クリュセの守護神   作:ランブルダンプ

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オーリスのグレイズは主人公がモグモグしたので、バルバトスはまだ第一形態のままです。


邂逅

さぁて夕方に成りました。

 

(俺のレーダー(?)だと此方に向かってくる左腕に赤い布を巻き付けたグレイズが見えるんだが……あ、警報が鳴った。)

 

CGSの方もにわかに騒がしくなってきた。

 

(よーし、俺の本気(第二形態)見せてやるぞー!)

 

 

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【監視班から報告!ギャラルホルンのモビルスーツが一機赤い布を持ってこっちに向かってる!】

 

その報告を聞き、オルガ達は予算とクーデリアの扱いの話を一旦止めて様子を見に出てきた。

 

先に様子を見に出てき来ていたおやっさんがグレイズの腕に巻かれた赤い布を見て「あれは厄祭戦時代の決闘の申し込みだ」と周りに教えている。

 

……と思う!多分俺の記憶が正しければ!

 

何でこんなあやふやなのかと言えば、今俺はグレイズに皆が注目している間に襲うのに良いポジション目指して走っ……嘘です、這いずっているからだ。

 

夕方になるまで待っている間に体内のエイハブリアクターの調整をしていて今の所三機を並列稼働でさせつつエイハブウェーブを感知されないように頑張った。

 

これでかなりのエネルギーとステルス性を手に入れた俺は現在マウンテンバイクの全力疾走程度の速度を手に入れていた。

 

お、三日月がバルバトスに乗り込んだ。

 

 

 

『ギャラルホルン火星支部実働部隊、クランク・ゼント!』

 

『えっ?ああ~えーっと……CGS参番組、三日月・オーガス』

 

お互いに名乗りを上げ、

 

『参る!』

 

お互い一直線に相手へと突進する。

 

 

(よし始まった!俺の目的は隙を見て三日月の援護、後最後に飛んで来るであろうメイスの柄から皆を守る事だ!)

 

グレイズとバルバトスがお互いの得物をぶつけ合う。

 

『ねえ決着ってどうつけるの?どっちかが死ねばいいの?』

『その必要はない!』

 

グレイズが斧を振りかぶり、叩き付ける。

 

『コーラル…いやもともとこちらが欲していたのはクーデリアの命だけ、大人の争いのために子供が犠牲になることはないんだ!』

 

(アインはクランク二尉をかなり持ち上げてたけど、クーデリアの命を犠牲にするのはしょうがないと考えてる時点でこのおっさんも相当だよなぁ……)

 

『さんざん殺しといて……まあもういいよ、俺はオルガに言われたんだ。あんたを殺っちまえってさ!』

 

そう言うとバルバトスがそのガンダムフレームの象徴たる膂力でグレイズを弾き飛ばす。

 

(今だ!)

 

その瞬間、戦闘の砂埃に紛れて密かにグレイズの後ろに回り込んでいた俺はグレイズに飛び掛かった。

 

 

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瞬間クランク・ゼントは困惑した。自分は何かの夢でも見ているのではないか、と。

 

しかし瞬時に状況を把握し咄嗟にシールドを使い相手の噛みつきを防ぐ。

 

 

(何なんだコイツは!?こんな巨大な生物が存在するのか!)

 

 

遠くに佇むバルバトスを一見し、

 

(連携して襲って来ないという事は少なくとも相手の味方ではないようだな、ならば)

 

 

『何者だか知らんが!決闘の邪魔をするというなb』

 

 

 

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(うるせー!俺も混ぜろや!)

 

俺は巨大な尻尾をスイングさせクランクのグレイズをバルバトスの方へと投げ返す。

 

その時運良く左腕を潰した様だった。

 

(よし!畳み掛けるぜ!)

 

そのまま片腕でバルバトスと打ち合っている所に再び突っ込みバルバトスから視線を感じながら背後のブースターに噛みついた。

 

バランスを崩したグレイズ、そこにバルバトスのメイスのスイングが当たりフレームを歪ませながら吹き飛んで行く。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

その頃三日月の一騎討ちを見守っていた仲間達は、

 

(何だアレ……?)

 

全員の心が一致していた。

 

CGSに代わる良い名前を考えてたオルガでさえ

第二形態が飛び出してきた瞬間考えるのを止めて(何だありゃあ……?)となっていた。

 

 

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三日月がメイスで吹き飛ばせば、すかさず俺が尻尾で打ち返し三日月の前に強制的に戻す。

 

(中の人にはホント同情するわーってヤバいあのグレイズの斧の振る向き的にメイスの柄に当たるわアレ)

 

直後予想が当たり、折れたメイスの柄がオルガ達の居る地点に向かって落ち始める。

 

(うおおおおおおおお間に合ええええええ!!!!)

 

俺はエイハブリアクターをフル稼働させ、オルガ達を守るべく突進を開始した。

心の片隅でコレ、オルガ側から見たら完全に襲いに来ている様に見えるよなあ……と思いながら。

 

 

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⬛⬛の予測通り、オルガの周りは大混乱に陥っていた。

 

当然である、先程から何故か三日月に味方するような行動をとっていたあの化け物が突然身を翻し、地響きを立てながら急速に此方へ向かってきているのだから。

 

「ヤバいぞアイツこっちに向かってきやがる!」

 

「おいオルガ!どうする!?」

 

「お嬢様こちらへ」

 

「フミタン!?」

 

慌てふためく大多数と唯一冷静にクーデリアを逃がそうと行動しているフミタン。

 

オルガはそのどちらとも違いじっと此方に向かってくる化け物を睨んでいた。

 

「オルガ!何ボーッと突っ立ってんだ!逃げるぞ!」

 

「慌てるなユージン、さっきからのアイツの行動を見てるとどうも俺達の味方をしてる様に見えないか?」

 

「はぁ?訳わかんねぇ事言ってんじゃねえよ!」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

(よし!尻尾を伸ばせば多分届く!)

 

全速力を出したこともあってオルガ達に届く前に目標地点に到着出来た。

 

一瞬第三形態になったときの影響でちゃんと生えている左腕を一気に地面に突き立てる!

 

(行くぜ!秋津洲式戦艦ドリフト!)

 

 

左腕を軸にして俺の体が凄い速さで反時計回りに回りだす。

 

胴体はざりざりと摩りつつ、尻尾を持ち上げる!

 

(当たれええええぇぇぇぇ!!)

 

 

砂埃が立つが俺の謎レーダーはしっかりと落ちてくるメイスの柄を捕捉している。

 

 

そして尻尾がメイスの柄に当たり……

 

(よし!……って痛ええええ!!??)

 

……突き刺さった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「俺達を……守った……?」

 

ユージンが信じられないと言外に滲ませながら呟く。

 

化け物に気を取られ気付いていなかったメイスの柄をその化け物当人(?)が尻尾で防いだのである。

 

「オルガの言ってた事がマジなのか……?」

 

昭弘も眼を見張って呟いた。

 

「まぁいいんじゃねぇか?味方だってんなら心強いしよお!」

 

切り替えが早いシノは早速あの化け物を味方と認識したみたいである。

 

「三日月は!?」

 

クーデリアの叫び声に、ハッとした一同は意識を目の前の化け物から一騎討ち最中である三日月に向ける。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

コクピット内のクランク二尉はシンゴジラとバルバトスの吹き飛ばしラリーのせいで体中にコクピットにぶつけて出来た傷を負っていた。

 

『こんな……!私は正々堂々とした一騎討ちを……!』

 

瞬間、グレイズがバルバトスの蹴りで吹き飛んだ。

 

『さっき犠牲がどうとか言ってたけど……俺は犠牲になんてなってないよ。俺と俺の仲間のためにできることをやってるだけだ』

 

折れたメイスの先端部分を拾い上げる。

 

『で、取り敢えず今は……』

 

『うおおおおおおおお!!!』

 

機体から火花を散らしながら全身の無事なブースターを全開にし、斧を振りかぶって突進するグレイズ。

 

『あんたが邪魔だ!』

 

バルバトスは当たる瞬間に後ろへ避け、グレイズの斧を空振らせると、カウンターでメイスの先端に仕込まれたパイルバンカーをグレイズのコクピットに叩き込んだ。

 

グレイズの動きが止まる。

 

『……ふぅ』

 

力を無くし崩れ落ちる相手のグレイズを確認して、後ろを振り返る。

 

『……………、………』

 

微かに無線から声が聞こえてくるが、無視する三日月。

 

(これでコイツは片付いた。後は……)

 

『オルガ、そいつはどうする?』

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

(尻尾が痛ぇ!でもこれでダインスレイヴの予行練習にもなったし!レアアロイ鋼の解析も出来るし!……やっぱ痛ぇぇ!!三日月さん抜いてコレ!!)

 

俺の方といえば尻尾に柄が刺さった後、

皆に三日月の活躍が見れるようにさりげなーく移動しながら、レアアロイ鋼の解析をしつつ、誰かに抜いて貰うのを待っていた。

 

第四形態だったら軽く弾いていたのだろうが、今の俺は第二形態。外皮もまだ柔らかく普通に刺さった。

 

しかもシンゴジラは手が短いのだ。鉱物を分解する酵素も現在製造中であるが、そもそも鉄血世界のMSと武器はべらぼうに丈夫であり、しかも俺の生体エイハブリアクターと反応して性能がアップしていて中々溶かせられない。

 

なので今はMSに乗っている三日月に頼るしかないのであった。

 

 




台詞キャンセルではなく台詞そのものを無かったことに……

流石だぜミカァ!

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