軌道上の監視衛星をリアクターカノンで撃ち落とす。
(俺の姿見られたな、さてギャラルホルンはどう反応する?)
取り敢えずこの姿でやる事は全てやったので体を小型化させてゆく。
肉体をエネルギーに変換して小型化したとはいえ、宇宙ではそんなに気を使わなかったが一歩一歩で地震が起きては始末に負えないので、重力制御をフルに使って自身のみ影響下に置く。
移動しやすい第二形態に退化して重力制御で宙に浮かぶ。
(おお!こりゃいいや!)
早速ほぼ準備を終えた団長達の元へ向かった。
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『で、どうするんです?』
出航して暫く、団長からの召集で主要メンバーは蒔苗を含めて地図を囲んでいた。
俺はその前に整備長に会って装置を貰い、また会話が出来るようになっていた。
「……喋っておる……それに縮んで、浮いて……もう儂訳がわからん……」
俺を見てやけに沈んだ雰囲気を出している蒔苗のじーさん。
団長が首を振りながらポンポンと背中を叩いているのが印象的だった。
「じーさん、俺も最初はそうだったさ……コイツに関しては常識を投げ捨てた方が早いぜ?」
「若いの……!お前さんいい奴じゃな……」
何か分かり合っていた。
数日前まで喧嘩腰同士だった人達とはとても思えない。
そんな二人をさておきクーデリアが話を始める。
「まず、この船はエドモントンへ向かって進んでいます。ですがそこへ辿り着くまでにギャラルホルンからの妨害が十分に予想されます」
『俺がレーダーで見張るからこのまま突き進んでも大丈夫なんじゃない?』
「いえ、シンさんのレーダーが凄いのは知っていますが、相手はギャラルホルンです。昔一度シンさんと戦った事のある」
「成る程、知られているからこそ裏をかかれる心配があるのか」
クーデリアの提案に団長が納得する。
確かに資料がどの程度残っているのか知らないが、用心するに越した事はないだろう。
「はい、なので行き先をアラスカ・アンカレッジへ変更しました。そこにはテイワズの現地法人が持つ鉄道が有るのでそれに乗り換えて進みます。この定期貨物列車は月に一度アンカレッジからフェアバンクスを経由しエドモントンまで走っています」
「定期便なら怪しまれる事も無い……か」
団長が呟く。
「ええ、それに移動経路は都市部を外れているのでモビルスーツの輸送も可能です」
「成る程、よく考えておるな。しかしそんな都合良く定期便を使えるのか?」
蒔苗の疑問に、クーデリアは答える。
「はい、テイワズにはマクマードさんの名前を出して許可を取ってます。それと、この航路の変更についてもモンターク商会から了承を得ています」
「ほう……!地球に来たのは初めてだというのに良くここまで思いついたな」
「勉強しましたから、人々の希望になる為に」
「うむ……儂からは異論は無い!全て任せよう!」
「ありがとうございます。それと蒔苗さんには議会までに幾つかやって頂きたい事が……」
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「クーデリアさん凄かったね」
「うん、オルガも何かやったら?」
「……!?」
(こりゃまた随分と無茶振りっすねぇ……)
という訳で次回、団長演説!
やってやろうじゃねぇか!ミカァァ!!