この素晴らしい世界にデストロイヤーを!   作:ダルメシマン

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二部 10話 正統派ヒロインの誕生

「おはようござます、マスター。もうすぐ朝ごはんが出来上がりますから、少し待っていてください」

 

 俺が目を覚ますと、可愛らしいエプロン姿でキッチンに立つ美少女がいた。どうやら味噌汁を作っているようだ。あれ? 目の錯覚かな?まだ夢から覚めてなかったっけ? 自分の顔を思いっきり引っ張っていると。

 

「マスター、どうしたんですか? 顔がかゆいんですか?」

「い、いや少し寝ぼけてて。夢かと思って確認してたんだ」

 

 もう一回言おう。

 こいつは誰なんだ!?

 

「おはようございますレイさん、いえれいれいさん。私も今朝礼が終わったところなんですよ」

「ふあーあー。腹減ったなー」

 

 マリンとアルタリアも椅子に座り、朝ごはんを待っている。美少女三人と共にテーブルを囲む俺。あの二人も見た目だけなら美少女だしな。見た目だけなら。で、れいれいは見た目も中身も文句なしになった。ひょっとして俺、勝ち組かな?

 

 ――ま、待て! これは罠だ!

 

 レイの奴、本当に記憶をなくしているのか怪しい。なにも覚えていないふりをして、つい手を出した瞬間に『待っていましたよマサキ様フヘヘヘヘ』とかいってなし崩し的にヤられる可能性がある。

 警戒しながられいれいの顔を覗き込むと。

 

「ど、どうしました……私の顔、なにか付いてますかね?」

「な、な、なんでもないよ。ごめん」

 

 顔を赤らめながら照れくさそうに聞くロリっ子美少女に、つい謝ってしまう。

 よし、こうなったらアレをやろう。異世界に着たなら誰でも夢見たあの技を!

 ポン、とれいれいの頭に手を乗せ撫でると。

 

「少しくすぐったいです」

 小動物のような動きで、嬉しそうに顔を赤らめながら答えるれいれい。

 

「よし、ナデポは成功。じゃねえ!」

 

 つい調査書にメモを書いてしまいハッと気付いて破る。

 くっ、このれいれいを見てるとなんか調子が狂う。なんでだ? 俺ってこんなにピュアだったっけ? 7つの世界を追放された伝説のチーターマサキ様はどこへいったんだ!?

 気を取り直してれいれいに再度質問をする。

 

「な、なあ。ほ、本当に昔の事は覚えていないんだよな?」

「え、はい。残念ですが。私は思い出したいんです。マスターと私や、マリンさんやアルタリアさんと、どんなどんな関係だっのか……」

 

 そう言ってしゅんと悲しそうな顔をするれいれいに。

 

「いや、いい。悪い事は忘れよう。過去は捨ててこれからは新しい未来を作って行こうじゃないか」

「え? 私の記憶って悪い事なんですか?」

 

 上目遣いで俺の瞳を覗き込むれいれい。

 その紅い瞳から、一瞬あの妖怪染みたレイの動きを思い出し……。

 

「悪いっていうか……心臓に悪かったな」

「え、ええ? 私、昔の自分がよくわかりません……。わかっているのはマサキさんと一緒にいて、楽しかった事だけなんです」

 

 困った表情をするれいれい。かわいい。いや騙されるな。俺は首を振る。この一見正当派美少女の中には、メンヘラが存在していた事を思い出せ! いつあの狂気が目覚めるかわからんぞ。付き合ったら重くなるタイプかもしれない。

 でも、でもだ。今のれいれいにはそんな素振りは無い。どうみても純朴な年頃の優しい少女だ。

 くくく……どうすれば。

 そ、そうだ! 俺にはこれがあった。

 全てを見通す……いやそこそこ見通してくれる悪魔の道具、『バニルアイ』

 

『改造人間』

 

 それは知ってる。

 

『マサキのことが大好き』

 

 おお! すごい! この表示が青色で出た! 凄いぞ! レイ(改造前)だったらこの言葉と同時に真っ赤で激しく点滅するのに。

 ってことは本当に……れいれいは普通の女の子になったのか? いや美少女だ。しかも俺の事が大好きという最高の状態で? いやマジ? これマジか!? 勝ち組すぎるだろ!

 あまりの喜ばしい出来事に脳が追いつかずフリーズしていると。

 

「もしかして、お口に合いませんでした?」

「そ、ソンナコトナイヨ……。おいしいです。あ、あとマスターはやめてくれ。マサキでいい」

 

 慌てて卵焼きを食べながら答える。

 

「でもマサキ、アーネスにはご主人様って呼ばせてませんでした?」

 

 そんな俺にマリンが口を挟む。

 

「あいつは悪魔だし! 下僕だし! 俺は仲間は平等な立場だと思ってるから!」

「へえー」

 

 なにか言いたげな表情で見てくるマリン。

 

「じゃ、じゃあマサキさん。ふふ、少し照れますね」

「お、おう、れいれいさん。よろしくな」

 

 ぐっ! なんだこの甘酸っぱいのは! 恋人になりたての中学生かよ! 

 

「レイ! じゃなかったれいれい! お前のご飯はあいかわらずうめーな! おかわり!」

「はい、アルタリアさん」

 

 差し出された茶碗にご飯をつぐれいれい。この子はいつ嫁に出しても大丈夫だ。

 そういえばレイも料理は美味かったな。ただ何か薬を盛られていないかチェックが必要だったが。

 

 食事が終わった後、れいれいと俺は一緒の部屋でお話をすることにした。

 れいれいには色々と聞きたいことがあったからだ。

 

「れいれいさん、俺の事どう思う?」

「ええっと……照れくさいですね。でも横にいるだけで、心があったかくなります」

 

 そう言って、俺の手を触ろうとしてくるれいれいに。

 

「ヒッ!」

 

 つい昔のクセで手を払ってしまった。

 

「マサキさん?」

「い、いやなんでもない。ごめん、昔ヤバい女にストーカーされた事があって。それを思い出しただけなんだ」

 

 悲しそうな目をするれいれいに謝った後、今度は俺から手を差し出した。

 

「マサキさんの手、暖かいですね。なんだか安心します」

 

 にこやかな裏表の無い笑顔で笑い返すれいれい。向こうからも手をぎゅっと握り返してきた。なんだろう。とても心が温かくなる……。ぐぐぐ、なんだこれは……恋人って奴なのか? これが?

 俺はもう限界だった。

 

「マリン! 助けてくれ! 怖い! なんだか逆に怖い!」 

 

 こんな時はついマリンに頼ってしまう。普段はバカにしてるんだが……だってまともな話が出来るのマリンだけだもん。いつもごめんなさい。

 想定外の事態に陥ってしまった。あのメンヘラゴースト女のレイから、記憶を消した後にきちんと身なりを整えてみたら、正統派ヒロインが誕生してしまった。ダッシュで部屋から逃げ出し、別の部屋でゴロゴロしてたマリンとアルタリアの元へ向かう。

 

「な、なあマリン。目の前にな、俺の事を慕う可愛い女の子がいきなり誕生したんだ。しかも俺も悪くないと思い始めてる! こんなときどうすればいいと思う?」

「どうするも何も、結ばれればいいんじゃないですか?」

 

 ド正論を言うマリン。うん、彼女の言うとおりだわ。ぐうの音も出ない。

 

「マサキの奴、ビビッてやがるぜ」

 

 そんな俺の狼狽する姿を見て笑うアルタリア。

 

「くっそう! お前ら! 仮にもこれはだな、ハーレム主人公が一人の女性とくっ付きかねない、ラブコメとかだと最後の最後! クライマックスイベントだぞ? お前ら! もっと嫉妬とかしやがれ! ほら、仲間同士でカップル出来ると居心地悪くなったりするじゃん。もっと俺を奪い取れよ! ギクシャクしろよ! なんだその物分かりのよさは!?」

 

「お似合いですよ。どうかお幸せに」

「奪い取る? なにを? 経験値を?」

 

 祝福の言葉を浴びせてくるプリースト。アーンドクルセイダー。

 主人公が仲間の一人と結ばれるなんて! それよりこのままの関係を保っていたい! なんてハーレムラブコメみたいなことを言ってくれる奴は俺のパーティーにはいなかった。

 

「おめでとう!」

「おめでとう!」

「煽るな! やめんか!」

 

 むしろ俺とれいれいの関係を面白がっている状態だ。

 

「おいお前らアレだぞ? もしだよ、パーティー内で恋愛関係とか出来るとな、他のメンバーが気を使ったりして内部崩壊を起こす事って多いんだぜ。それで解散したサークルとかバンドとか色々あるんだぞ?」

「私たちの関係は、こんなことで簡単にバラバラになったりしない。だって今まで一緒に苦楽をともにしてきた仲間じゃないか!」

 

 肩をポンと叩いてアルタリアが言った。くっ、言ってる事はかっこいい、かっこいいがそれは今じゃないだろ!? 

 

「お前ら俺の事好き?」

 

 自分でもクズだと思うが、そんなゲスいことを他の二人のハーレム要因(笑)に尋ねてみる。

 

「私はアクア様の忠実なる僕! 女神に選ばれし勇者、マサキを導くのが使命ですから! それにあなたがまた悪いことを仕出かさないか見張るのも仕事のうちですね。目が離せませんわ。でもですねえ。マサキと結ばれろって言う予言は聞いてないですからね。だからそういう関係として見たことはないですね。もうこの際、レイさん、いえれいれいさんと付き合っていいと思いますよ」

 

 だめだ! このカルト女は。っていうか振られたんだけど。

 

「私はマサキの事好きだぜ?」

 

 アルタリアがそんな事を言いだす。ほう、二人の女性から愛されるとはやっぱ俺ってハーレムかな。この戦闘狂は見た目だけなら超美人だもんな。本当に見た目だけなら。胸もあるし。

 ……いや待て待て。惑わされるな。このバカ女は見た目こそ一番大人っぽいが中身は小学生レベルのガキだ。好きといってもLikeの方だ。

 

「俺のどんなところが好きだ? アルタリア?」

「モンスターをいっぱい狩らせてくれるとこー! 敵を血祭りに上げても引かないとこー! やられそうなとき助けてくれるとこー!」

 

 案の定ガキのような理由をあげてくる脳筋ガール。

 

「で、ダグネス嬢の事は?」

 

 その言葉に、ピクっとアルタリアの表情が変わる。

 

「ダグネスは……私のもんだ! 誰にもわたさねえ! ダグネスを奪おうとする奴は……この手で刻んでやる……。グググ……ッラアアア! ブッ……コロスゾ……! オッラアァア!!」

 

 ガチレズ女ももういい。

 

「な、なあやっぱりさ。今更だけど俺たちって男一人に女三人というハーレムパーティーだろ? そんな中で誰かが恋人とかそういうのは居心地が悪くなると思うんだ。気を使われても困るし。そう思わないかな?」

「私は気にしませんわ。二人の結婚式には是非呼んでくださいね。私がスピーチします!」

「これまでどおりモンスターを殺せるならさ、誰がくっ付こうがどうでも」

 

 やっぱりだめだこいつら。ハーレム主人公のヒロインの台詞じゃねえ。ずっと前から気付いてたけど。

 マリンたちに失望していると。

 

「もしもし、マスター?」

 

 ドアをノックしやがった! あのレイが? 馬鹿な!? ありえん。あいつは勝手に部屋の中に忍び込んで天井かベッドの下に隠れているのがデフォだった。

 

「ご、ごめんよれいれいさん。少し相談したいことがあったんだ。気にしなくていい」

「そ、そうですか。私嫌われたのかと思って……なんだかごめんなさい。私の記憶が戻らないばかりに」

「嫌いだなんてそんな事あるわけないよ! 誤解させてゴメン! あと記憶はそのまま封印しといていいから。二度と戻らないでいいから」

 

 申し訳なさそうに謝るれいれいに、俺も必死で謝り返す。

 ……うん、どうしたんだレイの奴は。やばいぞ。こいつ可愛い! 今までこんな事欠片も思った事なかったのに!  

 なんだ……これ、なんだ……これ……。これはなんなんだ! 俺の体の中を小さな虫が這い回るみたいだ! 

 胸はない。それはこの際仕方ない。いいだろう。俺を慕う可愛い女の子がいる。それだけで十分だ。今までの人生では決して起こりえなかった奇跡だ。巨乳がいいなんてわがままは言えない。

 

「愛ってなんだろう?」

 

 俺は哲学的なことを呟いた。昔の事を思い出す。

 そうだ、そういえば俺は幼稚園のとき、将来結婚しようね! って約束した女の子がいたんだった。今まですっかり忘れていたが。そしてその子とは小学校に上がると自然に疎遠になり、気付いたらどこかに転校していったような。今では名前すら思いだせん。なんて名前だったっけな? マジで忘れた。

 

「おいレイ! じゃなかったれいれい! お前はな、昔私の舎弟だったんだよ! やきそばパンとジュース買って来い!」

「そ、そうなんですか? わかりました。行って来ます」

「おいおい見たかよ! あのレイが私のパシリになってるぞ! こりゃいいぜ!」

 

 最低のことをやってるアルタリア。もし記憶が戻っても知らんぞ。でもこれで丁度れいれいは席を外した。今こそ相談するいい機会だ。

 

「マリン! 彼女とかってどう接すればいいんだ? マジでわからん。お前も一応女の子なら教えてくれよ! 頼むから!」

 

 マリンに拝み倒して質問する。

 

「教えてって、普通に仲良くしてたらいいじゃないですか」

 

 そんなことを言われても……。ネトゲで人を貶める方法は100個くらい知ってる俺も、女の子との接し方はわからないし。

 

「で、でもよ。彼氏彼女ってアレだろ? 男は可愛い子を持ってるだけで他の奴に自慢できるし。女はさ、イケメンと付き合ってたら他の女子にマウントとれるし。そういう利害関係の下に成り立つ関係だろ?」

「うわぁ。一体どんな育ちをしたらそんな思想になるんです?」

 

 俺の持論にドン引きするマリン。

 宗教狂いのマリンに教わるのはなんかムカつくが、女心を勉強する事にした。

 とりあえず基本は教わった。どうやら年頃の女の子はドキドキされるのが好きらしい。壁ドンもOK。キスは雰囲気がいいところでやればいいって真っ赤にして教えてくれた。

 アルタリアは押し倒してぶち込めばいいと、あまり参考にならないことも言ってくれた。

 よし。

 あとは実戦あるのみだ。いける! 俺はやれば出来る子! 行ってやる!

 

「アルタリアさん、ジュースとパン買って来ました!」

 

 れいれいが戻ってきた。

 

「ではごゆっくり」

「じゃな! やれよ!」

 

 アルタリアは物を受け取り、マリンと共に席を外した。

 よし、とりあえずは壁ドンだな。

 足を引っ掛けてれいれいを転ばせると。

 

「なにそんなところで寝転がってんだ!? ヤラれたいのか!? ああ?」

「マ、マサキさん?」

 

 バランスをくずしたれいれいに覆いかぶさるように、腕をドンと地面につけて見下ろす。でもこれじゃあ壁ドンっていうか床ドンだな。

 

「ストップ! ストオオオーーーーップ! 今のはなんですか!? ただのレイプ犯にしか見えませんでしたよ!?」

 

 影で見ていたマリンが飛び出してきてダメだしする。

 

「す、すまん……自分でも何やってるのかわかんなくてさ。ああもう! 何もわからん! 恋人の関係ってなんなんだ! わかんね!」

 

 壁を殴りながらパニックになる俺。これぞ旧式壁ドンだ。いやな事があったニートが八つ当たりで壁を殴るやつだ。

 

「マサキさんは面白いですね。少しびっくりしましたが。今度はこっちから行きますよ。えい!」

 

 そう言って俺に微笑みかけ、俺の頭を軽くでこピンするれいれい。まんざらでもないといった表情でニコニコと笑いかける。なんだこいつ。いくら何でもチョロすぎだろ? ここまで理解力あると怖い。

 再度魔道メガネで確認すると。

 青だった。

 やっぱり記憶が戻ったわけではないか……。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 こうして混乱した俺はありとあらゆる方法で恋人同士とは思えない滅茶苦茶な行動を繰り返した。

 そんな俺の行為に、れいれいは全然気にしてないどころか、むしろ楽しげだった。

 そして夜になる。

 

「ねえアルタリアさん、私たちは今晩は外で泊まりましょう。れいれいさんのあの様子なら、マサキでもきっと大丈夫ですわ」

「そうか。じゃあな!」

 

 アパートから出て行く二人。くっ! そんな気を使わなくたっていいから!

 マリンの余計な気配り……いやグッジョブなのか? のおかげで今晩はれいれいと二人きりで寝る事になった。

 一緒のベッドで寝る事になり……いやいや、色々と飛ばしすぎだろ? いいのかコレ?

 

「ね、ねえマサキさん。起きてますか?」

「う、うん。おきてる」

 

 互いに手を握りながら確認する。そういえば昔もこんな事があったな。あの時はアルタリアの実家だったが。

 

「なんだか緊張して眠れませんね。マサキさんといると、胸がどきどきするんです。この感情はきっと、私が記憶を失う前からずっと大切にしてきたものだと思いますよ」

 

 照れくさそうに話す美少女に。

 もうダメだ。俺はなにを躊躇している。俺のモットーを思い出せ。過程なんてどうでもいい。結果が全てだ。これまでも、そしてこれからも。

 俺はれいれいに覆いかぶさって、腕を掴んで迫った。

 

「れいれいさん。いやれいれい。今の状況がわかるか。お前は男と二人きりで同じ部屋にいるんだ。この先どうされても文句は言えんぞ。いいのか。本当にいいのかれいれい」

 

 怯えたような表情をするれいれいだったが。

 

「マサキさんが望むなら……いいです」

 

 覚悟を決めたようにすっと目を閉じる。彼女の体の震えが手に伝わってくる。それでもれいれいは、俺の事を拒絶したりせず、観念したように腕を広げた。

 好きにしていい。俺のなすがままにこの小さな体を差し出そうとしている。薄明かりに照らされる魅惑的な少女の体。

 

 ……くっ!

 くくくっ!

 ああああああああああああああああああああああああ!!

 うあああああ!!

 ここまで来て、やらないのは逆にダメだろ! 

 『もうやれよ! やっちまえよ!』

 『ここまで来て襲わないと逆に失礼だろ?』 

 俺の中にいる悪魔と上位悪魔が脳内で囁く。

 俺は! 

 俺は!

 俺はああああああああああ!!!

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 チュンチュン。

 雀の鳴き声が聞こえる。

 そして俺は…… 

 

 無理でした。

 まだ時間はたっぷりある。初日でコレは早すぎる。もう少し親睦を深めてからやろう。がっつきすぎだと思われるぞ。あせりは禁物だ。

 チキンな自分に言い訳しながらベッドから降りた。

 

 ……結局一睡も出来なかった。

 

 




ラブコメってなんだろう……

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