「アインの意識が戻ったというのは本当か!?」
地球の阿頼耶識研究施設へアインが運び込まれてから1週間。
ラスタル公からの提案で俺はこのままでは死ぬだけだったアインを阿頼耶識手術を施し延命させる事にした。
その提案を聞いた俺は最初激しく反対したが、親父からいずれ知る事として【ゴジラ】【阿頼耶識】【厄祭戦】の真実を教えられ、アインを救う道はこれしかないと自分を納得させ手術に踏み切った。
そして何の音沙汰も無い日々が続き、今日遂にアインの意識が戻ったと知らされたのである。
「えぇ、お待ちしておりました。ついて来て下さい」
研究員に案内され通路を奥の方へと進んでゆく。
消毒液の匂いが満ちる空間。しかし、微かに不安を煽る臭いがすっと鼻を掠めてゆく。
前を行く研究員が阿頼耶識の反応速度や本来の用途、発明者のモンターク氏の事を話し掛けてきたが全て生返事で返す。
頭の中にあるのはアインの事だけだった。
アイツは恩義のある上官……クランクニ尉と言ったか、の仇を討たんとする誇り高い戦士だった。
アイツをこのまま終わらせる訳にはいかない……だから俺はアイツを戦士として戦場に戻れる体にする為に……
「アイン……俺は……」
「ボードウィン特務三佐、こちらです」
考えている内に着いたらしい。
直ぐに扉を開けさせて中へ飛び込んだ。部屋に入るやいなや俺は声を張り上げた。
「アイン!アイン!起きているか?何処にいる?」
すると、機械の合成音が返事をした。
『……!ボードウィン特務三佐!!』
目の前のモビルスーツから聞こえてくる。
通常のグレイズより二回り程大きい機体だ。
「アイン……
『はい!
「そうか……そうか。これで良かったんだな……」
『心から尊敬できる方に人生の中で2人も出会えたなんてこれ以上の幸せはありません!!このご恩、この命をもって必ずやお返しします!』
尚もアインが言葉をつのらせる。
それを尻目に研究員は今のアインの状態を嬉々として解説しだしたが俺はそれには耳を傾けず、アインの言葉を聞きつづけた。
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アンカレッジに着いた俺達は荷物を電車に乗せ替えて、陸路でアーブラウを目指す。
もうすぐお昼なので食事の材料をタカキとライドを連れて取りに行く。
「そういえばシンさん、あの島で何か変な蛇?っていう奴捕まえたんだけど」
取り出し終えた時にライドが話し掛けてきた。
『変な蛇?今いるの?』
「いや……蓋閉めてたハズなんですけど、いつの間にか居なくなってて」
タカキが申し訳なさそうに答える。
『う~ん、見た目が分かれば何か分かるかもしれないけど』
「あ、ならシンさんの首に架けてるタブレット貸してもらっていい?」
ほい、と渡すとライドがサラサラと絵を描いていく。
(鉄華団のマークとかイサリビの艦内の落書きといいライドって芸術方面に才能あるよな……)
そう考えていると描き終えたライドがタブレットの画面を見せて……
見せ…………!?
(ツチノコじゃねーか!!??)
この後、マクギリスが味方なのでエドモントンまで無事に到着。
もし敵襲があったらシンから裏切り認定されてました。