四日連続だ!
いやまぁ気が向いたから書いただけなんですけどね
牽制の爪と槍が打ち鳴らす金属音を皮切りに再び視界の中のサーヴァント達による戦闘が再開される。
「すげぇ………。というか俺はあんなのと戦わされるのか……?」
咄嗟に弱音が漏れる。しかしセイバーは特に気にすることでもないと言ったふうに語る。
「何をびびっとるのじゃますたぁは。お主もあの状態なら十分互角以上に打ち合えるじゃろうが。」
「え、えぇ!?嘘だろセイバー!」
「いや、こんな嘘ついて儂にメリットなんざないじゃろ……少なくともあのランサーかの、それ相手なら一方的に打ち倒せるじゃろうな。」
マジでか。あれやっぱこのロリ実は凄いの?どうせ大したことないとか思っててごめんね。
「お主ひょっとして今まで儂が憑依したところでそんな強くないとか思ってたんじゃないじゃろうな……」
「そ、そんなことないない!それより、なんでランサーなんだ?見たところあのクラスは分からんがデカ犬の方が打ち込まれているように見えるんだが。」
セイバーはハァ、どダメなものを見るような目でこっちを見て呟く。
「お主、少なくとも戦術眼に関してはまるでダメじゃの……確かに一見ランサーの方が多く切りつけとるように見えるがありゃ全然刃が通ってないじゃろうが。」
「え?刃が通ってない?」
「ますたぁみたいな並の視力じゃ見えんじゃろうがかすり傷程度にしか傷がついておらんよ。見たところあのデカ犬は最低でも幻獣クラス。それこそ宝具でも使わんとロクに切りつけられんじゃろうな。」
「じゃあランサーなのに、あの槍は宝具じゃないってことか?」
「珍しい話じゃが、その可能性はあるじゃろうな。或いは宝具だとしてもあの槍が魔術的な礼装であり武器としてではない場合、というのも考えられる。そして何よりあのデカ犬は機動力もさるものながらあの巨躯じゃ。放たれる1発1発が致命必至の一撃じゃろう。」
「じゃ、じゃあつまり劣勢なのはランサーってことか。」
「うむ。それに加えてランサーの動きにキレがない。マスターがうちと同じく半端モンの可能性も高いじゃろうな。」
……悪かったな、半端モンでよ。
「ふふふ、そう気を悪くするなますたぁ。お主は戦士として重要な死を恐れる臆病さと死を恐れぬ蛮勇さを併せ持っておる。それだけで儂のますたぁ足るりえるわい。」
「な、なんだよ急に褒めて気持ち悪い。」
「きも……儂はただ、お主にも見るべきところはあるぞと……」
やべ、落ち込んじゃった。
ま、まあセイバーなりに俺を心配して気遣ってくれてるんだろうし、うん。
無事に帰れたら帰りにコンビニでシュークリームの一つでも買って帰ろう、うん。
「ほ、ほら元気出せセイバー。元気出せば帰りに……」
「うるさいわい!そんなことより話を続けるのじゃ!」
「お、おう。」
どうしたんだよ全く。いきなり怒り出して訳が分からねぇ。
「あの加えて言うならあのデカ犬はまだ余裕があるようにも見える。恐らくすぐ後ろに見えるマスターの指示かのう。」
「つまり、あのマスターはランサー達相手に余裕をこいてるってことか。」
「うむ。おそらくの。」
「なら、狙うべきは。」
「そう、狙うべきは。」
「ランサー」「デカ犬」 「「のマスター」」
……え?
「いやいやいやいや、慢心してるならそこにつけ込むのが基本だろ、なんでわざわざどこに隠れてるかも分からんランサーのマスターなんて探しに行くのさ!」
「いやいやいやいやは儂のセリフじゃ!お主ホントに見る目がないのう……魔術師としての実力は明らかにデカ犬のマスターのが上なんじゃぞ?よって恐らく儂ら以外の第三者がいなければこの人払いの結界を張ったのもあのマスターじゃ。儂ら存在にも気づいておるだろうじゃろうから奇襲にならんわ。」
ぐっ……そう言えば結界張ったやつには俺らが入ってきたことバレバレなんだった………!!
「で、でも。どうどうとしてる分不意打ちには強いだろ?マスター相手ならお前を装備すれば十分……」
「いいや、まだじゃ。単純に、
「あっ、そうか……」
「それに半端モンのマスターなら敵から追い込まれにくく、かつバレにくい場所にいるじゃろうからここからなら大体絞れる!そうして絞り込んでから一気に仕留めにいくぞ。」
「あ、あぁ分かった。しかしやっぱ凄いなセイバーは。俺にはやっぱ戦況を読む力が無い。」
「そんなのは当たり前じゃろ。というかますたぁが儂以上に凄かったら儂は必要ないわい。さて、それじゃあそろそろ行くかの。刀を抜くかいい、ますたぁ。」
「………………あぁ。」
セイバーから日本刀を渡される。
ーー重い。
ズシリとした重みは、生命を断つということを俺に伝えているのか。
これを抜けば、俺は再び妖刀としてのセイバーに意識を支配される。
目を瞑り。深く深呼吸。
いざ……抜かん!
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抜刀と同時に彼女の
骨に。肉に。血に。
全てを切り刻も蹂躙せしめるという欲望が渦のように、坩堝の如く流れ込む。
甘く。甘く。甘く。
毒のように、呪いのように
ーー血ガ欲シイ
ーー血ヲ寄越セ
ーー血ヲ刃ヘト満チサセロ。
あぁ、あぁ、煩い。
頭の中にジンジンと響いて。
あぁ、あぁ、まるで。
まるで。
人を斬りたくなるーーー!!
視界は既に狭まりこの結界の中で最も弱い命を目指し、血を啜り肉を斬り骨を刻む醜悪な剣士が一目散に空を駆ける。
俺はこんなこと戦い方など望んでないのに。
ただ生きたいだけだというのに。
身体は既に俺のものでありなが俺のものでなく。
どこまでもこの妖刀を振るうのに最適化されてランサーのマスターの首を狩る為に向かいゆく。
そして、眼前に見えるはこちらに背を向けたランサーのマスター。
綺麗に上段に構えた両腕は、堪えきれなくなったかのように、堰を切り殺気を津波のように溢れ出させる。
その殺気に感づいたか。ランサーののマスターはこちらを振り向くが時既に遅し。
その無垢なる肉は一太刀の下に肉の
今回結局サーヴァント戦までも行けなかったから多分日曜のうちにもう少し書いてアップするかも