NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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今回の話で戦争篇終了でございます。

アンケートのご協力ありがとうございました。


いつもよりちょっぴり短いですが。
ま、最後は平和的にね。


では、どうぞー


073.負の連鎖の終着点 後編

 時は木ノ葉隠れの里での式典から遡ること約二ヵ月前のこと。

 

 この世界での唯一の永世中立国であり、そしてそれと同時に現代に唯一残る侍の国・・・鉄の国。

 

 その地に忍び五大国の各隠れの里の里長。つまりは影たちが集結していた。

 

 五影会談。

 

 参加資格があるのは現職の影とその護衛2名の計3名のみ。

 そして司会進行役の鉄の国から侍大将とその護衛2名。

 

 オレは四代目火影となった自来也の護衛としてその会議に参加していた。

 今のオレの直属の上司である大蛇丸とともに。

 

 火の国・木ノ葉隠れの里。四代目火影、自来也。

 護衛には伝説の三忍のひとりである大蛇丸とオレこと羽衣カルタ。

 

 風の国・砂隠れの里。四代目風影、羅砂。

 護衛は2名ついているが名前はともに不明。ひとりは傀儡使いであろう。

 

 雷の国・雲隠れの里。四代目雷影、エー。

 護衛にはキラービーを連れてきており、もうひとりの方は不明。

 

 土の国・岩隠れの里。三代目土影、オオノキ。

 護衛には黄ツチと赤ツチを連れている。

 

 そして五影たちは自分の傘を前へと置く。

 

「この度は火影殿の呼びかけによって、今ここに五影のうち水影殿を除いた四影が集った。この場を預かる鉄の国、侍大将ノブツナと申す。これより五影会談を開催する」

 

 水影の参加はなかったが、これ以上待っても来ない。ただ悪戯に時間を浪費するだけだと。皆が感じ始めたころ。それを見計らったノブツナが会談の進行を始めた。

 そしてこの会談の開催を望んだ張本人である自来也が第一声を上げる。

 

「今回集まってもらったのは他でもない。今後の忍び世界を含めた全世界の平和についてだのう」

「世界平和についてだぁ?そんな理想論に付き合わされるためにこの忙しい中呼び出されたってのか?」

「お互いに武力を高め合い、抑止し合うことによってのみ戦争のない期間は訪れる。それを怠るところから戦争が始まる。ただそれだけであろう」

 

 が、その自来也が上げた議題に対して無意味と言わんばかりの反応をする影たち。

 

「なあに。ワシだってただただのほほんとした平和が来るとは思っちょらん。戦争という武力衝突は外交カードの上での最終手段にしようという取り決めをしようというだけだ。いままでみたいなしょーもない小競り合いからグダグダとお互いに後に引けぬ泥沼の戦争へと突入しないためにものォ」

 

 今回のような忍界大戦はもう懲り懲りだと。暗に告げている自来也。

 それに対して、それが実現可能であるのであれば賛同するというのは風影である羅砂。

 では宣戦布告を義務付けたとしても、その義務の執行を強制させるだけの力はどこが担保するのか。という疑問を投げかける雷影エー。

 そもそも、対話での解決は利害と利害のぶつかり合いとなり無理で無意味だと切り捨てる土影のオオノキ。結果、戦争の勝敗によってのみ自国の道は切り開かれると言わんばかりの主張だった。

 

 

 

 

 

 この日、自来也はそのほかにも五影会談の定期的開催や中忍選抜試験の五大国共同開催、開催地持ち回りなどといった発案した案件全てがこの会談で通ることはなかった。

 

 木ノ葉隠れへと帰郷し、執務室での出来事。

 

 自来也は、机に突っ伏して不貞腐れていた。

 

「そんな、ワシだってワシの意見が全部が全部通るわけはないとは思っとったがのォ・・・。まさか全滅とは・・・」

「まぁまぁ火影様。それでも我ら木ノ葉の意志ははっきりと示すことができたじゃないですか。今回はそれだけでも成果といたしましょうよ」

 

 そうフォローを入れるのはオレ。

 こうやって自来也がここまで目に見える形でズーンと。縦線が見えるのではないかというほどに落ち込むとは思ってもみなかった。

 もちろん多少なりともテンションは落ちるだろうなとは思ってはいたが。

 

 ちなみにこの場にいるのは火影である自来也と先程まで護衛をしていたオレ、大蛇丸。そしてもう一人がこの執務室で合流した伝説の三忍の紅一点である綱手だった。

 

「ったく。行きは勇んで出ていったかと思えば、帰ってきたらコレかい」

「そうは言ってもねェ・・・綱手。バカはバカなりに考えて今回の行動を起こしたのよ」

「勝ち目はないことはないと思ったんだがのォ・・・」

 

 そんな自来也の言い訳に綱手は「あの頑固ジジイがまだ現役の土影を名乗っている以上、無理だろうに」とつぶやく。

 

「あの新しい雷影もなかなかの現実路線派だったわねェ」

「だとしたら尚更だな。・・・自来也。アンタの理想は私も共感するところだが、アンタは火影だ。木ノ葉を守る義務がある。仮想敵国共が何をしてくるかわからん限り、それに対応しうる戦力を持つことに情熱を傾けるこったね」

 

 その後、数分も立たずして大蛇丸と綱手は部屋を出ていった。

 

「ところで火影様」

 

 自来也と2人になったところで、あるお願い事をしてみることにした。

 

「んー?」

「ぼくのこと。弟子にしてくれませんか?仙人モードってやつになってみたくて・・・。いやぁ~憧れてたんですよねぇ。あの強さ」

 

 そこから始まるよいしょよいしょの嵐。

 ハンサムだの、イケメンだの、色男だの、オレは自分の知っている限りの褒め言葉を使い尽くして自来也を褒めちぎった。

 え、その答え?それはもちろん・・・。

 

 

 

「嫌だのォ」

 

 だったよ。

 

 野郎からの褒め言葉には興味ないとよ。

 

 ・・・解せぬ。

 

 とりあえず、ハーレムの術をお見舞いして出血多量のまま放置しておいた。

 

 




火影自来也に師事したら簡単に仙人化できると思ったのだが・・・解せぬ。
とは、カルタの思い。



ただ、スケベは火影になってもスケベだった。

では、また次回もよろしくお願いしますー

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