途中地雷源に突っ込み爆風で加速しつつ逃げる!
危なかった。全長は既にMS数機分とはいえ、背丈のサイズは5メートル程だったので、全力出して走った事と埋めてあった地雷のお陰でで人が見に来る前に離脱することが出来た。
(あっぶな!危ねぇ!エイハブウェーブの固有周波数とかすっかり忘れてた!)
今この状況で見つかると俺は只の怪物としか認識されないハズだ。
(転生したから■■■の未来を知ってるってのもあるし、■■■の皆には幸せになって欲しいからなぁ。)
何とかこちらは味方だというのを分かってもらう必要がある。
(クランク二尉がこの後決闘をしに来るハズだ、その時に味方に思える行動をしよう、うん)
しかし、この良く言ってキモカワイイとでも形容するしかない姿を見て、分かってくれるだろうかとすこぶる不安な俺だった。
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場面は変わってCGS執務室
「おいオルガ!お前辞めてく一軍の連中に退職金くれてやったんだって!?何で……って」
そう言い部屋に入ってきたユージン。
そして今正に辞めようとしている年少組の二人の仲間を見つけた。
「まさかお前らも辞める気か!?」
憤り掴み掛かる。
「やめろ!仕事には正当な報酬ってやつが必要だ。こいつらはよくやってくれた」
それを現CGSを乗っ取ったオルガが制止させる。
「なっ!じゃあ一軍の連中は!?」
「あいつらがここを辞めてどんな動きをするかは分からねぇ。信用に傷を付けられねぇようにな。俺たちがやるのはまっとうな仕事だからよ」
「信用?まっとう?ざけんな!今更どの口がそんな…」
それを遮りオルガが尋ねる。
「ユージン、頼んでた昨日のエイハブウェーブの反応と爆発音の件はどうだった?」
まだ怒りは収まらないようだったが、先に問題の報告をするユージン。
「あぁ、昨日は反応が一瞬で消えたからな、機械の誤作動かと思って機械の方を見に行ったがどこも壊れちゃいなかった。それで反応があった場所へモビルワーカーで行ってみたんだが」
そこで一旦言葉を区切り、
「タカキ達が埋めた地雷が全て爆発していたのと、昨日ミカがぶっ潰した敵MSが再利用出来ない位滅茶苦茶に壊れていて、その周りの土がまるでMS用の塹壕みてぇに掘ってあった」
「……本当か」
「嘘言ってどうすんだよ、マジだ。」
暫し考え込むオルガ。
「仮に敵だったとしても何で味方のMSを破壊して俺達の地雷に引っ掛かって、しかもこっちに何も仕掛けてこないのかが良く分からないね」
そう自分の疑問を述べたのはビスケット。
「もしかして巨大な化け物とか……」
年少組の片方がボソっと呟く。
「バカ!あれは見間違いだって言ったろ!」
それに即座に隣の少年が反応する。
「ん?化け物?何の話だ」
オルガが尋ねると先に発言した方の少年が答えた。
「最初の警報で俺達が向かった時、先を歩いてたこいつが爆発の煙の中をでっかい何かが逃げてくのを見たって」
「その後砂埃の見間違えだって言っただろ!」
少年兵とはいえまだ子供、周りの年長者にそんなオカルトじみた事を言ったのが恥ずかしいのだろう、語調を強めて話すのを遮ろうとする。
それを聞いてオルガは笑いながら、
「まぁ仮に化け物だったとして、何も仕掛けてこないってんならほっぽっといても問題ねぇだろうな」
「そうだね」
賛同するビスケット、
「ああ……ってオルガ!俺の話を流そうとするんじゃねぇ!!」
そして危うく話の流れに流されそうになっていたユージンであった。
主人公は基本()で喋ります。
……喋ると言うより脳内発言?
次回戦闘です。