ハリーポッターとゴーント家の令嬢   作:ゆきみかん

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癒者のまねごと

流石に、あの事件の後は素直に寮にいる事にした。

ダフネがずっと私の腕にしがみついたまま離してくれなかったというのもあるが。

ちなみに、流石に一緒のベッドで寝るのはお断りした。

 

 

翌朝により詳細にドラコ達もダフネから話を聞き驚きつつもなぜか納得しているようだった。

 

「まさかダフネを連れ戻すついでにトロールを討伐してるとは流石に驚いたよ」

「しかし、トロールをサラがねぇ・・・でもなんとなく納得しちゃうわ」

「ミリセントの言う通りだな。お前が倒したと聞いても違和感はない」

「ま、確かにね。ポッター達だけはそのままトロールにやられなかったのは残念だよ」

「そりゃどーも」

「実際どうだった?トロールは?」

 

ドラコの言葉にニヤリと笑う。

 

「愚鈍だし特殊な能力があるわけじゃないしね。簡単だったよ」

「なるほどね、いやぁ全く僕がその場にいればね。より簡単だったろうに」

「ハッ、マルフォイお前昨日トロールの話を聞いた瞬間は泣き叫んだじゃないか」

「泣いた記憶はないね」

 

そんな軽口を叩きあうノット達をみてああ日常だなと思わず笑う。

 

「私はちょっと出かけてくるよ」

「おい、今日は全講義中止だぞ」

「知ってるよ。昨日の対策のためでしょ。私は先生のとこに本返しに行くだけだよ」

 

実際は昨夜の事について一応後見人でも寮監でもある先生と話しておいた良いと思ったのだ。

 

「あ、私もじゃあ一緒行くよ」

「おいおい、ダフネこれ以上私の腕にしがみつかれたら腕取れちゃうよ」

 

ダフネは私の答えに頬を赤く染めるとぱっと手を離した。

 

「図書館も寄るから昼食は別でとるよ」

 

ダフネの手が離れた瞬間にスルリと離れるとそう言い残して談話室を後にした。

 

 

校内は昨日のトロール騒動で校内の確認をするため不要な外出は控えるようにとのお達しのためかなり静まりかえっていた。昨日の夜に明日の講義は中止と通達があったため、各寮で夜通しドンチャン騒ぎがあったからかもしれないが。

 

行きなれた先生の部屋へと着き、ノックしようとしたが扉が少し開いている。

 

「あれ?先生居ないかな?」

 

隙間からちっと中の様子を見てみると衝撃的な光景が目に飛び込んできた。

たしかに先生は中に居た。血まみれの足をソファに乗せた状態で。

 

「えぇ・・・!先生!どうしたんですかその傷は!」

 

思わず中に飛び込み声をかける。

急な来客に驚いたようにビクリと肩を震わせると、さっとローブで足を隠してこっちへと向き直った。

 

「なんのことだ。今日は寮にいるように通達が出ていたはずだが?」

「その前に、急用を除きと付いてたはずですけど。ってそんな話は良いんです」

 

先生の前まで進みローブに手をかける。

 

「まて、何でもない」

「ガッツリ見ちゃいましたよ。流石に隠し通すのは諦めてください」

 

先生はため息を付くと少し身を引きソファにへ腰掛ける。

 

「だとしても君には関係が無い話だ。寮へ戻りたまえ」

 

先生の話を無視して杖を一振りして扉を閉める。

 

「先生は寮監であるとともに私の後見人なんですよ。流石に親代わりの人が怪我してて見過ごすわけにはいかないでしょう?」

 

先生は唸るだけだった。

 

「マダム・ポンフリーの所へ行ったらどうです?」

「大げさにすることではない」

 

大げさにすることではないと言うことは大げさにしたくない。

なにか公に出来ないことで怪我をしたというところか。

 

「分かりましたじゃあ深くは聞きませんけど傷の手当は私がします、いいでしょう?私こうみえても癒術得意なんですよ。」

 

先生から否定がなかったので肯定と取る。

慎重に傷を視る。切れ味の悪い刃物で複数切り裂かれたような傷跡。傷には呪いが見て取れる。

杖で軽く傷口を叩き内部に呪いが侵食してるかも確認する。

 

「これ、あの3頭犬の噛み傷ですよね?魔法生物特有の天然の混ざった呪い。ああ、でも良かったですね。これはそこまで難しくないです。呪いの変質も大したことなさそうですし」

 

私の眼は魔法を視ることができる。もちろん魔法の構築式自体も視えるのだが、魔法発動後の固着した結果、いわゆる呪いについても構築式が視えるのだ。なので呪いの解呪は割と得意なのである。

複雑に絡み合いどうしようもない呪いは通常全体の呪いの結果に対しての治療を延々と行っていくしかないが、私は構築式に則って順番に呪いの大本に対して対処していくことができるのである。

ただし、呪いはより複雑に絡み合うと呪い自体が変質し構築式も混ざり潰れてしまう。そうなると呪いの解呪は非常に難しくなる。

 

「じゃ、止血だけしてあるみたいですから血を清めますよ」

 

杖でべっとりとした血の汚れを取除いた所で肩をぽんと叩かれた。

 

「どうしたんですか?先生」

「どうしたかではない!なぜ君があの獣を知っている」

「あ」

 

私は先生の怪我の事を考えすぎてうっかり口を滑らせたことに気がついたが後の祭りだった。

こうなってしまっては仕方がない。

 

「・・・ごめんなさい。ちょっとあの犬にはエンカウントしたことがありまして。はい」

「あ、わざとじゃないですよ、一応言っておきますと。偶然あの扉に入らざるをえなかったといいますか・・・」

 

先生は深くため息を付くと続けた。

 

「深夜徘徊は危険だから辞めるようにいっておいたはずだが」

「ハイ」

 

しかし先生はそれ以上追求はしてこなかった。

しばらく無言で治療を続ける。

混ざっている呪いを杖で突きながらバラバラの呪いに変える為魔法をかけてゆく。

 

「しかし先生どうして噛まれたのです?クィレル先生でも止めようとして巻き添えくらいました?」

「なぜクィレルのことを?」

「お忘れかもしれませんけど、クィレルの不審な行動を報告したのはわたしですよ」

 

そういって、ウィンクしてアピールしたが、無視された。

 

「まあ、そこに深く首をつっこむつもりはないですよ」

 

ある程度呪いを分割できた。

 

「さ、これで応急処置としては大丈夫だと思います。ハナハッカのエキスあります?」

「そこの薬品棚の2段めにある」

「ああ。これですね。もらいますよ」

 

ハナハッカを傷の内側へと垂らしていく。

 

「ぐっ」

「いい大人がこのくらいで声出さないでくださいよ」

 

そう笑いながら包帯を巻いていく。

 

「いい機会だから言っておくが」

「はい、どうしたんですか?先生」

「校内にて学生の知りえぬ強力な魔法を使うのは今後辞めたまえ。あらぬ誤解を招く可能性がある」

「・・・私が使ったのが闇の魔法(・・・・)だからですか?」

「どのような魔法であろうとだ」

「私は使う魔法が闇の魔法かどうかよりも、どう使うかどうかだと思いますけどね。まあ別に必要のない時に無闇に魔法を使ったりはしませんよ」

「吾輩もそう望むところだ」

「・・・さ。これで今日は終わりです。今日の処置で傷の奥から呪いが浮き出てくるはずですからあと3日ほどはその解呪作業がいりますよ。その呪いが全部切り離せたらもう大した呪い傷じゃないのであとは好きに魔法薬でも飲んで治してくださいな」

「もう今日だけでよい。この後の処置は吾輩がやる」

「はい、駄目ですー。私がやると決めたので後3日は付き合ってもらいますよ」

 

そういうサラを見てふとスネイプは昔のことを思い出した。

 

『あら、私がやるって決めたことですもの。セブルスがどう言おうと絶対やめないわ』

 

たしか、彼女の母親であるジェシカ先輩も頑固なところは多々あった。先輩の娘ということだろう。

 

「はい、終わり。さて先生。私がここに来た本題なんですけども」

 

そうだった。こいつは何をしに吾輩のところまで来たと言うのか。

 

「昨日のトロールの件ですけど。お気づきかと思いますがあれ野良じゃないですよ。誰かが明らかに手引してます」

「・・・であろうな」

「まあ誰が手引したかは先程の先生の会話から導けちゃいますけどクィレル先生でしょうね。で騒ぎを起こして手薄になった4階の廊下に侵入し、先生が食い止めたってとこですか。クィレル先生はだれの命令でこんなことしてるんですか?」

「それは君が考えるべきことではない。君は非常に危険なことに頭をつっこんでいるという自覚を持つべきだ」

「自分から突っ込んだわけでは無いですよ?」

「そう信じよう」

「まあ、どちらでもいいですけど。先生私こそ言いますけどあまり危険なことしちゃだめですよ。先生居なくなったら私また一人ぼっちにもどっちゃうじゃないですか。家族を失うのはもうたくさんです」

 

彼女の口からそんな言葉が出たことに驚かざるをえなかった。最初吾輩のことを拒絶していた幼子が大きくなり

私を家族だと言ってくれる。その言葉に吾輩はうなずかざるをえなかった。

「じゃ、先生お大事に。明日と明後日も夜間外出禁止のちょっと前に来ますので」

 

 

先生の研究室を後にしつつ、図書館へと向かう。

いくつか新しい教科書を選びつつ思考する。

 

先生が、というかホグワーツがグリンゴッツから移動した何かを守ってる。

なぜかは知らないけど、クィレル正確には彼を操る人がそれを狙っている。

具体的なことは何もわからないな・・・。なにかヒントがほしい所ではある。

先生に聞いても絶対教えてくれないだろうけど。

 

これ以上思考しても結果にはたどり着けなさそうだったので一度4階の事は頭から追い出す。

新しい魔導書のついでに魔法生物の傷とその対処法について記されている本も手に取り談話室へともどることにした。

 

 

あれから2日程が過ぎた。

毎日先生の治療を学業の傍ら行っているが、昨日見た感じ今夜にも呪いを分離しきれるだろう。

そうしたら、後はただの呪い傷。先生の手にかかればなんてことはない。

 

「ここ数日で急に冷え込んだな」

 

ノットが手をこすりながら話しかけてくる。

 

「ね、冬だねぇ」

「おかげで談話室の暖炉周りに人が多くてまいっちゃうよ」

 

そう、答える。

「そうだな。ぼくん家の暖炉を見せてあげたいよ」

とまた自慢話を始めたドラコの話を話半分に聞きつつ大広間へと向かう。

 

中庭に出る直前でハッフルパフの1年生グループととすれ違ったが、彼らは私を見ると少し怯えたように目をそらして小走りで去ってしまった。

 

「なんか怯えられてませんでした?私」

 

ドラコはニヤリと笑うと自慢げに続けた。

 

「どうやらスリザリンの君がトロールを一方的に倒したって噂が広まってるみたいだね」

 

いたずらっぽい顔をしたドラコを見るとため息をつく。

 

「誰が広げたんでしょうね?」

「さてね。僕はグリフィンドールが倒したって噂を正確に訂正しただけさ」

「まあいいですけど・・・」

 

再び歩き始めるとその先、中庭で青い炎を出して遊ぶ生徒を見かける。炎をだしては瓶へと詰め替えている。

防寒魔法ではなく柔らかなる炎で暖を取るのは面白い発想だなとふと足を止めて見る。

よくよく見ると私の知ってる人だった。

 

「ハリーとハーマイオニー、ロンか」

 

どうやら、ハーマイオニーにも友達と呼べる人間が寮で出来たみたいだ。

これでダフネも変に暴走したりはしないだろう。私は少し安心する。

 

「ちょっとサラ、なにしてるの?行こうよ」

 

パンジーにうなずきつつ足を再び動かすのだった。

 

 

 

一方中庭のハリーは明日のクィディッチ戦のことを思い憂鬱だった。

 

「明日には僕はホグワーツの笑いものだよ」

「何言ってるの、この前トロフィールームでみせたでしょう?貴方のお父様もシーカーだったのよ。遺伝よ遺伝」

「そうだぜ、ハリー元気出せよ。この前トロールと対決したこと考えてみろって。ブラッジャーなんてなんのそのだぜ」

 

ロンの言葉に3人で笑いあう。

 

「しっかし、よくやったよなぁ。トロールから生き延びるなんてさ」

「サラが来てくれてなかったら危なかったわよ」

 

ハーマイオニーが正確に事実を思い出させる。

 

「まあね。しっかしスリザリンのくせになぁ」

「だから、ロン貴方そのスリザリンでひと括りに人を見るのやめなさいよ」

「でも、あのマルフォイがいるとこだぜ」

「マルフォイはクソ野郎だよ」

「イヤなヤツはどこの寮でも居るものよ。スリザリンはそれが多いだけ。サラとダフネは少なくとも違うわ」

「まあ、でも怒らせたらやばそうだけどね」

 

ハリーの言葉にロンはあの夜の事を思い出したのか身震いした。

「トロールを一方的に倒したのもだいぶ怖かったけどさ。正直、あいつに杖向けられたときの方がよっぽど怖かったよ。あのブルーの冷たい目。やっぱあいつもただのスリザリンだよ」

「もう話しが堂々巡りになっちゃうじゃない」

 

ハリーはその会話に笑いつつ身震いする。

 

「それよりもう一回火だしてよ寒くなってきたよ」

「いいわよ」

 

ハーマイオニーは杖を振りブルーの鮮やかな炎を生み出すと器用に杖でジャムのビンへと詰め込んだ。

彼女はトロールをともに討伐するという経験をへて仲良くなったし、多少規則破りに寛大になっていた。

3人で他愛ない話をしつつ背中に瓶詰めの火をあてて暖まっていると片足を引きずっているスネイプが近づいてきた。火を扱うのは禁止に違いないと思ったハリー達は素早くピッタリとくっつき火を隠しスネイプに向けて何でもないですよといった顔つきをした。が、逆にそれがスネイプの目に止まってしまった。

 

「ポッター、そこに持ってるものは何かね?」

 

ハリーはとっさにクィディッチ今昔を出した。

 

「ふん、図書室の本は外に持ち出してはいかん。グリフィンドールは5点減点。それをよこしなさい」

 

そしてそのまま足を引きずりつつ去っていった。

 

「本を持ち出すなだって?でっちあげに違いない」

 

そう怒ってぶつぶつと文句をいった。

 

「あの足どうされたのかしらね?」

「さあね。でもすごく痛いといいのになぁ」

 

とロンも悔しがりながら続けた。

 

 

その夜、談話室では明日のクィディッチの試合についてもちきりだった。

内容は単純に試合についてやクィディッチ自体についてが半分、残りがいかにハリーが叩き潰されるかという内容だった。

 

「いやぁ、あいつが恥をかくのが楽しみだなぁ・・・」

 

ドラコはビーターの二人がハリーに向けてブラッジャーを飛ばす宣言しているのを聞きつつニンマリと笑う。

 

「ハリーは1年だし、初めての試合みたいだし心配ね」

「心配?毎度だが君はどっちの味方なんだ」

 

ハリーを心配する声に談話室がざわっとなる。

 

「どちらの味方って。もちろん試合はスリザリンを応援するわよ」

「それならいいけどね。ダフネ毎回言うがいつかキミは態度を改めないと後悔するぞ」

「まあ、いいじゃないドラコ。それよりもう一度ルール教えてよ」

 

そうパンジーは甘い声をだす。

 

「いや、お前はルール知ってるだろサラじゃないんだから」

「ノットうるさい。私の邪魔するの?」

「いいや。まあ、いいんだが・・・」

 

そんな皆の話に花が咲いているうちにこっそりと談話室から抜け出す。

そろそろ行かないと夜間外出禁止の時間になってしまう。私は気にしないけど先生的には良くないだろうから。

 

地下牢を進み先生の研究室の扉を叩く。

 

「入りたまえ」

「こんばんは先生」

「ああ」

「じゃ、さっそくやりましょうか!」

 

張り切っている私に対して先生は無言で席を立つとソファへと腰をかけた。

私がやりやすいようにしてくれているのだ。この人は相変わらずコミュニケーションが下手くそすぎる。

ふと、机の上を見るとクィディッチ今昔がおいてあった。

 

「あれ、先生も明日の試合気になるのですか?そんな本読んじゃって」

「当然、スリザリンの試合は気になって然るべきだろう。吾輩は寮監だぞ」

「ま、そうですよね。ハリーも出ますし」

 

先生は不機嫌そうに鼻をならした。

改めて治療の方へと集中する。包帯を丁寧に取り外し滲んだ血を杖で清める。

 

「ああやっぱり今日で問題なさそうですね。私の見立ては完璧です!」

 

杖で傷をつつきながら言う。

 

「良かったですね私がいて。私いなければもう2、3週間は呪いの治癒に時間かかってましたよ。如何に先生でも魔法生物の変質した呪いの解呪はなかなかに手を焼くでしょう?」

「そこは感謝するとしよう」

「今日は素直ですね先生。良いことですよ」

 

そういって上機嫌で呪いの解呪をすすめる。

 

「しかし、先生ともあろう人がいかにクィレルに気を取られていても3頭犬に噛まれるものですかね?対処出来ないことはないでしょう?」

「倒すのであればな。だが吾輩はホグワーツ教員の一人なのでね。不幸なことにあの獣にも役割がある。私が手をだしたら本末転倒であろう」

「まあ、そう言われればそうですね。噛まれたの足でよかったですね。上半身噛まれたらもっと大惨事でしたよ」

 

包帯を取り出しつつうなずく。

 

「しかし、忌々しいヤツだ。3つの頭に同時に注意するなんてことができるか?」

「まあ、そうですね。私なんて高さ的に見上げないと頭すら見えないですけども」

 

そんな冗談を言った瞬間先生は急に立ち上がりガウンで足を隠して叫んだ

 

「ポッター!」

 

私はあわてて振り返る。そこには驚いた表情のハリーが立っていた。

 

「本を返してもらえたらと思って」

「出ていけ、失せろ!」

 

ハリーは先生の声に踵を返し走り去っていった。

「あっらー、見られましたね。変な勘違いしてないといいですけど」

 

そう言って立ち上がるととりあえず扉を固く閉めた。

 

しばらく傷口を弄り回していたが、呪いの固着はなくなったのでハナハッカのエキスをすりこみ煙が出たのを確認すると包帯をきれいに巻いた。

 

「さてと、これでオッケーです先生」

「礼を言うべきだろう。サラ、何か吾輩が出来ることはあるか?」

「どうしたんですか先生」

「・・・無いならここまでだ。寮に帰りたまえ」

 

先生なりの感謝を受け止めておくべきだろう。

 

「そうですねぇ・・・」

 

なら、前に断られたことをもう一度頼んでみよう。

 

「前みたいに個人授業をして頂くのはどうですか?期間限定でもいいですが」

 

彼女の申し出に対して考える。個人授業を行うのは構わないが、彼女にこれ以上知識を与えて良いものだろうか?

すこし戸惑ったか受け入れることにする。彼女を指導する時間が増えるのは逆にいいかもしれない。

 

先生は少し考えたがうなずいてくれた。

 

「いいだろう。今年度中に可能かは分からんが時間を取ろう」

「わーい、ありがとうございます先生」

「その代わり、この講義の事は誰にも言うな。ドラコや、グリーングラスにもだ」

「了解です」

 

私は先生に寝る前の挨拶をしてウキウキと研究室を後にするのであった。

 

 

 

 

一方のハリーは今見たことを談話室でヒソヒソと話していた。

 

「分かるだろう、どういうことか。あの夜裏をかこうとしたんだ。トロールはあいつが入れたんだよ注意をそらすために」

「違うわ、そんなことない。だって先生よ?意地悪だけどダンブルドアが隠してるものを盗もうとするような人じゃないわ」

「おめでたいね。教師は全員聖人だとでもおもってるんだろう。僕はハリーの意見に賛成だ」

「だけど、サラはどうしてスネイプ先生の部屋にいたのかしら?」

「スネイプの足の治療をしてるみたいだった。それに3頭犬の事もスネイプは当然彼女が知ってるかのようなやり取りをしてたよ」

「仲間なのかも。スリザリンだし、そうだ!そうに違いない。スネイプはマルフォイよりゴーントの事を可愛がっているみたいだし」

「サラがそんなはずないわ。3犬頭にも一緒に襲われそうになったし、お忘れかもしれませんけどトロールを倒したのも彼女よ」

「カモフラージュかもしれない」

「あのときの様子みてまだそんな事言えるの?驚いちゃうわね」

「しっかし何を守ってるんだろうなぁ。ゴーントは知ってるのかな?」

「知ってるに決まってる。スネイプと盗む算段をしてるんだ」

 

ハーマイオニーはため息を付くと続けた

 

「そんな事考えても仕方ないわよ。さあ、明日は試合でしょう。ハリー。もう寝なきゃ」

「おっとそうだぜ、ハリー。明日はヘヴィな1日になるぞ」

「うん。そうするよ」

 

ハリーはなんとかスネイプの事を頭から追い出し夢の世界へと旅立つのだった。

 

 

 


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