな』

 

「団長、悪い顔してるっすよ」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

暫し時は遡り……

 

 

「ちわーっす。予備隊のハッシュ・ミディですけど獅電の動作テストが始まるって……んだよ誰もいねぇじゃねぇか。……ったく」

 

そうぼやいているとコックピットが開いているガンダムフレームの中で誰かが居るのが見えた。

 

「っ!三日月……さん!って寝てるのか」

 

ほっと息を吐く。

 

いつぞやチビッ子達の前で三日月と呼び捨てにしたら一斉に「あ゛ぁ゛?……さんを付けろよデコ助野郎」と殺気の籠った声で怒鳴られたのは記憶に新しい。

 

気になって色々訊いたり調べてみると、鉄華団の悪魔、鬼神、鉄華団のやべー奴、など様々な呼び名を持っている様だった。

 

(そんなにスゲー人なのか?俺より背低いし多少モビルスーツの腕が立つってだけじゃないのか?)

 

俺の目標はモビルスーツに乗って次のビルスになる事だ。

 

まだ実力は見た事が無いが、どうせ噂は誇張された物ばかりだろう。

 

……俺は三日月を越えてみせる!

 

 

 

 

走り込みの訓練が終わった後、団長から召集が掛かったので集まる。

 

「……ってわけで来週末ホープ商会の仕切りで採掘現場の視察が行われる。そこでクーデリアから鉄華団に護衛を依頼された」

 

「お、久しぶりにお嬢様の依頼か!」

 

鉄華団の古いメンバーの人達が盛り上がっている。

 

俺には何の事か分からないが、隣でリーゼントのザックが「お姫様!?」と騒いでいるのが煩い。

 

「いいか?これがお前らの初陣だ。お前達はライドのモビルワーカー隊に入って貰う」

 

副団長がそう言い終え、団長が再び話始めた。

 

「いいか?お前らに一つ命じる。生きて帰って来い」

 

……え?それだけ?

 

戸惑っている俺を置いて、小さい奴……ライド?とかが訓練じゃねぇんだぞ!気ぃ抜くなよ!と喚いているが。

 

(実戦か……)

 

俺の心はいかに活躍してモビルスーツに乗れる権利を手に入れるか、に移っていた。

 




次回、夜明けの地平線団に合掌を!

ハッシュ君、君の認識は甘いよ!

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