あれから幾つか三日月さんを介して疑問を解消したりして時間が過ぎ、マクマードとの話が終わった。
最後に三日月さんがバルバトスの整備に俺を混ぜる事を了承させてから二人で部屋を出た。
何か話したそうにしている三日月さんに目で待ってと伝えてからレーダーを使って屋敷に仕掛けられている盗聴機を全て把握し、電磁波を放出して全て壊した。
(盗聴機全部破壊っと……で、何でしょう?三日月さん?)
「シン、ずっと大人しかったのってわざと?」
(そうですよ。これでマクマードは俺を鉄華団が完全に管理下に置いているって考えるハズですね。もしそれで鉄華団を認めるのなら御の字、逆に……)
「シンを使える駒扱いするとか?」
(はい。鉄華団を俺の首輪にして脅しで動かそうって腹なら……)
「どうするの?」
(まぁ認識の違いを正すって所ですかね。俺、引いては鉄華団を利用しようってのならそれ相応の報いを受けさせるまでですよ)
「何か考えてるならいいや。シン、任せたよ」
(はい、任されました!)
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そのまま俺達が団長の元へ到着するとこれから鉄華団の打ち上げが有るとの事。
(団長、お金は大丈夫なの?)
そう思ったのだが、ビスケット曰くギャラルホルンから鹵獲したエイハブリアクターが高値で売れたらしい。
(あれ……?俺エイハブリアクター作れますけど……?)
三日月さんに通訳して貰って俺がエイハブリアクターを作れる事を団長達に伝えると名瀬さんを含んで大騒ぎになった。
「今やギャラルホルンが秘匿してる技術だってのに……」
呆れた表情で名瀬さんが教えてくる。
(えぇ……言ってくれたら作りますよ?)
「うーん……一応鉄華団の資金繰りに一息つけそうかな?」
ビスケットがその場をまとめて一端この話は後で、という事になった。
途中お店に寄り大量にお菓子を購入してイサリビへと戻る。
「ほら!土産だぞ!!」
机の上に山盛りのお菓子を乗せてから年少組の皆を食堂に呼ぶ。
呼ばれた皆、最初怪訝な顔をして部屋に入ってくるが机の上のお菓子の山を見るやいなや顔を輝かせる。
入れ替わり立ち替わりで年少組がお菓子の山をどんどん崩していった。
(いやぁ随分と早く無くなりそうですね)
「そうだね」
三日月さんもいつもの火星ヤシではなくお菓子を手に取って食べていた。
「三日月もこういうの好き?」
それを見たアトラが三日月さんに訊ねる。
「ん、甘くて美味しいよ」
「分かった!今度練習してみるね!」
(あー、いい雰囲気に……頑張れアトラ)
年少組の出入りも減ってくると、お菓子の話を聞きつけてシノ達年長組がやって来た。
「団長!俺らには何も無ぇの?」
「あぁ?有るに決まってんだろ!歳星で打ち上げだ!」
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「気持ち悪ぃ……」
(大丈夫ですかー?これハンカチです。良かったらどうぞ)
「あぁ……悪ぃな、シン」
現在俺は団長の介抱をしていた。
「シン、頼まれてた水持ってきたよ」
(あぁ三日月さんありがとうございます。団長に渡してあげて下さい)
「はい、オルガ」
「あぁ……悪ぃ、ミカ」
(団長、あんまり飲んだ事無いのに飲み過ぎるから……)
一方、その頃のメリビットさん。
「何……あれ……?」(オルガを介抱するシンを見ながら)